ダンボール戦機 禁忌の箱を守りし幻影   作:砂岩改(やや復活)

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第24幻 ヒーローVS闇の男爵

 

 

「今年は大判狂わせね」

 

 Dブロックの決勝までの待機時間で選手表を見ていたアミは呟く。今大会は優勝候補と呼ばれていた人物はことごとく大会初参加の人物に敗退している。

 

「まぁ、それは俺たちもだけどな」

 

 カズの言葉に静かに頷く。優勝候補と呼ばれていた森上ケイタチームに勝った自分達が言うのもなんだが今回の大会は勝者が完全に予想が付かない。

 

「バンはどう思う。このトーナメント」

 

「難しいな、ユジンさんもここまで危なげなく勝ち上がって来たからかなりの実力者だと思うけど。闇の男爵チームが有利だろうね」

 

「そうね」

 

 数の有利は実力差があれば覆るが今回、闇の男爵チームは高性能のLBXに加えてプレイヤーもかなりの実力者だ。

 接近戦を得意とする二号機、オールラウンダーなゼフィランサス、フルアームドとか言う支援装備を持つ三号機。

 チームとしてはかなり完成した編成に加えて二号機と三号機はエグザムと言うアキレスのVモードに類似した機能を持っている。

 

「気になるのよねぇ。闇の男爵」

 

「ずっと言ってるよなそれ」

 

 アミは前々から闇の男爵について気になっていた。

 特に明確な理由はないのだが気になってしたかないのだ。

 

「浮気か?」

 

「なにが!」

 

 からかうカズに睨みを効かせながらもステージに上がってきていた闇の男爵を見つめるのだった。

 

ーー

 

「さぁ、Dブロック決勝戦に勝ち進んだ両者を紹介しましょう!ユジン、オタクロスの弟子!」

 

「正義は僕が守る!」

 

「そして対するはアングラビシダスの覇者、闇の男爵チーム!」

 

 闇の男爵は紹介されると手を大きく広げて観客に挨拶する。

 

「ではバトル!」

 

「ゼフィランサス」

 

「二号機…」

 

「三号機フルアームド!」

 

「ビビンバードX!」

 

「それでは、バトルスタート!」

 

 港湾都市ジオラマに降り立った4機は実況の声と共に動き出す。ビビンバードXがビビンバードガンを撃ちながら前進するがミカの二号機がシールドで受けつつビームライフルを撃ちながら前進、互いが激しくぶつかり合う。

 

「くっ!」

 

「っ…」

 

 二号機の突進を正面から受け止めたビビンバードXのパワーに驚くが胸部マシンキャノンが火を吹く。

 素早く後退しながら二号機を蹴りあげるが追撃を加えようとするが二機の間にビームが走る。

 ゼフィランサスのシールドバッシュが直撃し吹き飛ぶ。

 

「くっ、やるな悪党ども。だが正義の拳をここで止めるわけには行かない!」

 

「アタシを忘れちゃ困るよ!」

 

 フルアームドからの二連装ビームライフル、ビームライフル、ビームキャノンの一斉砲撃がビビンバードXに襲いかかるがなんともコミカルな動きで全弾回避する。

 

「ふざけやがってぇ!」

 

「落ち着いてください、先輩」

 

「冷静に…」

 

 ビームの隙間を縫って二刀のビームサーベルで仕掛けるミカを蹴り飛ばし宙返りし、着地するとゼフィランサスがドロップキックを放ち直撃。

 転がったビビンバードXにビームが降り注いだ。

 

「ゼフィランサスの機転によりビビンバードXにビームが降り注ぐ。これは流石に大ダメージか!」

 

「やるな」

 

 爆煙から姿を表したビビンバードX。

 流石に無傷とはいかず、多少の損傷が見られる。

 

「あれだけ浴びてこれだけか…」

 

 カイトは機体の頑丈さに驚くがユジンはすぐに応戦していた。

 

「強大な敵であればあるほど正義の心は燃え上がる!食らえ!この正義の炎が宿る究極の拳を!」

 

《アタックファンクション レインバレット!》

 

「全機退避!」

 

 ビビンバードXが大きく上空に飛び上がると回転を始め、銃弾が豪雨の如く降り注ぐ。

 

《エグザムシステム スタンバイ!》

 

 二号機がエグザムシステムを起動させ一気に加速しレインバレッドの攻撃範囲まで逃げ切り、ゼフィランサスもその加速性能を生かして退避。

 だが武装を満載しているフルアームドは逃げられずに攻撃が直撃する。

 

「くそっ!」

 

「ブルーデスティニー三号機フルアームド、ブレイクオーバー!」

 

「許さない」

 

 着地したビビンバードXに弾丸の如く突っ込む二号機は胸部マシンキャノンと腰部ミサイルを撃ちながら突っ込み二刀のサーベルを振るう。

 そんな二号機を跳び箱のように飛び越えるがこの先にゼフィランサスが放ったビームが直撃する。

 

(さっきからイヤらしいところに攻撃を…)

 

 二号機と三号機の攻撃が派手なため目を引くがそれを援護するゼフィランサスが攻撃を直撃させてくる。

 やはり闇の男爵は他の二人に比べ腕が良いと言うことだ。

 

「必殺ファンクション…」

 

《アタックファンクション さみだれ斬り》

 

 二号機の必殺ファンクションが迫り避けようと移動するが行動を阻害される。

 

「なに!」

 

 逃げようとした先にシールドを構えたゼフィランサスがおり阻まれたのだ。

 

(やはり的確すぎる!)

 

 二号機のフルパワーのさみだれ斬りが直撃し悲鳴を上げるビビンバードX、そして間髪いれずに。

 

《アタックファンクション ギロチンカッター》

 

 二撃目の必殺ファンクションが直撃し地面に埋まる。

 それと同時にゼフィランサスのバルカンとビームライフル、二号機のバルカンと胸部マシンキャノン、ビームライフルに腰部ミサイルの一斉攻撃を浴びせる。

 

「ビビンバードX!」

 

 そしてビビンバードXは青い光を放ち沈黙する。

 

「ビビンバードX、ブレイクオーバー!闇の男爵チームがDブロックを制したぁ!」

 

 響き渡る歓声を耳にしながらカイトはユジンの元に歩み寄る。

 

「素晴らしいLBXだった。また再戦を願う」

 

「いえ、そちらも…これ程のLBXは師匠以外では初めて見ました」

 

 そうして互いに握手を交わした二人を見た観客はさらに歓声を高めるのだった。

 

ーー

 

 そして次のEブロックは優勝候補のハンニバル・カーンを下し、灰原ユウヤが決勝に駒を進め決勝のバトルロワイヤルに参加する者全てが決まる。

 

Aブロック 海道ジン

 

Bブロック マスクドJ

 

Cブロック 山野バン

 

Dブロック 闇の男爵

 

Eブロック 灰原ユウヤ

 

 この決勝に上がってきた全員がアルテミス初出場かつ様々な下馬評を覆してきた猛者であり、これを見守る全員がアルテミスの頂点に立つ人間は誰かと期待を寄せるのだった。

 

 

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