世界の全部が好きな子の物語   作:まなぶおじさん

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友達が好き

 私服良し、靴下良し、髪のセット良し、手荷物良し、時間調整良し、覚悟はまだ。

 何を今更、公民館へ行くことに抵抗はない。何度も顔を合わせていれば、自然と大人達とも

仲良くなるし、そもそも「せっかくの同好の士を逃してたまるか」と至れり尽くせりだ。

 だからこそ、飛び級少女も「また来ます」と言ってくれたのだ。

 あとは、自分が宇津木優季を本土までエスコートするだけ――それが最も困難にして、最重要とされる課題だ。

 ここで優季に何かあったら、優季は二度と桃生と会ってくれなくなるかもしれない。アドレス

交換をしたは良いものの、拒否される可能性だってある。

 もしかしたら、ぬいぐるみに対して嫌な印象も――

 邪念を振り払う。本土の公民館へ行くついでに、アドベンチャーな出来事と遭遇した覚えは

ない。良からぬ輩とばったり会った事もない。今日も明日も世界平和が保障されていると

いうのに、何を怯えているのやら。

 よし。

 待ち合わせ場所であるファンシーショップ前まで来て、桃生は呼吸をする。

 サークルの開催時間の都合上、金曜の夕方に出港し、朝になれば本土へ到着する――と

いうのが、だいたいいつもの流れだ。

 果たして、無事に優季を送り届けられるのか――こちらに気づいた優季が手を振り、桃生も

なんでもないように手のひらで挨拶をする。

 

「やあ、今晩は」

「こんばんはー、遅くなってしまいましたぁ」

「いや、今来たところだよ」

 

 白いフレアスカートに、カジュアルスタイルの青いトップスを着た優季を見て、桃生は心の中で「おおっ」と感想を漏らす。

 まず、私服姿の優季は可愛い。これは全てにおける前提だ。

 問題は、「これってデートなんじゃないか?」と、ふと気づいたことだ。

 デートの定義は幅広いと思うが、少なくとも、私用で、異性同士で何処かに出かける――桃生の鈍臭い頭でも、「ああこれデートだわ」と理解できる。

 

「本土なんて久しぶりですね、たのしみー」

「そうだね。本土も歩いてみようか」

 

 今が楽しいのか、優季がにこりと微笑む。

 安心する。

 誘った時は、純粋にぬいぐるみ作りを教えたかっただけなのに、その流れで仲良く出来ればなと考えていただけなのに。

 やっぱり、高校生にこうした青春はつきものなのかもしれない。

 ――よし。

 優季に、男として認められるように頑張るぞ。

 

「じゃあ、連絡船に乗ろうか」

「はぁい」

 

 間延びした声。

 それが、とても好きだった。

 

 見上げる。

 夕暮れが視界一面に広がる。それがなんだか心地良い。

 

―――

 

 連絡船は結構広く、暇つぶしがてらの散歩を行う客もいる。中には、外で歌っている

おじさんもいたり。

 一週間ほど暮らしていけるくらい施設が充実していて、食堂もあるわゲーセンもあるわ土産店もあるわ大浴場もあるわで、乗るたびについ一巡してしまう。

 特に現状なんてそうだ。土産を前にして「おいしそー」と呟く優季は明るかったし、ゲームに

チャレンジして「あーん負けたー」と悔しがる優季はめっちゃ可愛かった。

 その横顔を見ては、時折見透かされたように見つめ返される。自分に関心を抱いているようで、自分に興味を持っていると錯覚して、気持ちが物凄く高揚する。

 ――1人の人間の表情に、ここまで夢中になるなんて。

 

「うーん、船の上って不思議とテンション上がりますよねぇ」

「うん、なんでだろうね」

 

 しばらくして、自販機からコーヒー牛乳を買い、柵越しから暗がりの海を眺めている。

 魂すら吸い込みそうな闇の世界は、桃生と優季の目を釘付けにしている。他人事の危うさとは、いつだって魅力に溢れているものだ。

 

「戦車の中も良いですけど、たまにはこういうのもいいですねぇ」

「やっぱり楽しいの? 戦車道」

 

 優季は、きっぱりと「うん」と頷き、

 

「最初は、怖くなって逃げ出したりしましたけど、やっぱり戦車道が一番だなって思ってます」

 

 にこりと、本当に嬉しそうに笑う。

 彼女の笑顔は夜の海に向けられていて、それすらも海は無慈悲に吸い込んでしまう。

 

「やっぱり、友達と一緒に何かをしていると、それが一番になりますね」

「いいことを言うね」

「友達が戦車道を歩く限りは、ずっとこのまま戦車道を続けているんじゃないでしょうか。友達

無しは、正直きついかなぁ、なんて」

 

 のんびりと、そして決意を口にする。

 風に煽られて、優季のショートヘアが蝶の羽のように揺らいでいる。その目は、楽しげに海へ

向けられていた。

 自分のことなど見てはいない、けれど歪みなど感じられない彼女の語りは、桃生の心へ深く

沈んでいく。

 

「もし、友達がプロを目指すのなら、私もプロになろうかな、なんて」

「いいね、いいんじゃないかな。応援するよ、うん」

 

 よくも即答で言えたと思う。

 優季はゆっくりと桃生へ首を向け、

 

「ありがとう! でも、あんまり期待しないでね」

 

 また、嬉しそうににこりと笑った。

 今度は闇の向こう側ではなく、自分の顔を見て、確かに笑顔になってくれた。

 めちゃくちゃ恥ずかしくなって、今度は自分が、闇の海へ視線を泳がせた。

 

「……やっぱり、桃生君はぬいぐるみ関係のお仕事につきたいんですかぁ?」

 

 視線は合わせない。まだ、顔に熱が残っている。

 

「どうかな。可愛いものに携われるのなら、それでいいかなって思ってる」

 

 優季が、「へえー」と感心したように声を出し、

 

「しっかりしてますねぇ」

「い、いやあ、趣味をそのまま将来にしているだけで」

「いえ、桃生君は自分の意志で、夢を決めているじゃないですか。私は――」

 

 躊躇うように、言葉が止まる。

 桃生の思考が冷静になって、優季の横顔に目を向けた。

 

「私には、戦車しか残っていなかったから。だから、恋人みたく思っていて……」

 

 ――どうしたんだろう。

 口元は笑ったままで、けれども寂しそうに表情を陰らせて。

 なんとなく、なんとなくだが、優季が、そのまま海へ消えてしまいそうな幻想を抱いた。どきりとした。

 そんな優季から、桃生は目を離せない。そうした優季の姿にも、桃生は心惹かれていく。

 

「あ、あの」

「はい?」

「それは、俺も同じだよ」

 

 「え」と、優季の表情が停止する。

 

「俺も、ぬいぐるみが恋人のようなもので、生きがいみたいな感じ。ぬいぐるみが無い自分なんて想像できないし、これからも好きなままだと思う」

 

 どうして優季が、あんな表情を見せたのかが分からない。

 けれど、そんな優季のことを肯定したかった。今の優季の姿を流してしまえば、優季が

「あのまま」だった気がしたから。

 

「だから、俺も優季さんと同じだよ。趣味が恋人、いいじゃない。はっきりと、好きって

言えるってことじゃないか」

 

 九割がたは、嘘は言っていない。

 ぬいぐるみは恋人の「ようなもの」であり、そこでぬいぐるみとの付き合い方は完結している。

 ――恋人にしたいのは、

 

「俺は、そんな風にはっきりと言える優季さんが、好きだな」

 

 よく言うわ、と思う。

 よく言ったわと思う。

 

「も、桃生君」

 

 優季と、桃生の目が合う。

 先ほどまで居た、闇夜に溶け込んでいた優季はもういない。

 

「好き、なんて。おおげさーっ」

 

 優季がめちゃくちゃ焦る、桃生は「ほんとうだよー」と、あくまで優季を肯定する。

 

「もうっ。この年齢で、簡単に好き、なんて言われたら誤解しちゃうでしょっ」

「ごめんごめん」

 

 勿論、その言葉も否定するつもりはない。

 

「もう……」

 

 けれど、優季は笑ったままだ。

 それだけで、この船旅をした価値があったと思う。

 

 

―――

 

 午前十一時。何事も無く本土へ到着し、そのまま三階建ての公民館へお邪魔する。優季は珍しい場所にでも入ったかのように、きょろきょろと室内を見渡していた。

 桃生は、壁に貼り付けられた予定表に注目する。絵描きの同好会に、何かのセミナー、戦車道

サークルと、やはり今日も公民館は賑やからしい。

 そして、二階の欄に「ぬいぐるみ好きの集まり」の文字があることを確認する。いつものフロアを借りている事に安堵しつつ、優季に目を向ける。

 

「じゃあ、行こうか」

 

 優季は笑顔で頷き、疑いもなく桃生へ着いていく。

 同好の士に会えるだけでも気分が盛り上がるというのに、隣には優季という女性がいる。

しかも、趣味の理解者というアクセントつきで。

 命運を使い切ったかなあと思いつつ、二階へ昇り、「ここね」とドアを指差す。

 あとは慣れたもので、ドアノブを引くと、

 

「いらっしゃ――おおっ、桃生君じゃないか、こんにちは」

 

 いつもの会議室にいつものおじさんおばさん、最近は飛び級女子学生も仲間に入った。机には

色とりどりのぬいぐるみが並べられていて、現在進行形でぬいぐるみを編んでいる者もいる。

 が、そんなのんびりとした空気は一瞬にして凍結し、桃生は「やべ」と頭の中で呟く。

 二十四の目玉が、まず桃生に注目する。次に移るは、桃生の隣で控えていた優季以外に

他ならない。

 ――微笑ましく笑いあっていた大人達の表情が、瞬間的に獰猛な笑顔へと変身する。飛んでくる言葉など、

 

「あれーッ!? 桃生君ったら彼女出来たの? そうなのかい!?」

「あらッ! 可愛い子じゃなーいッ! やるわねーッ!」

「お姉さん、ささっ、こっちきて座りなさいッ! で、桃生君とはいつ知り合ったのッ!?」

 

 こんなものである。

 あれやこれやと質問を食らい、「あわわ」と優季が目を回す。

 

「皆さん落ち着いてっ。今日は、この人にぬいぐるみの作り方を教えるだけでしてっ」

 

 ほほーうと大人達が返事をする。これっぽっちも信用されていないが、下心はあるので正解と

いえば正解だ。

 

「じゃあ、座る場所は……」

 

 会議室を一瞥する。

 右を向けば年上、左を向けば年長者という空気の中、奥側に、それに当てはまらない少女の姿がある。

 桃生は「あそこにしよう」と指差し、恥ずかしい気持ちのままで大人達を横切っていく。その間にも、好奇心丸出しの目付きを無言で提供された。

 桃生が、寡黙な少女の隣に座る。更に桃生の隣に、優季が椅子に腰を下ろす。

 

「あ、あー、ここが、ぬいぐるみ好きが集まるサークルだよ」

「は、はじめまして。私は大洗学園艦から来た、宇津木優季といいます。えっと、かわいいものが好きで、その流れでぬいぐるみを作ってみようかなと思いまして、ここにきましたぁっ」

 

 申し訳なさそうな勢いで、優季が頭を下げる。すっかり年上の勢いに飲まれたのだろう、顔が

真っ赤だ。

 

「あー、えっと。優季さんのこと、あまりからかっちゃダメですからね」

 

 そこは流石大人なのか、「すまないね」と苦笑したり、「ごめんねぇ宇津木ちゃん」と

謝ったりした。

 ふう、と桃生は息をつき、

 

「まあ、悪い人たちじゃないから。ぬいぐるみのこと、いろいろ教えてくれるよ」

「は、はぁい」

 

 まだ熱を帯びているのか、多少脱力気味だ。

 しょうがないよなあと苦笑しつつ、隣に座る少女を横目に、

 

「あ、この子はね、島田愛里寿さん。まだ十三歳なんだけれども、飛び級して大学生してるんだ」

「本当ですかぁ? すごい!」

 

 優季がきらきらとした目つきで、愛里寿を見つめている。それが愛里寿にとって照れ

くさいのか、目線を逸らしてしまった。

 

「島田さんは戦車道の達人で、島田流っていう流派の後継者……になる予定らしいよ」

「すごいすごい! いいなあ、同じ履修者として、尊敬しちゃうなぁ」

 

 そこで、愛里寿がぴくりと優季に目を向ける。

 

「あなたも、戦車道を?」

「うんうん」

 

 愛里寿が「そうなんだ……」と、関心を持ったのか、そうでないのか、そんな風に反応する。

 

「優季さんは、大洗学園艦を廃艦から救ってくれたんだ」

「――あ、そういえば……」

 

 思い出したのだろう、愛里寿がまばたきをする。大人達もこの件は知っているのか、「そんなことがあったなぁ」と頷いている。

 愛里寿は少し口ごもり、視線を二度ほど逃がしながらも、優季と目を合わせる。

 

「あの黒森峰に、勝ったんだ」

「うん」

「……すごい」

 

 優季が、「そんなことないですよ」と首を左右に振る。

 

「みんなが頑張ってくれたから、何とかなったんですよ」

 

 嘘偽りなど言っていない、本音だらけの言葉を愛里寿へ投げかける。

 愛里寿は、黙ってこくりと頷いた。

 

「その時に思ったんです。戦車道って楽しいなあって――いつか、プロにもなってみようかなぁ、なんて」

 

 大人たちが「おっ、いいねえ」といい笑顔になる。

 愛里寿は、「そうなの?」と、無表情を向ける。

 

「うん……でも、友達が同じ道を歩いてくれれば、の話ですけどね。さすがに一人きりだと心細いというか、自信がないというか……」

「わかる」

 

 愛里寿が、同意するように頷く。はじめて、優季と同調した。

 

「島田さんは、やっぱりプロに?」

 

 愛里寿が、こくりと首を縦に振るう。

 

「ですよねぇ。この年齢で将来のことまで……すごいなあ、島田さんは。私なんか……」

「ううん。私も、正直不安」

 

 優季の目が、またたく。

 

「周りから天才って言われてはいるけど、プロの世界で通用するかどうかはわからない」

 

 実際、天才と呼ばれたはずの選手が、人知れず消えることもある。プロの世界では

よくある話だ。

 それは桃生も知っているし、大人達だって「実感」しているだろう。だからこそ、大人達は何も言わず、愛里寿の言葉を待ち続けている。

 

「けど、私は戦車道が好きだから。自分で、島田流を継ぐって決めたから……だから、戦車道の

プロになるよ、絶対に」

 

 その言葉に、優季は、

 

「そうなんだ」

 

 笑う。

 愛里寿の言葉を称えるように、愛里寿の言葉に共感するように、愛里寿の言葉で感激して、優季は迷いなく満面の笑顔を浮かばせた。

 ――それを見た愛里寿は、射抜かれたように目を丸くしている。

 

「やっぱり、島田さんは凄いなぁ。応援するよ、島田さんがプロになれますようにって。あ、

ファンにもなるっ」

「……あ……ありがとう……」

 

 愛里寿が、優季から目を逸らす。けれども、心地よさそうに照れくさそうにして。

 大人たちが、「いいものだねえ」と感動する。桃生は、優季と愛里寿の同調を目の当たりに

して、心の底から喜んでいた。

 ――そして、愛里寿が視線を泳がせたままで、

 

「宇津木さんも、その、プロになれたら、嬉しいなって思う……」

「ほんとう? ありがとう! うれしいなあ!」

 

 祈るように手と手を合わせながら、優季が顔と声で、満ち満ちた喜びを表現した。

 それを見て、愛里寿もどこか安心したのだろう。くすりと微笑み、けれども顔を真っ赤にした

ままだ。

 優季がきゃあきゃあと喜び、愛里寿があうあうと照れて、いくら経過しただろうか――未だ顔を火照らせながら、愛里寿はここ一番とばかりに息を吸い込んだ。

 

「――あの」

「うん?」

「宇津木さんは、戦車道が好き?」

「うん」

 

 即答だった。すぐに頷いた。

 

「宇津木さんは、その、ぬいぐるみも、好き?」

「うん」

 

 間。

 桃生が、「お」と察する。

 

「じゃあ、」

 

 ごそごそと、鞄から熊のぬいぐるみを取り出す。包帯が巻かれ、青あざが痛々しい、存在感

抜群のぬいぐるみ。

 

「これ、知ってる……?」

「うーん、知らない」

 

 きっぱりと。愛里寿は「しゅん」とうつむく。

 

「でも、かわいい! なんてぬいぐるみ? 今度買うよ!」

 

 愛里寿の顔が、「ぶわーっ」と明るくなる。

 

「こ、これっ、ボコ、ボコっていうの!」

「へえ~、ボコっていうんだぁ」

 

 優季のストライクゾーンだったのだろう。優季は、太陽のような笑みとともに興味を

抱いていた。

 

「ボコはすごくケンカっぱやくて、でも絶対に勝てないの。それでもボコはあきらめずにケンカを売るのっ」

「へえー、かっこいいなぁ。かわいいなー」

 

 ボコの外見に関しては、桃生も可愛いとは思う。

 けれど、設定に関してはどうしても「?」だった。愛里寿を傷つけたくはないから、「へえ~」と受け入れてはいる。

 

「そこがいいんだけれど……けど、人気は微妙で、グッズも中々販売されなくて――だから、自分でボコのぬいぐるみを作ってみようと思って、ここに来たの」

 

 ほうほうと、優季が口を丸くして頷く。

 そこで、愛里寿がちらりと桃生を見つめて、

 

「――でも、最初はここのドアを開けるのが、すっごく怖かった」

「そうなの?」

 

 愛里寿が、黙って小さく頷く。

 

「私、人とお話するのが苦手だから――でも、そんな時に、後から来た桃生さんが声をかけて

くれたの」

 

 優季の顔と目が、桃生に注目する。桃生は、恥ずかしそうに小さく笑う。

 

「桃生さんは、こう言ってくれた。『ぬいぐるみ、好きなのかい? 一緒に入ろうよ』って」

 

 ふう、と、愛里寿は呼吸した。

 そんなこともあったなあと、桃生は初対面の頃を思い起こす。

 

「入ってみたら、みんな優しく迎えてくれた。彼女? とか言われたけど、違うって否定もした」

 

 おじさんおばさんが、「だはは」と声に出して笑う。優季も「えへへ……」と、どうしようも

なく苦笑した。

 

「私ね、ここに来てよかったと思う――ううん、ここにきてよかった。みんなボコのことを可愛いって言ってくれたし、知ろうともしてくれた」

 

 愛里寿の目と目が、優季と合う。

 優季の目と目が、愛里寿に合う。

 

「――宇津木さんとも、こうして出会えた。今じゃ、ここも私の居場所だよ」

 

 大人たちが、照れくさそうに顔を明るくする。桃生が、安堵するように微笑む。優季が、

「うん」と頷いた。

 

「……島田さん」

 

 優季が、屈託なく口元を曲げる。

 

「気が早いかもしれないけれど……友達になろうよっ」

 

 愛里寿は、

 

「――うんっ!」

 

 裏表なく、笑顔になった。

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