フラっぴーです!
二人の日常についてです。
それでは本編のどうぞ!
俺と千秋が出会って3日がたった。この3日は本当に楽しかった。けど、それと同時に不安が込み上げてきた。楽しいって思ってるのは俺だけで千秋は楽しくないって思ってるんじゃないかっていう不安が。
次の日も俺はゲーセンに行った。今日も七海はいた。
「あ、帝人君。こんにちは。今日は何やる?」
「あ、ああ今日は千秋の好きなやつを選べよ」
「いいの!じゃあ今日はこれやろ!」
本当にギャラオメガが好きなんだな。俺たちはギャラオメガの協力プレイで遊んだ。スコアを見ると前回のスコアを超えてハイスコアを更新してランキング一位になった。となりを見ると千秋はすごく嬉しそうだった。
「やったー!一位だよ!」
「うん。そうだな」
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
「嘘。そんな顔で言ってもお見通しだよ。ねえ、何かあったの?」
千秋に嘘はつけないか。正直に話そう。
「千秋はさ、俺と遊んで楽しいのかなって。勿論俺は楽しいよ。けど、そう思ってるのは俺だけなのかなって思って。もう遊ばない方がいいんじゃないかって思って」
「何でそんな事言うの。楽しいに決まってるじゃん!もっと一緒に遊ぼうよ!」
「じゃあさ。これを見ても一緒に遊びたいと思うか」
そう言って店の外へ出て怪我をした鳩に触れた。鳩の怪我は徐々に治っていった。
「見ただろ。俺はどんな怪我も治せる奇妙な力を持っているんだ。そんな奴とまだ一緒に遊びたいと思うか?」
「そんなの関係ないよ!確かにビックリしたけどそんな理由で遊びたくないとか全然思わないよ!それに気持ち悪くないよ」
「千秋……本当に一緒に居たくないと思わないのか?」
「何度も言わせないで。私はそう思わない。だからもうそんな悲しいこと言わないで」
千秋は俺の手を握って泣きながら言った。女の子を泣かせるなんて、俺は最低だ。
「泣かないで。俺が間違ってたよ。変なこといってごめん。ほら、笑って」
「……うん。じゃあ次は格ゲーをやろう!」
「おう!(やっぱり千秋は笑っている方が可愛いな)」
俺たちは格ゲーで対戦をした。でもやっぱり千秋には勝てなかった。
「また負けたー!」
「ふふっ。そう簡単に負けないよ!」
「千秋」
「ん?」
「その……ありがとう」
「気にしなくていいよ。でももうあんなこと言わないでね」
「ああ」
俺はきっと千秋のこういうところに惹かれていったのかもしれない。今回のことで俺は千秋が好きだってことに気づいてしまった。
「よお」
「!?お前この前の!」
こいつまた来たのかよ!
「この前の借りを返しに来たぜ」
「しつこいよ!何度目なの!」
「うるせえ!俺はテメェに勝つまで何度でもだ!」
「なら今回は俺が相手するよ。俺が勝ったらもう千秋に近づくな」
「いいぜ。お前が負けたら俺の奴隷だ」
「わかった」
「帝人君!いいよ!帝人君がそんな賭けをする必要ないよ!」
「いいや。こうでもしないとこいつはずっと千秋に勝負を仕掛けてくる。だから俺がこいつを止める!」
「やろうじゃねえか!」
俺と上級生は格ゲーの『鉄拳』で勝負した。
勝負は一勝一敗で最後のラウンドは俺が少し押されていた。
「止めだー!!」
けど、俺は負けるわけにはいかないんだ!!!
「負けるかー!!」
俺は攻撃を避け、カウンターを決めて勝利した。
「何!?」
「約束通り、千秋にもう近づくな」
「ちっ!覚えてろよ!!」
そう言って上級生は帰っていった。後ろを振り向くと千秋は目を輝かせて俺の方に来た。
「凄いよ!見事なカウンターだったよ!!あんなの私でも出来ないよ!」
「そ、そうか。でもこれであいつはもう来ないよ」
「ありがとう」
「おう!さて、続きをやろうと思っていたけど、外が暗くなってきたな。続きは明日にしようか」
「うん!」
俺たちは店長に帰ることを伝えて一緒に帰った。明日やるゲームを話していた時、千秋が急に話を変えた。
「ねえ帝人君」
「どうした?」
「今日はありがとう」
「急にどうしたんだよ」
「私ね、あの上級生に何度も何度も勝負を挑まれてたんだ。何度断っても勝負を挑んできたんだ。けど、帝人君のおかげであの人は勝負を挑まなくなった。だからありがとう」
「気にするな。俺も千秋に助けてもらったからな」
話しているところ千秋の家の前まで来てしまった。
「ここが千秋の家なのか?」
「うん。じゃあ帝人君、また明日」
「おう、また明日」
そして俺たちは別れ、次の日も一緒に遊んだ。そして遊び終わってお互いまた明日と言って別れた。けど次の日、いつも先に来ている千秋の姿がなかった。俺は気になって千秋の家まで行ったけど親は出かけたと言っていた。俺は千秋に何かあったと思って、街中を探し回った。そしてある倉庫で両手を縄で縛られている千秋を見つけた。
はい!
帝人は無事七海を見つけることができるのか!
二人の過去編最終話です!
次回第11話お楽しみに!