商店街にある数多くのお店から選びでやって来たのは
たい焼き屋です!ドンドンパフパフ!昨日ご迷惑をおかけしてしまいましたし、ヤミさんに恩返ししたいので彼女の好きなたい焼きをご馳走しようと考えたのです!
「ごめんくださーい」
「ん?あぁ、昨日のにぃちゃんか。今日はどうした?」
「今日ここで働かせて下さい!」
「バイトか。元々募集してねぇからなぁ」
「いえ、ヤミさんに恩返ししたいだけなのでたい焼きをいただけるなら」
「...ふーん(ニヤッ
......なんですかそのニヤケ顔
「あははは!若いって良いね!俺が協力してらぁ!」
「有難うございます!」
やはり愛想良い方ですね。とても変な誤解をされたと思いますが気にしないでおきましょう!
僕は店主さんからお客様の対応を任かされ制服を着替えました。ここに来る皆さんは親切で会話が楽しいです。空腹を紛らわすことも出来ました。
数時間後にヤミさんがいらっしゃいました。顔を隠しておきましょう。驚かせてみたいですから。幼稚ですか?ごもっともです。
「いつものください」
「まいどっ!、です」
「........貴方はここで何をしているんですか」
「ばれちゃいましたか」
「当然です」
あちゃー、無駄でしたか。
ぎこちなさがあったからでしょうか?何故か意図的には敬語がぬけないんですよ。
ヤミさんの注文と店長さんに伝えたところもう仕事は良いと言われました。そして3つ袋を渡されました。
「?店長さん、ヤミさんの注文ってこんなにあるんですか?」
「何言ってんだにいちゃん。1つはバイト代だ。ヤミちゃんにご馳走してやれ」
「ああ!有難うございます!お世話になりました」
直ぐに制服に戻し袋を持ってヤミさんのところへ行った。着替えたことに不思議に思っているのでしょう。
「ご注文のお品です」
「........1つ多いですね」
「それはバイト代で貴方へのプレゼントですよ」
ヤミさんが首をかしげてました。萌えてしまいます。急にプレゼントをあげるなんて言われて困っているのでしょう。
「昨日のたい焼きと話し相手になってくれた件のお礼ですよ。特にたい焼きを食べていなかったら既にに餓死してました」
「........そうですか」
「お気に召しませんか?」
「........食べきれないので手伝って下さい」
「ふふ、了解です」
流石に多いですからね。昨日は殆ど1人でふた袋食べていましたからね。
ヤミさんは3つの袋を大事に抱えて一緒に公園に行きました。その間もお話し出来ました。地球に来て2日目ですが多分一番話している方ですね。
公園のベンチで僕は中が一番少ない袋をいただきました。昨日のカスタードは絶品でしたから今回のも楽しみです。
「プリンセス・ララとはまだ仲が悪いままですか?」
「........ええ。おお!チーズは甘みはあまりないですが美味しいです」
「そうですか。チョコはカスタードより甘くて少々苦いです。お気に入りです」
「ほらほら、お口周りが汚れていますよ。口を閉じて動かないでください」
「.....んっ」
親指でチョコを拭いました。
........女性の唇って柔らかいんですね。指についたチョコは僕が美味しくいただきました。
「子供っぽいですね」
「........黙ってください」
「ふふ、失礼いたしました。ん?生地が白いものがあるのですが。生焼け、ではないようです」
「生地が、白い........は!少し分けてください!」
「え?いいですけど」
半分に分けると中からチョコのようにドロドロしていて少し色が茶色っぽかったです。食べる気失せますね。
ヤミさんに渡すと凄く目をキラキラさせておーと言いながらたい焼きを見ていました。新しいおもちゃを買ってもらった子供みたいです。
ヤミさんと同じタイミングでたい焼きを頬張りました。一言で味を表すと
「「あま〜い‼︎‼︎」」
やはり同じ感想ですね。カスタードより何倍も甘い。それでいて生地とマッチしていて味がしつこくない。まさにたい焼きの1つの完成系ですね
「........美味しかったです」
「そうですね。何か特別な味だったのですか?」
「ええ、店長の気分でつくる滅多にお目にかかれない幻のキャラメル味です。初めて食べました」
それは勿体無い。絶対売れます。でもヤミさんが喜んでいるので店長さんに感謝です!そこから黙々とお互い最後のたい焼きを食べました。僕はあんこです。昨日ヤミさんが一番シンプルと言っていましたが、このほんのり甘いあんこは癖になりますね。キャラメルが一番ですけど。
「たい焼きご馳走さまでした。デビルークに来られたいならいつでも歓迎いたします」
「........たい焼き、有難うございました」
「........いえ、こちらこそ」
ヤミさんと別れ、僕はリトさんのお宅に向かいました。2日ぽっちりの付き合いでしたが別れは寂しいものです。結局ヤミさんにちゃんと言わず仕舞いでしたが。
飛んでいった方が早いですがあまり目立ちたくないので歩いて行きますか。
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「ここですか」
普通の一軒家ですね。
お金持ちとかそういう風な期待は全然ありません。寧ろ王族の僕にとって新鮮ですね。
ここのボタンを押すんですか?インターフォンってやつでしょうか?爆破したりして!........ないですねはい。
押してみましょう。
ピンポーン!
おお、音が鳴った。これで家の中いる方々に外にいる存在を伝えるんですか。
扉から出てきたのは
「初めまして、結城美柑です。ジンさんで宜しいですか?」
「はい、初めまして」
「どうぞ、上がってください」
「お邪魔します」
うん、普通の一軒家です。何の変哲もない家ですね。
「リトー、ララさーん、ジンさん来たよー」
「やっと来たか?お腹ペコペコだよ」
「リト!何でジンを呼んだの!」
「ララ...いい加減仲直せよ」
「嫌だ!」
「喧嘩しているんでしたっけ?」
「ええまぁ.....恥ずかしいところを見せてしまいました。申し訳ありません」
「兄妹ってものは宇宙共通で面倒くさいものだったんですね」
「ふふ、そうですね」
美柑さんって小学生ですよね。ララより会話が楽です。大人な雰囲気が漂っていてモテそうですね。
「ララはそんなに僕と食事するのが嫌ですか?」
「嫌だ!」
「何故です?」
「大っ嫌いだから!」
「それは何故?」
「何でも押し付けられるのはもうこりごりなの!だから嫌いなの!」
「そうですか。そんなに後継者になるのが嫌ですか?」
「嫌!」
「わかりました。これで踏ん切りがつきました」
「......?」
なんだかんだ言ってちゃんと僕の質問に答えてくれましたね。これだけが理由なら嫌われる要素がなくなりますから。
「リトさん、ララさんを任せましたよ」
「ねぇジン、さっきのってどういう「お皿並べるの手伝います、美柑さん」
振り返った僕の肩を誰かが掴んだ。まあ予想はついています。
「え、ちょっと待ってジン、どういうこと?」
「簡単な話ですよ。僕が後継者になるんです。全宇宙を支配するのには半端ない覚悟が必要です。今の悩みを解決して集中したいですから」
「な、何で急に?」
「それはララの理不尽な八つ当たりが嫌で嫌で仕方なかったからですよーっ」
「もう!」
「冗談ですよ。大体ララが後継者になること自体がおかしかったんです。僕の目的は焦りのない恋と普通の生活をする事でしたから。それを諦め仲直りするか天秤にかけただけです」
この場の全員が呆然としています。まあ兄妹と仲直りするために宇宙を支配するなんてスケールがでか過ぎますから。
あんなに嫌だって逃げてきましたが知らず知らず覚悟が出来てたのでしょう。まあ普通の生活に未練が無いと言えば嘘になりますが、モモとナナにこの重荷を全て持たせるわけにもいきませんので。
リトさんにお願いしたのは地球にいる理由が無くなり残りたいララを頼んだだけです。
「皆さんお腹が減っていることでしょうし早く食べましょう。美柑さん案内をお願いします」
「は、はい!」ゞ
敬礼してきた美柑さんを微笑みで返し共にキッチンへと向かった。
そして振り向いたその時目に写ったのは呆然と立ち尽くすララとそれをなだめているリトさんだった。
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