無限戦争
西暦20XX年7月、アルタイア独立国で巨大な火柱が上がる。センシュトラル国の英雄、カムイが能力を使ったのだ。
科学の力が進歩し、人が特殊能力を使えるようになった。それは大きな進歩であり、また、世界の滅亡への一歩でもあった。
世界最初の能力者はせいぜいサイコキネシス(物体浮遊能力)を使える程度であったが、さらに進んだ今、何もないところから炎を、水を、木をとあらゆる能力が使えるようになった。しかし、誰もが使えるわけではない。能力開発の薬を何本も打ち、その適応力があると判断された、適合者のみが使えるのだ。そして、その適合者を人々はこう呼ぶ。
――――サイコパス――――
俺はハルト連合国にある高校『ナトリアル高校』に通っている。この高校はサイコパスの適応力のない人々が集まり、ごく普通に過ごしているのだ。そして俺は……
「こら!鷹野君!授業中に寝ない!」
ゴスッという音とともに俺の脳天に硬い物がぶつかる。
「……ってぇなぁ。はるねぇの授業眠いんだよ」
目の前にいる教師に文句をいう。
「もう!学校でははるねぇはやめてって言ってるでしょ!」
はるねぇと呼ばれたその教師は俺の姉だ。とは言っても血は繋がっていない。
幼少時代、ハルト連合国はトラナイド国に襲撃を受けた。その被害はとてつもなく大きいものだった。家という家は燃やされ、大人子供が容赦なく殺されていく。俺は親に庇ってもらい、なんとか生き延びることができた。当然親は死んだ。襲撃は止み、弾や能力は飛び交わなくなったが、俺は全てを失った。住む家も食事もない俺はゴミを漁って、店の売り物を盗んで、ダンボールを組み立てて作った家で、生きてきた。しかし、そんな俺をからかうサイコパスのこどもが、俺の家を潰した。俺はひたすら泣いた。
そんなある日、生きることも止めようかと思っていた俺の前に現れた一人の女性。はるねぇだ。彼女は優しく声をかけてくれた。住むところも家族もいないことを伝えると、彼女は家に来ないかと言ってくれた。
彼女の家は立派だった。父親も母親も優しい。こころよく俺を迎えてくれたのだ。俺は全てを奪ったやつらに復讐を決意したが、どれだけ勉強しても、どれだけ仕事をこなしても、適合者でないおれは認めてもらえなかった。
やる気をなくした俺は、高校に入るとやんちゃをし始めた。授業中は寝るか遊んで、放課後は友達と町で遊ぶ。しかし、それでも俺を迎え入れてくれたはるねぇ達の迷惑にならないよう、問題だけは起こさなかった。
「はいはい、春樹先生」
おれは無愛想に答える。
「はぁ……たくもう……」
はるねぇはため息をついて教卓の前に戻る。
「じゃあ気を取り直して、この問題わかる人……」
はるねぇが全部言い終わる前に、サイレンがなる。襲撃の予兆だ。
「みんな!慌てず騒がず地下に行くのよ!」
はるねぇが地下の避難所に行くように諭す。
遠くで爆発音が聞こえる。幾度もなりやまない爆発音が俺の心を不安にさせる。
今、この世界は収まることのない戦争の真っ最中だ。
数千年も続き、何万何億もの人々が死に、それでも終わらない戦争を人々は『無限戦争』と呼んだ。
蛍の森終わってないけど、書いてしまった……firefly1122です。
いやー蛍の森ばっかり書くのも飽きてきたので、新しいシリーズを書きました!なお、このシリーズは完全不定期なので、気が向いたら書く感じになります。それでもいいよ!って人は、どうぞ楽しんでいってください!
最後に閲覧ありがとうございました。次回も見てくださる方は、気長にお待ちください!