トラナイド国、ハルト連合国から東に500キロ離れた場所にあり、大きな川が町の中央に通っている。川の付近は畑になっていたり、川から魚を採って生活している。北の方は山で、採掘場となっている。そのため、資源が豊富で、世界で3番目に発展した国だと言われている。そして、世界でも数えられるほどしかいないと言われるレベル9の能力を持つ能力者がおり、様々な戦争で活躍している。名は確かアクア。ウォーターマニピュレイト(水操りの能力)の使い手で、一つの国を水の底に沈めたと言われている。海王神の使徒と言う異名を持つほどだ。
トラナイド国へ向かう途中、俺が気になったことをジェラシーに聞く。
「お前たちは大罪を持ってるが、何がきっかけで大罪を背負うことになったんだ?」
俺の質問に少し困った顔で考える。
「そんな質問されたこともなかったな……気が付いたら大罪を背負っていた。だからいつ背負ったのか、何が原因なのかはわからない。そういう君は自分が大罪を背負った理由はわかっているの?」
俺は迷わず答える。
「ああ」
「へぇ。君が背負った時のことを聞いてみたいな」
俺は歩きながらあの時のことを語る
俺の大罪は2つ。憤怒と怠惰だ。憤怒は俺の経験した中で最も重要かつ、激しい戦争の時に背負った。戦いの中で仲間である人間に俺の力を認められなかったこと、そして自分自身でもその弱さに気付いてしまったことが原因だ。自分の弱さに腹が立ち、戦いの中でその怒りがさらに増していった。それがいつしか憤怒となり、俺の大罪となった。怠惰は戦争によって受けた心の傷が体の負担となり、動くことすら億劫になった。訓練なんてめんどうくさい、戦争なんてやってられない。そんな気持ちが俺の怠惰となった。これが俺の大罪を背負うことになったきっかけだ。そういえば俺が大罪を受けたとき、夢の中で俺と出会った。彼ら曰く俺の大罪そのものだという。彼らは俺にこれ以上大罪を増やすなと言った。彼らが一体何なのか、そして何が目的なのかがわからない。
俺の話を聞いたジェラシーは考え込む。
「大罪を受けた君……か。ぼくが大罪を受けたときはそんな奴は出てこなかった。それに大罪を増やすというのはどういうことなのかもよくわからない。大罪って一人一つじゃないのか?」
「俺はすでに二つの大罪を受けている。一人一つではないか、もしくは俺だけがそういう体質なのか……」
「それを考えるのは後にしようか。もうすぐ着くよ」
ここはトラナイド国の西側の丘。目の前に広がる大きな壁と、その向こうにある大きな塔。おそらくあそこが国の中央だろう。俺たちはどうやって侵入するかを考えた。そして、俺たちはトラナイド国の西門に”堂々と”歩いて向かったのだった。