無限戦争に終止符を   作:Firefly1122

25 / 51
暗殺者の目的

 反射的に俺は時間を止めた。先ほどまでいた暗殺者は俺の目の前にいない。ふと視線を下に落とすと、いつの間にかすぐ目の前まで来ていた。恐ろしいほどの速度だ。俺の時間停止の能力は完全には時間は止まらない。かなりゆっくりと動く。だが、ゆっくりと動くのがわかるのは銃弾以上の速度だ。暗殺者はゆっくりと動いているのがわかる。つまり、銃弾以上の速度だ。ラストの腕を掴み、時間停止の能力を付与する。

 

「っ!?」

 

 ラストも目の前にいる暗殺者に驚愕している。刹那、腰からナイフを引き抜き、暗殺者の背中に刺し込む。俺も剣でもう一人の暗殺者の首を切り落とす。そして能力と解く。

 

「ガハッ!?」

 

 ラストに背中を刺された暗殺者は、そのままの速度のまま、地面に倒れ込む。首を切り落とした暗殺者は地面に倒れ込み、首はボールのように跳ねて転がって行った。

 

「お前らは何が目的だ?」

 

 俺は背中にナイフが刺さった暗殺者に問う。反吐を吐きながら応える。

 

「グッグフ……貴様らに教えることなどない……」

「……お前らは何故アビリティドラッグを破壊したり盗んだりせず、科学者だけを殺してるんだ?」

「教えることはないと……いっただろう……」

「まあいいさ。ぼくの能力で君たちの目的はすべて筒抜けだ」

「……」

 

 ラストは暗殺者の頭に手を添える。

 

「……貴様らに隠しても無駄か……くそっ」

「答える気になったか?」

「……何でも聞けよ」

「お前らの目的は何だ?」

「アビリティドラッグ製作者を消すことだ」

「何故そんなことを?」

「俺たちの国はアビリティドラッグを悪魔の薬と考える。だからそれをこの世界から消そうとしているんだ」

「……利害が一致しているな。俺たちはアビリティドラッグ製作所をすべて破壊するのが目的だ」

「破壊するとその地域が汚染される。だから俺たちは壊さない。製作者を殺せばそれ以上増えることはない」

「いや。製作者だけを殺しても意味がないと思うね。製作者は記録を残す。それを参考に作ることができる。記録はいろんな場所に散らばる。つまり、国自体を壊滅させなければ作られるということだ」

「……そうか……はは……つまり今までしてきたことは無駄だったってことか」

「……無駄だろうね」

「はあ……任務もろくにこなせず俺は死ぬのか……」

 

 すでに背中から流れ出る血は、床に水たまりを作るほどまで流れ出ていた。もう助からないだろう。

 

「俺の国はライメイ独立国だ……行くことがあったら……娘に親父はろくでなしだったと伝えてくれ……」

「ああ、行くことがあったら伝えてやる」

 

 目をそっと閉じ、安心したような表情で永遠に目覚めることのない眠りについた。俺たちは立ち上がり、地上に出る。

 

「!?っ!」

 

 階段最後の1歩を登り切った瞬間、火の球が飛んで来た。瞬時に横に飛ぶ。

 

「侵入者よ。地下室に何か用事か?」

「……お前は?」

 

 階段を囲むように周囲に集まった兵士とその中央に立つリーダーらしき人物。

 

「エリアルと言うものだが?ま、侵入者に教える必要もなかったな」

「エリアルって確かブラスト(風使いの能力)のレベル9だね」

「おう?有名人なのか?俺」

「とりあえず、そこどけてもらおうか」

「ははは、そんな要求聞くと思う?馬鹿だね君たち」

「……」

「それじゃ、君たち罪人を今この場で処刑だ」

 

 その言葉を発した瞬間、彼の周りに空気が集まるのがわかった。刹那、目の前から彼が消える。

 

「グアッ!?」

 

 ラストがうめき声を上げる。横を見ると、ラストの腹に深々と拳が突き刺さっていた。エリアルの拳だ。俺は俊足の能力でエリアルに近づき、剣を振り上げる。

 

「!?」

 

 目の前からエリアルはいなくなっていた。

 

(早すぎる!)

 

 俺は時を止める。その瞬間、頭に鈍い痛みが走った。右から太い拳が頭に当たったのだ。俺の体に触れた者は俺の能力が付与される。つまり、発動したときにはすでに殴られていた。

 

「アッアアッ!!」

 

 耳から熱い液体が出てくる。血だ。時間停止の能力が解かれ、エリアルは俺が吹っ飛んでいるのを見て、驚く。

 

「おぅ?いつの間にそんなところに?当たった感触はあったが……」

 

 自分の腕を見ながら首を傾げていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。