無限戦争に終止符を   作:Firefly1122

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色欲

 目的地に行く途中、ラースに目的地について聞く。

 

「センシュトラル国だ。前回お前が行ったアルタイアの敵国だな。たぶんまた戦争を仕掛けに行ってるから手薄なはず」

「子供のくせにやけに賢いな」

「子供じゃないやい!」

「もう面倒だからさっさと行ってさっさと終わらせよ」

「お前は少しくらいやる気出せよ!」

 

 ガヤガヤとしながらも目的地に着く。国内は全くと言っていいほど兵士がいない。普通に国民が行き来する。俺たちもその流れに乗って潜入する。

 

「それじゃ、一気に調べにかかるぞ!」

「早く終わらせて帰ろー」

 

 二人はバラバラの方向に走って行ってしまった。俺はとりあえずありそうなところを調べてみる。最初は目立つ建物、次に重要そうな建物。と探し回っていると、一人の女性を見つけた。赤髪は美しく、瞳はキラキラと輝いている。白い肌に優し気な笑顔。俺はその美しさに見とれていた。ドクンと心臓が高鳴った。あの女性が欲しい。そんな気持ちが芽生える。俺はその女性に近づいた。

 

「あら?こんにちは。何か御用ですか?」

「ああ、いや、その……なんだ……きれいだなって」

「?ふふ。ありがとう」

 

 俺は気づいた。この女性に一目ぼれしたんだと。同時に内側からどす黒い感情が芽生える。この人を自分のものにする。これが色欲なのか。

 

「俺と来てくれないか?」

「え……ごめんなさい……いまいろいろ立て込んでて……」

「来ないのなら無理やりにでも連れて行く!」

 

 俺はその女性の腕を引っ張っていた。そして両腕に女性を抱え、俊足でその場から立ち去る。

 

「おい!誘拐だ!!エミリアが誘拐された!!」

「追え!!」

 

 周囲にいた人々が、俺を追いかけてくる。だが、俊足に追いつけるはずもない。

 

「降ろしてください!!私をどこに連れて行くんですか!?」

「俺は君に一目ぼれした。だから、君を俺のものにする」

「何を言っているんですか!?わたしには彼が……」

「っ!?……そうか。もう彼氏がいるのか……」

「だから……」

「じゃあ、その彼氏を殺す」

「っ!?やめて!彼は何も悪くないじゃないですか!」

「そうだな。だが、君がその男を愛し続けるというのなら、存在そのものを消す必要がある。でないと君を俺のものにできないからな」

 

 俺はアビリティドラッグなどもはやどうでもよくなっていた。彼女を連れて帰りたい。その一心だ。

 

「お、来たか。冬樹-!!」

 

 ラースは俺に手を振る。俺はそのまま置いて行くように俊足で走り抜ける。

 

「あっ!おい!冬樹!」

 

 ラースとスロウスも俺の後ろについてくる。

 

「おいお前なに持ってんだよ!」

「美しい女だよ俺はこいつを連れて帰る!」

「何言ってんだ!あそこは白だろ!?ならその国の人間に手を出したらダメだ!マザーの言いつけだ!」

「俺はマザーってやつの声を聞いたことがない。だから俺は言いつけなど守る必要ない!」

 

 走っていると、正面から集団が歩いてきた。旗を見るとセンシュトラルの国旗だ。恐らくセンシュトラルの兵士が帰還してきたのだろう。俺は透明化を使い、姿を消す。

 

「……子供がこんなところで何をやっている?」

 

 集団の先頭の男がそう問う。

 

「あ、カムイ!カムイ!助けて!」

「俺たちはセンシュトラルの兵士だ。迷子か?センシュトラルまで連れて行ってあげよう」

 

 カムイと呼ばれたその男は彼女の声が聞こえないようだった。

 

「俺たちは迷子なんかじゃない!」

 

 ラースはカムイに叫ぶ。その声に不機嫌な顔を見せる。

 

「そう。それじゃあ……」

 

 カムイの周囲に火花が飛び散る。

 

「敵国の兵士か?」

 

 恐ろしいほどの威圧感。それに二人とも立ちすくむ。俺も同じだった。と、隙を見せた瞬間、エミリアは俺から逃げ出す。

 

「カムイ!助けて!」

「っ!?エミリア!?」

「お、おい!何もないところから人が!?」

 

 俺の透明化も解けてしまった。

 

「貴様!エミリアに何をした!」

「別に。その女を俺がもらうつもりだっただけだ」

「何をふざけたことを言ってんだ!?」

「……ところで、お前はエミリアの彼氏か?」

「カムイ!あの人私を連れて行こうと……」

「エミリア、下がってろ。こいつは少しばかり懲らしめないといけない」

 

 カムイのさっきの威圧感はさらに膨張し、殺意、そんな言葉すら優しいほどのオーラを放っていた。刹那、手を前に突き出す。その手の平から炎を飛ばす。

 

「っ!?思い出した!」

 

 おれは躱しながら、前に立つ男の正体を思い出す。

 

「センシュトラル国の英雄、獄炎の使者の異名を持つ最強のブレイズの能力者!」

「ほぅ、俺のことを知ってるのか。だからといって、手を抜く気はない!」

 

 俺の足元から炎が噴き出す。俺は俊足で躱す。

 

「おい!俺たちも加勢するぞ!」

「おっと、邪魔はさせない!」

 

 カムイの後ろにいた兵士が俺に向けて銃を向ける。が、銃を切断する。ラースが剣で銃を切ったのだ。

 

「い、いつの間に!?」

「ねえ、面倒だからさあ、さっさとくたばってくんない?」

 

 スロウスが端から端まで一瞬で移動し、すれ違いざまに周囲の兵士を切る。俊足だ。俺はスロウスの強さがわかった。あの速度で回復し、さらに一瞬で多数の敵を葬り去ることができる。あの速度は俺とラースじゃ勝てないだろう。

 

「な、なんなんだあの速さは!?」

「よそ見してんじゃねえぞ!!」

 

 ラースは兵士を殴りつける。殴った瞬間に近接爆破で兵士を木っ端みじんにした。兵士の頭が大砲の弾のようになり、それに当たった人間を吹き飛ばす。

 

「あいつら、強いな」

「おい、よそ見してる場合か!誘拐犯よ!」

 

 カムイが炎の球を放つ。俺はしゃがみ、炎を躱し、俊足で近づく。

 

「そんな鈍い攻撃じゃ俺達には勝てない!くらえ!」

 

 カムイに剣を切りつけた。

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