無限戦争に終止符を   作:Firefly1122

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壊滅へのカウントダウン

 龍はシュバルツの攻撃を耐え続けるが、シュバルツの攻撃は激しくなる一方。龍の体力の限界が近づいている。

 

「なかなかしぶといバリアだな!!だが俺に壊せねぇ物はねぇ!!」

 

 ついにバリアが破壊され、光の矢が降り注ぐ。龍は疲労により倒れた。俺は素早く時間を止め、光の矢に近づき、触れる。リベンジエクスプロージョンの効果で、光の矢は吸収される。地面に向かって飛ぶ光の矢をすべて吸収し、シュバルツの元に向かう。シュバルツの頭に向かって手を向け、時間を動かす。

 

「何!?」

「終わりだ!」

 

 吸収した力すべてを爆発させ、シュバルツにエクスプロージョンをぶつける。エクスプロージョンの爆発で煙が立ち上る。

 

「やったか!?」

 

 地面に降り立ち、空を見る。煙が風により少しずつ消えていく。全部消えた時、そこにシュバルツの姿はなかった。

 

「ふぅ……危なかったぜ」

「!?」

 

 後ろからシュバルツの声が聞こえ、振り向く。そこにはシュバルツが立っていた。

 

「瞬間移動……じゃ、ないな。なかなかに興味深い能力だなお前の能力」

「一体あの近距離でどうやって!?」

「はっ!そんなもの教えるわけないだろ!」

 

 そういうと、俺に向かい光の矢を飛ばす。俺はリベンジエクスプロージョンで吸収し、シュバルツに近づく。すかさず剣で応戦するシュバルツ。その反応速度は速く、瞬間移動しても瞬時にこちらを振り向く。

 

「遅い!」

 

 瞬間移動で背後に回ったがシュバルツはそれを予知していたように振り向き、俺の剣を弾き飛ばす。

 

「もらったぁ!!」

 

 光の剣はそのまま俺の心臓をめがけて振るわれる。だが、シュバルツの振るった剣は空振りに終わる。瞬間移動で回避したからだ。

 

「……」

「まだ、終わらねぇ!」

「あーあ、らちが明かねぇ……」

「!?」

 

 その言葉と同時にシュバルツから力があふれ出す。その力は凄まじく、周囲の大気を動かすほどだった。俺は衝撃波を耐えきれず、吹き飛ばされる。吹き飛ばされながらシュバルツの後ろ姿を見ると、赤い羽根が生えていた。

 

「お、お前は!?」

「おいおい、俺の体を観察してる場合かぁ!?」

「っ!?」

 

 シュバルツはすでに俺の背後に移動していた。刹那、背中に強烈な蹴りが入る。俺は前方に吹き飛び、いつの間にか目の前にいたシュバルツのかかと落としで地面に叩きつけられる。

 

「ガハッ!」

「全く、手間をかけさせやがって!やっととどめ刺せるぜ!」

「く、くそっ!」

「死ねぇ!!」

 

 光の剣が俺の心臓に刺される。いや、俺の体に触れた瞬間に砕け散る。

 

「何っ!?」

「っ!?これは!」

 

 俺は龍が倒れていた方を見る、龍は膝をつきながらこちらを見ていた。龍がアンチブレイクの能力を俺に付与したのだ。それにより剣を砕き、俺は無傷で済んだのだ。

 

「くそっ!まだ体力残っていやがったか!まずはお前だ!」

 

 シュバルツは瞬時に光の穴を作り、その中に入り込む。次に出てきたのは龍の背後だった。それは一瞬だった。

 

「龍!!!」

「俺の邪魔をしたことを後悔しろ!!」

 

 シュバルツの剣は大剣に変わっていた。先ほどの攻撃より遥かに強い攻撃だろう。あれを食らえばたとえ龍の能力でも一撃で破壊されるだろう。

 俺は時間停止を使い、龍を救い出す。時間停止を解くと、シュバルツの大剣は地面に振り下ろされる。地面は大きく抉られ、そこに穴をあける。

 

「何て力だ……!」

「うぜぇ……その能力、本当にうぜぇ!!」

 

 シュバルツの頭に角が生えてきた。まるで悪魔だ。

 

「お前も悪魔なのか!?」

「ああ……悪魔だ!知らないのか?七の悪魔を!」

「七の悪魔?」

「大罪を背負う人間に宿る悪魔のことだ。俺の大罪は憤怒!そして、俺に宿る悪魔はサタン!こいつを操るのは大変だったぜ!」

「悪魔を……操る?」

「おっと、しゃべりすぎたな。もっとも、お前は死ぬ運命なのだから、今知ったこともすぐに忘れるのさ!」

 

 一瞬で光の穴に入り込み、俺の目の前に移動する。俺は時間停止をし、躱そうとするが、すでにそこにシュバルツはいなかった。時間を停止する瞬間にどこかに移動した。だが、周囲を見渡すもどこにもシュバルツはいなかった。

 時間停止を解くと、その瞬間俺の背後に移動していた。咄嗟にガードするも、俺も龍も蹴り飛ばされていた。

 

「一体どこに……!」

「あん?ああ、ちょうど異次元を移動していた時に時間を停止させたのか……あーあ。俺のもう一つの能力がばれちまったなぁ」

 

 そう言いつつ、頭を掻く。

 

「ま、だからと言ってお前らに勝ち目はないがな!」

 

 光の中に入り込む瞬間に俺は時間を止める。そこに光の穴が開き続けていた。俺はそこに飛び込む。そこは白い空間が広がっていた。光の空間だ。時間を動かすと、シュバルツは驚きのまなざしでこちらを見る。

 

「これでお前は瞬間移動はできない!」

「……はっ!だからどうした!!だからと言って俺に勝てるものか!!」

 

 光の剣を無数空中に浮かせ、すべてが俺に切りかかる。俺はリベンジエクスプロージョンで防ぐ。そして瞬間移動で目の前に出る。

 

「終わりだ!」

 

 すべての吸収した力をすべてこの爆発に込める。爆発の衝撃で体が後ろに飛び、光の穴から飛び出す。地面に転がり、光の穴があった場所を見るが、そこにはもう何もなかった。

 

「やった……か」

 

 俺は立ち上がり、龍が倒れている場所に向かう。先ほどの爆発で俺も腕にダメージを負った。シュバルツの力を圧縮して爆発させたようなものだ。まともに食らえばひとたまりもない。もちろん能力を発動した俺も無事では済まなかった。

 ゆっくりと龍のところに向かう。やけに足取りが重い。視界がぼやけ、気を抜くと今にでも倒れそうだ。先ほどの戦いでほぼすべての体力を使ったからだろう。

 一瞬気を失い、よろめく。なんとかふんばり、龍の方を見ると、先ほどまではなかった人影が見える。だが、視界がぼやけて誰だかわからない。

 

「誰……だ」

「はっ……はははは……お前、本当にたいしたものだよ」

 

 声が聞こえる。この声はシュバルツのものだった。

 

「な、んで……」

 

 俺は力を振り絞り、構える。だが、うまく力が入らない。

 

「……もうお前戦えないだろ」

「……」

「安心しろ。俺も戦えない。お前に腕を二つとも吹き飛ばされちまったからな」

「……それは……嘘、だ」

 

 シュバルツの能力は腕があってもなくても使えるはずだ。空中に光を圧縮して物体を作り、それを自分の意思で動かせる。無数の光の剣を一度に操作したように。

 

「……まあ、嘘だ。だが、俺は強いやつと戦いたい。もう戦えないお前を無駄に殺すことはしない。また戦うことができるかもしれないからな」

 

 俺はその場に倒れる。朦朧とする意識の中、最後にシュバルツが俺に対して発した言葉を最後に、俺は意識を失った。

 

 

 目を覚ますと、少し先に冬樹が倒れていた。ボロボロの姿で。慌てて駆け寄り、息を確かめる。

 

「……よかった。まだ生きてる」

 

 一度安堵し、自分が気絶する前の状況を思い出し、周囲を見渡す。

 

「シュバルツは……いないか」

 

 冬樹が倒したのだろうか。そういう考えを巡らせている間に、遠くの方から雄たけびが聞こえてきた。その方向を見ると、別の国の兵士が武器を高くかざしながら走ってきていた。何人かの兵士が前に出るが、あっけなく倒されていく。

 

「……冬樹、お前だけでも逃げてくれ」

 

 俺は冬樹を担いで自分の家に戻る。

 まだ敵兵の距離は遠い。だが、いつかは俺の家にも攻めてくるだろう。その前に転送装置で冬樹をじいさんのいる無人島に送り、転送装置を破壊しないといけない。

 おおおおお!という敵兵の雄たけびがどんどん近づくにつれ、周囲の建物で破壊音が聞こえてきた。

 

「もう少し!」

 

 階段を上り切り、自分の家のドアを開ける。奥の部屋にある転送装置の場所に行くと、一人の男がいた。

 

「一体どうやって……!」

 

 ここは暗号を解かないと出入りすることはできない。扉を破壊したら別だが、扉は破壊されていなかった。

 

「ぼくはちょっと訳ありでね。君の記憶を覗かせてもらった。そしてここの暗号もしっかりと解かせてもらったよ」

 

 俺は冬樹を担ぎながら腰に付けていた剣を構える。

 

「まあまあ、構えないでくれ。別に君を殺そうというわけではない。冬樹を預かりに来たんだ」

「お前冬樹の知り合いか?」

「まあね。もっとも、本人はぼくのことを嫌っているみたいだけど」

 

 ギターを鳴らしながらそう語る男。こいつを信用していいのだろうか。

 そんなことをしている間に、建物の一階から破壊音が聞こえてきた。それと同時に一般市民の悲鳴も聞こえる。

 

「ほら、急がないと手遅れになるよ。」

「……わかった。お前を信用する。そこの転送装置に冬樹を連れて入ってくれ」

 

 冬樹を男に託す。俺は急いで装置の操作に取り掛かる。もう敵兵の気配はすぐそこまで来ていた。

 

「転送を開始する!……冬樹を頼んだ」

「うん。任せておいてよ」

 

 男と冬樹は転送され、その場所から姿を消す。俺はすかさずその転送装置に剣を振り下ろす。ビリビリと火花が飛び散り、火を噴く。それに反応した消化装置が天井から水を撒く。

 ドンッと音を立て、この場所の扉が破壊された。俺はすでに死んでいる。敵兵に殺されるくらいなら自分で死ぬのが一番だ。もちろんただで死ぬなんてことはしない。時限爆弾を即席で作り上げ、設置しておいた。その威力はこの建物を一瞬で破壊し、その近くにいる兵士もまとめてやれるだろう。この戦いを終わらせられるのは冬樹だと俺は確信していた。

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