倒れこんだシュバルツの頭に足を置き、腕を組み勝ち誇るラース。
「ははは!俺の勝だ!」
そういいながらシュバルツの頭をぐりぐりと押さえつける。シュバルツの体から赤いオーラが噴き出していた。俺達でも分かった。あれは憤怒だ。
「……めぇ……」
小さく呟くシュバルツ。それに対してラースは、
「ん?よく聞こえなーい!もっと大きな声で!」
と煽っていた。シュバルツは踏んづけられているにもかかわらず、平然と立ち上がる。ラースは慌てて離れた。
「てめぇ!ぜってぇ許さねえ!!」
シュバルツがそういった瞬間、ラースの周りに光の穴が無数に現れる。刹那、光の穴から光の矢が飛び出す。ラースは俊足を使い躱しながら、剣で躱せない光の矢をはじく。しかし、躱しきれなかった矢がラースの体を掠める。
「っ……!野郎!!」
ラースは地面に向かって能力を使い、爆発させる。煙の中に矢が飛び、しばらくすると収まった。
「……下か!」
シュバルツは上に飛ぶ。刹那、地面が爆発した。ラースは能力を使い、地面を掘り進んできたのだ。
「ちぃ!」
「無駄だ!!」
シュバルツはラースが出てきた穴に向かって光の槍を投げつける。しかし、ラースは素早く避ける。そして、シュバルツが着地した瞬間に銃を向ける。だが、シュバルツもすでに無数の光の穴をラースの周りに準備していた。
「やるなぁ、ガキ!」
「お前もな!あと、俺はガキじゃない!」
銃弾は確実にシュバルツの頭を撃ちぬける。ラースの周りの光の穴は先ほどよりもラースに近い位置だ。逃げ切れる距離ではない。
ラースが引き金を引き、銃弾が飛び出したと同時に、光の矢が発射された。シュバルツは引き金を引かれる瞬間に体を反らし、銃弾を躱す。髪が銃弾でこすれ、切れる。
「はははっ!俺の勝だな!ガキ!!」
シュバルツが体勢を元に戻した瞬間、シュバルツの腹に剣が突き刺さった。
「ぐはっ……!?」
「はぁ……はぁ……ははっ!」
「な……ぜだ……!」
光の矢は躱せる距離ではない。確実にラースに当たったはずだった。
「痛いよ……お前に貫かれた横腹が!」
ラースの横腹に血が滲んでいた。
俺は見ていた。ラースが躱した瞬間を。撃つと同時に後ろに向かって能力を起こし爆破させる。爆風で前に前に飛んだのだ。爆破で後ろから飛んできた矢の一部は破壊したが、破壊できなかった矢が横腹に突き刺さった。
「ガハッ……!」
ラースは剣を抜く。シュバルツは体勢を崩す。
「今度こそ、俺の勝ちだ!」
「……ははは……ふはははは!!」
「!?」
シュバルツの腹に開いた穴はみるみるうちに回復していく。
「!?」
「おい、ガキ!お前は負けだ!俺の能力は光を操る能力だけじゃない!」
「ラース!!さっき言っただろ!!奴の能力は!」
「瞬間回復能力だ!!」
シュバルツは立ち上がる。腹に開いた穴はすでに塞がっていた。
「おらぁ!!」
「ぐあっ!!」
シュバルツはラースを蹴り飛ばす。ラースは横腹へのダメージでうまく動けない。
「あいつらはお前の仲間かぁ?」
シュバルツは俺を見つけ、微笑む。
「ははっあいつがいるじゃねえか。面白いやつだったぞあいつは!」
「ぐぅ!」
光で槍を作り、ラースに向ける。
「これで終わりだ!!」
槍がラースに向かって放たれる瞬間、ラースはその場から消えた。
「!?」
シュバルツが横を見るとそこにはラースを抱えたスロウスがいた。
「なんだ?ガキが増えたぞ!」
「ラース、大丈夫?」
「くっ……スロウス……!すまない」
ラースの横腹に向かってスロウスは能力を使う。回復の能力だ。みるみるうちに怪我が治る。
「お前も回復の能力か!」
「……お前には、負けない」
怪我が治り、ラースは起き上がる。
「行くよ、ラース」
「ああ、俺たちは二人で一人だ!!」
「ああ、いいだろう!二人でかかってこい!!」
シュバルツは本気を出し、悪魔の姿に変わった。だが、ラース、スロウスは動じなかった。