「おいおいもっと楽しませろよ!」
「もう見てられない!俺も行く!」
俺は瞬間移動でクロノスの背後に移動し、剣を振るう。しかし、リフレクターにより弾かれる。
「くっ!」
「お前、さっきから何を見ていたんだ?そんな攻撃が俺に通るわけがないだろ」
リフレクターの反射により、俺は飛ばされ、木に体を打ち付ける。
「冬樹!」
「おい、人の心配をしてる場合か?」
クロノスはスロウスに向かって石を蹴る。クロノスの蹴りはリフレクターの反射により、強化され、石が弾丸のような速度で打ち出される。スロウスはそれをギリギリで躱す。
「どうしたら……!」
クロノスの足はまるで石をかき集めるような動きをする。しかし、意識は完全にこっちに向けている。無意識で武器となるものをかき集めているようだ。
(私が、私があいつを倒すしかない!)
スロウスは俊足で距離を詰め、剣を振るう。リフレクターにより弾かれる。しかし、反射される前に移動し、再び振るう。
「何やってんだ?そんな攻撃では俺に傷一つ付けられないぞ!」
「確かにあなたに傷一つ付けられない。でも、そのうち隙ができる!」
スロウスの俊足の速さはだんだん早くなる。まるで瞬間移動のようにも見えるが、超高速で移動しているだけだ。クロノスのリフレクターは意識して使っている。どこにいるか把握できない状況ではリフレクターは使えない。
ものすごい速度で切り続け、クロノスに一瞬の隙ができた。その隙をついて、懐に潜り込む。
「何ッ!?」
リフレクターを発動される前にスロウスはクロノスに剣を切りつける。
「ぐああああっ!こんのおおお!!」
クロノスは一瞬怯むも、スロウスに蹴りを入れる。しかし、スロウスはすでにそこにはいない。
「速い!」
スロウスはクロノスの背後にすでに回り込んでいた。次々と切りつけられ、クロノスに反撃のすきもなかった。
「ちくしょう!だったらこれでどうだ!」
クロノスは地面を殴る。その瞬間、リフレクターにより、地面が揺れる。
「っ!?」
スロウスは揺れた地面に足を取られ、転んだ。
「やっと止まったな!」
地面に倒れるスロウスに向かって石を蹴り飛ばす。
「っ!」
スロウスは目を瞑り、覚悟する。しかし、いつまでたっても石が飛んでこない。恐る恐る目を開けると、ラースが目の前に立っていた。その腹部には石が食い込んでおり、血がしたたり落ちる。
「ラース……なんで……」
「俺に……できることは……もう……これくらいだから……」
そのままラースは地面に倒れこむ。スロウスはすぐにラースの体を支える。
「ラース!ラース!!」
「あとは……頼んだ……」
ラースはそういうと、そっと目を閉じる。
「ラース……ラース!!!」
スロウスは叫んだ。それと同時に強い力があふれ出す。
「な、なんだ!?」
スロウスはラースに回復能力を使い、傷口を一瞬で回復させた。回復速度は遥かに上がっている。しかし、ラースは目を覚まさない。
「よくも……よくもおお!!!!」
スロウスは俊足でクロノスに近づき、剣を切りつける。しかし、リフレクターに弾かれる。
「お前の速度には意識では追いつけない。だから無意識で発動させたリフレクターだ。もうお前の攻撃は通らない!」
しかしスロウスは俊足で移動しようとはしなかった。その代わり、リフレクターに止められた剣に力が入る。
「はあああああ!!!」
スロウスの握る剣は黒くなり、リフレクターにひびを入れる。
「何ッ!?」
リフレクターは粉々に砕け散り、クロノスに大きな隙ができた。スロウスは踏み込み、剣をクロノスに突き刺す。
「ガハッ!!」
剣を突き刺した傷口からクロノスの体が腐り始めた。
「なんだあの能力は!スロウスにあんな能力はなかったはずだ!」
「まさか、限界突破したのか!?」
クロノスは腐敗した傷口に苦しむ。
「これが、私の怒りよ……。兄弟の痛み、しっかり味わいなさい!」
「スロウス、封印を」
「うん」
スロウスはクロノスの頭にとどめの一撃を入れた。煙となったクロノスはそのままスロウスに吸収された。
「うう……」
ラースがうめき声を上げながら起き上がる。
「ラース!」
「スロウス?終わったのか?」
「うん!よかった……!助かってよかった!!」
スロウスはラースに抱き着き、泣きわめく。俺はラストに尋ねる。
「これで、悪魔は全員集まったのか?」
「ああ、これでいよいよ最後の儀式ができる」
「最後の儀式?」
「それは基地に帰ってからだね」
「そうか。ところでスロウス、最後のあの能力はなんだ?」
スロウスはだいぶ落ち着いたのか、いつものトーンに戻る。
「私のインスタントリカバリーが限界突破した能力みたい。回復と腐敗の能力。触れた相手、または剣にその能力を宿し、切りつけた場所を腐敗させることができる」
「それはとんでもない能力だな」
「敵には回したくないね。さ、儀式をするために帰ろうか」
俺たちは基地に向かって歩き出した。