無限戦争に終止符を   作:Firefly1122

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ラスト、暴走

 強力な能力を持った兵士たちが集い、連携してラストを追い詰める。ラストは俺たちの手の内で踊らされているだけだ。

 

「くっ!この僕が!この僕がこんな!」

 

 疲れで体勢を崩すラスト。無理もない。敵の攻撃を躱しつつ、戦線離脱しようと飛んだ場所になぜか敵がいる。それを躱すために能力を使い、また躱しきれない攻撃により体力を持っていかれる。

 

「それで終わりか?ラスト」

「くっ……!フレアっ!君の力を吸収したら僕は最強になれるっ!」

 

 目の前に立つフレアに手を伸ばす。体の一部に触れると大罪の力はより大きい大罪に引き込まれ、大罪を持つサイコパスの力となる。そのため、ラストはフレアを捕らえようとする。しかし、体力が残っていないラストはそれが精いっぱいだった。ひょいっと躱され、逆に攻撃を食らう。

 

「ガハッ!!」

「お前、もうあきらめろ。この人数が相手だ。いくら大罪の力を持っていようが勝ち目などあるわけがない」

「……フフッ」

 

 ラストは地面に突っ伏せながら、微かに笑う。

 

「何がおかしい?」

「僕は、最強に、なるんだ」

 

 突然ラストから黒い煙が立ち込める。

 

「な、なん……っ!?」

 

 フレアは気づいた。だが、その時にはもう遅かった。背後に現れた光の穴から手が伸び、自信の体に触れていることに。

 急速に失われていく力。フレアはその場に膝をつき、そのまま倒れる。

 

「ぐあああああああ!!!」

 

 ラストは叫びを上げた。七つの大罪を犯したものは暴走を起こす。それを知っているのは俺だけだ。

 

「な、なんだ!?」

 

 突然の変貌に戸惑う兵士たち。

 

「危ない!!にげっ……!」

 

 俺が全ての言葉を発する前に兵士の体はあり得ない角度で曲がった。それはまるで糸の切れた操り人形のようだ。

 

「ひっ!?」

 

 隣でそれを見た兵士は短い悲鳴を上げ、立ちすくむ。刹那、その兵士の背後にラストが瞬間移動してきた。

 サイコキネシス。すべての能力の元であり、人類が一番最初に持った能力だ。それはすべての物質、全てのものを圧縮、膨張、移動と様々な形で操ることができる。今まさに、それが行われていた。

 背後に瞬間移動したラストは目の前の兵士を圧縮。圧縮された兵士はまるで一枚の板のようになっていた。

 

「何故だっ!なぜ目くらましがきかない!!」

「無駄だ!今のラストは何も見えていない!目の前にあるものすべてを潰すだけしか能がないんだ!」

 

 現に、目の前に広がる森の木をすべて圧縮。一つの巨大なボールのようにしてしまっていた。

 

「だったらこれで!!」

 

 カムイは炎の球をラストにぶつける。だが、炎の球は弾き飛ばされた。

 

「くっ!だったら、これでどうだ!!」

 

 カムイは地面から火柱を立てる。火柱はラストを直撃した。しかし、火柱の中から獲物を見つけたような目を光らせるラストが現れる。能力が全く聞いていなかった。

 カムイは自分が狙われているとわかり、炎の鎧をまとい、身を守る。しかし、そんなもので防げはしなかった。カムイは原型をとどめないほど膨張し、そのまま破裂。血肉が周囲に散らばる。その血肉もカムイ自信の炎によって一瞬で蒸発した。

 

「このおおお!!カムイをよくも!!」

 

 エリアルは風に乗りラストとの距離を詰める。風の剣を作りだし、ラストに振るうがラストは体を前に倒し、それを躱す。ならばと縦振りでラストを捉えるが、地面を手で押し、横へ飛び、それを躱す。ラストは腕を伸ばし、エリアルの首を捉える。

 

「ぐっあっ!ぐっ!」

 

 エリアルは首を押さえ、息苦しそうにしていた。そのまま空中に持ち上げられる。

 

「エリアル大佐!!」

 

 エリアルの国のものがエリアルを助けようと能力や銃を発砲。接近してラストを倒そうとする者もいたが、全ての兵士は返り討ちにあった。

 ラストのわずかに開いたエリアルの首を捉える左手をぐっと握った時、エリアルの首は吹き飛び、体は地面に落ちた。

 

「あれが……暴走……」

 

 俺は唖然としていた。俺が一度体験した暴走。それを目の前で見ているのだから。殺戮マシンと化したラスト。あれを止められるのは七つの大罪を持つことができる俺しかいないだろう。

 俺は意識を集中させ、精神の世界へ入る。

 

「エンド!!お前は大罪を作り出せるんだよな!!だったら俺が持たない大罪を作り出してくれ!!」

「そんなことして何になる?再び暴走し、今度は仲間ごとあいつを殺すつもりか?」

「くっ……!」

 

 俺はわかっていた。暴走状態は自分自身ではコントロールは難しい。いや、できないと言っても過言ではない。なぜなら無意識なのだから。

 俺は考えた。暴走状態にならない方法を、ラストを止める方法を。

 

「……待てよ。無意識ならあいつが使っていた能力がある。あれは意識をはっきりさせながら無意識で能力を発動させることができる」

「それができると?ラストも無意識の能力を持っているんじゃないのか?」

「……やってみないとわからない」

「……ふっ。仕方ない。お前が暴走して体を壊されても困る。ここは俺に任せてくれ」

「どういうことだ?」

「俺とお前は同じ体にある別の人格。人格を入れ替えれば可能だ。だが、その前に俺の封印を解いてくれよ」

 

 悪魔とは人間の体に乗っ取り、別の人格として生きるものだ。つまり、俺の人格でもあるということだが、エンドはそれを利用し、エンド自身の力を発揮しようと考えている。そしてもう一つ、よからぬことも考えていた。

 エンドが何を考えているのか俺はわかっていた。だが、俺は仲間を助けたい、ラストを助けたい、その一心だった。

 

「エンド、お前が考えていることはお見通しだ。だが、俺はお前を信じる。お前が俺の別人格だというのなら、きっと……」

 

 俺はエンドの封印を解いた。

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