無限戦争に終止符を   作:Firefly1122

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主人格

 腕と足、どちらも失いもはや動くことすらままならない。もちろんそんな僕が兵士を務められるわけもなく、病室のベッドでただ天井を見つめていた。

 ガラガラとドアを開く音が聞こえた。そちらを見ても誰もいない。

 

「春ねえ、冬樹の様子は?」

 

 誰もいないはずのその場所に僕は話しかける。すると、そこから声が聞こえた。

 

「ダメね。もう抑えられない。もうじき夏鬼が目覚めるわ」

「……そうか。もともと無理があったんだ。冬樹もよく抑えていたほうだと思うよ」

「いや、むしろわざと冬樹の中に眠っていたのね。夏鬼」

「……どういうことだ?」

「失った力を取り戻すために冬樹に戦わせたってこと。今までの戦いにいくつか不明な点があった。冬樹が本来死ぬはずだった未来、能力が発動し、過去に戻っているの。それから冬樹の力が及ばないときは、夏鬼が表に出て、力を発動している。そして、冬樹は何者かに唆されていたように動いていたわ」

「本来死ぬはずの未来……死ぬ直前に過去に戻るなんてそんなことは!」

「もちろん意識してできるものではないわ。夏鬼が発動させたと考えるべきね。冬樹が死んでも夏鬼は復活できただろうけど、冬樹に死なれてはいけない理由があった。だから過去に戻り、冬樹を生き残らせた」

「何者かに唆されていたように動いていたというのも……」

「夏鬼が関与した可能性あるわね。あとラスト、彼もまた夏鬼に操られていた可能性あるわ」

「夏鬼どこまで手の込んだことを!」

 

 僕はない腕をベッドの上に叩きつける。

 

「もう夏鬼は復活する。私たちができるのは夏鬼を再び封印することだけね」

「冬樹がいなくてできるのか?」

「……おそらくできないわ。でも冬樹がまだ中で眠っているだけであったら……冬樹を目覚めさせられれば可能かもしれない」

「可能性は限りなく低いよね」

「ええ」

「でも行くしかない」

 

 僕は自己再生能力で体を再生する。

 

「春ねえ、いつまで姿を隠しているつもりだ?」

「一応行方不明ということにしているから隠してたけど、もう意味ないわね」

 

 春ねえは姿を現す。

 

「行こう、主人格を止めるために!」

 

 

 冬樹は立ったまま意識を失っているようだ。先ほどから声をかけても全く反応がない。幸い奴は周りの兵士に敵意を向け、暴れているため、こちらに攻撃してくることはない。

 

「……っ」

「冬樹!?」

「……冬樹……か」

「?」

 

 様子が違う。いや、これは様子が違うというレベルではない。雰囲気、オーラ、あふれ出る力が違いすぎる。

 

「お前は!?エンドか!?いや、それ以上に!!」

「ふっエンドは俺の力の一部に過ぎない……ようやく、準備が整った」

「準備?」

 

 俺が首をかしげてその男を見つめていると、突然腹部に衝撃が走る。そのまま後ろに飛ばされ、木にぶつかる。

 

「ガハッ!?」

 

 吐血し、そのまま木を背に崩れ落ちる。薄れゆく意識の中、部下たちの呼びかける声が聞こえた。

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