無限戦争に終止符を   作:Firefly1122

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記憶の真相

 俺たちに実害はなかった。気を失った子供達も元気にはしゃいでいる。昨日の出来事を聞いてみたが、ギターを持ってるお兄ちゃんに曲を弾いてもらってたと言っていた。気を失ったことは覚えていないらしい。俺も曲を弾いている男を見つけ、そのあと気を失った。なぜ気を失ったのかは覚えていない。カルマも同様覚えていないようだ。

「昨日俺たちに何があった……」

俺は昨日のことが気になり、そう独り言を言う。

「昨日の気を失ったことについてか。俺もあの未来は見えなかった」

「あのギターを持った男……あのひとが何か関係ありそうなんですが」

「あの男か。確かにあの男を見つけてそのあと気を失った。可能性はあるな」

俺は昨日のことが気になり、こう提案する。

「俺、過去に行ってきます。昨日何があったのか気になります」

「そうか。いいと思うぞ」

過去に行ける保証はない。でも、未来に行けたのだから、不可能ではないはずだ」

 俺はあの出来事の前、公園に着く前の時を思い浮かべる。

(戻れ、戻れ、戻れ)

戻れ戻れと強く念じる。

 ギュルルルと何かを回すような音が頭の中に響く。

 ふと目を開けると、そこは昨日の任務を終えたあと、公園の前を通る瞬間だった。

「どうした?冬樹」

俺を不思議そうに見つめるカルマ。

(そうか。今のカルマ大佐は次起こることを知らないのか)

「カルマ大佐。この公園で俺たちは気を失います。原因は不明です」

「冬樹、いつ未来に行ったんだ?」

「いえ、過去から来ました」

カルマは少し驚いたように目を丸める。

「そうか。謎の気絶か。君はそれをどうやって回避するつもりだ?」

「そのまま公園に行きます。おそらくギターを持った男がこの気絶に関係があると思うので、何かされる前に捕らえます」

「そうか。だが、その男は何の罪があるんだ?何かないと捕まえるのは禁止されているぞ」

俺は考えた。しかし、その男が一体何なのかわからない。

「少し、話を聞いてみましょう」

「わからないのか……気絶したときに記憶が飛んだのか?」

「男を見つけたところからの記憶がありません。気を失ったのは覚えています。その欠けた記憶が気になって過去に戻ってきたんです」

「そうか。ではその男に少し話を聞いてみるとしようか」

 

 公園に着く。その男はジャングルジムの上でギターを弾いていた。ぽろろんという優しい響きをさせながら、その男は子供に音を聞かせている。

「おや、また会えたね」

「?」

俺はこの男が何を言っているのかわからなかった。

「ふふ、その顔は私が何を言っているかわかっていない顔だね。当然か。わたしが記憶を消したのだから」

「お前……何を言っているんだ」

「しかし、わたしと会ったあの時に戻れるとは、君はやはり面白い能力を持っている」

ぽろろんと音を鳴らしながら、男は語っていた。

「お前は何者だ」

「前にあったときと同じ質問。答える必要はないね」

「身分がはっきりしないものは捕らえるように言われている。おとなしく同行願おうか」

ふふふ……と薄気味悪い笑いをして、ギターを弾くのをやめる。

「もう少し、記憶を消しておくべきか」

俺はそのシーンに見覚えがあり、本能的に時間を止める。

(このまま一気に捕まえる!)

俺はジャングルジムを上がり、その男を捕まえる。

「……時間停止か」

「え?」

ギターを弾く手をつかんでいるため、音を鳴らすことはできない。

 停止可能時間の5秒をすぎ、周りの風景に色がつく。カルマはこちらに歩いてくる。

「ふぅ……ここまでか」

その男は明るい口調でそういう。抵抗する力がなくなり、腕が上にあがる。

「なんてね」

一瞬で俺は宙に舞う。

「え?」

その男に片手で投げられたのだ。

「冬樹!」

「君たちは厄介だ!君たちの記憶、すべて消してあげよう!」

その男がジャングルジムに立ち、ギターを鳴らす。

ジャアアアンという音を鳴らし、その音が俺の耳に入る。少しづつ、その音が消え、代わりにギュルルルという何かを回すような音が聞こえてくる。

「は!?」

「どうした?冬樹」

目の前にはカルマがいた。

「俺は一体……」

「過去に戻って来たんだろ?」

「え?」

俺はカルマが何を言っているかわからなかった。

「戻ってきたんじゃ……ないのか?」

俺は戻ったという記憶がなかった。

「俺がどうして過去に?」

「えっと……なんでだったか……」

カルマも何故過去に戻ったのかを忘れているようだ。

「まぁとりあえず今日の仕事をしようか。考えるのはそのあとだ」

俺たちは今日の仕事にとりかかった。

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