稲羽市のペルソナ使い達の平和な世界   作:雨扇

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4/21 Thu ☔/☁ ➡ 18 Mon ☀

【21日・放課後】

 

「やぁっ! ホアチョーッ!」

 

「……やー」

 

「……」

 

「アハハっ! 千枝何やってるのっ?」

 

「笑いながら訊けるのか。流石天城」

 

「そこ誉めるトコか?」

 

 

 河川敷にて、千枝はカンフーの技をやっていた。それは見てわかるのだが、何故か悠もやっていたのだ。これに関しては見ても理由がわからないとかなり意味不明だった。

 

 

「なぁ鳴上。何でお前までやってんだ?」

 

 

 千枝と雪子が川の水でキャッキャウフフと遊んでる間に、端っこの方で休む悠に陽介が訊いた。

 

 

「それはだな……。3日前の18日に遡る……」

 

「えっ、この話しそういう(シリアス)パティーン?」

 

「いや。むしろ(ギャグ)パティーン」

 

 

 

 

【18日・放課後】

 

「ちょっと! 3体1じゃこの子が不利に決まってんじゃん!」

 

「ああ? 何だこのガキ」

 

 

 珍しく一人で帰ることになった悠。雪子は旅館の手伝い、陽介はジュネスのバイトで先に帰ってしまったのだ。少し遠周りして帰ろうと冒険気分でぶらぶら歩いていると不良に囲まれた少年を庇う千枝がいた。

 

 

「殴るならあたしを殴りなさい!」

 

「……いいぜ。やっちまえ!」

 

 

 リーダーらしき人の一言で、取り巻きの男二人が千枝を殴ろうと襲いかかる。千枝は思わず目をつぶる。だけど痛みはこなかった。

 

 

「里中……平気か?」

 

「な、何だコイツ」

 

「鳴上君……!」

 

 

 悠が不良の腕をつかんでいた。男は振り払おうとしたが、悠の力がそれより強かったのか振りほどくことが出来なかった。

 

 

「女子に手を出すなんて……昔の不良ならやらないぞ?」

 

「いやそこなの!?」

 

 

 ボケてるのか本気でそう思っているのかわからないが、とにかく悠が助けてくれたことは千枝にとってはとても嬉しかった。

 

 

「……チッ、行こーぜ」

 

 

 ここから離れる意志を悠に見せると悠は手を離した。三人の男達は言葉通り離れていった。

 

 

「ありがとう。鳴上君」

 

「いや、流石の俺も女子が殴られそうなのに見て見ぬふりして行くことは出来ない」

 

「はは。真顔でカッコいいこと、よく平気で言えるね」

 

「そうか?」

 

 

 少年は二人にお礼を言うと去っていった。二人は愛家で一息つくことにした。二人そろって肉丼を注文し、仲良く話ながら食べた。

 

 

 

 

 河川敷。

 

 

「あたしね、女だからってなめられるの、嫌いなんだ」

 

「わかる。里中は天城のボディーガードっぽい」

 

「……うん。きっとそうかも。雪子はあたしが守らないとって。ずっと思ってた」

 

 

 二人は芝生に座り、ゆっくりと話す。

 

 

「でも、今日鳴上君に助けられた時、改めて実感した。あぁ、やっぱりあたしも守られる存在なのかなってさ」

 

「そんなことはないと思う。花村蹴ってる時、凄い強そうだ」

 

「アハハっ! それは花村だからだよっ。花村は素早さは凄そうだけどそれ以外は駄目そうだからねぇ。ゲームで言うと回復役?」

 

「回復役は天城の方が良いと思う」

 

「なるほど~」

 

 

 少し話はそれたが、千枝は悠に話したことでスッキリしたように感じた。

 

 

「ねぇ鳴上君。鳴上君の都合のいいときでいいからさ、修行つきあってよ!」

 

「修行? カンフーのか?」

 

 

 千枝は頷く。悠は少し考えると「わかった」と言って頷いた。

 

 

「やった! ありがと! 今日はホントに助かったよ!」

 

 

 これが、千枝とのカンフー修行の理由だった。

 

 

 

 

【21日・放課後】

 

「……鳴上、軽くシリアスだったけど?」

 

「そうか? 服装は昔の不良ぽかったのに性格は全然昔じゃなかったんだ。ギャグだろ?」

 

「そこ!? そこ関係ねーと思うけどっ」

 

「ただ問題があってな……」

 

 

 悠は頭を軽くかかえる。

 

 

「アレ、地味に恥ずかしいんだ」

 

「だろうと思った。何で辞めねぇの?」

 

「約束してしまったし、それに……」

 

「それに?」

 

「菜々子が『頑張って!』って……」

 

「……じゃあ、頑張るしかねぇな」

 

「だろ……」

 

 

 鳴上悠、菜々子には逆らえなかったのであった。

 

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