「それじゃあ行ってくるっぽい!」
「おーう、行ってこい」
艤装をつけた夕立が海面を滑るように進んでいく。それを無事に見送った後、いつも通りに格納庫に行って中から
『こっちは準備完了』
『夕立ももうすぐ戦闘海域に着くっぽい』
そのまま夕立の周囲を監視していると夕立が呟いた。
『提督さん、二時の方向、黒いのが見えたっぽい」
確認してみると確かに深海棲艦の艦隊を見つけた。
『発見した。数は五、戦艦一、重巡二、駆逐二。空母は確認出来ない』
『空母がいないだけましっぽい。ブンブン煩くて夕立嫌いっぽい』
『同感だ、落とすの面倒だからな。戦艦はやるから他潰しておけ』
『了解っぽい!』
夕立が敵艦隊に向かって突撃を開始したため、こちらも狙いを定める。スコープには夕立を狙って両腕の砲門を構えている戦艦ル級の姿がはっきり映っていた。
「…………」
敵にかける言葉など必要なかった。ただ無言で引き金を引くだけだ。放たれた砲弾は轟音を響かせながら飛翔し、ル級の頭部を吹き飛ばした。
『ビューティフォー……』
『提督さん、遊んでないで手伝う……やっぱいらないっぽい』
『終わったか?』
『全部仕留めたっぽい。周辺回って異常がなければ帰投するっぽい」
『了解、じっくり調べてさっさと帰ってこい』
『それは無茶振りっぽい』
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「…………まだか?遅くねえか」
あれから一時間たった。まだ夕立は帰ってきていない。報告もあれ以降通信が入らず夕立側の情報が全く入ってこなかった。
「…………死んだか?」
「勝手に殺すなっぽい!」
「なんだ、生きてたか。どこほっつき歩いてたんだ?」
「夕立は犬じゃないっぽい!」
「だったらその髪の毛と布団中で引っ付いてくるの止めたら訂正してやるよ」
「うっ…………無理っぽい」
「どうでもいいからさっさと報告しろ」
「…………どうでもよくないっぽい」
「何だ?聞こえるように言えよ」
「何でもないっぽい!敵は最初の奴らと途中に駆逐艦と軽巡数隻がいたっぽい」
「にしちゃ遅すぎだろ。何してたんだよ」
「帰り道でレ級にあったっぽい」
「はぁ?こんな近くまで来てんのか?警備網どうなってんだよ……」
「そのうちこの鎮守府襲撃されるっぽい?」
「縁起でもないこと言うな。で、そいつはどうした?」
「一応中破まで持ってったっぽい」
「分かった、補給したら昼飯だ。さっさと行ってこい」
「分かったっぽい!」