「提督さん!お手紙届いたっぽい」
「貸してくれ」
朝、夕立から受け取った封筒を開くと中に三枚の手紙が入っていた。
「あー、これは飲み会か……後で。……んでこっちは、演習?夕立、これ読んどけ。最後のは……」
そこまで言うと無言で手紙をシュレッダーにかけた。
「今の奴、捨てちゃったっぽい?」
「あれは関わると面倒な奴だからな。俺は読んでない事にする」
「提督さんにも苦手な人がいたっぽい」
「苦手じゃねえよ、なんて言うか……猛毒みたいな奴だったな」
「猛毒?」
「もしくは薬って言ったほうがいいかもな。誰にでも微笑むから薬、微笑んだ相手にも笑顔で砲弾ぶち込むから猛毒ってな」
「もしかしなくても艦娘っぽい」
「あぁ。出来れば会いたくねえな。ややこしくなるだけだ……」
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…………ピンポーン。
昼頃、昼食を作っているとチャイムが鳴った。
「夕立、見てこい」
「分かったっぽい」
座っていた夕立が立ち上がり玄関に向かった。しばらくすると足音が戻ってきた。音からしてどうやら二人いるらしくここまで連れてきたようだ。
「提督さん、お客さんっぽい」
「分かった。悪いな、わざわざこんな場所にまで……」
「……?どうしたっぽい?」
「夕立、拾った場所に戻してこい」
「それは酷いですよ〜」
「知り合いっぽい?」
「今朝言っただろ。猛毒みたいな奴だったって」
「猛毒って何ですか?私そんな風に言われてるんですか……」
「提督さん、いじめは良くないっぽい」
「いじめじゃねえよ。むしろ俺がいじめられてるわ」
そこで落ち込んでいた少女は立ち上がるとほんわかと微笑みながら言った。
「どうも〜久しぶりです。綾波型一番艦、綾波です。また一緒に深海棲艦をバラバ……八つ裂……殺しましょう♪」
「全部同じっぽい」
「笑顔で言ってもほんわかすると思うなよ。……にしても久しぶりだな、唐突にどうした?」
「?聞いてないんですか?」
「何がだ」
「司令官が大本営に殴り込みするって手紙が来て、それを防ごうって事で私がここに配属になったんですよ。私の手紙の中に入ってたと思うんですけど〜」
「悪い、シュレッダーの中だわ」
「ていうことは私の手紙ごと読まずにシュレッダー行きですか。なんで読んでくれなかったんですか?」
「過去のお前の手紙の内容を言ってみろ」
「えーと……好きです。…………位ですかね?」
「そうだ、『好きです』って文字だけで埋め尽くされた手紙に何の価値がある。そんなもん裏紙にも使えねえよ」
「ちゃんと裏にも書きましたから」
「そうじゃねえよ」
「……なんか二人共仲が良いっぽい」
「膨れてますか?」
「違うっぽい!別にそんなんじゃないっぽい!」
「ムキに否定すると余計に怪しいですよ〜」
「ぽいぃ……」
「そんで?お前をやるから殴り込みは止めろって?」
「そうですよ」
「分かった、半分飲む」
「半分だけっぽい?」
「もう半分はどうするんですか〜?」
「お前を連れて殴り込みをかける。決定」
「結局変わってないっぽい」
「私も付いていくんですか?怒られちゃいますよ〜」
「じゃあ付いてきたら一回だけ言うこと聞いてやるよ」
「仕方ないですね〜。ちょっとイメトレしてから早速行きますか〜」
「はえーよ、明日だ明日」
こうして鎮守府に新しい狂犬……犬?が加わった。