ラブライブ!サンシャイン!!~730日の景色~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回で『PVを作ろう』は最後になります。
楽しんでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ。




第33話 この町のいいところ

「はあい、お待ちどうさま♪ これが心結くんの分ね♪」

「ど、どうも……」

「それにしてもこんなに大人数で来るなんて珍しいわね? みんなごゆくっり~♪」

 

僕達は現在進行形で喫茶店に来ています。

PVを作るにはどうしたらいいかの会議みたいなものである……

 

「ねぇ…どうして喫茶店なの?」

「もしかしてこの前騒いだのを家族の人に怒られたり……」

「…千歌ちゃん、もしかして迷惑かけちゃった?」

 

ヨハネちゃんの疑問にルビィちゃんが答える。

この前の騒ぎというのは堕天使アイドル云々の時だ……

僕が千歌ちゃんに問いかけると……

 

「違うの。梨子ちゃんがしいたけがいるなら来ないって」

「い、行かないとは言ってないわ。ちゃんと繋いでおいてって言ってるだけ」

 

違った理由が返ってきた。

僕の隣に座ってる梨子ちゃんは慌てて答える。

すると曜ちゃんが……

 

「ここら辺じゃ放し飼いの人が多いかも」

「うぅ…そんな……」

 

梨子ちゃん…ドンマイ……

 

「わん!」

「あっ…犬の鳴き声がする……」

「心結君、そんなわけ……」

「わんわん♪」

「…え"っ?」

 

明らかに犬の鳴き声がしたので振り返ると、

黒い子犬がそこに居た。犬種は柴犬っぽいのです……

 

「きゃん♪」

「わぁ~、可愛い♪」

 

ルビィちゃんの言う通り確かに可愛い犬だ。

曜ちゃんもビデオカメラを犬に向けていた……

 

「ひっ!?」

「ちょっと梨子ちゃん!?」

 

当の梨子ちゃんはビビりながら僕に抱きついてきた。

…ていうか柔らかいものが腕に当たってるんだけど……///

 

「梨子ちゃん? 子犬だから大丈夫だよ」

「そーそー、こんなに小さいのに」

 

僕と千歌ちゃんが言っても首を横に振る梨子ちゃん……

ここまでくると相当なんじゃ……?

 

「お、大きさは関係ないわ…寧ろそのキバ! そんなのに噛まれたら……」

 

案の定、かなりの重症でした。

あと僕にしがみつく力が強くなってる気がする……

 

「噛まないよー♪ ねぇーわたちゃん♪」

「…随分と人に慣れてるね」

 

へぇ…わたちゃんっていうんだ……

試しに僕も撫でてみたら擦り寄ってきた。

 

「そーだ。梨子ちゃんもわたちゃんで少し慣れるといいよ♪」

「え"っ?」

 

千歌ちゃんがわたちゃんを梨子ちゃんに近づけると、

わたちゃんが梨子ちゃんを舐めた。

 

「っ!?」

 

顔に近づけられただけでも限界だったのか、

梨子ちゃんはトイレに逃げてしまった……

これには千歌ちゃん達もびっくりしていた。

まぁ…話は聞いてくれるらしいからそのまま進めても問題ないみたいなので……

 

「…ヨハネちゃん、さっきのPVのやつはどう?」

「簡単に編集してみたけど……お世辞にも魅力的とは言えないわね」

「…あらら」

 

編集してもらったPVを試しに観てみると、

ヨハネちゃんの言う通り、お世辞にも良いやつとは思えなかった……

 

「…やっぱり難しいのかな?」

「うーんと……じゃあ…沼津の賑やかな映像を混ぜるっていうのはどうかな?」

 

いや千歌ちゃん?

それは……ちょっと……

 

「そんなの詐欺でしょ!」

「梨子ちゃんなんで分かったの!?」

 

それは多分…行動パターンが分かってるんだと思う……

そんな事を考えてると沼津行きの終バスがやって来る音が聴こえた。

 

「…曜ちゃん、ヨハネちゃん。終バス来たけど?」

「「嘘っ!?」」

 

それを聞いた2人は慌てて帰り支度をし……

 

「ではまた……」

「よーしこー♪」

 

終バスが待つバス停まで走って行った。

…曜ちゃんがさり気なく『よーしこー♪』って言ったのが凄く気になったが……

 

「なぁー!?」

「…ど、どしたのルビィちゃん?」

 

ルビィちゃんの視線を追うと時計があった。

時刻は18時55分……

えっ!? もうこんな時間なの!?

外がまだ明るかったから全然気づかなかった……

 

「ほら花丸ちゃん! 早く帰るよ!? すみません失礼しますー!」

「まふぁらいひゅう~」

「…車には気を付けてねー」

 

ルビィちゃんと花丸ちゃんを見送った後、

残ったのは僕達3人だけだった……

 

「意外と難しいなぁ……いいところを伝えるのって」

「…それはそうだよ。どう上手く伝えるかっていうのが一番の難所だし」

「住めば都。実際に住んでないと分からない良さもたくさんあると思うし」

「うん。でも…学校が無くなったらこういう毎日も無くなっちゃうんだよね……」

 

自分にとって当たり前だと思ってた毎日が急な知らせで無くなるというのは、

けっこう複雑な気持ちになるものだし……

 

「スクールアイドル頑張らなきゃ」

「「今更?」」

 

僕と梨子ちゃんが千歌ちゃんにそう訊くと……

 

 

「今…気が付いたんだ。私…この学校が好きなんだって……」

 

 

その瞳には彼女の想いが込められてるように視えた。

 

 

 

 

ーー数週間後ーー

 

 

PVが完成した次の週の放課後……

千歌ちゃん達が鞠莉姉に完成したPVを見せに理事長室へ行ってる間に、

僕は教室で少し個人的にやる事があったので残っていた。

それは……

 

(ここをこうして……それでここを……)

 

点字の打ち方である。

仮にも僕は視力が低下してるので万一に備えて内浦に引っ越して来てから練習をしている……

喫茶店にも今後の影響が出ないように点字を設置してある。

千歌ちゃん達にはこの事は言ってないし話す気も無い……

この事は僕だけの問題だから……

 

(ふぅ…)

 

右目に付けてある眼帯に手を触れる。

試しにちょっとだけ眼帯を外し、教室内を見回すと()()()()()()()()()()()()という感じになっていた……

 

「…眼帯を外して動ける時間は悠里兄と同じ1()0()()か」

 

そんな状況は来ないと思いたい……

そう思いながら再び眼帯を付け直す。

 

「…確か、今日は千歌ちゃんの家に集まるんだっけ?」

 

点字の練習に使ってるノートを鞄にしまいながら、

この後の事を思い出す……

鞠莉姉にPVの映像を観てもらって改善点があったら撮り直すだったかな?

 

 

 

 

 

『十千万』に着き、

志満姉に案内され千歌ちゃんの部屋の前で梨子ちゃんを見つけ、

一緒に入る事になった。

 

「…それでPVの方はどうだったの?」

「それが……」

 

曜ちゃんによると、

鞠莉姉にPVを見せたのはいいが体たらくと言われたそうだ。

更に魅力が分かってないとも……

そこでヨハネちゃんが逆に鞠莉姉は解るのかと尋ねたら、

少なくとも千歌ちゃん達よりは分かってると言い切ったらしい……

 

(…なんでそんな事を言ったんだろ?)

 

少し疑問に思いながら考えてると……

 

「あら♪ みんなで今から相談なの? みんな明日早いんだから、あんまり遅くなっちゃダメよ?」

「「「「はーい」」」」

 

志満姉はそれだけ言うと、

部屋を後にした……

というか明日早いってどういう意味なんだろ?

 

「明日朝早いの?」

「…なんか行事があるとか?」

「さぁ? 何かあったかな~?」

「海開きだよ!」

 

僕と梨子ちゃんが曜ちゃんに訊く。

すると千歌ちゃんが部屋に入りながら僕達の疑問に答えた。

 

「あれっ!? 千歌ちゃん?」

「じゃ、じゃあ…この布団にいるのってもしかして……」

 

驚く曜ちゃんに対して梨子ちゃんは顔が引き攣っていた。

この時点で僕は察した……

 

「わんっ!」

 

そして部屋に梨子ちゃんの何とも言えない悲鳴が漂ったそうな……

そうでないとか……

 

 

 

 

 

 

ーー翌日・明朝ーー

 

 

 

時刻は朝方の5時。

梨子ちゃんと2人で海に行くと海には、

人がたくさん集まっていた。

 

「こーくん、梨子ちゃんー」

「おはヨーソーロー♪」

「「おはよう」」

 

それにしても千歌ちゃんと曜ちゃんも早いね?

何時に起きたんだろうか……?

ちなみに僕は海開きという事もあり3時30分に起きました、はい。

 

「もしかして…これなんじゃないかな?」

「「「えっ?」」」

 

すると梨子ちゃんがポツリと呟いた。

 

「この町とか学校のいいところって……」

「あっ! そうだ!」

 

 

 

その言葉を聞いた千歌ちゃんは、

何か答えを見つけたのか走り出して行った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。
ちょっと何とも言えない終わり方になってしまい申し訳ありません……
次回からは第7話『TOKYO』の回になります。
頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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