今回は小猫視点です。
次がオーフィス(大宮)視点となります。
この日のために、俺は少女漫画をまとめ買いしました。
その時の店員の「えっ?お前が買うの?」みたいな目を未だに忘れられない。
ちなみに学生だが、私服でファミレスに行くと。
「喫煙しますか?」と聞かれます。
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また、助けられた。
小猫は過去にも、助けられた事がある。
あの時はまだ、姉様に裏切れた事で誰も信じられず、世界が全て灰色に見えていた。
その当時はかなり荒れ、時々家具などを壊し始めては、高笑いをしだすと言った行動を時々していた。
そのため部屋から出ることなく、一部を除いて心を開いていなかった。
そんなある日、リアス部長が突然部屋に来て、「デパートに行くわよ!拒否権はなし!」と言い強引にデパートに連れていった。
「どうしてですか?」と聞くと、「ずっと部屋にこもってたら気が滅入るわ、たまには外に出ないと」との答えが返ってくる。。
「はぁ...」とため息がこぼれる。
デパートに着き最初はリアス部長と歩いていたが、次第に歩くのが遅くなり、最終的に立ち止まる。
私にもっと力があれば......そんな事を思いながら突っ立っていると、視界に少年が入ってくる。
「どうしたの?」
少年が話しかけてくるが、無視しその場から離れる。
が、その少年は手を掴み、歩くのを止める。
「その目...世界に失望してるの?いや、違う......自分に失望してる?」
ほぼ、確信を突かれ同様が隠せない。
「べっ...別に......」
こんな人の近くにいたら、余計惨めになる。
だから、すぐ離れようするが子供と思えないほどの力で、逆に引っ張られる。
「自分に自信を持たなきゃ!」
そんな戯言聞きたくない!と手を振りほどこうとするが、強く掴み手を離さない。
「離し」
「離さない!」
突然の声にびっくりし、動きが止まる。
「絶対に離さない。俺には君の悩みなんて分からない、けど今離したら絶対に後悔する。それだけは分かる」
どうして?なんで?そんな事を赤の他人に言えるの?
分からない。分からない。分からない。
「だから、今から楽しもう」
「えっ?」
本当に意味がわからない。さっきの話からかけ離れてる。
「意味は分からないと思うけど今は、ただ着いてきて」
納得は出来なかったが、どうしてかついて行かなきゃ行けないと思い、一緒に歩く。
最初は、玩具売り場から始まり、次は映画館、さらに次はゲームセンター、と言った具合にデパートにあるものを、手当たり次第に遊んでいく。
最初は、楽しくなかったが次第に心の底から楽しみ、遂には久しぶりの笑顔がこぼれる。
「やっと笑った」
「えっ?」
「やっぱり君は笑った方が可愛いよ」
なっ!
突然のセリフに顔が赤くなるのが分かる。
「可愛いなんて」
「君は可愛いよ。笑顔がとってもね」
うぅぅ...にゃだ、恥ずかしい。
顔が赤くなったのがバレないように、必死に手で顔を覆う。
「そうだ、いい事思いついた」
突然走り出し、どこかに消えていく。
また、離れていくの?
突然不安が身体をおそう。
そのせいか、息が荒くなり、瞳孔が大きく開く。
「はぁ...はぁ...」
遂には喉を抑え、その場に蹲る。
苦しい、もうやだこんな思いは......死にたい。
その考えに至った瞬間肩を捕まれ、突然抱きつかれる。
「なに...が......」
「ごめん。少し目を離した隙に、誰に何をされたのか言っていいよ。そいつ殺るから」
頭を撫でながら小猫のために、怒りをあらわにする。
「いいの......いいから...もう」
「だめだよ。僕の気が収まらないから」
自分のために怒ってくれる人なんて、今まで出会った事がなかった。
だからか、目から涙が溢れる。
1度流れ出したらもう止まらない。
姉様の事、私の力の事、これからの事、そんな事が爆発し、涙が溢れる。
そんな小猫を人目につかせる訳には行かないと、判断したのか、おんぶをして公園に向かう。
公園に向かう間も涙が止まることなく、少年の服は水浸しになるほどだった。
公園に着くと、ベンチに座らせ缶ジュースを渡してくる。
その時には少しは落ち着いていて、涙は出てこない。
「ごめん僕が目を離した隙に、泣くほどの事をされたなんて」
「違うの...優しくされたのが久しぶりで、涙が出ただけだから、大丈夫」
その言葉を聞き、少年は安堵のため息をだす。
「良かった......何かをされた訳じゃなかったのか...」
「うん......」
気まずい、さっきまでこの人の背中で泣きじゃくって......顔が赤い。うぅぅ...
その時の光景を思い出し、顔を赤くする。
無言のまま、数分が過ぎると少年がベンチをおり、立ち上がる
「さて、僕はそろそろ帰るね」
「え?」
また、一人になる。と思い、不安がまた身体を襲う。
「はぁ...はぁ......はぁ...」
「大丈夫!僕は離れたりしないよ」
少年は手を前に差し出し、その手にはある物が乗っている。
「かみ...飾り?...」
「そうだよ。君に似合うと思って」
そのまま髪に自然とつける。
髪飾りをつけたら、少し離れ顎に手を当て頷きながら、小猫を見る。
「やっぱり似合うね、僕の目に狂いはなし」
「似合う?」
自分の髪につけられている飾りを触り、確認する。
「君が絶望するなら、僕が君の最後の希望になるよ」
もう1度抱きつき、耳元で囁く。
「けど、僕は帰らなくちゃいけない。だから、その髪飾りは僕の代わりだと思って、大事に扱ってね。また会うかもしれないから」
そうすると、その場で背を向け駆け出す。
「なま......え......」
聞こうと思ったが、すでに遠く聞こえる距離にはいなかった。
自分にはこの髪飾りが付いてるからか、少年がいなくなっても不安に襲われることなく、逆に清々しい気持ちだった。
その少年の顔を思い出す度に、顔が赤くなり胸が痛くなる。この時まだこの感情には気づくことはなかったが、時期気づくことになる。
その後リアス部長と合流しこの時の事を話すと、「ぜひお礼がしたいわ、探しましょう!」といい捜索をしたが、結局見つかることは無かった。
時は過ぎ、高校に入学することになる。
毎日髪飾りをつけ、あの少年を探しているが、見つかりはしなかった。
今日も探していて、入学式に遅れそうになっていて、走っていた。
「はやく行かなきゃ」
走る速度を緩めることなく、コーナーを曲がると1人の人物と衝突する。
そして、お互いに尻餅をつく。
「すみません、私が前を......」
相手の方からは、前に嗅いだことのある匂いがする。
この優しくて、暖かい匂いは......あの時の人?
顔を見ると、あの時の少年の面影があり、確信する。
「ごめんね、こちらこそ前を見てなかったよ」
「いえ、大丈夫です」
覚えてないみたいだ。けど、諦めない!せっかく会えたんだから、あの時聞けなかった名前だけでも。
「あの、名前は?」
「あぁ、そうだね自己紹介をしようか。僕の名前は大宮フィス。こんな顔だけどれっきとしたハーフだよ。よろしくね。君は?」
大宮...フィス...それが彼の名前。
その名前を忘れないように、何回も頭の中で繰り返す。
今度は自分の名前を覚えてもらうために、しっかりと答える。
「私は塔城小猫です。よろしくお願いします」
この日から、大好きな大宮先輩との学園生活が始まる。