転生したら無限スタートでした。   作:暁紅

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決戦前夜

元浜の神器の説明回です。

正直入れようか迷っていたのですが、今回は地味に元浜もメインなので入れることにしました。

──────────────────

 

アザゼル先生が覚醒したあと、すぐに地下から飛びとある一室に行く。

 

その中はかなり広く、中にはタンニーンとアザゼル先生の奥さんがいた。

 

「それで、どうする」

 

匙の目の前でアザゼルが奥さんに土下座し、踏まれていた。

 

もう、先生って呼ぶの辞めようかな。

 

アザゼルはその姿を見られ、幻滅されている事に気づくことは無かった。

 

 

「タンニーン様、よろしくお願いします!」

「元気がいいな...ほほう貴様の神器にはヴリトラか......なかなか気難しいだろう」

「そうなんですよ...あいつ夢の中にも現れてきて、ココ最近まったく眠れていないんです」

 

タンニーンは大きな手で匙の肩を叩き、後でちょびちょび呑もうと思っていた酒を出す。

 

最初は「俺まだ未成年なんで」「流石に酒は」と言っていたが、タンニーンが「これは酒じゃなくてな、ドラゴンのみが酔える代物だ。辛い時はこれに限る」と言われしぶしぶ呑んだのだが、絶賛大ハマリしベロンベロンに酔っている。

 

「ほんとになんれ、あんなのらつよいんらすか?」

「そうだな......」

「おれらって、きらえてるのに...なんれなんれなんれすか!!」

「おっおう......」

 

匙は酔うと相当面倒臭い性格になるようだ。

 

この時タンニーンは決めた、金輪際酒を飲まさないと。

 

そんな酔っぱらいを程々に相手をして、今は膝の上で熟睡している。

 

「泣いたり、怒ったり、寝たり......面倒臭い性格してるな......あっちはあっちで騒がしいし...はぁ...胃が痛い...」

 

未だにアザゼルは踏まれており、それを嬉々とした表情でグレートレッドが踏んでいる。

 

タンニーンはこの作戦が終わった後、龍専用の病院に入院中する事になる。

 

 

そんなおふざけも終わり、3人は魔法陣の指定された位置につく。

 

魔法陣が輝き始め、何かの映像を映し出し始める。

 

大きな蛇のような身体に、頭がタンニーンのようで東洋のタイプの龍が映し出される。

 

「えっ!何、何これ!今いいとこなんだけど、犯人が分かるとこなの!一体何!ぎゃぁぁぁ!何でこんな所にあんたがいるのよ!!私何もしてないわよ!」

「うるさい、用がすめば返す」

「かしこまりました!それで、何用で?」

 

何かミドガルズオルムか......何か主婦してるおばさんみたいなイメージ...ゲボろぉおお!

 

匙はまだ酔いが醒めていなく、ゲロの池を作る。

 

「ぎゃぁぁぁ!やめて私そう言うの弱いのよ!きゃぁぁぁ!!」

「匙大丈夫か!まさか......ここまで弱いとは...それに、ミドガルズオルムもこんな性格では......胃が...」

 

まともなのはタンニーンだけ。

 

そんな中周りが壊滅的...ストレスを感じるなと言う方が無理な話だ。

 

「お前の兄弟と父について聞きたい」

「ダディとワンワンの事ね、北欧にいるダークエルフに相談してみて、住む場所はこれね、もういいでしょ!犯人気になるからもう帰るね!」

 

1枚の紙がアザゼルに渡される。

 

その紙を渡した直後に、映し出していた魔法陣が崩れ、ミドガルズオルムは消える。

 

アザゼルはその紙に書かれている情報をすぐさま回し、ダークエルフの元へ急がせる。

 

 

 

 

 

翌日、朝食を済ませ全員が地下に集合していた。

 

ダークエルフ達からはミョルニルのレプリカが渡されたのだが、誰が使うかで喧嘩が勃発していた。

 

「あんな玩具使いたくない!」

「私も結構です」

「そもそもあんなんで倒せるのか?」

 

全員が思った、そんなハンマー(玩具)で倒せたら神弱すぎると全員が意見し、誰がこんな足を引っ張る物を持つのかで会議していた。

 

アザゼルは折角持ってきたのに、こんな残念な結果になって落ち込んでいる。

 

「なんであんな苦労したのに......」

「仕方ないわよ......私も苦労してるもの...」

「「はぁ......」」

 

結局その後ジャンケンで負けた、イリナが持つことになった。

 

 

~元浜~~

 

最上階のVIPルームで1人作業している、アザゼルの元へ向かう。

 

ドアを開け入ると、こちらに気づき苦虫を噛み潰した顔になる。

 

「すまねぇな...あいつらを引き裂いちゃってよ...」

「仕方ないですよ...それに、その事を解決できるのはあの2人だけですから」

「そうか...」

 

アザゼルは再び作業に戻り、書類の整理を始める。

 

元浜はアザゼルの傍に座り作業を手伝う。

 

 

作業を続けていると、ふとアザゼルは思い出す。

 

「そう言えば、お前の神器の事だが」

「聞いてませんでしたね、何故神滅具に入っていないのか」

 

アザゼルは1度書類の整理を止め、昔話を始める。

 

 

呪われし神器【村雨】を手にした男の話を......

 

その男の名前は無かった、物心つく前に親に捨てられたからだ。

 

理由としては、赤ちゃんの頃に神器に目覚め刀を握っていた。

 

いくら親が遠くに捨てても、すぐに男の手元に戻っている。

 

それを気味悪がった親が、その男を裏路地に捨てたのだ。

 

 

だが、その男は運が良かったのかホームレスのおじさんに拾われ、6歳まで育てられた。

 

そこからその男の人生は狂っていく。

 

神器に目覚めはいいが、まだ能力を知らず包丁程度にしか思っていなかった。

 

そして、ホームレスのおじさんがそれで野菜を切っている時、誤って指を切りそのまま絶命する。

 

その時になって始めてその神器の能力を知る。

 

 

男はその場から逃げに逃げた。

 

誰にも見つからないように......だが、その力を恐れた堕天使に狙われ、その堕天使を絶滅させる。

 

その後も数々の人外に襲われるが、全て撃退したが流石に手傷をおい、壁に寄りかかりながら歩いていた。

 

「何で俺がこんな目に......俺が何をした!俺がいけないのか?...俺は俺は...もっと普通に生きたかった......楽になりたい...」

 

その時にたまたま、自分の神器が目に入り刃を首に当て、切り裂いた......

 

普通なら死ぬはずだった......しかし、その男は違った。

 

死にたかった男は死ねずに、逆に死ににくい身体に変化した。

 

反射神経は格段に上がり、身体能力も上がり、自己治癒能力が上る。

 

まるで、今まで戦ってきた人外達と同じように......

 

その男は復讐に走った。

 

自分をこんな事にした世界に、神に、人間に、その男が停止したのはサーゼクスの一撃によって死ねた。

 

その男は死ぬまぎはにも呪った。

 

「こんな世界...呪ってやる!死ね!死ね!滅びろ!...ふはははは!世界に不幸あれ!この刀に呪いあれ!」

 

サーゼクスがトドメを指すと、死体は死ねたことが嬉しかったのか、笑顔になる。

 

その後その神器に目覚めた者はいずれも、忌み嫌われ、親を殺し、愛しい者を殺し、村一つをまるまる絶滅させたりと、男が呟きつづけた通りに呪われた人生を歩んでいった。

 

そのため神器【村雨】は、力は強大だが神滅具になる事はなかった。

 

「これが全容だ...」

「.........」

 

元浜は何も返すことが出来ない。

 

なんせ、この武器は自分が転生した時の特典だ。

 

そんな者に過去があるとは思っていなかった。

 

それに、転生したせいで人生が狂わされた物がいた、それが心を苦しめる。

 

「ありがとうございました...」

「それでもお前は力を求めるのか?」

「はい......過去の人達には悪いですが...守りたい人がいますので」

「そうか...」

 

アザゼルはそう呟き、2人は作業を再開する。

 

 

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