FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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今回は早めの投稿です。
次回でラクサス戦本番になるかな、といったところです。


第39話 三強

「ルーシィ、お前はギルドに戻るなりなんなりして休んどきな」

「えっ、それはいいけどそっちはどうするの?」

「俺か?こっちは雷鳴を断ちに行ってくる」

 

同士討ちや雷神衆と戦った傷が何箇所か残っていたが、味方のほとんどいない状況では自分が立たねばと半ば無理に体を起こした。

 

「…無理は、しないでね。そうだ、これが終わったらどこか一緒に出かけよう!それが今回のお礼ってことで」

「へっ、気楽なお嬢ちゃんだ。わかったよ、好きなとこに連れていく(さてと、如意棒を取って少し回復してもらうか)」

 

そう言って屋根伝いに歩いて如意棒を取りに行きつつラクサスを探しに出た。

 

そんなこんなで如意棒を家から取って、歩いていると空中に浮いているラクリマに今更ながら気がついた。

 

「悟空、あれをどう思う?」

『あれか?おそらくあれは神鳴殿、生体リンクのついた設置型魔法じゃ。全く汚ねえ花火を出しやがって。あれが発動すれば街中に雷が落ちるじゃろう』

「仲間の人質が無くなったから今度は街の人たちを人質に取ったってか?許せん奴だな」

『本当にアホなやつじゃのう。もう引く気はなさそうじゃよ、そのラクサスとやら…。おそらくあれが発動するまで時間はあまりないじゃろう。あれを作ったやつに止めさせるか死と隣り合わせで全部壊すかじゃ。進むも地獄、退くも地獄と言ったところか』

「ったく面倒なことをしてくれる!」

背に持った如意棒の感知を頼りに街中を急いで駆けていく。

『あのラクリマに近い力をあの教会から感じる、おそらくあそこじゃろ』

「カルディア大聖堂か。すっかり見落としてた」

 

この街のもう1つのシンボルたる教会へとひた走っていく。

 

教会の入り口にたどり着いてみるとそこにはなかなかギルドに顔を出さない男がいた。ミストガンだ。どうやら丁度つくタイミングが一緒だったようだ。

 

「お前が参戦を決めるたぁな、驚いたよミストガン。こういうのとは無縁だと思ってたよ、うん」

「このギルドと街を脅かすものと戦うために私は来た。たったそれだけだ、それ以外には何もない。…ラクサス、神鳴殿を止めればまだ余興の範疇で収まるのだが?」

「おめでたいねぇ。それにこうでもしなけりゃ最強を決めらんねえだろうが。噂に聞いたことあるだろ?このギルドで誰が最強かってね」

 

時々このような他愛もない噂が飛ぶことがある。いかにもフェアリーテイルらしいものだ。

 

「私はそういうことにはさして興味がないのだが、ギルダーツを推そう」

「俺は…ギルダーツかナツが最強だと思ってんだがねぇ」

「俺からしてみりゃダメだな。あいつは帰ってこねぇだろ。エルザもいい線いってるがまだ弱い。ナツは…てんでダメだな」

「エルザが弱い?とんだ節穴だな、お前の目は」

「こっちはおめえらの実力を認めてるんだぜ」

「おめでたいのはお前の方だなラクサス」

「白黒つけようぜ、なぁ?ジンヤ、それにミストガン。いやアナザー…」

「「!?」」

 

ラクサスの口から出てきた言葉に2人は強襲して遮った。

 

「それをどこで知った?」

「このことをどうやって?俺やマスターは話してねぇぞ!」

「…知りてえんだったら俺を倒してみろよ」

「後悔しても遅いぞ。貴様がみたことのないような魔法を知ることになる」

「ここでテメェには口を閉ざしててもらうとするか」

「来い、格の違いを見せてやる」

 

こうしてS級三人による本気の闘いが切って落とされた。先に動いたのはジンヤだった。背負っていた如意棒を巧みに操り、ラクサスと互角にやりあっていたら頭上に5つの魔法陣が現れた。

 

「眠れ、五重魔法陣『御神楽』!」

「うおおお!!」

「俺を巻き込むなぁ!」

 

ジンヤを巻き込む形で放った魔法で大きなダメージを与えたものの同時にラクサスの攻撃で相打ちになっていると入り口の方から大きな声が聞こえて来た。

 

「「ラクサス!!」」

 

エバーグリーン撃破の貢献者であるエルザとなぜかギルドから出られなくなっていたナツだった。

 

「ナツ、お前今まで何してたんだよ?」

「うるせぇ!術式から出られなかったんだよ!それよりあいつ、誰だ?」

「ミストガンか?」

 

いきなり現れた2人に顔を見せまいと手で顔を隠そうとした隙をラクサスは見逃さなかった。

 

「隙あり!」

「がっ!」

「(ヤベェ!)」

 

顔の周りについていた布がとれ、ひた隠していた顔があらわになった。そこにあったのは、先に戦ったジェラールと同じ顔だった。

 

「オマエッ!」

「ジェラール…生きて、いたのか?」

「ほお、知ってる顔みたいだな」

 

ミストガンの顔が露見したことで重苦しい雰囲気に包まれていた。

 

「私はジェラールという男を知っているが、その者ではない…すまない、後は任せた。ジンヤ、すまない」

「おい!!」

「あいつのことはいずれ分かる、今はラクサスだ!」

 

このままでは戦えないと一足先に離脱していったミストガンのことを気にしてはいられないとラクサスと対峙しようとするナツとジンヤをよそにエルザは動けない状態になってしまっていた。

 

「おいエルザ、ボサッとすんな!戦え!」

 

だが、その声が届く前にラクサスの電撃がエルザを吹き飛ばしていた。

 

「おら、何人だろうと相手してやる。来やがれ!」

「言わせておけば…いくぞナツ!」

「おうよ!」

 

人獣竜による激しい戦いが始まった。

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