FAIRY BEAST   作:ぽおくそてえ

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今回はかなり端折ったりしました。そこ戦えよだの、なんでやねん、てとこがあると思いますが、温かい目で見逃してくだせえ。
それではどうぞ!


第51話 崩れる闇、そしてその時…

「要は、ラクリマを…同時に壊しゃあ、いいんだろ…フゥ〜」

「おまっ…ボロボロじゃねえか」

「るっせえな、お前も大差ないだろボケ…さっさと、別れるぞ」

「減らず口は健在かよ。俺は1に行く!」

 

グレイが2、ルーシィが3と一人一箇所に向かうことになった。ジンヤは7だ。

 

『それじゃあ、みんな…たのむよ』

「…通信が切れたか」

「もう限界だったんだね」

「とにかくちゃんと人数もいるみたいだ。ゼロに当たったら各自撃破、みんなバラバラだから誰が当たっても加勢できないからね!」

 

ハッピーのその言葉を皮切りにそれぞれのポイントへと向かい始めることに。折れた骨、身体中にできている切り傷や痣を抱えながらも進んでいく。牛の歩むが如くゆっくり進んだ先のラクリマには誰も居なかった。

 

「…居ねえか。もしや、ナツの方か?」

『の、ようじゃな。ワシの力をさっきこっそり分けておいたでな、多少マシに動けりゃええがの』

「早業だな…(あいつゼロがいるって分かって行ったな)よし、俺にも力を貸してくれ!」

『あんま無茶はせんほうがいいが…骨が完全に逝ってまうかも分からんからな!』

「構わん、やってくれ!時間が惜しい!」

 

残り5分もなくなり、力を再解放するために悠長に座禅を組んでいる時間もない。かと言ってこの傷だらけの体で微妙な力を出しても壊せるかわからない。危険な賭けではあるが体へ過負荷を強いることにした。

 

「仙法『唐獅子の舞』…ぐっ!」

『(肋が完全に逝きやがった!しかも右腕の骨と左脚の筋肉もか…ならば)“内気功”!』

「ふぅ…痛みが。助かるぜ」

『連携は大事じゃからなぁ。さあ、あと30秒じゃ!』

「おうよ…我が力を左手に」

 

体のあちこちに異常がでているが、もはや気にしていられまいと左手に全神経を集中させる。

 

「砕けぇ、メガトンコング!」

 

紅く染まった左手が唸り、巨大な水晶を微塵に砕く。全員が無事に砕き切ったようで、ニルヴァーナ全体が音を立てながら崩れていく。

 

「うっ、ごはっ!やっぱ無理はしたらいかんな…」

『呑気に話しとる場合じゃなかろうが!一気に崩れとる、逃げるぞ!』

「そ、そうだな(最後まで持ってくれよ)」

 

使えない足の代わりに背中の翼を頼りに脱出を目指す。

 

その頃、一部のメンバーを除いて全員がなんとか脱出できていた。

 

「あっぶねぇな。で、他の奴らは?」

「こっちは無事だ、ルーシィ達もな」

「あとはナツとジンヤだけだね」

「もしや二人とも…」

「ナツさんは私が保護しました、デスネ」

 

地面を割って出てきたのはミッドアイことリチャード。どうもナツとジェラールを抱えてきてくれていたらしい。

 

「オラシオンセイスがなんで?」

「色々あってな、今は味方だ。ニルヴァーナの光の面の表れとでも言えば良いかな?」

「じゃあ、後はジンヤさんだけですね」

 

しかし、いつまで経っても来ない彼に不安が募る。中にはしびれを切らして瓦礫の方に向かおうとするのもいた。そんな時にみょんなとこから声がした。

 

「おーい、どこ探してんだ。こっちだ、こっち」

「「「えっ?」」」

「いやだから木の上、枝のとこ」

「えーっと、何遊んでるのかな?」

「これ事故だし。脱出したのはいいけど骨折して降りれない訳。とりあえず降ろしてくんさい」

 

なんとも情けない姿ではあったが、突入組は全員無事に生還できた。ジンヤは回復をしてもらうことに。

 

「よくもまあ無事なもんよな」

「ああ、全くだ」

「ありがとうございます。みなさんのおかげでギルドも無事です」

 

仕事も終わり、このまま何事もなく終わるのかと思いきや、一夜が何か騒いでいるのが聞こえてきた。

 

「メェーン…何かにぶつかってトイレのパルファムに行けない!」

「あ、これって…」

「術式か!誰だ!?」

 

足元に書かれた魔法陣を囲うように同じような服を着た集団とそのリーダーらしき男がいた。

 

「新生評議院第四強行検束部隊隊長のラハールと申します。手荒な真似をするつもりはありません。しばらくそこを動かないでください」

「もう来たのか。相変わらず仕事が速いな、ラハール」

「ええ、お久しぶりです。新しくなった評議会は法と正義を守るためにいかなる悪も許さない。それを実行しに来ました」

「なっ!?俺たちはなんもしてねえぞ」

「そーだそーだ!」

 

思い当たる節の多いナツたちは自己弁護のために騒いだが、ラハールの一言で静まり返った。

 

「存じてます。我々の目的はオラシオンセイスの捕縛。そこにいるコードネーム“ホットアイ”をこちらに渡してください」

「し、しかし!」

「良いのデスネ、ジュラ。善に目覚めても過去の悪業は消えませんデス。一からやり直そうと思いマス」

「リチャード殿…それではそなたの弟は私が探そう。弟の名前はなんと申す?」

「ウォーリー、ウォーリー・ブキャナン。それが弟の名前デス」

 

その名前は何人かにしてみれば聞き覚えのあるものだった。楽園の塔の一件で知り合いになったうちの一人だ。

 

「「四角ゥ!?」」

「偶然というのも不思議なものだな、ウォーリーは私の親友の一人だ。今は大陸中を元気に巡っている」

「おお、おおお、これが光を信じるものに与えられる奇跡というものデスか。ありがとう、ありがとう、ありがとう!」

 

心残りのない晴れやかな表情ながら少し憂いを感じさせる雰囲気を醸し出しつつ、評議員に連行されて行く彼を見送った。

 

「なんか可哀想だったね」

「あい」

「しょうがねぇさ」

 

オラシオンセイスを捕まえたのにも関わらず、評議員は一向に引く気配を見せないことに一夜が声を荒げる。

 

「もういいだろう!?いい加減解放してくれんとここで漏らすぞ!」

「そういう訳にはいきません。オラシオンセイスの捕縛はほんの些細なことだ」

「えっ?」

「評議院への潜入、破壊、エーテリオンの投下。とんでもない悪党がそこにいるでしょう…貴様のことだジェラール!来い、抵抗する場合は抹殺の許可も降りている!」

「なんでだよ!!」

「その男は危険だ。この世界には放って置けない、絶対に!」

 

この冷静な男には珍しく、語気を荒げる。魔力も尽きた男に異様なまでの大捕物である。

 

「エルザ、いろいろとすまなかった。ありがとう」

「(…私が止めなければ、あいつは…。せっかく悪夢から覚めたあいつをもう一度闇になど…)」

 

彼にとり憑いていた闇が消え、ようやく日の元に出てこれたジェラールを牢に行かせまいと拳を握る。

 

「なにか言い残すことはないか?貴様は死刑か無期懲役はほぼ確実、人と会うことは一生許されないだろう」

「ああ」

「ラハール、そいつの記憶は混乱状態だ。それでも連れて行くのか?」

「刑法第13条によりそれは認められません。さあ、術式を解くぞ」

「(行かせるものか!!)」

 

エルザが踏み出そうとした瞬間ー

 

「行かせるかぁ!!」

「な、ナツ!?相手は評議員よ!」

「貴様…取り押さえなさい!」

 

突然ナツが暴れ始め、評議員を殴り倒し始めた。それを取り押さえようとした数人を今度はグレイが妨害する。

 

「止まるな、ナツ!俺が道を作る!」

「グレイ!?」

「ナツは動くと止まらねえからな!それに、ニルヴァーナを壊すのに手ェ貸してくれたやつに労いの言葉もなしか!」

「確かにそれには一理ある。その者の逮捕は不当だ!!」

「悔しいけどその人が連れていかれるとエルザさんが悲しむ。彼女に涙を流させるわけにはいかん!」

 

ひとたび始まった反抗は次第に乱闘へと発展していき、敵味方入り乱れて戦う始末になった。

 

「…もう、もういい!!そこまでだ!!」

「騒がせたなラハール。責任は俺が取る、連れて行ってくれ。色々法に触れたしな」

「ジンヤ、すまない」

「なーに、これくらいお安い御用だ。ヤツとは話したいこともあったしな。そうだ…お前の髪の色だった、だってさ」

 

そう言うと彼用の頑丈な鎖をかけられてジェラールと同じ護送車に詰め込まれた。そして、重苦しい音と共にERAを目指す。




おそらく初めて3,000字いきました。そして、ジンヤには捕まってもらいました、はい。
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