それはさておき、本編どうぞ!
ギルダーツの思わぬ参戦に勝利への希望を見出し始める。
「やったぁ!ギルダーツが来てくれた!」
「危なかったぁ…」
彼なら勝てるだろう、そういう思いが活気になる。しかし、ナツたちが思っていたのとは違う言葉が出てきた。
「ジンヤ、ここにいる全員を連れて行け」
「1人で戦うつもりか!?無茶言うな!」
「良いから、ここから離れろ!!」
「こんな怒ったギルダーツ初めて見るよ…」
声を荒げ、怒りを露わにする彼にハッピーやナツは驚きを隠せない。
「行けぇ!」
後ろにいる皆を避難させるために敵の元へと駆ける。対するブルーノートも負けじと足場の地面を抉ってひっくり返した。
「地面が…!」
「ひっくり返ったあ!?」
しかし、ギルダーツもただでやられはしない。足場を崩して勢いをつけて飛び、殴りにいく。ブルーノートも迎え撃つように拳を突き出す。そして、ぶつかり合う強者の拳はあたりにある岩や木々を難なく吹き飛ばし、この世の物とは思えない衝撃波を生み出した。
「おわぁーー!!」
「きゃああ!」
巨大な魔力の激突にナツたちも当然巻き込まれ、崖に叩きつけられたり飛んできた石の下敷きになっていた。
「なんて魔力なの!?」
「すごい…」
「ありがとうシャルル…」
「え!?庇ってないわよ?」
今まで経験したことのない領域の衝突にルーシィもウェンディも驚くしかない。
「お、俺が押し負けたってのか!?」
「すげぇ…さすがはギルダーツだぜ!」
ブルーノートもまさか自分が押し返されるとは思わなかったのだろう、少しばかり驚いていた。
「これ以上、あいつの邪魔をするわけにもいかん。退こう」
「う、うん。でも…」
「……行こう、私たちが居たらギルダーツの邪魔になるわ」
「……うん」
真剣勝負をしている2人の近くにいてはまずいと判断したジンヤは、神妙な面持ちでいるカナと事情を知るルーシィを含めた全員を連れて先に離脱していった。
「大事な試験だった…大人が考えるより多くの感情が、ガキにはあったんだ。明日は歩き出すための奴らなりの決意を、テメェらは踏みにじったんだ!」
ギルダーツの顔は修羅のように怒りに染まっていた。
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大きな魔力と拳の衝突が起こっている頃、島の中心の近くではアズマとエルザが人知れずぶつかっていた。
「
「闇ギルドに興味を持たれる筋合いもないし、強い者の称号も私にとってはどうでもいい。仲間を守るための力があればそれで構わない」
「その力が如何なものか、見せてもらいたいね」
天狼樹のふもとでまた一つ強者同士の戦いが互いの運命をかけて繰り広げられていく。
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「ねぇ、大丈夫?歩ける?」
「俺のことなら心配いらん。それより早くキャンプに行かねえと…」
「止まれ!貴様らのキャンプとやらには行かせぬ!」
激戦区を離れ、テントに向かう一行を足止めしようとやって来たのはガジルたちと戦ったカワズとヨマズだ。
「貴様らを打ち取れとのハデス様からの命だ。弱っているなら我らでも勝てよう」
「ルーシィ、ウェンディ、先に行ってろ。俺とジンヤで食い止める」
「ありがとう。2人とも無事に戻ってきてね」
「ああ、必ず後で合流する。行け!」
連戦の傷と疲労を押し殺し、心配させまいと強がってみせた。押せば倒れてしまうのではないかという極限状態でも笑い、仲間の背中を押す。無事に走っていくのを確認し、目の前の敵へと視線を戻した。
「…ここは、なんとしても勝たねぇとな」
「案外強がりだよなぁ、お前」
「お前も人のこと言えねえだろうが、ま、久し振りに共闘と行こうかナツ。頼りにしてるぜ」
「ラクサスの時以来か…燃えてきたァ!」
秋のファンタジアの一件以来の共闘で、久し振りにコンビを組むことになった。対するグリモアの2人も、逃げたルーシィたちに興味がないのかあっさりと見逃していて、正面の2人に焦点を当てる。
「貴様らさえ倒せばあとは雑魚ばかりよ。先に狩ってやろう、行くぞカワズ!」
「さっきやられた借りは返すペロン!」
「俺たちを甘く見んなよ」
「これ以上荒らされちゃあ、ご先祖に顔向けできねえんでな…ここで倒すぞ」
仲間の安全を確保するため、敵を1人でも減らしたい。2対2の戦いの火蓋が切って落とされた。
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天狼島の戦いは一歩ずつ着実に、終劇へと向かい始めていた。きっと勝てると信じていた、まだこの時は…。
『グオオオオ!』
空から轟くその声を聴くその時までは…。