神を喰らう日常   作:指切りの約束

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第2話

「なぁジュリウス」

 

 

『なんですかレムさん』

 

 

「この新人の初陣に僕まで付いて来る必要あったか?」

 

 

『レムさんは何だかんだあの二人に構ってたじゃないか』

 

 

「たしかにそうだけど」

 

 

 今日はヒロとナナの実地で初めての戦闘をする日である。ジュリウスの言うとおり、訓練終わりの二人と談話を良くしており気のおけない間柄になることは出来た。

 

 

『こちらは新人二人の討伐対象であるオウガテイル以外のアラガミの討伐を完了した』

 

 

「僕の方はもう少し掛かりそうだから、ジュリウスは先にヘリの到着地点に行ってていいよ」

 

 

『分かりました』

 

 

 

 ジュリウスとの通信が終わると同時にフランのオペレーションが始まる。

 

 

『周りにはレムさんの目の前の2体以外、アラガミの姿はありません』

 

 

「それならぱぱっと片付けてしまいましょう」

 

 

『レムさんが居る地点から合流場所まで移動する時間を考えると、討伐にかけられる時間は長くて5分となります。いけますか?』

 

 

「この2体なら大丈夫だよ」

 

 

『それではご武運を。もしもの際はコチラからも連絡はしますし、常に通信は付けておくので何かあったら何でもおっしゃっください』

 

 

「あいよ」

 

 

 ある程度通信が終わり、倒壊したビルの影から今回の対象であるシュウとヴァジュラを観察する。見た感じ大きさや色は他の個体と変わりがなく、大きな心配をすることはなさそう。

 

 アサルトのバレットを変え、準備が整い次第影から出る。僕の姿を認識した2体は咆哮し戦闘態勢に入る。しかし、それはあまりに遅すぎる。

 

 極東支部を離れる際にリッカにお願いして(無理やり)作ってもらったガトリングの様な銃身からは、普通のアサルト以上の弾数が発射され、それぞれの頭に結合崩壊をもたらす。

 

 シュウが怯んだ為追撃をかけようとしたが、ヴァジュラが電気球を飛ばして来たので回避のために追撃を断念。バックステップでその場を離脱。

 

 怯みの解けたシュウは僕に殴りかかってくるが、同様にかわした為僕にダメージが入ることは無かった。避けた僕の方をシュウは睨むように見てくるがソレは悪手だ。

 

 予め敵が触れると爆発するようにエディットされた球に触れたシュウは爆発に巻き込まれて、コアが破壊されたようで爆発によって生じた土煙が晴れるとシュウの姿はなかった。

 

 一体になればあとは簡単である。極東ではヴァジュラを一人で倒せるようになれば一人前と呼べるのだが、極東はゴッドイーターとアラガミが互いに互いを高め合っているため、極東のヴァジュラと比べればこのヴァジュラは赤子同然である。

 

 集中砲火と言えるほどの弾数でヴァジュラを蜂の巣にする。傷を修復するごとに肉質が柔らかくなり、その時を見極めコアがあると思われる数カ所に銃弾を放つ。狙い通りコアに当たり、砕いたらしく、ヴァジュラの姿が消えていく。

 

 

「こちらレム。討伐対象2体の消滅を確認」

 

 

『お疲れ様でした。モニタリングしておりましたが、特段危険なところがなく安心出来ました。目的地への移動おねがいします』

 

 

「わかりました」

 

 

 アサルトを脇に構え、スタミナが尽きないように注意しながら駆けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つーかーれーたー」

 

 

「ここに来る人が少ないとは言え、カウンターに突っ伏すのは止めてください」

 

 

「いいじゃんいいじゃん。こっちはジュリウスの暴走で疲れたんだし。フランの顔を見て癒やされたいんだよ」

 

 

「……仕方ありませんね」

 

 

 照れるように顔を赤らめて、顔を背けるフランを見ることが出来てこれだけでもう幸せ。

 

 

「だらけない顔をしないでください」

 

 

「やっぱりそんな顔になってたか」

 

 

「そこまで疲れたのですか?」

 

 

「うん。ジュリウスが新人にゴッドイーターとは何たるかを教える為に、オウガテイルに腕を喰わせそうとしたり、それとは別に新人教育ってのは何度やっても疲れるものだからさ」

 

 

「たしかにジュリウスさんの件は私もビックリしてしまいました」

 

 

 オウガテイルと言っても下手をすれば腕を持って行かれるのに、後輩に見せるためだけにそこまでやるのは如何なものかと思いました。因みに、結果としては腕を喰わせる前に銃身でオウガテイルをぶん殴りました。

 

 

「新人の方はどうでしたか?今まで多くの新人教育をしてきたのですから、何かしら思う事があったと思いますが」

 

 

 極東で多くの新人を見てきた。長年ゴッドイーターをやっているという点ではリンドウも同じなのだが、僕の方に新人教育の仕事が来るので、人よりは多いとは思う。

 

 とは言っても、銃形態の第1世代の教育が殆どだった為今回は二人が硬くなって動けなくなるような状況にならないようにしただけで、戦闘面での指導はジュリウス中心だった。

 

 

「動けていたから大丈夫だとは思うよ。昔と違って第2世代の戦闘マニュアルは確立しているし、よっぽどの事が無い限りはやっていけるはず」

 

 

 第2世代が出始めた時の新型二人の教育を押し付けたヨハネス支部長は許せそうにない。前にあった時はソーマと一緒にいた手前殴れなかったが、今度あったら殴ってやろう、そうしよう。

 

 

「断定は避けるのですね」

 

 

「まあね。ラウンジからこっちに聞き耳立ててるみたいだしね」

 

 

 ラウンジの方を見ると二人がなんとも言えない笑みを浮かべていた。自分の評価が気になるのは仕方がない。

 

 

「調子がいいと思われてぽっくりイカれたら夢見が悪いからさ」

 

 

 極東支部にいた頃なんて慢心していなくともぽっくりイク人だっていたのだから。

 

 

「でも、期待してるってのはあるかな」

 

 

 ラウンジの二人に聞こえる様に言ったところ、嬉しかったようです喜びの声が聞こえて来た。

 

 

「結局甘いのですね」

 

 

「それが持ち味だからね」

 

 

 その後しばらく話しているとアラガミが出現しため出動命令が出た。後輩の登場で焦ってるであろうロミオでも連れて行こうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レムさんはよく分からない人です。それは初めてあった時に抱いた感情であり、2年一緒に活動したり、恋人となった後でも変わりませんでした。

 

 彼と(フラン)が出会ったのはほんの2年前です。この時代にしては裕福な家庭に育った私は外の世界を知りたいと思い、両親には内緒でフェンリルの採用試験を受けることにしました。

 

 望んではいなかったものの親の権力があった事とより、フライアと呼ばれる比較的安全な所のオペレーターの仕事が与えられました。そして、私と同時にフライアにやって来たのがレムさんでした。

 

 招待されたパーティーに来るゴッドイーターは何処か傲慢で、自慢話のようにアラガミを倒したと語る者がおおく、ゴッドイーターという職業の方はあまり好きではありませんでした。

 

 そんな気持ちはレムさんにあった時も勿論ありました。前もって貰っていた資料にはもっともアラガミとの戦いが激しい極東支部からやって来るため、エリートかもしくは安全な所に逃げてきた方だと想像していました。

 

 局長に挨拶しに部屋に入ろうとした時、丁度レムさんが局長室から出てきたのが初めてあった時です。男性にしては長めの髪を自然に流し、当たり障りの無いような表情をして来ました。「これからよろしく」とだけ言い残して、彼はエレベーターに乗ってエントランスへ行ってしまれました。

 

 

 

 それからすぐ私の初めての現場でのオペレーターとしての仕事が始まりました。やはり練習通りとは行かず、おぼつかない所が多々あり、アラガミの接近に気づくのが遅くなってしまいました。しかし、その事でレムさんがダメージを負うこともなければ、私のミスを怒ることもありませんでした。

 

 おそらく極東支部にいた頃に身につけたであろうオペレーターとしての心構えを教えていただき、「初めてなんだから、これくらいで怒りはしないよ」と慰めてもらいました。

 

 きっと、彼の様な方が真のゴッドイーターなのでしょう。驕ることなくどこまでも誠実な態度で任務を遂行する彼の姿はとても素晴らしかった。

 

 彼が戻ってくる姿を確認すると、体の力が抜けぺたんと床に座り込んでしまいました。その様子が面白かったらしい彼はカラカラと笑い、私の頭を撫でてくれました。

 

 

 

 それからというもの、レムさんは私に気をかけてくれました。きっと私が変に意識しているだけかも知れませんが……。殆どの人と別け隔てなく接する彼ですから、私以外の方とも仲良くしていたと思います。私を除けば、よくジュリウスさんといました。何処か浮世離れしていた彼を放っておけなかったのでしょう。

 

 少し脱線してしまいましたね。惚れたのがいつなのかはあまりはっきりしていません。最初のミッションの時なのか、はたまた一緒に書類整理をした時なのか。休みの日に庭園に誘われ、ピクニックをした時なのか。気が付いたら、彼の事を考えている時間が多くなっていました。

 

 

 

 そして私は決心し、彼に告白しました。

 

「レムさん、貴方の事が好きです。私と付き合ってください」

 

 初めての告白で、思ったよりも自分の気持ちを言葉に出すことが出来ませんでした。私の告白に対してレムさんは恥ずかしそうに頬をかいたあと、私を優しく、しかし強く抱きしめました。あまりの事に頭が働かない中。

 

「僕も君の事が好きだ」

 

 耳元にこんな言葉を囁かれてしまいました。いつもの元気そうな声ではなく儚げな声に私は顔を赤くして、人様に見せられぬ様な顔をしていたでしょう。

 

 

 

 付き合ってから一つ大きな問題にぶつかってしまいました。何処からか私に恋人がいるということが両親に伝わってしまったのです。オペレーターとして雇われた後に見聞を広める為と事後報告で親に伝えた上に、このようなことがあった為怒り心頭でした。ましてやイヤイヤながらも危険な所に送り出した娘、何処の生まれかも分からない奴にやれるかという気持ちもあったのでしょう。

 

 10数年ゴッドイーターをやっているベテランと言っても、上の者から見たら只の駒であり。何が原因となって死ぬ事になるのかは分からない。正直言って今も、毎回のミッションで不慮の事故で彼が死んでしまわないかは心配です。

 

 私と付き合い初めて半年で彼は支部長の推薦を貰うほどの成果を上げました。本人が言うには今までためてた研究資料を出しただけ、極東支部での悪行がようやく許された、などと言っていましたがこれでようやく両親が私達の中を許してくれ、私は嬉しかったのです。

 

 しかし、現段階でその推薦を受け取れば離れ離れになるということでまだレムさんは受け取っていません。フライアのオペレーターは私しかいない為でした。また、レムさんも仲良くしたジュリウスさんが部隊を持つという事でその完成を見たいということもあって、私の後釜そしてブラッドの完成とともに私達はまた新たな一歩を踏み出すことになるでしょう。

 

 

 

 ここまで長々と考え事をしてきましたが、それ程時間が経っていませんてました。レムさんとロミオさんがフライアに無事到着してからの考え事でしたが、丁度今神器の収納も終わりラウンジに戻ってくるそうです。

 

「ただいまフラン」

 

「おかえりない」

 

 ゲートからやって来た屈託のない笑みを浮かべるレムさんを見て。レムさんと入れる日々のありがたさに感謝してしまいます。




1話の加筆修正はしなかった模様。今回長いから許して。


思った以上に読まれ、感想が来たので書いちゃいました。
本編の内容にさらっと触れながら程よくイチャイチャさせる感じで。

次回の更新でブラッドのメンバーが揃って、神機兵の流れに乗ってグレム局長を懲らしめる感じ。フランにいやらしい目向けるから……。


前半では1人称視点での戦闘シーン、後半はフラン視点の過去話となりましたが如何でしょうか。馴れ初めは何処かで1話を使ってもっと詳しく書きたいですね。





主人公紹介 そのいち

名前:レム

生まれ︰極東支部付近のスラム街
   (名前は西洋風だが立派な極東生まれ極東育ち)

年齢︰26歳(フランとは10歳差)

髪:男子にしては長めの黒髪

服装︰F制式カーキ(服装には無頓着)

特徴そのいち︰トリガーハッピー持ち(無印使用)
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