神を喰らう日常   作:指切りの約束

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最終話

「これで報告を終わらせていただきます」

 

 

 ふぅ。やはりお偉いさんとの対談は画面越しでも疲れる。重たい上着を脱いで、パキパキと固まった体が音をたてる。本部の方と話をするとあっちの方に時間を合わせるため、既に静まりかえっている。

 

 フライアでの臨時局長が終わり、それから二年後フライアはそのまま極東第二支部と名前を変えた。そのまま僕は支部長になった。しかしだ、支部長をやらせながらも手が回らなくなるなったらと言うのは少し厳しすぎやしないかな。

 

 それが必要なことなのは分かるが、アラサーに勘を忘れない為の日々の鍛錬と定期的な偏食因子や腕輪のチェックやらは結構堪えるのだ。ぐーっと体を伸ばす。

 コンコンとノックの音が聞えた。

 

 

「終わったから入っていいよ」

 

 

「失礼します」

 

 

 予想通り部屋に入ってきたのはフランだった。フランも僕と同様に引き続きここでオペレーターとして働いている。

 

 

「ここ最近働き続けているのですから、今日は早くお休みになってください」

 

 

 机にお茶を置きながら窘めるように言う。

 

 

「やらなきゃいけない物は終わってるんだけどね」

 

 

 現在フライアは各地を移動しながら避難者を助ける事を主な任務としており、彼らを新設のサテライト拠点まで運ぶことにある。また、サテライト拠点での生活を円滑にするために教育も行っている。技術者や研究者は多く、その殆どが教育に対して嫌な顔をしない為問題はない。

 

 しかし問題となるのはアナグラからの要請である。どんなに離れていたとしても、助けが欲しいや人手が足りない。などと言ってくるのである。それへの対応が最も負担になってると言っても良いだろう。

 

 

「しかしだ。期限まではまだあるし、今日はもう寝ようかな」

 

 

「……大丈夫なのですか?」

 

 

「言ってきたのはフランでしょ?」

 

 

「そうですが」

 

 

「いいのいいの」

 

 

 ぽふんとフランの頭に手を乗せ、手櫛で髪をとく。

 

 

「フランにはそんなふてくされた顔は似合わないからね。きっと僕といれなくてすねちゃったんでしょ」

 

 

 顔を真っ赤にして手を振り払おうとするが、片方の手が振り払われたらもう片方をのせれば良いだけなのである。

 

 

「フランは今みたいな顔の方が可愛いよ」

 

 

「は、恥ずかしい台詞は禁止です。もう、結婚してから前よりも多くなりましたし」

 

 

「そう言わないでよ」

 

 

 我慢しきれずにギュッとフランを抱きしめる。フランも先ほどまでああ言っていたものの腰に手を当てて抱きしめ返してきた。

 

 フランとは僕が第二支部の支部長になると決まってから、実際になるまでの数カ月の間に結婚した。これまでそれを、いい方が悪くなるが、邪魔していたのはフランの両親だったが。ゴッドイーターではなく支部長ともなれば嫌な顔をしなくなった。

 

 場所はアナグラの中で行われた。ある意味人生の半分を過ごして来た場所のため、気恥ずかしさはあったが、その分多くの人に見届けられ大変嬉しかった。

 

 

「いつまで続けるんですか?」

 

 

「疲れたからもう少しだけ。エネルギー補給中だから」

 

 

「仕方ありませんね……。ちょっとだけですからね」

 

 

 フランの抱き心地を堪能した後、フランは僕の寝室へと入って行った。僕の寝室は支部長室の隣にあり、支部長室から直に行くことが出来る。

 

 僕も軽く片付けをしてから自室に戻り、シャワーを浴びる。フランも使ったようで、シャワー室は濡れている。浴び終わった後寝間着に着替えてベットに行く。

 

 

「お待たせフラン」

 

 

「それほど待っていないので、大丈夫ですよ」

 

 

 お風呂上りの熱がまだ引いてないようで朱に染まった頬と少し眠そうな眼によって、18歳であるにも関わらず艶かしさを感じる。

 

 

「髪が少し濡れてるね、乾かしてあげるよ」

 

 

 ベッドの縁に座るフランの後ろに周りタオルでフランの濡れた髪を乾かす。

 

 

「やっぱりフランの髪は綺麗だね」

 

 

「そんなこと……ありませんよ」

 

 

「もしかしなくても、フラン眠いでしょ」

 

 

「まだ、大丈夫、ですよ」

 

 

 首をこくりこくりとして船を漕いでいるフランの髪を乾かすのを早めにやめて、二人して布団の中に入る。眠くなっているフランは僕の腕にギュッと抱きついてきている。

 

 普段の凛としたフランとは違うこんな姿を見れて僕は大変幸せモノなのだろう。

 

 ちなみにフランとはまだ大人の階段は登ってません。まだフランは18歳だしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日は朝早くから仕事が入っていた。久しぶりにアナグラに来ていて、フライア所属のゴッドイーターの教育と今後の極東支部の活動についての話し合いが主である。

 

 榊さんと無い腹を探りあって、支部長室を出る。あの胡散臭さは一生僕には出せないだろう。部屋を出たらフランが待っていてくれた。

 

 

「お疲れ様でした」

 

 

「ありがと。フランもいい気分転換が出来たかい?」

 

 

「はい。皆さんと久しぶりにお話出来て楽しかったですよ」

 

 

「それは良かった」

 

 

 すこしフランの顔が赤くモジモジしている気がするが、きっと僕が疲れていることによる気のせいだろう。その後はぶらぶらとアテもなくアナグラの中を歩き回る。その最中にクレイドルや極東支部の元同僚、ブラッドの人たちとすれ違いその場で立ち話をした。

 

 みんな僕の腕にくっついているフランを見て、前と会った時よりも積極的になっているフランに目を見開いて驚いていた。僕だってそうだ、ふたりっきりの時はでれていたが、人前ではクールだったフランがこうなるとは僕も驚きだ。

 

 

 

 

 

 

 その日の夜。僕らは明日もアナグラでの会議があるため、穴蔵に泊まることとなった。極東支部のあらゆる人の配慮で二人で少し大きめの部屋が用意された。

 

 いつも通りフランが先にお風呂に入り、次に僕が入る。そしてお風呂を上がると、いつもの寝間着ではなくネグリジェを見にまとったフランがベッドで待っていた。

 

 

「フ、フランっ!その格好は!?」

 

 

 少し駆け足でベッドまで向かう。

 

 

「『これでレムを誘惑しちゃいなさい』とサクヤさんにいただきました」

 

 

 あの弟子はここまで僕になにかやってくるのか。でも、たしかにこのネグリジェはフランに合っている。フランの真っ白な肌にコントラストを描くような黒のネグリジェ。

 

 

「私じゃダメですか?」

 

 

 手を捕まれ上目遣いをされる。

 

 

「レムさんと付き合って、レムさんと結婚して、レムさんと一緒になりたいと思っているのに。私じゃ……」

 

 

 僕は何処かでフランは子供だからという考えを押し付けていたのだろう。殆どいつも一緒に寝ているのに僕が手を出さないと、不安に思うのも無理がなかったと思う。

 

 

「そんなことは無いよ」

 

 

 両頬に手を添え、下を向いていた顔を真っ直ぐ僕の方を向くようにする。暫く見つめ合ったあと、手を肩に移しそのまま顔を近づける。

 

 

 

 フランの柔らかい唇の感触が伝わってくる。

 

 

 

「ごめんねフラン。不安にさせちゃった」

 

 

「もっとしてください。レム」

 

 

 もう一度確かめるように軽くキスをして、僕らは、

電気を消した。

 

 

 

 




これにて本編は終了となります。
まだ、経験してないのでこういうのは上手く書けませんでした。すみません。


明日は番外編として、ロリフランちゃんを軸とした話となってますので、お楽しみしてくださいね。
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