46番目の魔術使い   作:眞神零一郎

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はじめましての方ははじめまして。
お久しぶりの方は大変お久しぶりです。
ずいぶん時間がたってしまいました。
更新再開というか、今の所、前投稿分だけの投稿になります。

完全更新再開はいつになるかまだ不明ですが、早く更新できるようになりたいと思います。


プロローグ

 

 

 

 

 その時、ぶっちゃけ俺は死にかけていた。

 度重なる代行者との戦いで、体はボロボロ。

 連続の魔術の行使で魔力も残り少ない。

 それでもなんとか目の前の敵を倒し切り、敵の死体と共に、俺も地面に倒れこんだ。

 解析してみる迄もなく、体も魔力も既に限界。

 

「ここまで、か…」

 

 苦笑して空を見上げる。

 いつのまにか沈みかけていた太陽が、一面を赤く染め上げていた。

 ふと、彼女を思い出す。

 ずっと俺を支え続けてくれた。

 傍に居るときは勿論、離れていても、彼女の言葉や姿を思い出すだけで、たったそれだけでも、何度救われただろう。

 自分の力のなさに絶望して、世界との契約を考えたこともあった。

 でもその度に思考の中で、彼女に叱られた。

 そりゃもうさんざん言われた。

まぁもっともあくまで俺の頭の中の事なワケだが、実際に会ったら、きっともっと心臓をエグるような事を言われてどつかれるだろうなぁ。

 絶対。

 

「ははっ。いたたっ」

 

 考えたら笑えてきた。その反動で体に痛みが走る。

 

「死にかけながら何笑ってるのよ」

 

 え!?

 

「と、うさか…? な、何で…」

 

 目の前に彼女が立っていた。

 

「何でって決まってるじゃない。士郎を殺しにきたのよ」

 

 っていやいや。ほっとけばもうすぐ死ぬから、俺。

 

「って言うのは建前で、あんたを助けにきたのよ」

「助けにって…。俺、もうすぐ死ぬんだけど…」

 

 自分の体の事ながら、実際いつ死んでもおかしくない状態なのだ。

 

「わかってるわよ。いい、士郎。今からあなたを別の世界に送るわ」

 

 遠坂が事もなげに言った。

 別世界に転送って、はぁ!?

 それ、魔法の領分じゃないか!

 

「勿論やるのは私じゃないわよ」

「やるのはわしじゃよ」

 

 ってまさか、宝石翁!?

 世界にたった五人しかいない魔法使い、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグじゃないか!!

 なんだってそんなのがこんな所にっ!?

 

「何、君に少しばかり興味があったのと、あとはまぁ弟子に泣き付かれてのぅ」

 

 予想外の事態の連続に呆然となる。

 って俺、今しゃべってたか?

 

「顔に出てるわよ」

 

 溜め息混じりに遠坂が呟いた。

 

「さてあまり時間もない。さっそく始めるとするかの」

 

 いや、始めるってさっきも言ったけど、俺、死にかけてるんだけど…。

 

「大丈夫よ。ほら、これ飲みなさい」

 

 そう言って遠坂が懐から取り出したのは、一つの赤い宝石。

 

「聖杯戦争の後から私が魔力を貯め込んできた宝石よ。完全治癒まではいかないだろうけど、まぁ死にかけを重傷くらいにはしてくれるわ」

「いいのか、遠坂」

 

 聖杯戦争の後からっていったら、十年くらい経つじゃないか。

 そんな大事なもの、俺なんかにはもったいなさすぎる。

 

「いいのよ。これはこの時のために用意してた物なんだから。今使わずにいつ使うっていうのよ」

「このためにって、遠坂…?」

 

 まさか……。

 

「そ、そうよ! あんたのためによ!」

 

 遠坂は赤くなりながら言い切った。

 うわ、普通に嬉しい。

 あの遠坂が、俺のためにそんなことしてくれてたなんて…。

 我知らず顔がニヤける。

 

「な、何よ。なんか文句でもあるわけ?」

「あるわけないだろ。ありがとな、遠坂」

 

 途端、遠坂は照れ臭そうにそっぽを向いた。

 いや、そんな素直な行動に出られると、こっちまで照れるんだが…。

 

「あー、うぉっほん。そろそろ始めたいんじゃが?」

 

 あ。忘れてた。

 どうやら遠坂もそうだったようで、はっと顔を上げた。

 

「ほ、ほら士郎、早く飲みなさいよっ」

 

 バツが悪いのか、無理矢理俺の口に宝石を押し込んだ。

 

「ではよいかの?」

 

 宝石翁の言葉に、遠坂は小さく頷いた。

 

「元気でやりなさい。あんたを幸せにすることが出来なかったのは心残りだけど、世界と契約しなかっただけでも、まぁ良しとするわ」

「悪いな、遠坂。最後の最後まで」

「いいわよ、別に。でもいい、士郎? 少しでも悪いと思ってるなら、向こうで幸せになりなさい。いいわね? 絶対によ!?」

 

 それはまた難しいことを言ってくれるなぁ。

 でも…。

 

「わかったよ、まぁ絶対ってのは保障できないけど、俺なりに頑張ってみるよ」

 

 微笑むと、遠坂は仕方がないとばかりに肩を竦めて、でも笑い返してくれた。

 いつまでも見つめていたいような笑顔だったけど、だんだんと輪郭がぼやけてきた。

 

「ありがとう」

 

 そう呟いたのを最後に、俺の意識は闇に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

????

 

「これはまた面白そうだねぇ。研究室に運びたまえ」

 

 楽しげに笑う若い男の声。

 

「ドクター、よろしいのですか?」

 

 心配そうな女性の声。

 

「何、かまわないさ。それなりの処置はするつもりだからね。ククッ」

「それならばよろしいのですが…」

 

 二つの声は遠ざかり、やがて何も聞こえなくなった。

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
色々おかしな部分はあるかと思いますが、そーゆーものと割り切って読んでください。
感想などありましたら、ぜひお願いします。
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