46番目の魔術使い   作:眞神零一郎

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この話と次のEX.はつながっています。
つなげてひとつにすればいいのかもしれませんが、EX.の方は三人称で書いてあるため分けてあります。


第六話 任務のあと

 

 俺の初任務から数日後。

 朝食の後、セイン姉が後片付けを終えてリビングに戻ってきた。

 顔をしかめながら、なにやら右腕をぐるぐる回している。

 

「セイン姉? どうかした?」

「いや、なんか右腕に違和感があってさぁ」

「違和感?」

「別に動かしづらいとかってわけじゃないんだけど、なんか気になるんだよなぁ」

 

 変わらず腕を動かしながら首を傾げた。

 

「ちょっといい?」

 

 一言断ってから、セイン姉の右腕を取る。

 

「解析開始〈トレース・オン〉」

 

 解析をかけた。

 ……

 これかな?

 

「右腕の神経ケーブルの一本に小さい傷ができてる」

 

 腕を放し、原因を告げた。

 

「小さい傷?」

「動きに支障が出るほどの物じゃないよ。まぁ戦闘とか激しい動きをすれば傷は大きくなるから、早めに治したほうがいいけど」

「へぇ。お前、そんなことも分かるのか?」

 

 感心したようなセイン姉。

 

「魔術の一端だよ。物の本質を識るのは、俺の魔術の基本だからね」

 

 すると後ろから、楽しげな笑い声が聞こえてきた。

 楽しげ、と言うか、なんか企んでそうな? あれ? なんか嫌な予感が…。

 

「シ・ロ・ウ・ちゃん」

「な、なに?」

 

 クア姉?

 

「故障箇所が分かるなら、もしかしてどうすれば治せるかもわかるのかしら?」

 

 満面の笑顔が逆に恐いんですけど。

 

「まぁある程度は。ただ戦闘機人の内部構造なんて特殊なものは、知識がないから難しいけど」

「知識があれば大丈夫ってことね?」

 

 やっぱり満面笑顔で聞いてくる。

 

「そう、なる。かな?」

 

 たぶん。戦闘機人の神経ケーブルなんて、構成素材自体『俺が知ってるもの』じゃないから修復できない。

 ちゃんと知識があれば、魔術で修復もできるだろう。

 まぁ神経ケーブルなんて、簡単なものじゃないだろうし剣でもないから、俺じゃ魔術で修復できないと思うけど。

 すると、満面笑顔から、なんというか悪魔の微笑み、みたいな?

 

「うふふふふ。シロウちゃん。教えてあげるから、貴方、私たちの調整しなさいな」

「なんでさ」

「ないとは思うけど、私たちが全員動けなくなるようなことがあったら、ドクター一人じゃ大変じゃない。なにより、違和感からでも故障が分かるなら、修理も調整もやりやすいでしょ?」

「まぁ、そりゃあ」

 

 納得しきれないとこもあるけど、とりあえず頷く。

 

「じゃあ決まりね。セインちゃんの修理がてら、色々説明するわ」

「ってあたしは実験台かいっ」

 

 セイン姉の突っ込みを軽く無視して、クア姉は俺を引っ張って部屋を出た。

 無情に扉が閉まる。

 

「あっ」

「置いてくな〜!」

 

 セイン姉の叫び声がこだました。

 

 

 

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