46番目の魔術使い   作:眞神零一郎

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完全に忘れてました。慌てて挿入です。




第六話裏 機動六課の考察/1

 機動六課本部隊舎

 会議室

 

 室内にはいるのは七人。

 部隊長の八神はやて。

 副官のリインフォース2(ツヴァイ)。

 スターズ分隊隊長高町なのは。

 同副隊長のヴィータ。

 ライトニング分隊隊長フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。

 同副隊長のシグナム。

 首席医務官シャマル。

 機動六課の中枢たるメンバーが集まっていた。

 

「さて、今日の議題は他でもない。先日の事件に関して、や」

 

 一同を見渡して、はやてが言った。

 全員が頷く。

 はやてがシャマルに目配せすると、頷いて立ち上がりモニターを操作する。

 映し出されたのは、ベッドに眠る少女・ヴィヴィオと、なのはの足にしがみついて泣き叫ぶヴィヴィオの姿。

 それを見て、全員が苦笑する。

 

「えっと、事件の時にちょっと説明したんだけど、改めて。ヴィヴィオは、たぶん人造魔導師素体で間違いないと思うわ。自分の名前や、言動がはっきりしていることから考えても、おそらく記憶転写型クローン」

「記憶転写型…。私と同じ、だね」

 

 厳しい顔つきで、フェイトが呟いた。

 

「えぇ。元になった人物は、古代ベルカ時代の人物という所までは分かっているんだけど、その先は…」

「昔の人やからなぁ。特定は難しいか」

 

 苦々しく呟くはやてに、シャマルも頷いて椅子に座る。

 それを見計らい、今度はフェイトが立ち上がる。

 

「車の方だけど、ギンガが調べたところ、運転手は運び役として雇われただけの、無関係の人だったみたい。積み荷が何かも知らなかったそうだよ」

「その車は、どっからどこまで運ぶ予定やったん?」

 

 質問を受けて、フェイトは顔をしかめた。

 

「それが…。かなり慎重らしくて、何人も運転手を換えてたみたい、事故にあった人も、途中で前の運転手と交代したんだって。目的地もただのパーキングで、どうやらそこからまた別の人が乗り換える予定だったみたいだね。目的地を聞いて、別の局員が向かったらしいんだけど、誰もいなかったって」

「それ以上の情報はナシってことか。ヘリを襲った敵の方は?」

 

 フェイトが着席し、代わりになのはが立ち上がる。

 スバルとティアナが作成した報告書を表示した。

 

「敵は三人。着ていた服の胸元に番号が見えるでしょ? 多分、製造番号とか固体番号とかそんな感じだと思う。男の子が46番。女の子が4番と10番」

 

 三人の胸元を拡大する。

 

「名前も分からへんし、仮に彼らを番号で呼ぶとしよか。人を番号で呼ぶなんて気が進まんけど、まぁしゃあない」

「それで、ヘリに砲撃を射った10番と、おそらく現場指揮官の4番の二人は、戦闘機人で間違いないね。10番の子が射つ瞬間、足元に魔法陣とは別のテンプレートが出現してた。多分、内部エネルギーを変換してるんだと思う」

 

 砲撃の瞬間を画面に映し、なのはが説明する。

 

「4番の方は、多分幻影使い。海上の航空型を指揮してたのも多分彼女」

 

 続けてフェイトが説明する。

 

「それからもう一人。46番の彼」

「そいつだけ、ナンバーが数字だな」

 

 なのはが再び画面を操作すると、テーブルに頬杖をついていたヴィータが呟いた。

 一同の視線が集まる。

 

「だから、胸元のナンバーだよ。男だけ数字で、女二人とは書体が違うじゃん」

「あ。ほんまや」

 

 指摘されて、全員が頷く。

 

「何か意味があるのかな?」

「さぁな。単に46番をその表記にすると、面倒ってだけじゃねーの?」

 

 首を傾げるなのはに、相変わらず頬杖をつきながらヴィータが答える。

 

「スカリエッティはそんなことするやつじゃない。多分、彼だけ違うのも何か意味があるんだ」

 

 メンバー内で一番詳しいフェイトが眉根を寄せる。

 

「ってどんな?」

「そこまでは…」

 

 ヴィータに問われて口をつぐむ。

 

「まぁそのへんはこの際置いとこ。議論したってどうせ解決せぇへん」

 

 はやての提案に、全員が頷く。

 

「そうだね。それで46番の彼なんだけど、どうも彼は戦闘機人じゃないみたいなんだ」

「なんやて?」

 

 声を上げたはやてだけでなく、その場にいた者たちが多かれ少なかれ反応を示す。

 

「彼からは魔力を感じた。それもかなり大きい。魔導師ランクに換算して、おそらくオーバーSクラス」

「ちゅーことは、彼は魔導師なん?」

 

 はやてからの問いに、フェイトは首を振る。

 

「彼が魔力を持ってるのは確かなんだけど、魔法陣はどこにも現われてないんだ。それからデバイスも」

「見間違えではないのか?」

 

 フェイトが再び首を振る。

 

「私の勝手な憶測なんだけど、多分彼は魔導師じゃないと思うんだ」

「せやったら一体なんなんや?」

「そこまではわからない。でも、私の魔法を防いだ防御障壁、あれは私たちが知ってる魔法とは違う」

 

 防がれた瞬間の画像を展開する。

 そこには、フェイトの射撃魔法を防ぐ、七枚のピンク色の花弁が写っていた。

 

「なんか花びらみたいですぅ」

 

 画面を見つめながら、リインが呟く。

 フェイトも同じ感想を持ったらしく、頷いている。

 

「それに攻撃も。何もないところから弓矢を出したりする魔法はない。それにあれは、どちらかといえば普通の弓のほうが近い感じがするんだ」

 

「質量兵器ってことかよ?」

「それとも、多分違う」

「そうだね。それに、弓はともかく、矢の方はかなり魔力が込められてたよ」

 

 フェイトに同意しつつ、なのはも意見を述べる。

 

「分っかんねーなぁ」

 

 正体不明の相手に、ヴィータが頭を抱える。

 

「その後の足取りは?」

「ダメですぅ。広域スキャンで途中までは追えたんですけど、どうやら転送系の魔法を使ったらしくて、さっぱりですぅ」

 

 はやての言葉に、リインがうなだれながら答えた。

 

「情報ナシ、か。完全に手詰まりだね」

「でもまぁ、戦闘機人が関係してるって分かっただけでも収穫や。もっとも、ナンバーとか見る限り、あれだけってことはないやろな」

「だね」

「おそらく今後、うちらの敵は、ガジェットだけやなく戦闘機人になるやろう。ガジェットとは比べものにならん位の強敵や。前線メンバーには、今まで以上に大変になると思う」

「うん」

「大丈夫」

 

 一同を見渡し告げるはやての言葉に、なのはとフェイトは力強く頷く。

 それを見て、はやては顔を綻ばせた。

 

「さよか。せやったら一先ず安心や。それじゃあ今日はここまでにしとこか」

 

 笑顔で椅子から立ち上がるはやてに、一同頷いて席を立った。

 

 

 




遭遇後のなのはサイドの話です。
今後もいくつか『機動六課の考察』シリーズが出てくるかと思います。
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