ラブライブ!サンシャイン!!~陽光に寄り添う二等星~   作:マーケン

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次回は11/25に更新予定


第十五話

 今日も今日とて私は屋上にいた。

 朝登校した時、ルビィちゃんからスクールアイドル部に正式に入部することを聴いた。どうやらダイヤさんの説得にも成功し、晴れて何の憂いもなくスクールアイドル部に入る運びとなったそうな。

 それと同時に花丸ちゃんはスクールアイドル部に入らないことを聴かされ私はがっかりした。勝手な話だが私は期待していたのだ。花丸ちゃんがスクールアイドルになりルビィちゃんと並んで歌い、躍る姿を夢想していた。

 だが、ルビィちゃんは言った。花丸ちゃんにはスクールアイドルへの憧れがあったのだと。やってみたいと本心から思う心があったのだと。だから今日の放課後、花丸ちゃんをスクールアイドル部に誘うのだと。昨日貰った勇気を振り絞ると。

 そう言われたら信じるしかない。だから私は約束をした。上手くいったら私が屋上でお祝いの演奏会をすると。だから絶対に上手くやるようにと。

 

「まさか、ルビィちゃんをスクールアイドル部に入れるつもりが、いつの間にか花丸ちゃんを入れようとすることになるとはね」

 

 気付けば立場が逆転していたのだから面白い。それにルビィちゃんは私や花丸ちゃんの想像を超えた。花丸ちゃんは自分が足手まといであると思って身を引くつもりだったのだろうが、ルビィちゃんはそれを見事に引き上げた。ルビィちゃんは花丸ちゃんが考えている以上に花丸ちゃんを想っていたのだ。

 

「ね、花丸ちゃん、ルビィちゃん」

 

 そして約束は果たされた。

 ルビィちゃんが居るから目立たないかもしれないが花丸ちゃんもまた引っ込み思案なのだ。だから自分が気持ちすら自分に気付かれないように隠してしまう。それにようやく正面から向き合いスクールアイドル部へと入ることとなったのだ。

 屋上に二人で駆け込んできたときには屋上から思いっきり叫んでしまったものだ。よくよく考えたら女子が出してはいけない種類の声だった気がするがそれは気のせいにしておくことにする。

 

「ところで、先輩達。お三方は誘ったつもりはないのですが」

 

 そして晴れてメンバーが増えたスクールアイドル部の初期メンバー三人もまた屋上に上がってきたいた。

 

「連れないこといわないでよ、黒松ちゃん」

 

「しょうが無いですね」

 

 半ばこうなることは判りきっていたので私から口うるさく言うつもりは無かった。

 

「じゃあ今日という日を祝って、全てのスクールアイドルに贈られた曲を吹きます。踊れる人は踊ってください。では聴いて下さい、Sunny day song」

 

 これはμ’sとラブライブ第一回大会を優勝したA-RISEがスクールアイドルというコンテンツを不動のものとするために開催したスクールアイドルイベント、言わばスクールアイドルフェスティバルでの全体曲として参加したスクールアイドルと共に作り披露した曲だ。

 夢と希望と、なにより楽しいが沢山詰まった元気いっぱいの曲だ。

 この曲はその製作理念からスクールアイドルイベントが開催されると合唱されたりしている。μ’sから全てのスクールアイドルに向けての贈り物。スクールアイドルのスクールアイドルによるスクールアイドルのための曲だ。

 ハーモニカを吹き初めて一小節終わる前には高海先輩とルビィちゃんは立ち上がり踊り始め、それで何の曲か気付いた渡辺先輩と桜内先輩も踊り始めた。花丸ちゃんは知らないみたいだったけど、そんなみんなに触発されて見よう見まねで踊る。拙い踊りになっているけれど、でもみんな楽しそうに笑っている。

 演奏しながら私も踊る。楽しい。

 沼津に来てからこんな風に音楽を楽しめる日が来るなんてもうないと思っていた。自分が心の底から楽しんでいることに満足感を得るとともに、離れ離れになってしまったかつての仲間を想う。彼女は今、音楽を楽しめているのだろうかと。

 

「黒松ちゃん次はユメノトビラ吹いて」

 

 だけど今は楽しもう。こんな風に私と音楽を共有してくれる人達と出会えたのだから。

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