・・・ザーッ・・・ピカッ! ゴロゴロ
!
・・・・・雨と雷の音で起こされるとか最悪なんですが
私は不機嫌になりながら起きる。体が何故か重いが音が聞こえているということは無事転生したことの証でもあるが。それにしても頭が痛い
(『ていうか、雷雨の中ダンボールに放置されてるんですけど・・・』)
まだ雨が当たらないだけマシですか、と愚痴る。
(『さて、体温めないと不味いですね。何があるでしょうか?』)、と思いながらダンボールの中を探してみる。
ダンボールの中には手紙、マッチ一箱、中身のない牛乳パック、タウン誌、針金、あとは着ている衣類一式と靴のみだった。
(『もっとレパートリー無かったんですかこれ?』)
これ、単品で見たらゴミの山なんですけど!?
ハァ、まあいいです。兎にも角にも体を温めないといけないですし。
まず、新聞紙をきつく丸めて、針金で巻く。それにマッチで火を付け、タウン誌に火を移す。
タウン誌は燃えやすいから15分くらいで燃え尽きてしまうだろう。それまでに手紙を読んで、場合によっては動くしかありませんね
さっきの火を牛乳パックにも移し、松明の代わりにして手紙を読む。
“君がこれを読んでいるということは転生したのだろう。
これから君はある家族に養子として引き取られる。10分以内に来るはずだ。
それと君の体が縮んだのは、その再スタートをしやすくするためだ。
ちなみに3歳まで縮めてある。
ああ、ちなみに、僕は物でしか君がいる世界に干渉出来ない。
つまり、君を間違えて殺してしまうことはもうない。
他の詳しいことはまたあとで
ああそうだ転生ポタッ
え?血が出て──ガクッ
ぐ・・・体が重い・・そういえばさっきからずっと頭痛いのはこれですか・・・あぐっ・・・いし・・・きが
ドサッ
「ボク!大丈夫!?」
──────────────────────────
10分前
「ハァ〜雨に降られるとはついてないわね」
私は溜息を吐きながら雷雨のなかを走る。
片手に持っている買い物袋が、心なしか重く感じる。
まさか雨に降られるとは思っていなかったので、携帯も持っていない。
あまり、お腹の子に負担をかけたくないのだが、この雨の中を走っているのには理由がある。
(あ、コンビニが見えてきたわ)
そう、コンビニでビニール傘とタオルを買うため、この雨を走って来たのだ。
体を冷やし過ぎると、自分だけでなくお腹の子にまで負担をかけちゃうからね
「ふう、ほんとコンビニって便利ね」
何でも買えるのは本当にありがたい。
(今日は遅くなっちゃったし、近道して 帰ろうかしら)
それに予想外の雨に降られたことを気にして、夫が心配しているはずだ。娘も「お母さんまだ〜?」と駄々をこねているかもしれない。
そう思って私は、ちょっとした近道を早歩きで歩いているのだが
(何、あのダンボール?不法投棄のゴミかしら?)
ここはゴミ捨て場では無いのに、全く困った人が・・・っ!?男の子!?
ドサッ
「ボク!大丈夫!?」
──────────────────────────
おちつけおちつけ、頭から血が流れてる。まず止血をしないと、よし!ひとまずタオルで抑えて・・・っと病院に連れていこう。
目の前で倒れている子供を見捨てられるわけないからね。だから少しの間持ってね、私の体、お腹の子、そして名前の知らない君!ヨイショ
「ちょっと走るわよ!」
───5分後───
「着いた!病院!」ダダダダッ!
「志乃!いる!?」バァン!
「紀穂さん?今日はどうしました?」
「紀穂?そんな慌しくしてどうしたの?」
「子供の頭から血が出てるの!事情は後にして、早くこの子見てあげて!」
彼女達はハァ?と呆れた顔をしていたが、この子の事を見ると顔色を変えた
「止血はしたみたいね、でもまだ血が止まってないってことは傷がちょっと深いわ・・・急いで集中治療室に運ぶわよ!」
「はい!
ああ・・・よかっ・・・たガクッ
「ちょっと!?紀穂!」
「紀穂さん!?」
意識が・・・とおのい・・・て
「──!二─を!」
☆☆☆
──ピッ──ピッ──
・・・・・・病院?何でこんなとこに?・・・ああ、なんか頭から血が出たんでしたっけ。誰かが見つけてくれたんですかね?
「ああ、気が付いたみたいね、ボク」
『ええ、そうみたいです。私の頭はどんな感じですか?』
「ん・・・君、泣いたりしないのね」
『ええ、大体状況は把握しているので。それと私を運んでくださった方は貴女でしょうか?』
☆☆☆
『ええ、大体状況は把握しているので。それと私を運んでくださった方は貴女でしょうか?』
───この子、ただの小さい子供じゃないわね
私、西木野志乃は目の前の得体の知れない子供を前にして思う。
普通なら、怯えるか泣き出すか何が起こっているか分からないという表情をする。そう、普通なら(・・・・)この子・・・いや、彼はすぐに冷静になって状況を受け入れている。
それに、まるで感情が全く無いかの様なこの声。
そしてこの年の子供とは思えない礼儀正しさ・・・
普通じゃない、というよりもはや異常の域よ これは対等の言葉でちょっと言ってみようかしら
「・・・いえ、違うわ。ちょっと今はここにいないけど私の友人が貴方を運んでくれたの。私は看護師長の西木野志乃よ」
・・・なぜか彼がわずかに驚いた様に見えたのは気のせいだろうか?
『そうですか。後で、その方が起きたら知らせていただけますか?私もここで長居させて頂く訳にもいきませんし』
「それはどうしてかしら?治療費のことなら心配いはいらないし、その運んできてくれた友人が君を住まわせてくれるみたいだし」
『良い方達ですね、でも私戸籍も身寄りもなくなったただの無力な普通の子供ですよ?なぜ、そこまで親切にしてくださるのですか?』
「それが人間だからよ」
「そう・・・・・・ですか」
──声が少し和らいだ、かしら
『分かりました、ではお言葉に甘えて・・・でも、私を引き取ってくださる方はなんという名前なのですか?というかどういう方ですか?」
「それは──ガララッ!
「失礼します!あ!ボク!起きたのね!」
「
さて、楽しめていただけたでしょうか?
次回もお楽しみに!