ぼくらの 〜assasins of hero〜   作:カゲロー@

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遅くなってスミマセンでした。
本当ならイトナ編を丸ごと載せるつもりでしたが、どうしても長くなるので分けることにしました。


第3話 「堀部イトナ」

防衛省 臨時特務部

 

臨時特務部の実働部隊リーダーとして働く烏間はこの日、情報本部長の尾長に呼び出されていた。超生物事件から何かと烏間を頼るようになっていて、今回は何の件だろうかと考えていたのだった。

 

「君を呼び出したのは……ほら、あれだ。あの件だよ」

 

「……どの件でしょうか?」

 

「ほら、例の不可解な地震だよ。君の実績を買って、今回も君に捜査の全般を任せたいとの事だ。データは送っておいたから、早速仕事にあたってくれないか?」

 

「……分かりました。失礼します」

 

そう言って退出する。あの上司、年々適当になっているのではないかと思う烏間だった。

自分のデスクに戻り、転送されているファイルを開いた。そこには、一連の内容が入っていたのだが……

 

「……巨大ロボットが出現?」

 

何ともファンタジーじみた文があった。しかし、一緒に添付された画像を開いてみると、そこにはロボットが二体写った写真があった。衛生から撮ったのであろうが、確かに周囲と比較するとあまりにも巨大だった。

 

「しかし……CGだと疑いたくなるな……」

 

あまりにも現実離れしていたその光景だが、ふざけてCGを防衛省に送る馬鹿はいないだろう。

データを読み進めていく。ロボットの出現と同時刻、何回かに分けて地震が起きる。そしてそのどれもが、震源が0に近かったのだ。その後地震が収まると、ロボットは忽然と姿を消したのだ。

幸い、今の所世間にはバレていない。ネット上に出回ってしまった写真もCGだと疑われているようだ。

仕事内容は真相を突き止める事。軍を使っての巨大ロボットの捜索や国民の不安を除く事が主な活動だ。

 

「全く……俺はヘンテコな仕事に好かれているのか……」

 

そう漏らしながらも、真面目な彼はこの奇妙な事件について、真面目に調べ始めるのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

いつもの部屋、僕はそこに立っていた。

僕は暫くぼおーっとしていた。理解が追いつかなかったのだ。

転送する直前、コエムシは言ったのだ。ゲームに負ければ世界は滅びる。そして、ゲームをすれば勝っても負けても死ぬと。

ゲームの設定に聞こえなくもなかった。実際、今まではゲームだと疑わなかった。でも、あの言葉が真実なら……

 

「っ!とにかく皆と相談だ!」

 

そう言っておもむろにスマホを鞄から取り出す。もう既に話し始めているようで、何件かの通知が来ていた。

 

潮田渚:皆、コエムシさんが言ってた事って……

 

磯貝悠馬:分からない……でも言ってるのがそのままの意味なら、操縦者は死ぬって事に……

 

矢田桃花:でも、本当にそんな事って…

 

タイガ:そ、そうだぜ!操縦の代償に命取られるなんてそんな話、ある訳無いだろ?

 

茅野カエデ:でも、本当だったら……

 

僕らには拉致があかない。誰かに頼ろうかと提案しようとした、その時だった。

 

itona:あれはゲームだ。問題無い。

 

次のパイロットであるイトナ君が、そう送ったのだ。

 

寺坂竜馬:はぁ?何で言い切れんだよ?

 

itona:単細胞には分からない

 

寺坂竜馬:んだと!?

 

itona:第一、あのロボットは何なんだ?現代じゃ不可能な技術で作られてる。第一、あんな馬鹿デカい物を一般市民の誰にも悟られずに作るなんて無理だ。

 

磯貝悠馬:確かに……

 

itona:じゃあ考えられるのは何か?おそらく、VR技術を使った体験型ゲームじゃないかと思ってる。

 

itona:コエムシはきっと、初日の契約の時に何かをした。それによって俺達の場所を特定し、あたかもあれが本物の世界であるように演出しているだけだ。

 

CHIKURIN:確かに……それなら辻褄は合うかも……

 

itona:だから、心配する必要は無い。俺達は、次の戦闘までいつも通りに過ごしていれば良いんだ。

 

イトナ君の言葉で、各々は安心したように会話を始めた。あのロボットの迫力、ゲームの凄さ、皆その興奮をぶつけるように話し始めた。

僕はスマホを閉じ、ふぅと息を吐いてベットに倒れ込む。ただのゲームなら、それで良いんだ。

何故か感じる胸騒ぎを気のせいだと、僕は言い聞かせるのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

力をただ求めて触手持ちとなった俺は、あの日、殺せんせーに逢った。

 

「生き返りたいのなら、このクラスで一緒に学びなさい」

 

絶対だと思っていた俺の力は殺せんせーに簡単に否定され、俺は激昂した。それが、その日が、殺せんせーとの出会いの日だった。

 

そして、二度、三度と襲撃した。しかし、俺は殺せんせーを殺す事は出来なかった。そして……シロに、柳沢に見限られた。

死にそうになった俺を、あいつらは受け入れてくれた。

 

『100回失敗したっていい。たった一回成功すりゃ、そんだけで俺らの勝ちだ』

 

寺坂のあの言葉は今でも俺の中にある。面と向かってなどとてもでは無いが言えないが、俺はアイツに感謝して止まないのだ。

そして、あっという間に時は過ぎた。色んな事を皆でやった。自作ラジコンで殺せんせーを何度も暗殺しようとした。岡島達とは日々巨乳について議論を交わした。ひと時も退屈な時間なんて無くて………気づいたら、あの日を迎えていた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

高校生活は、予想通り退屈だった。

別にクラスで孤立しているわけでは無い。クラスメイトとも話しているし、良く話す友人だって出来た。世間一般に言う普通の高校生活だ。

 

「じゃーな、堀部!」

 

「あぁ」

 

そう言ったのは、同じクラスの友達だ。名前は加古功、身長は俺より少し高いくらいで足が速い。

ファーストコンタクトは、ひょんな事だった。イトナ号の最新機を前日の夜に作り上げられず、どうしても仕上げたかった俺は学校に持って行った。ある程度自由な学校なので、休み時間中に簡単な作業をしていた時、あいつは話しかけてきた。

 

『それ、ドローンか!?』

 

『あ、あぁ……』

 

『自分で改造してんのか!?凄ぇな!!』

 

そんな事で仲良くなり、それ以降はそれなりに話す。自己中な所がある奴だが、基本的には良い奴だ。何かと子供っぽい思考で、メカの話にも食いついてくる。

高校生活はそれなりに充実していた。未だに苗字呼びには慣れないが。

それでも、退屈だと思ってしまうのは……やはり、あの教室での時間がとても濃密だったからなのだろう。ここには、授業中にエアガンで撃っても避けてくれる先生は居ないのだ。

机の中の教科書やら何やらを鞄にしまっていく。クラス内は仲良しグループで集まっていたりして、これからどう遊ぶかなどと話していた。支度が出来た俺は、そんな中教室をそっと出たのだった。

 

「さて……昨日の続きだ……」

 

俺の放課後は決まっている。家に帰ってひたすら機械をいじる。社会人になるまでにスキルアップしていたいし、何よりその時間が楽しいからだ。

それに、あれ以来どうしても作りたい……いや、直したいものがあった。それをする為に、俺は歩むスピードを速めたのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

帰り道、比較的近い学校を選んだ俺はいつも徒歩だった。毎日見る光景の中、いつも通りに歩いていたのだが……

 

「おいテメェ!金持って来いっつったろ!!」

 

今日は少々イレギュラーな事態が起きているようだ。

交差点を曲がった所、そこで誰かが揉めているようだ。内容から察するに、たかられているのか?

俺は塀から顔を覗かせてそれを見た。

 

「……あいつは……」

 

たかられている方は…………加古だった。制服を見るに、同校の上級生らしき奴らに囲まれている。

 

「加古……命令を無視するとはなぁ。覚悟は出来てんのかぁ?アァ!?」

 

「ヒィッ!……す、すみません先輩、どうしても用意出来なくて……」

 

上級生は加古の肩を掴み、塀に叩きつけた。加古はすっかりと怯え込んでしまっている。

確かアイツは陸上部だったか……タチの悪い先輩に目をつけられた、そんな所か。

はぁと溜め息を吐いて、俺はそいつらに近づいた。何故、こんな事にしか力を使えないのか、こんな事で力を示そうとするのか、一年あそこで学んだ俺には理解が出来なかった。

力は、弱者を虐げるものじゃない。

 

「あんたら、何やってんだ?」

 

「アァ?何だテメェは?関係無ェ奴はすっこんでろよ!」

 

そんな言葉を吐く上級生に割って入り、加古に近づいた。

 

「ヒィッ……堀部?」

 

「何だ?テメェこいつの知り合いかよ?」

 

上級生の一人が俺の肩を掴んでそう言った。俺はその手を振り払って言った。

 

「人違いだ。俺はコイツの事なんて何も知らない」

 

加古は驚いた様子で俺を見た。そりゃそうか、友人だと思ってた奴がそう吐いたのだから。

俺は座り込んでしまった加古に耳打ちしてやる。

 

「(そう言う設定にしておけ。面倒ごとに巻き込まれないで済む。分かったら早く行け)」

 

「ヒッ……ヒィィッ!!」

 

逃げるように走っていく加古。後には俺と、上級生達が残ったのだった。

 

「何してくれてんの?テメェ」

 

「へぇ〜…アイツの分、お前が払ってくれんだぁ?」

 

「コイツから一生搾取してやろーぜ!」

 

「良いね良いね〜」

 

口々にそう言う上級生達。数は7人、問題無さそうだ。あの日に会った軍人達と比べれば、数は同じでも実力は月とスッポン……いや、魔王とノミくらいの差がある。

 

「俺は搾取される気も謝る気も無い。早く帰って勉強したらどうだ?足りない頭を良くしろよ」

 

そう毒を吐いた。まぁ、そんな事で帰ってくれるわけもなく……

 

「アァ!?舐めてんのかテメェ!?」

 

上級生達は激昂した。一人が殴りかかってきたので俺はしゃがんで交わし、そのまま背を向けて走った。

 

「おぉ?逃げんのかぁ!?ビビり野郎が!?」

 

当然奴らも追ってくる。しかし、俺は背を向けて走っただけだ。逃げたわけじゃ無い。

 

「おらっ!!」

 

叫んで殴りかかってくる一人を横ステップで躱す。続いて殴ってくる奴の拳を、顔を逸らして避けた。そしてその体を軽く押してやる。パンチを外した上級生は、そのまま先ほど殴って来た奴の方に突っ込んでいった。これで二人。

 

「おわっ!!?」

 

「て、テメェ!」

 

こいつらがどれだけ興奮しようが、俺は冷静に徹する。こっちからは決して攻撃しない。俺の技術なら、自ら手を下さずともこの場を収められるはずだ。

殴りかかってくる二人の拳を次々と躱していく。両サイドから殴られそうになったので、俺はバックステップで躱した。結果、二人はお互いを殴って自滅した。あと3人。

殴りかかる一人の手を掴む。そしてそいつを盾にし、殴りかかってくる二人の盾にする。ダメージを受けたそいつを強く押してやると、後ろの二人を巻き込んで倒れた。これで全員だ。

 

「て、テメェ……ッ」

 

「これを機に、こんなくだらない事辞めたらどうだ?」

 

そう言って、俺はその場を立ち去った。

 

「柄でもない事をしたな……」

 

自分の手を眺めながらそう呟く。それと同時に、改めて成長を実感した。昔は同級生にボコボコにされたのに、今では上級生複数相手を手を下さずに倒せるなんてな。

でも、それで加古を守れたんだ。普段話している奴があんな目に遭っていたら俺だって気分が悪い。

 

「……俺は、"力"を正しく使えてるかな?殺せんせー……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「堀部……」

 

逃げたと思われていた加古。しかし彼は、塀の影からそう呟いていた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

家に帰り、制服を脱ぐ。私服に着替え、作業場のある倉庫に行くのがいつもの流れだ。

制服のズボンに入ったスマホを取り出す。先日作ったゲーム参加者のチャットグループには、今日も通知が沢山入っていた。俺がゲームと断定して以来、あのリアルさや臨場感に興奮した様子で話している。

 

「ゲーム……か………」

 

そう呟きながら、俺はシャツを脱いだ。そこには、胸から脇腹にかけて、大きな紋様が書かれていた。見覚えのある紋様、それは、あのロボットのコクピットで床に大きく浮かび上がった、あの紋様だった。

これに気づいたのは転送されてすぐ。薄手の服を着ていた俺は、脇腹にヘンテコなものが書かれているのに気づいた。それは、俺がスマホを取り出す前の事だった。

……今は考えても仕方ない、か。

そう断定し、俺はタンスから私服を引っ張り出す。そして、作業場に向かうのだった。

 




イトナらしく無いかもしれませんが、ご了承を。

11/19
友人を加古君に変えました。そして、タグも変更しました。

変更点は、
・この世界のぼくらのキャラが暗殺教室キャラ達と同い年
・ぼくらのキャラがゲームに参加していない
・カコがキリエとチズと知り合って無い
・イジメは高校から、部活の先輩によって
ですね。

活動報告に詳しい事は載っています。ご迷惑をかけた事を謝罪するとともに、これからも皆さんが楽しんでいただけるよう頑張っていきたいと思います。
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