ぼくらの 〜assasins of hero〜   作:カゲロー@

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長らくお待たせしました。m(_ _)m
イトナ編を全て載せるつもりでしたが、戦闘シーンを分ける事にしました。
そんなに経たないうちに投稿しますので。

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今回と前回の一部を変更致しました。詳しい事は活動報告に乗せております。
ご迷惑をおかけしてスミマセンでしたm(_ _)mこの作品が良くなるよう尽力致しますので、よろしくお願い致します。


第4話 「堀部イトナ」②

ーー俺が殺したいと思うのは、俺より強い奴だけだ。

 

 

その日夢見たのは、

 

 

『ーーすまないイトナ』

 

 

昔の記憶だった。

 

 

『ごらんイトナ。この小さな町工場から世界中に部品を提供している。誠実にコツコツやっていけば、どんな大企業とも勝負ができる!』

 

結局技術者は全員盗まれ、親は路頭に迷った。

 

『金もねぇ家もねぇケンカも弱ぇ、

なーんにも持ってねぇヘタレがよぉ!』

 

勝ちたかった。勝てる強さが欲しかった。

 

『良い目だ。君の目には勝利への執念が宿っている』

 

『力があれば、君はこの世の誰より強くなれる』

 

そう言われ、俺はシロに力をもらった。痛くても苦しくても辛くても、勝利への、強者への執念だけが俺を突き動かしていたんだ。

 

そして………

 

 

『テメーには今すぐアイツを殺すなんざ無理だ

無理のあるビジョンなんか捨てちまいな』

 

三度、殺しに失敗したところでシロに見限られた俺は、改めて自分の弱さに気づいた。そして、寺坂に言われたんだ。百回失敗しても良いんだ、と。

 

『最初は細い糸でいい。徐々に紡いで強くなれ。それが糸成、お前の名前に込めた願いだ』

 

ずっと忘れていた言葉、その想いを思い出した。

 

そうして得た日々で、俺は強くなれた。暗殺で得た力、仲間との繋がりの力、そして何より心が強くなれた。半端な物じゃない、沢山教わり俺自身が紡ぎ上げた強さだ。

そして卒業した。椚ヶ丘中学を、暗殺教室を。これから未来へ羽ばたいて行くんだ。沢山の教えを胸に。

 

 

『これから、14体のロボットが侵略してきます』

 

殺せんせーと、仲間達と、ともに得たモノで。

 

『それを君たちが迎え撃ってください』

 

百回失敗してもいい。その度に強くなれる。

 

『君たちが負ければ地球は滅び、ゲームオーバーって訳です』

 

そうして紡ぎ上げた本当の強さで、俺は自分の未来を描いていく。

 

『操縦者は、自らの命を代償に戦う事になります』

 

描いていく……

 

『そのままの意味なら、操縦者は死ぬって事に……』

 

未来を…………

 

『あれはゲームだ』

 

俺の……………強さで………

 

『やっと……一緒に住める!』『無事が見返り、ねぇ……』

 

……ゲームだ。

 

『ゲームの事に、嘘はない』『そんな話、あるわけ無いだろ?』『命を代償にー』

 

俺らの……未来はーー

 

『負ければ地球は滅びーー』『この人、嘘は言ってないよ』『操縦者は死ぬって事に』『これはゲームだ』『百回失敗してもいい』『ゲームだ…』『最後に殺せれば……』『負ければ地球は滅亡ーー』

 

 

 

 

『出席を採ります。三年E組ーー』

 

 

 

 

 

 

ーーー堀部イトナ

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!?………」

 

 

 

そこで、目が覚めた。バッと上半身を上げ、そこから徐々に意識が覚醒していく。

あの日、ロボットの中で呼ばれた声。その声が恩師の声と重なっていた。

……悪夢だった。

 

「何なんだろうな……この夢は…………痛っつ!」

 

腰に痛みが走る。作業用の倉庫で目当ての物を作り終えた後、そのまま伏せって寝てしまったようだ。

固まった体をほぐす為に軽くストレッチをする。手を上に挙げて、んん〜と伸びをした後、机の方に目を見やる。

一晩かけて作り上げた…いや、直したそれを、俺はきっと愛おしそうに眺めていたんだろう。

少し見つめた後、それを倉庫の棚の、一番高い所に飾った。そして、倉庫を出る。

今日は土曜。折角の休みだが、今日俺には予定が入っていた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ガララッ!と音を立てて店の戸を開ける。今ではすっかり慣れ親しんだ匂いが鼻孔をくすぐった。

 

「らっしゃい……ってイトナか」

 

カウンターの中にはいつもの黒でまとめた服装の村松がいた。そして、見知った顔がもう一人。

 

「あら?イトナじゃない」

 

「狭間か。一人なのか?」

 

「近くで用事があったから。丁度昼時だったし、立ち寄って行こうかと思ったのよ」

 

「そうか……村松、松来ラーメン1つ」

 

「へいよ」

 

そう言って、村松はラーメンを作り始めた。

店内には、村松の使う調理用具の音だけが響いていた。やはり、あのバカが居ないだけでこれだけ静かになるんだな……

 

「そーいやイトナ、あの件はどーなんだよ?」

 

「あの件?」

 

「例のVRゲームの事でしょ。アンタら最近凄い盛り上がってるようだし」

 

「あぁ……あれか」

 

そういえば二人共メンバーでは無いのだった。確かにあれだけ凄い凄い騒いでいたら気になるものだろう。

 

「あれはーー」

 

 

『ーー自らの命を引き換えに』

 

 

「ーーッ!?」

 

「………イトナ?」

 

「……悪い、その話はやめよう。それより……」

 

話題を半端強引に逸らした。今は、考えたく無いんだ……

その後は色々話した。今の自分の事、ここに居ない二人の事、思い出話……

こうしていると、やはりこのグループで話すのは楽しいと思う。気軽に過ごせるし、気軽に毒を吐ける。

時間は、あっという間に過ぎた。

 

「…ご馳走様。それじゃ、俺は用事があるから」

 

そう言って席を立ち、会計を済ます。

 

「また来いよー。イトナ」

 

そう言う村松に軽く手を振って返し、俺は店を出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あの子……なんか様子がおかしかったわね……」

 

イトナが出ていった後、狭間がそう呟いた。それに思う所があったのか、村松も頷く。

 

「…あぁ……あいつなら、そんな凄ぇ技術が使われてるゲームなんて垂涎ものだろうに……」

 

ゲームの話をした時のイトナの反応、そしてその後の会話も彼らしくない、そう感じていたのだ。

 

「まぁ、私は別にゲームとか興味無いけど……」

 

狭間のその言葉でその話題は途切れる。先程のように軽い会話が続いた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……ここか?」

 

部屋の前で立ち止まり、呟く。独特のアルコール臭が嗅覚を刺激するこの場所は、都内でも有数の……病院だ。

受付で言われた番号と部屋番号を照らし合わせて同じであると確認する。何より、その下に書かれていたのは紛れもなく彼の名前だった。

俺はドアに手を掛けた。

 

 

ーー柳沢誇太郎が、居るその部屋へ。

 

 

部屋の中は、沢山の医療機器や栄養等を直接送る管で溢れていた。当然ながら、他の患者はここには居ない。

 

そして、柳沢はベッドに横たわっていた。窓から流れ入る光、それが彼の顔を照らしていて………俺は、その顔に生気が微塵も見ることが出来なかった。

傷ついた目元は閉じていたので寝ているのであろう。その方が、俺にとっても彼にとっても都合が良い。俺も何を話せば良いか分からないし、柳沢も俺……俺達の顔なんて見たく無いだろう。

ただ、会っておきたかった。一方的で良いから……言っておきたかった。

 

「あの頃の俺は……力ばかりを追い求めてた。圧倒的な力がなければ、社会であろうがどこであろうが生きていけない、と」

 

でも、と繋いでいく。

 

「殺せんせーに出会えて気付いた。あの触手は俺の本当に欲しいものじゃなかった……別に今は負けてもいいから、1つずつ強くなっていけばいい」

 

柳沢が聞いていても理解出来ない事だろう。彼の事をよく知りもしないが、きっと産まれながらの天才で、ずっと強者だったから。

 

「そうして沢山学んだ。暗殺は、俺の心も体も育ててくれた。暗殺を終えても俺は自身で成長していった。そしていつしか………友達一人くらいを守れる力はついていた」

 

殺せんせーみたいに、あの上級生達を丸ごと公正出来る程の力は俺には無い。けど、加古一人を守れたなら、正しかったと俺は胸を張れる。

ここまで来れたのは、色んな人のお陰だ。全ての人に感謝すべき、そう感じた。だから……

 

 

「そして、柳沢………俺はアンタに感謝してるんだ」

 

あいつらが聞いたら、何を言っているのだと言われるかもしれない。柳沢があの一年の間した事、卒業の日にした事、それは、俺らの楽しい日常を壊す事だから。

でも……俺にとっての柳沢はそれだけじゃない。

 

「アンタが俺を拾ってくれなきゃ、俺はあの教室に行く事も無かった。殺せんせーにも、あいつらにも……会うことは無かった」

 

使い捨てだと気付いた時は、そりゃ悔しかったし、少し恨んだ。でも、殺せんせーが全部気付かせてくれたし、もうそんな思いは無い。

あるのは、運命への感謝だけだ。

 

「きっと、アンタは全ての巡り合わせのきっかけを作ってくれた。アンタが不幸にした人間は、きっと沢山いる。けど………けど俺は、幸せになれた」

 

酷い事をした人だけど、それとは別に感謝をするべきところはちゃんとしなければと、きっと殺せんせーはそう言うし……何より俺も、そう思うから。

 

 

「……ありがとう」

 

 

目の前の柳沢には何1つ届いていない言葉。きっと自己満足だけど……でも、意味のあるものだと、そう思える。

 

「イトナ君、時間です」

 

すると唐突に、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。振り向くと、あの人形がプカプカ浮いていたのだった。

 

「……………」

 

黙ったまま、コエムシに触れてみる。フニフニしていそうな外見とは裏腹に、触れてみると意外と機械質だった。

 

「……どうしたんですか?急に」

 

「………いや……不思議だなと思ってな」

 

「はぁ。よく分からないですが…………ッ!?」

 

コエムシが一瞬、驚いたようにした。それは、後ろの柳沢を見た時のようだった。

 

「………彼は?」

 

「あぁ………俺達と色々因縁があってな」

 

「………その割には、先程は穏やかな顔をしてましたが?」

 

「そうなのか?」

 

「はい。初めてあった時の落ち着いた感じとは違ったので印象に残ったんです」

 

そう言われてふと思う。どんな顔をしていたんだろうな、と。

……きっと、感謝していたから、そういう顔をしていたんだろう。渚が、最期の日にそうしたように。

 

「あまり時間が無いのでもう転送しますよ。良いですか?」

 

「……あぁ。構わない」

 

コエムシの問いにそう返す。

そして、世界が暗転した。

 

 

 




人によって差はあるでしょうが、一人一人の日常回はこのくらいの長さでいきたいと思います。短くするのは嫌ですし、かといって長くするのは、僕の技量でやるととてもつまらないものになると思うので。

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この回の一部と前回の一部を変更致しました。加古君を出すと共に、"ぼくらのキャラは出ない"タグを消しました。
急な変更で申し訳ないですが、これで頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。
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