コードギアス~私が目指すのんびりライフの為に~   作:チェリオ

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第42話 「本国から緊急会議…」

 神聖ブリタニア帝国 帝都ペンドラゴン

 本日大会議室にて本国にて緊急の会議が行なわれた。議題はオデュッセウス・ウ・ブリタニア第一皇子についてだった。帝国議会では前々よりオデュッセウスをいつまでエリア11に行かせたままにしておくのかと話に上がっていたが、先日のキュウシュウ戦役で他の問題も浮上して緊急会議を招集する事になったのだ。

 緊急会議議長を務める事になった皇帝陛下代理のギネヴィア・ド・ブリタニアはしたくもない会議の議長席である上座に座っていつもの澄ました顔で円卓を中心に着席している大貴族や皇族達を見渡す。欠席者はいつものように参加しない皇帝陛下を除けばいなかった。

 エリア11に居る皇族達は全員別々の映像回線で参加している。赴任した総督のコーネリアに副総督のユーフェミア、副総督補佐官の役を与えられたクロヴィスに実の妹のライラ。ちょうどエリア11に行っていた宰相のシュナイゼル、オデュッセウスに呼ばれて馳せ参じて行ったキャスタールにパラックス。遅れている今回の議題であるオデュッセウス。

 オデュッセウスの問題以前に皇族の兄弟・姉妹がひとつのエリアにそれだけ集まっているほうが問題と思うのだが。本国に居るのなんてギネヴィアを除けばカリーヌとマリーベルだけだ。

 

 『やぁやぁ、待たせてしまったかな?』

 

 やっとの事で皆が見やすい位置に配置したモニターにオデュッセウスの顔が映し出された。いつもの柔らかい笑みを浮かべており、これから彼を査問する会議が行なわれるのを気にしていない様にも見受けられる。

 兄上は何を考えている?と本来なら思うところだが焦りや不安そうな表情が見えないことからすでに何か手を打っているんだろうと考えが至った。

 

 『まだ会議前だよね。会議前にギネヴィア達に聞きたい事があるんだけど』

 「聞きたいことですか?」

 

 すっと表情が険しいものに変わったことで身を引き締めて耳を傾ける。

 

 『お土産は何がいいかな?』

 「・・・・・・・・・はい?」

 『私が帰ってから渡す事を考えたら生物よりも物のほうが良いと思うんだ。最初はミノエリアの美濃焼きやヤマグチエリアの萩焼が良いかななんて思っていたんだけど、キュウシュウブロックからトウキョウ租界までの移動中にイシカワエリアの輪島塗のお椀や加賀友禅、カガワエリアの桐下駄なんかも良いなぁなんて迷ってしまってね。それなら君達本人から聞いた方が――』

 「・・・兄上。これから会議を始めますので私語を謹んで頂けますか?」

 『あ、ああ。じゃあ、後で聞くよ』

 

 先ほどまでの緊張感が抜けて一気に馬鹿馬鹿しくなった。本当に大丈夫なのか不安になってくる。とは言えもしも本国に帰ってくる結果になったらなったで嬉しいのだが。

 

 「ではこれより緊急会議を行ないます。議題は先日伝えたとおり神聖ブリタニア帝国第一皇子にして皇位継承権第1位のオデュッセウス兄上の件についてです。今までも多少の問題行動が報告されておりましたが先のキュウシュウ戦役での事は度が過ぎていると大多数の貴族より声が挙がっています。そのことについてなにか申すことはありますか?」

 『う~ん…いろいろありすぎてどれを言えばいいのか分からないな。問題点があるなら誰でも良いから聞いてくれないかい?私はそれに答える形にするから』

 「なら早速ですが―」

 

 会議に出席していた大貴族の一人がこちらを窺いながら挙手をした。発言しても宜しいかとの確認だろう。コクンと頷くとその者は立ち上がりモニターに視線を向けた。

 

 「キュウシュウ戦役の一番の問題点はブリタニア皇族がテロリストと共同戦線を行った事に他ならないでしょう。しかも取り逃がすという失態まで晒されました。これは現場指揮官が行なったものなら極刑も逃れられない大事ですよ」

 

 物腰は柔らかに言っているが言葉の端端から敵意のようなものを感じる。

 神聖ブリタニア帝国は強大ゆえに内部にも敵が多い。これは国自体が大きいよりも皇帝陛下が子供を作りすぎたことが要因である。皇族と言うだけで貴族より多くの特権と権力を持つのに、皇族の全員が優秀な人材揃いときたものだから周りの考えの近い貴族が祭り上げようと必死なのだ。

 ギネヴィアにもブリタニア至上主義の貴族たちが作った派閥がついている。利用できるから利用しているだけで別に自分が創設し、自分の派閥として認知している訳ではない。勿論カリーヌにもマリーベルにもそんな邪な想いの派閥が付き纏っている。そしてその派閥は祭り上げている皇族の知らぬ所で派閥争いを行なっている節がある。今発言しているのもオデュッセウスを快く思わない連中なのだろう。第一皇子であることから多少の事では口出しできなかったが今回の件で責める口実を得てここぞとばかりに攻撃するだろうな。

 対してオデュッセウスはのほほんとした表情で口を開いた。

 

 『うん?なにが問題なんだい?』

 

 はぁ?と声を漏らし口をポカーンと開けたのは私だけではなかっただろう。

 

 『確かに時間をかければ包囲殲滅もコーネリア達で十分だったかも知れない。けれど時間をかけるなんて他の国の介入を許す可能性が高くなる。特に曹将軍に戦力を下賜した国とか。他にも相手の防衛強化に下手をしたら各地のテロリストが動き出して内乱状態に発展してしまうかも知れなかったんだ。なら、テロリストだとしても有効なら利用すべきではないかな?』

 「なぁ!?あ、相手はテロリストなのですぞ!!」

 『敵の敵は味方――なんて事はないけど協力する事は可能だと判断したんだ。それに黒の騎士団は案外方向性はわかりやすいものだしね』

 「しかしですね…」

 『共同戦線を行なったおかげで自軍の被害を減らせて時間も短縮。しかも黒の騎士団で使用している新型ナイトメアのデータまで入手出来たんだ。一石二鳥どころか三鳥だよ』

 

 確かにキュウシュウ戦役が終わってからブリタニア本国のナイトメア開発局や作戦局にキュウシュウ戦役で得た黒の騎士団の新型ナイトメアのデータが送られたのだ。作戦行動中に後衛に待機させたニ機が情報収集を行なっており、今まで大まかな性能しか分かってなかった新型のデータを詳しく観測したのだ。おかげでかなり良いデータがとれて次の戦闘時には生かせるだろう。

 

 「ですがテロリストを見逃した件はどう説明をするつもりですか?」

 『その件は説明する気はないよ』

 「非をお認めになると?」

 『いいや。そういう事ではなく説明できる立場にないというだけさ』

 「立場にない?」

 『これは皇帝陛下より承った勅命に関する事案でね。詳しくどころか大雑把な説明も出来ないんだ』

 「そ、そうでしたか…これは失礼致しました…」

 

 皇帝陛下の勅命…こう言われてしまえば皇帝陛下以外の者には何も言えなくなる。

 非公式に中華連邦と友好関係を深めていた兄上が突然エリア11に向かった事で皇帝陛下の勅命ではないかと噂は挙がっていた。総督には武名確かなコーネリアが着任しており兄上が入る隙は無い。そして兄弟・姉妹思いの兄上ならエリア11に行ってどうのこうのするのではなく、負傷したクロヴィスに付いていた方がらしい。一番の理由が父上である皇帝陛下が信頼を置いているというところだろう。

 それにしても皇帝陛下の勅命の事を平然と言うところといい黒の騎士団の新型データをちゃっかり記録していたりと抜かりはなかったという事ですか。

 

 「私からも宜しいでしょうか?」

 

 勅命の一言を出されて皆が黙る中でマリーベルが手を挙げた。別に兄上を責めるのではないのだろう。あの子は姉妹の中でも軽い依存状態でもあった。むしろ援護する方針だろう。

 涼しげな笑みを浮かべているマリーベルにカリーヌは片目を吊り上げて睨む。

 

 「なに?皇女に戻ってこれたと思ったら兄様を糾弾しようっていうの?厚顔無恥甚だしいわ」

 「そうかも知れないわね。でも、貴方は兄様が責められていた時は黙って見守っていたわね。少し薄情じゃないかしら?」

 「兄様を信用していたからこそ見守っていた方が良いと判断したのよ」

 「信用と放置は別物でしてよ」

 

 にこやかにされど険悪に。現実ではありえないはずなのだが確実にカリーヌとマリーベルの間で火花が散っていた。大きくため息をつきそうになるのをぐっと堪えて、二人を治めようと口を開こうとするが先に沈静化されてしまう。

 

 『こらこら。喧嘩はよしなさい』

 「「はい、兄様」」

 

 たった一言半笑いで告げられただけで散っていた火花が消え、重苦しくなった空気が元に戻った。

 

 『さてと、で…なんだったかな?』

 「はい。わたくしがお聞きしたいのは今回のキュウシュウ戦役での兄上が行なった対処についてです」

 『私がした対処かい?といっても皆に頼った面が大きいからねぇ』

 「でもです。兄様がそう思っていても今回は大きく動かれました。それによって兄様が最善と判断して行なった事を知りたいのです。ここに居る皆さんが詳細をご存知ではないのです。それは誤解を生む元です」

 『ふむ…そうだね。マリーの言う通りだ。少し長いかも知れないが聞いてもらえるかい?』

 

 マリーベルの言葉に納得して大きく頷き、モニター越しにコーネリアとシュナイゼルと目を合わせた。

 兄上の話によるとキュウシュウ戦役への対策はタンカーで日本解放戦線の片瀬が国外に逃げ出した時から始めたとのこと。元々中華連邦とは個人的にも強い繋がりを持っていた事もあって澤崎の動きは掴んでいたので片瀬が合流すればキュウシュウ戦役のような事態を想定するのは簡単だったという。

 まずシュナイゼルとキャスタールに連絡をつける(第30話「日本解放戦線の最後……だと思います。多分」より)ところからだった。シュナイゼルに設立した技術部の特派が提案した浮遊航空艦の建造を頼み、キャスタールに空中騎士団計画のパーツテストと初戦闘の訓練をさせる為の空挺降下作戦を頼む。

 嬉しい誤算としてキャスタールが兄上の為に行くなら俺もとパラックスが専用ナイトメアで参戦してきたことだ。

 これにより空挺降下作戦の【イカロスの翼】作戦だけでなく、内部より敵勢力を崩壊させる【トロイの木馬】作戦も出来上がった。

 しかし、作戦を組み立ててもエリア11で副総督補佐官では作戦は実行できない。そこで総督のコーネリアに許可を貰い(第33話「たとえ妹相手でも引けぬときがある!」より)作戦準備を進めた。しかもちょうどよくエリア11に来た神聖ブリタニア帝国宰相の承諾も得たので何の問題もなくなった。

 中華連邦が攻めてくるなら近くのブロックであり、本土より離れた地であることからキュウシュウブロックに絞って、パラックス指揮下の【トロイの木馬】作戦参加部隊が民間の倉庫などに潜み、【イカロスの翼】のキャスタール達は浮遊航空艦のアヴァロン級二番艦ペーネロペーに搭乗準備にかかった。

 作戦開始前にはシュナイゼルが中華連邦大使館を通して大宦官に話を進め、曹将軍との関係を絶たせた。

 そして作戦すべては大成功し、神聖ブリタニア帝国は被害を最小限に抑えつつ、反攻の旗印となった澤崎を始めとした中華連邦に亡命した旧日本官僚の確保。さらには日本解放戦線の片瀬の逮捕と残存戦力の掃討及び捕縛を完了した。しかも澤崎に協力したキュウシュウブロックで活動していた反ブリタニア勢力の一掃も出来た。おかげでエリア11で一番安全なブロックになったのだ。

 黒の騎士団の新型ナイトメアのデータを含めても、たかがテロリストひとつ逃したところで戦果が霞むことは無い。

 

 …ただそれ以外にも問題があるのだが…。

 

 「兄様のお話を聞いた限り、わたくしはキュウシュウ戦役で兄様を咎めることはないと思います」

 『ふぅ…良かった』

 「ただ…ひとつのエリアに留まり過ぎている件は別です」

 

 安堵の吐息を漏らしたオデュッセウスは涼しげな笑みから一変、動揺で顔が歪み目が泳ぐ。慌しく手や目を動かして頭を働かせているようだ。

 

 『うぇ!?……いや、それは…ほら…あ!エリア11も安定してないし―』

 「それは総督であるコーネリアに不安があるという事でしょうか?」

 『ッ!?そうなのですか兄上!!』

 『ち、違っ、そうじゃなくて…えと…コーネリアの能力を疑っている訳じゃなくてね。やっぱり物騒だし…危ないだろう?兄としては心配で…』

 「他にもたかがエリアの一つに皇族が集まり過ぎだと思うんです」

 「あー…それは確かに」

 「それと兄様と仲の良いナイト・オブ・ラウンズも駐留しているようですし」

 「その件は貴族間でも議論されていました。皇帝陛下の剣を兄上が使用しているなんて噂まで挙がっています。本人は休暇といっているらしいですが何かしら手を打ったほうが宜しいですわね」

 『えと…それは――ッ!?』

 

 この時マリーベルの頭には罪には問われることはないだろう多方面より攻めてオデュッセウスを本国に――自分が動ける範囲に戻ってもらおうと計画していた。それにギネヴィアとカリーヌが察して同調。対してエリア11総督であるコーネリアは理解出来たが反論するだけのものを持っておらず、久しぶりに会えたキャスタールとパラックスも不平不満の目線を向けるだけで言う事はしなかった。

 そんな会議室の扉が開かれた。

 皇族や大貴族が会議を行なっている状況で扉が開けられる状況など緊急の伝令以外では一つしかない。

 

 ―神聖ブリタニア帝国第98代皇帝、シャルル・ジ・ブリタニアが会議室入りしたのだ

 

 いきなりの皇帝陛下の登場に座っていた皇族・大貴族は一斉に立ち上がり、右手を心臓に、左手を腰に回して姿勢を正す。全員の視線を浴びながらラウンズ最強のビスマルク・ヴァルトシュタイン卿を従え、ギネヴィアの横を通り過ぎる。円卓の上座に座るギネヴィアの席より少し離れた後ろに皇帝陛下の席が置かれていた。ほとんど座ることのなかった椅子にどっさりと腰を下ろす様子を見守る。

 

 「続けよ」

 

 たった一言であった。その一言を聞いたギネヴィアが深々と頭を下げると他の者も頭を下げ、ギネヴィアに続くように腰を降ろす。

 

 「では、エリア11に皇族が集まりすぎている件は、総督と副総督、副総督補佐官を務めるクロヴィスを除いた皇族を本国に戻す事で宜しいですね?」

 『それは困るんだけど…』

 「困るとはなにが―」

 「ワシの勅命があるからだ」

 

 何故だろう。何故たった一言呟いただけでこうも重しのように一言一言が重たく圧し掛かるのだろう。

 皇帝陛下という立場を考えたわけでも、父上だからと言う訳でもない。これは自分が恐れているからだ…。心の何処かで父上の事を恐れている。何かされた訳でも恐ろしく感じる狂喜染みた言動を見聞きしたとかではなく、なにを思い何を成そうとしているのか分からない恐怖。相手の思想を多少でも知る事が出来たなら理解する事も対応する事も出来る。ただ父上の場合にはそれが見えない。分からない事は怖いことでもある。

 現に兄弟・姉妹たちのほとんどが大なり小なり感じている。仮面をかぶっているシュナイゼルとオデュッセウスは除いてだが。

 「例の報告書には目を通した。オデュッセウスよ。貴様は引き続きエリア11で行動せよ。神聖ブリタニア第98代皇帝、シャルル・ジ・ブリタニアの名の下に命ずる」

 『御下命承りました。勅命に従い任務を成し遂げてみせます』

 「うむ」

 

 皇帝陛下の命令では何かと言って兄上を戻すことは叶わなくなった。

 折角兄上とゆっくり出来ると思ったのに…。

 

 「では、先ほど名を挙げたコーネリア達とオデュッセウス兄上を除いた皇族を戻す事で宜しいですね」

 『ああ、ノネットのほうは私のほうから話をしよう』

 「お願いします。これで他の方々が思っていた懸念は晴れたと判断します。異論がある方はおられるか?では、会議を終了する」

 

 誰も何も言わないのでそのまま会議を終了させる。出来れば二度としたくない。大半が兄上を貶めようとする会議の議長なんてまっぴらだ。

 皇帝陛下が立ち上がり退席してゆく。入室時と同じく姿勢を正しく見送る。だけだと思っていたのだが…。

 

 『ああ!父上、日本のお土産はなにが良いですか?私は日本刀か羽織とか似合うと思うのですが湯飲みも捨てがたくて』

 「ふむぅ…貴様に任せる」

 『分かりました。良いものを探しておきます』

 

 兄上の言葉に一瞬悩む父上はどこかいつもと違うように見えた。というか初めて人間らしい表情を見た気がする。

 なんにしろ会議が終わってホッとする。しかし兄上はこれからが大変だろう。何しろ会議前に問題発言をしているのだから。

 

 

 

 

 

 

 本国の会議室と繋がっていたモニターの接続を切って大きく息を吐くオデュッセウスには安堵の色が見えた。

 今日の会議でいろいろ責められて『本国に戻れ』的な事を言い渡されるかと思っていたけど何とかなって良かった。まだ特区日本のこともあるし、今ここで離れるわけには行かない。

 

 特区日本を開催してユフィを守ることを少し考えてみた。

 式典会場でゼロは主催者のユフィと二人っきりで会談をするだろう。無理についていくことはユフィも頑固なところがあるだろうから無理だ。ならば道ながらにギアス関係の人員を配置して、ユフィにおかしな様子があればその場で誘導して人の場から離れさせる。あとは隔離してジェレミア卿の調整を急がしてギアスキャンセラーでかかったギアスを解除する。こうすれば虐殺皇女なんて呼ばれることはない。しかも都合の良いことにライ君も居る。彼ならゲーム通りにユフィを止められるだろう。これでユフィを止められる手立てが二つも用意できた。

 次は父上様と伯父上様を止める手立てだけどもそこはまだ考え中。さすがに武力でというのは気が引ける。

 

 まぁ、特区日本の開催日までには何とか考えよう。まだまだ日本にはいられるのだから。 

 先に父上様にC.C.の事の報告書を出しておいたのも少しは良い方向に向かったのかも知れない。といっても伝えた内容はトウキョウ租界に居るという事と黒の騎士団と関係がありそう程度で居場所は一切書いてない。しかし大事な情報であることには変わりないだろうし、父上様達の夢を実現するには必須。成果を出した事でわざわざ会議室まで行って残るように言ってくれたのだろう。

 

 

 「殿下、宜しかったのですか?」

 

 ひと息つこうと置いてあったカップに手を伸ばしたよく執務室に入り浸っているマオに声をかけられた。

 

 「なにがだい?」

 「いえ、お土産の話です」

 「それは大丈夫だよ。驚かせる為に買うんじゃなくて喜んで欲しくて買うんだから先に知られても構わないよ」

 「そうではなくてキュウシュウブロックからトウキョウ租界まで陸路を選んだのがショッピング関係だったと知られたのでは?」

 「・・・・・・あ」

 「しかもコーネリア殿下も聞いてましたよね」

 

 急に血の気が引いたように真っ青になる。そしてノックされる扉。

 

 「兄上。少しお話があるのですが―」

 「どうするのでって殿下!?」

 「後は任せるよ」

 

 マオの目の前で窓より飛び下りたオデュッセウスは下で待機していたギルフォードとダールトンに捕まり、カンカンに怒ったコーネリアの説教を喰らうのであった。しかも危険な行為をしたという事でいつもの三倍コースで…。


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