コードギアス~私が目指すのんびりライフの為に~   作:チェリオ

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第97話 「騒動の後に次なる騒動の準備に勤しもう」

 気持ち悪い…。

 いや、私の体調の話じゃなくて目の前にいる人物のせいである。

 寧ろ身体の方は万全だ。

 やけに今日は目覚めも良かったし、気分も良かった。

 

 モーニングティーを飲みながら新聞に目を通し、中華連邦の一件でブリタニアを巡る情勢が多少騒がしくなるかなと懸念したぐらいで本当に清々しい朝だったのに。

 

 カリーヌは半笑いで見つめながらため息を吐いた。

 本日の予定には中華連邦の件についての会議が入っていた。

 内容はオデュッセウスお兄様と中華連邦との婚儀がご破算となった事で、ブリタニア有利の不平等条約も同盟も破棄され、皇帝陛下が中華連邦を武力を以て奪い取れと命じられた事だ。

 

 本来皇帝陛下の言葉は絶対なのだけれども、私達兄弟姉妹は全然乗り気ではない。

 いつもならパラックス辺りが生き生きしながら自分が行こうかと提案するのだが、今回はつまらなさそうに聞き流している。

 それもその筈。

 私たちの兄上――オデュッセウスお兄様がそれを望んでいないのだから。

 どうも最初っからこの婚儀を壊す予定だったらしく、婚儀の破棄を大宦官を排した中華連邦代表より通達された時もにっこり笑顔で返事していたし。

 

 本人の意思を無視した政略結婚を嫌い、民を苦しめ私腹を得る大宦官と合わないお兄様はもとより彼らをブリタニアの貴族として迎える気が無かった。だからと言って婚儀を自分から破談することも出来なかったろう。ならば大宦官を排し、国崩しが取り易い状況を作り出したのだ。

 これがシュナイゼルお兄様が間近で見たお兄様の狙いだと判断している。

 不平等条約と政略結婚をちらつかせて中華連邦――いや、大宦官への反乱分子を動かさせ、隙に乗じて黒の騎士団が仕掛けると踏んだ策。結果は上々。大宦官は反乱分子と黒の騎士団に討ち取られ、現政権は崩壊。今や群雄割拠の内乱状態に突入し、外から掠め取るには絶好の機会となった。

 それに絶対の支配者であった大宦官が黒の騎士団の策略で中華連邦の悪の象徴となった時に、自ら前線に赴いて天子を救い、悪を討つために例え敵対勢力の黒の騎士団であろうと手を取り合う。

 あの光景は中華連邦に全土に知れ渡っており、中華連邦の民の中にはブリタニアを支持する声もあるのだとか。

 他にも現政権を手中に収めたのは若手が多く、若造に従うなどと悪態を付く各領主は民の声も相まってブリタニアに靡き易かった。

 ちなみに中華連邦へはシュナイゼルお兄様が出向くこととなった。

 モンゴル省の国境沿いに二個師団を揃え、戦闘行為をせずに示威行為と交渉だけで領土の半分は手に入ると断言する辺りシュナイゼルお兄様らしい。

 

 担当を決めたならば会議は終了……の筈だったのに…。

 

 『では黒の騎士団より鹵獲した紅蓮の件だが…』

 『頂戴!』

 『貴様!?何を当然のように強請っている。まずは私を通してから――』

 『えー?でも君は殿下の機体で忙しいんではないのかい?』

 『殿下の機体なら昨日終了した』

 

 そう…これがあったのだ。

 オデュッセウスお兄様が中華連邦に行ったお土産という事で話に上がった新型ナイトメア二機…。

 一機は黒の騎士団のエースが乗りこなしていた紅蓮を飛行型へと強化改修したもので、もう一機は中華連邦初の新型の人型ナイトメアフレーム朱厭。

 どちらもブリタニアのナイトメア系譜とはかけ離れており、技術屋としてはぜひとも調べ尽くしたいところなのだろう。

 つまり大の大人が無邪気な子供の様におもちゃの取り合いに興じているのだ。

 

 見ているだけのこちらとしては欠伸が出るほど退屈だ。

 

 すでに各エリアより回線を通じて参加していたパラックスはつまらないと一蹴して退出。マリーベルとキャスタールは予定もあって回線を切った。

 今この不毛な会議に参加している皇族はオデュッセウスお兄様に私にギネヴィアお姉さま、それとナナリーの四人。後はロイドやミルビル博士のような技術屋だ。

 あぁ、クロヴィスお兄様はもうこのような皇族の会議に参加されることは無い。

 エリア11で負傷してから皇位継承権を剥奪されたが、その後は総督補佐や内政官として各エリアを転々としていたのだけれど、もう争い競うブリタニアの内情に飽き飽きしたのか今や芸術家として政治から離れているのだ。

 確かヨーロッパで腰を落ち着けて絵を書いていたっけ。

 結構好評でかなり儲けているとか。

 ま、儲けとかより好きな物を好きなように描けるというのが楽しいらしいとライラからこの前メールを貰った。今の絵を書きあげたらエリア11の焼き物にチャレンジするとかなんとか…。

 その話は私ではなく、エリア11を気に入っているオデュッセウスお兄様にしてあげた方が良いと思うのだけれど。

 

 

 にしてもなにアレ…。

 こんなどうでも良い話を呆れ顔でなくニコリと微笑んでいるギネヴィアお姉さまは…。

 

 昼前に会ってからずっとそう。

 ご満悦なのかずっとにこにこ笑っているのだ。

 お兄様みたいに微笑んでいるのなら分かるが端っから満面の笑みで今までその表情を崩していない。

 うん、はっきり言って気持ち悪い。

 

 だってお姉さまってお兄様の前ではちょっと表情を崩されるけれど基本鋭い視線に凍り付くような笑みかきりっとした真面目な表情しかしないのに。

 あの世界の終わりでも見たかのようなメイド達の表情は何も間違っていないだろう。

 中には驚き過ぎて持っていた花瓶を落としてしまい、割る者もでたぐらいだ。

 

 不自然だとか怖いとか通り過ぎて気持ち悪い。

 理由は分かっているし、理解もするけれどもこれは…。

 

 「~♪」

 

 柄にもなく鼻歌まで歌い出したし…。

 もしかしなくてもお姉さま話を聞いてないんじゃないかしら?

 なんか脳内トリップしているような感じが…。

 

 『だぁ~かぁ~らぁ~頂戴ってば!』

 『駄目なものは駄目だ。ですよね殿下』

 『え、あ、えっとぉ…確かに私が鹵獲した物ではあるんだけれども所有権は軍になるから話し合いは…ねぇギネヴィア』

 「―――え?」

 

 急に話を振られてあたふたしてる。

 でもにやけ顔は収まってない。

 

 「申し訳ありません。お話を聞いておりませんでした」

 『いや、私が鹵獲したナイトメアについてを私が勝手に決めるにはっていう話を…』

 「それでしたらお兄様のお好きにすれば宜しいかと」

 『へ?そんなに簡単に』

 「お兄様がお決めになった事なら誰も反対しませんので」

 『――――ギネヴィア。何かいいことあったのかい?』

 

 さすがに分かりますよね。

 お姉さまは手を振りながらそんな事ないですよなんて言っているが、あの表情を見て気付かない人はいないだろう。

 そんな態度のお姉さまの言葉に対して『ど、どうしたんだいギネヴィア。言葉と表情があっていないよ』と突っ込みが入れられる。

 さて、そろそろお姉さまを正気に戻しましょうか。

 

 「もう、ギネヴィア姉様ったらオデュッセウスお兄様の結婚が無くなってからずっとこうなのよ。私のお兄様が小娘に盗られずに済む~なんて」

 「――――ッ!?かかかかか、カリーヌ!!わわわ、私が何時!どこで!そのような事を仰りましたか!?」

 「えー…動画もちゃんと撮ったけど流しましょうか?あ!アーニャに送ってブログに―――」

 「ま、待ちなさい!!」

 

 少し揶揄ったら耳まで真っ赤にしたお姉さまが駆けだして来た。

 勿論逃げの一択でその場から離れる。ドレス姿のお姉さまに比べてこちらは動き易い服装なので距離が詰まる事はそうそうない。走り疲れた頃には熱が冷めて冷静になるだろう。

 

 『と、とりあえず紅蓮はロイドに、朱厭はミルビル博士に任せるよ。捕虜は私が預かる事で良いかな』

 「―――ッ!?お兄様はあのような小娘が良いのですか!!」

 

 ………いつものお姉さまがお戻りになるのはまだまだ先になるようだ。

 

 

 

 

 

 

 ロロ・ランペルージは憂鬱な気持ちでため息を漏らす。

 兄さんであるルルーシュが帰って来るこの日に憂鬱になるなんて思いも知らなかった。

 中華連邦に向かう際には機密情報局員としてブリタニアにルルーシュが白という嘘情報を送ったり、ルルーシュに変装した咲世子のサポートまでこなす者が必要で、マオには任せれない為にボクが残る事になったのだ。

 テレビで兄さんが危機的な状況に陥った時には本当に心配したし、オデュッセウス殿下の機体らしき機体が前線に出て来たときには胃が痛くなった。

 

 でもそれは数分だけだった。

 兄さんと殿下が協力して事態に当たる様子を見て心の底から安堵した。

 不安から解放された事で昨日はぐっすり眠られて気分はすっかりリフレッシュしたというのに…。

 どうしてこうもため息を漏らさないといけないのか。

 全てはこの二人のせいだ…。

 

 「何なんだこれはぁああああああ!!」

 

 機密情報局が活動拠点としている学園地下の循環システム管理施設の一室にて兄さんの叫び声が響き渡る。

 咲世子は昔からルルーシュとナナリーの世話をしていたメイドで、ブラックリベリオン直前で黒の騎士団に入団した団員である。高い身体能力を使っての情報収集や白兵戦に優れている。

 兄さんは能力からかそれとも信頼からか正体を明かしたのだ。

 忠実に働く彼女の姿勢には感心すらさせられるが、姿勢が良くとも実績が見合ってなければ意味がない。

 能力が高いのと天然が入っているのか絶対に兄さんがしない事を涼しい顔でやってのけてしまったのだ…。

 

 睡眠を三時間として108名の女性とデートの約束。キャンセル待ちが14件にデートは六か月待ち状態。

 確かに兄さんは人間関係は円滑にって言ったけどこれは異常だ。

 特にこの休みのスケジュールは体力の少ない兄さんでは無理だろう。

 朝七時から手作りのお弁当を御馳走になり、九時から美術館、十時三十分からショッピング、十二時に水族館、そのまま蜃気楼で中華連邦へと移動を開始。海面浮上は四百キロメートル離れたところで行い、着替えなどはコクピット内に用意してあるものを着て、中華連邦に到着後十五時から上海にて通商条約の締結。現地滞在可能時間は四十七分で帰国後二十一時から映画のレイトショー、二十四時二分よりライブハウス前で待ち合わせ、その後…。

 

 こんなブラックスケジュールをこなせる人なんているのか?

 

 「安請け合いし過ぎなんですよ咲世子は!」

 「人間関係を円滑にというご指示でしたので」

 「確かにそうだけどこれでは――」

 「ブッ、アハハハハハハハハ!これじゃあ人格破綻者だねぇ」

 「笑い事じゃありません!!」

 

 スケジュールを目にして叫ぶ兄さんを見てものほほんと微笑みを浮かべている咲世子に怒鳴ったところ。何か問題がありましたか?と言わんばかりの答えと表情が返って来た。

 これで悪意がないのが余計に質が悪い。

 

 「無理だろこれはさすがに…これに比べれば母さんの特訓の方が………いや、それはないな。アレを受けるぐらいならこのスケジュールの三倍でも軽い」

 「兄さん!?目のハイライトが消えてますよ!!しっかりしてください」

 「ハッ!?俺は何を…」

 

 首を痛めない様に優しく揺らすと兄さんは我に返り、状況を再認識し始める。

 分かるよ。

 現実逃避するのも理解するよ。

 だってこれから黎 星刻達と共にバラバラの中華連邦をまとめ上げたり、紅月 カレンが捕虜となった現状でラウンズを相手にしなければならないのでその対策作りと忙しいのだ。

 だからこんな余計な事態に患っている時間すらないというのに咲世子のやつ…。

 

 しかもそれだけでなくラウンズが転校して生徒会入りしたりと問題は増えていく一方。

 リヴァルさんから賭けチェスの話を聞いたジノ・ヴァインベルグ卿が「チェスに連れて行ってくださいよお金かける裏社会の奴」といって変装中の咲世子に持ちかけたのだ。

 ――【交友関係を円滑に】の命令の下に受諾。

 

 なにを受諾しているんですか!?ラウンズを連れて裏社会にって馬鹿じゃないですか!?

 殿下とは違った意味合いで胃が痛くなってきた。

 そしてトドメに殿下の言伝を承ってここに来たこいつだ。

 

 「本当に…本当に生きて…ナナリー様が生きていらしたからもしやと思っておりましたが…本当に良かった」

 「貴方は何時まで同じセリフを繰り返しながら泣いているんですか!!」

 「それほど忠節に富んだ方なのでしょう」

 「富んでいるというよりぶっ飛んでますよ」

 「ある意味凄いよね。今こいつの脳内ルルーシュで一杯だよ。アハハハハッ…腹痛い…プッ、ハハハハハハハ」

 「笑い過ぎです!」

 

 こいつと言うのはオレンジ事件で有名なジェレミア・ゴットバルト元辺境伯の事である。

 突如学園にやって来た彼をギアス饗団の刺客と断定して敵対行動を取ったものの、武装を解除して兄さんとの面会を求めたのだ。銃口を突きつけて警戒しながらまずはマオにチェックしてもらったら問題ないとの回答を得た。脳内兄さんでいっぱいだよと馬鹿にしたように笑っていたが、人の事をとやかく言うどころかブーメランになっている事に気付いてないのか?この病的にC.C.の事しか頭にないストーカーは…。

 

 ジェレミアは皇族への忠誠心――特に母さん(マリアンヌ)を敬愛しており、【マリアンヌ襲撃事件】が初任務で警護に付いておりながらも護れなかった事をずっと後悔し、その子供であるルルーシュとナナリーが表向きで亡くなったと知った時には絶望した。

 以来皇族を命に代えても護る覚悟の下、常に上の地位に就くことを目指し、純血派を組織したのだという。

 今回エリア11に来たのはギアス饗団にルルーシュの刺客として送られてきたのだが、出発の際にオデュッセウスよりルルーシュの意図がマリアンヌの死の真相を追っていると教えられ、ルルーシュの下で―――ゼロの剣の一つとして仕えさせて欲しいと言って来たのだ。

 兄さんはそれを許可して今に至るのだが、感極まってかずっと歓喜の涙を流し続けている。

 そろそろ脱水症状に陥りそうだが大丈夫か?

 

 「はぁ~…とりあえず咲世子の件は後回しにするとしてジェレミア」

 「ハッ!」

 「兄上からの言伝を聞かせて貰えるか?」

 「イエス・ユア・マジェスティ」

 

 返事が皇帝に使うものなのだが…いや、突っ込むのは止めておこう。

 もう胃も精神も疲れたよ。

 声を掛けられると姿勢を正して涙を拭き取ったジェレミアは懐より大事にしていた書状を兄さんに差し出した。

 

 「―――っこれは!?」

 

 さらっと目を通した兄さんは驚愕し、ジェレミアを見つめ返す。

 ジェレミアの瞳には強い光と憎しみが渦巻いていた。

 

 「オデュッセウス殿下よりもたらされた情報です。ギアス饗団を討つべく行動してくれる者らとマリアンヌ様を殺害した下手人の名が記載されております」

 

 兄さんもジェレミアと同じく憎しみを瞳に宿した。

 これは当分休めそうにないなと思いつつ、ロロはルルーシュのやりたいことを最後まで支えようと覚悟を決めたのだった…。

 例えV.V.と対峙する事になろうとも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会議を終えたオデュッセウスは大きなため息を吐いて、がっくりと肩を落とす。

 岩肌の上に腰を下ろして空を見上げる事、数十分。

 これから自分が行う事について頭を悩ましていた。

 

 「どうした?」

 「んぁ…あー、ちょっとね」

 「気が変わったとか言うなよ」

 

 現在オデュッセウスは中華連邦に残っているが、今いる場所はペーネロペー内部ではなく荒野。それも反ブリタニア勢力を支援しているピースマークに関わりのある部隊と共にいる。

 まぁ、オデュッセウスを排する危険性は皆無のオルフェウスの部隊であるが…。

 

 「いよいよギアス饗団を叩き潰す訳だな」 

 「そうなんだけどさぁ…」

 「何かあるのか?」

 「そりゃあ子供たちの件もあるだろう」

 「…救えるだけは救うさ」

 

 隣にまでやって来たオルフェウスは同じく空を見上げる。

 ギアス饗団に恨みこそあれど実験体である子供たちを虐殺しようとは思ってはいない。

 それはオデュッセウスもであり、救いたいとも考えている。

 だが、一番の悩みは伯父上様である。

 このままいけば確実に伯父上様は死ぬのだがそれで良いのかと自問自答している。答えは今のところ出てはいないが、出さねばならない。

 

 「なにしてるの二人でさ」

 

 どこか不満げにオルフェウスの腕に抱き着いたクララがジトーとオデュッセウスを睨んで牽制する。

 まるで大切なおもちゃを盗られまいとする子供だなと思うと笑みが零れてしまった。

 

 「なに、妹を持つ兄同士だ。妹自慢以外にあり得ないだろう?」 

 「そうなのオルフェウスお兄ちゃん」

 「あ、あぁ…そうだな」

 

 嘘であるが自慢に思われていたという事で嬉しくなったクララは思いっきり身体を擦り付けるように抱きしめ直す。

 クララはギアス饗団より私の元へ監視役として派遣されたのだが、オルフェウス君の下に投げてきました。その方が彼女の為にもなるだろうと思って。

 結果原作では見られなかった仲の良い様子にほっこりしながらオデュッセウスは、膝の上に頭を乗せて安らかな寝息を立てているコーネリアの髪を撫でる。

 先ほどまでギネヴィアと同じような笑みを浮かべ、甘えて来たかと思ったらもう寝てしまっている。色々慣れない生活で疲れも溜まっていたのだろう。

 

 「にしても君達覗き過ぎじゃない?」

 「「「―――ッ!?」」」

 

 トレーラーより頭を出してこちらを除いていた連中に声を掛けると一目散に逃げて行った。

 気のせいでは無ければギルフォード卿の姿もあったような…。

 

 「殿下。準備整いました」

 「すまないねアキト」

 「いえ、これも仕事ですので」

 

 今回ギアス饗団を相手にするという事で公に部隊を扱えず、しかし人員は欲しいのでギアスに関わっており口の堅いアキト少佐に同行を頼んだのだ。

 ………レイラにはアキト護衛で皇帝陛下より特命を受けたとかそれらしい理由を付けて置いて来たのだが、信じて貰えただろうか。もしかしたら帰ったら説教タイムとか…勘弁してほしい。

 

 「さてと…それまではこの癒し時間を堪能しますかね」

 

 そう言いつつコーネリアの髪を優しく撫でているオデュッセウスは、アキトとガバナディにより整備された暁(※大宦官の部隊と戦闘して破損していた暁を何機か改修してニコイチの要領で組み上げた機体)を困った顔で眺める。


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