biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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ジルを失う事で、1人孤独に戦う事に拍車をかけたベルトウェイ
レベッカとの出会いが彼の運命を変えるとは知らずに…


怖かった

 怖かったんだ…

 みんなが死んでいく状況が…

 そんな人たちが俺を恨んでいるんじゃないかって…

 夢に出て来て、俺を殺そうとする…

 追いかけてくる…殺そうとする…

 やめてくれ!

 俺は戦っている理由が分からなくなっていたんだ。

 

 

 列車はゆっくりとではあるが、確かにスピードが上がって行く。

 止まっていた列車が突然走り出しただけでも不可解なのに、その上先ほどからゾンビの数が増えているような気がする。

「ゾンビはどうやってこの列車に入ってきているんでしょうか?」

「このままここに居ては危ない。少し後ろに下がるぞ!」

 レベッカは黙って頷くと、俺達はゆっくり後ろの車両に下がって行く。

 ゾンビは前の方から歩いてくる。

 この車両に人が多く乗っていたとしても、これだけのゾンビが居るのはあまりにも不可解だ。

 ハンドガンでゾンビの頭を撃ち抜いていると、前の座席からなにかがはいずりまわってくる音が聞こえてくる。

「何か音が聞こえませんか?」

「確かに何か聞こえるな…何かが来る?」

 俺は周囲を確認するが、ゾンビ以外に発見することはできない。

 二つほど車両を移動した時だった、窓を割って入ってくる何かを発見した。

 何かは天井に張り付くと、ようやく俺はそれを確認出来た。

「リッカー…こんな奴が自然発生するわけがない」

「じゃあ…今回のバイオハザードは」

「誰かが意図的に起こした可能性がある」

 リッカーは天井に張り付きながら、俺達を敵として捕らえていた。

 リッカーの舌が俺に向かって伸びてくる。

 俺達はその攻撃を回避すると、リッカーに向けて銃の引き金を引く。

 しかしリッカーはその攻撃すら回避して見せると、リッカーは俺達の後ろに回り込んだ。

 リッカーは再び俺達に向かって走ってくる。

 リッカーの爪が俺に向かって走ってくると、俺はしゃがんで攻撃を回避した。

「は、早い」

 リッカーは床に着地したと思うと、恐ろしい速さで走ってくる。

 リッカーの攻撃はレベッカを捕えていた。

 リッカーの爪はレベッカを切り裂こうとした時、俺は自然とレベッカの盾になっていた。

「ベルさん!」

 俺の背中から血が噴き出すと、俺はレベッカに向かって倒れ込んだ。

 

 

 失うことが怖かったんだ…

 また俺の目の前から誰かが消えてしまう事が…

 だから遠ざけた…

 エイダを…ジルを…

 みんなを…

 誰かに愛されることが…誰かから親しまれることが…

 途方もなく怖かった…

 俺は強くなんてない…

 俺は…弱い…生き物だ…

 

 

 リッカーはまたしてもレベッカに向かって走って行くと、レベッカはハンドガンの引き金を引くが、攻撃は当たらない。

 リッカーの攻撃が当たる瞬間に、リッカーの頭にハンドガンの弾が撃ち込まれた。

 リッカーの頭を吹き飛ばしたのは、俺のハンドガンだ。

 俺はレベッカの体の隙間からリッカーの頭を狙った。

「だ、大丈夫なんですか?」

「ああ、大丈夫だ」

 俺の背中の傷は完全に塞がっていて、そこに傷が在ったとは思えないほどだ。

 それはレベッカの表情から読み取れるし、現に俺は全然痛くない。

「どうなってるんですか?」

「……」

 俺は聞かれた事に、黙っている事しか出来なかった。

 レベッカも何かを感ずいたようで、それ以上は聞いてこない。

 ゾンビをあらかた片付けると、俺達は改めて列車の前に進んで行く。

 ゾンビをあらかた倒したと言っても、ゾンビの叫び声がまだ聞こえてくる。

 やはりこのゾンビの量はどう考えてもおかしい。

 俺が乗っていた時はそんなに人が乗っていたとは見えなかった。

「外は嵐、中は化物…絶望的だな…それに通信機も壊れてつながらない」

「応援はまだ来ないんですか?」

「準備をしてここまで来るのに時間はかなり掛かるな」

 どのみちこの列車を止めなければいけないのは事実だ。

 それに気のせいかもしれないが、列車のスピードが上がっている気がする。

「この列車、スピードが上がってませんか?」

「そんな気がするな」

 外に写っている森が徐々に目で追えなくなる。

 確実にこの列車の速度は速くなっている。

 早めに前に進んだ方が良さそうだな。

「レベッカ、前に急ぐぞ」

「はい」

 俺達は少し走りながらも、前へ急いでいく。

 

 

 後3個で一番前の車両に付くという所で、俺達はゾンビの群れに囲まれていた。

 どこから入って来たのかは分からないが、俺達以外に生存者いない確率があまりにも高い。

「やばいぞ、このスピードで突っ込めば…町は」

「大変な事になります」

 列車のスピードは確実に早くなって行く、すでに危険な速度まで達している。

 俺達は確実に焦っているが、だからと言って何か状況が好転するわけでもない。

 それでも着実に事態は悪い方へ進んで行く。

「こっちだ!」

 俺はレベッカを連れて隣の部屋に入ると、窓から列車の一番上を目指した。

 俺が先に上がると、下にいたレベッカに手を伸ばした。

 レベッカも同じように上をたどり着くと、ゾンビたちは窓から飛び出している。

「気にするな」

「はい…」

 こうなった以上、俺達はこの列車を止める事しかできない。

 もしこの列車が町に突っ込めば、最悪の状況になる。

 まさしくラクーンシティの再現になるだろう。

「まだまだ先だな」

「そうみたいですね」

 雨風に耐えながらゆっくりとではあるが先に進んで行く。

 通信機もこの嵐のせいか、先ほどからつながらない。

 いつまでもハンドガンの弾があるわけでもない。

 だからと言って、諦めるわけにもいかない。

「レベッカ…大丈夫か?」

「はい、慣れてますから」

 そう言うレベッカの表情は確かにどこか慣れてそうな気がする。

 俺はそれを確認すると、黙って前へ進みだした。

 もう一つ越えれば、一番前にたどり着くと言うときに、俺の足元から何かが現れた。

「レベッカ!」

 俺達の足元が崩壊していき、自然と俺達を列車内に戻してくれた。

 俺達は転がりながら、態勢を整える。

 するとそこに居たのは、サソリの姿をした化物だ。

 かなり大きく、二階建ての列車の中を窮屈そうに歩いている。

「虫はあんまり好きじゃないんだけどな」

「来ます!」

 俺はアサルトライフルを構えると、サソリに向けて引き金を引いた。

 しかし、弾はサソリの腕に当たると跳ねてしまった。

「弾が通用しない!?」

「そのようですね」

 サソリは尻尾で俺達に向かって攻撃を仕掛けてくる。

 俺達はそれを紙一重で回避すると、サソリの頭めがけて引き金を引いた。

 サソリはそれを腕でガードすると、後ろに下がって行く。

「腕が硬くて中々攻撃が通らない」

「それを掻い潜って攻撃しないと」

 サソリはある程度下がると、尻尾での攻撃をする為に態勢を整えた。

 溜めるように態勢を低くしていると、サソリは一気に走ってきた。

 俺の目の前に尻尾が突き刺さると、床に大きな穴が開いてしまう。

 俺は穴に落ちてしまい、レベッカと俺は離れ離れになってしまった。

「レベッカ!大丈夫か!?」

「はい!」

 そうしていると、サソリは俺を標的に捕えたようで、俺に向かって近づいてきた。

 穴から落ちてくると、腕を使って攻撃を仕掛けてきた。

 左右から順序良く攻撃が来るので、俺はそれを回避しながらちょっとずつ下がって行く。

 アサルトライフルの攻撃は、サソリの腕に当たるだけで致命的な攻撃にはならない。

「今そっちに行きます!」

 レベッカは穴から降りようとするが、サソリは尻尾を使ってそれを妨害する。

 レベッカはどうするか考えていると、部屋の奥に消えて行った。

 俺の方はと言えば、先ほどからサソリの攻撃を回避する事しかできない。

 アサルトライフルの攻撃が通用しないので、攻撃の殆どを封じられたと言っても過言でない。

「どうする…どうする」

 頭で考えていると、サソリの後ろからレベッカが現れた。

「後ろから私が攻撃します!」

「頼む!」

 後ろと前から同時に攻撃を加えて行くと、サソリは徐々に防戦一方になって行く。

 その時、サソリは壁を突き破り列車の上へ逃げて行く。

「追いましょう!」

「ああ」

 俺達は奥の階段を使って二階に上がると、そのまま窓から二階を目指した。

 外に出ると、サソリは一番奥で俺達を待ち構えていた。

 サソリにちょっとずつ近づいて行くと、サソリはいきなり襲い掛かってきた。

 尻尾を使った攻撃を何とか回避すると、俺はアサルトライフルを使って攻撃を加える。

 アサルトライフルの攻撃が頭に当たると、サソリは少し怯んでしまう。

「こいつの弱点は頭か」

「でも、こいつの腕が邪魔で中々当たらないですね」

 俺達はサソリの頭めがけて攻撃を続ける。

 腕にガードされるとはいえ、すべての攻撃を回避し続ける事は出来ない。

 少しづつ攻撃がサソリの頭を直撃していく。

 サソリは一か八かの賭けにでたようで、尻尾を使って俺達に襲い掛かってきた。

 ガードも無に、一心不乱に攻撃を続ける。

 その攻撃は既にどこに当たるか分からない。

 尻尾の攻撃は先程から床を突き抜けたり、天に向かって攻撃を加えようとする。

 俺達に向かって薙ぎ払おうとする。

「これなら」

 俺はアサルトライフルを構えると、落ち着いてサソリの頭めがけて引き金を引いた。

 サソリの頭に弾が当たると、サソリは尻尾を床に叩きつけると列車から落ちていった。

「何とかなりましたね」

「だな、早く列車を止めよう」

「はい!」

 俺達は先程開いた穴から運転席に入ると、ブレーキを引こうとする。

「無い!ブレーキが!」

「さっきの攻撃でブレーキが壊れたんですよ!」

 ブレーキが在った場所には既に壊れた機械が火花を出している。

 俺は他の停止する手段を探している。

「!そうだ!緊急停止ボタンがあるはずだ!」

 俺は周囲を確認していると、赤いボタンを発見した。

 俺はそれを思いっきり押した。




 死にたくない!
「来るな!!」
 銃を使って攻撃を繰り返しても、ゾンビの群れは一向に減らない。
 駅の中で戦っているが、すでに仲間である警察も全滅してしまった。
「くるんじぇねえ!!」
 すると、奥から列車が突っ込んできた。
 俺の目の前に列車が突っ込むと駅がめちゃくちゃになってしまう。
 そして俺の向かって列車の車体で倒れてくる。
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