biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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レベッカと共に工場の中に入って行くベルトウェイ
工場で意外な名前を目にする


焦り

 分かっていた、知っていたはずだった…

 答えなんてすでにあることに…

 それでも見えないふりをしていたんだ…

 分からないふりをしていたんだ…

 そうやって逃げていたんだ…

 あの頃に、失ってしまった大切なモノが在ったから…

 

 

 工場の入り口に向かって走って行くと、奥の方で戦闘音が聞こえてくる。

 銃撃と爆発音が混じって聞こえてくると、俺達は嫌な想像をしてしまう。

「まさか…みんな!」

 レベッカが走って行くと、俺も同じように戦いの渦中に向かう。

 何人かの人達がリッカーの群れと戦っていた。

「みんな!」

「レベッカか?」

 俺が走って行くと、リッカーに向かってハンドガンの引き金を引いた。

 ここは列車のように狭くないので、戦いやすい。

 リッカーの頭を吹き飛ばすと、更にテラセイブのメンバーに襲うとしていたもう一匹のリッカーにナイフを投げた。

 リッカーの頭にナイフが突き刺さると、リッカーは黙ってどの場に倒れ込んだ。

「これで全部か?」

 俺は周りを見回すと、リッカーは先程で最後だったらしい。

 俺はそれを確認すると、俺はそこにクレアがいないか確認していた。

 しかし、そこにクレアはいない。

 レベッカも同じように誰かを探しているようで、先ほどから周囲を見回している。

「ビリー?クレア?」

「ビリーとクレアならさっきこの工場の奥に人影を見つけたと言ってこの先に…」

「クレアがこの先に!?」

 俺は工場の中に向かって走って行く。

 レベッカも同じように走って行くと、俺達は工場の中に入っていた。

「クレア!どこだ!?」

「ビリー!クレア!」

 俺達は大きな声で叫びながら奥に進んで行く。

 工場の中には、すでに誰もいない。

 俺達は戦う準備だけを整えて、工場の中を進んで行く。

 工場はそれなりに複雑になっていて、入り口の方には誰もいない事を確認した。

「もっと奥の方に進んだようだな」

 ゾンビの気配があちらこちらから窺える。

 俺達は工場一階を進んで行くと、大きな空間出てきた。

 中ではいまだに機械が動いていて、その周辺をゾンビが徘徊している。

 上にも筒抜けになっていて、上では通路がいくつもつながっていた。

「どこだ?クレア…」

 俺は少し焦っていると、レベッカが横から話しかけていた。

「少し落ち着きましょう…焦っていても見つかるわけじゃないです。それにビリーやクレアも戦えます」

 分かっているんだが、それでも俺は焦っていた。

 あの時の…ジョージ達がゾンビになったような…

「どうしたんですか?なんか様子がおかしいですよ」

 みんなが失われていく事を…思い出してしまった。

 レベッカはあくまでもマイペースに進んで行き、俺は少し焦りながら先に進んで行った。

 ゾンビの頭を吹き飛ばしながらも、クレア達を探していく。

 一階をあらかた探し終えると、今度は地下に進むために階段を探していた。

 しかし、一階には上に上がる為の階段しかない事に気づいた。

「仕方が無いですね、上に上がってみましょう」

 そう言いながら、俺達は階段を上って行った。

 上は一階とは違いこれといって機械が並んでいるわけではない。

 その変わり休憩室などが並んでいる。

 通路を真直ぐ進んで行くと、ロッカールームと書かれた部屋から物音が聞こえてくる。

 ロッカールームの中に入ると、そこにはトランプがテーブルの上に散乱している。

 ロッカーが壁に沿うように並んでいて、テーブルの奥で何かが動いた。

 俺がそこに行くと、そこに居るのはここの従業員らしい男がそこに居た。

 その男は既に息を引き取っていて、頭を撃ち抜かれている。

「ここのビリー達が来ていたっと言う事でしょうか?」

「多分な…」

 しかし、先ほどの物音の正体はなんだ?

 天井や周囲を確認するが、物音の正体らしいモノは見当たらない。

「さっきの音はなんだ?」

 ハンドガンを構えると、ロッカーから何かが動く音が聞こえてくる。

 ロッカーをそっと開けると、中から出てきたのはゾンビだった。

 しかも生きていて、俺の上に乗っかる態勢になってしまった。

 俺はナイフを抜くと、ゾンビの首に突き刺した。

 ゾンビの首から血が大量に噴き出すと、俺はゾンビを蹴り飛ばした。

「なんだ…ゾンビか…」

 先ほど吹き飛ばしたゾンビの服から何か書類のような物が出てきた。

 俺はそれを拾うと、中身を読み始めた。

『ウェスカー様とエクセラ様が地下研究所に立ち寄った。どうやらバロク様に用があるようだ。我々には何にも情報が行かないのは当たり前か…。どうやら例の新型ウイルスに関する内容を聞きに来たようだ。バロク様が持ってきたプラーガを引き取りにも来たようだが、肝心のバロク様はプラーガに興味が無いようだ。』

 俺はそこに意外な名前を見ていた。

「ウェスカー?エクセラ?」

 エクセラって、エクセラ・ギオネの事か?

 あのトライセルのアフリカ支店の社長だったはずだ。

 それにウェスカーがここに訪れていて、しかもバロクと組んでいる。

『リカルド・アーヴィング様も訪れた。何かを話し合っていたようで、帰り際に大きなケースを持っていた。後で分かった事はそれはどうやらBOWの保管庫の場所を書かれた書類だったようだ。リカルド様はBOWの市場に売り出している商人らしい。俺達が言っても聞かないし、逆に始末されるだけだ。明日にはどうなるか分からない』

 ここで書類の中身は終わっている。

 俺はリカルドという男の事は分からないが、この男を捕まえる事はBSAAの仕事だ。

 ウェスカーも捕まえなければいけない。

「ここで何かが始まろうとしている?」

 俺は書類をポーチを入れると、ロッカールームから出て行った。

 また長い廊下を進んで行くと、俺達は先程の広い空間に出た。

 目の前にあるマス目上になっている、通路を進んで行く。

 すると上から何か大きな何かが居る事に気づいた。

「なんだ!?」

 そこに居たのは、虫の姿をした化物だった。

 そいつは天井に張り付いていると、俺達の目の前に降りてきた。

 しかし、俺が釘付けになったのは虫ではなく、その周辺に在った卵だった。

「卵?」

「こいつの卵か!?」

 二個の卵から先ほどの虫が生まれてしまった。

 俺の前に二匹、レベッカの前に一匹。

 俺達は完全に囲まれてしまう形になってしまった。

「こんな時に!」

 俺の焦りは更に進んでいて、俺のその様子をレベッカは驚きながら見ていた。

 

 

 

 焦っていた、焦らなくてはいけなかった…

 みんなを守ると決めた時から…

 それでも、俺は誰も守れなかった…

 1人で何もかもを解決しようとしてきた…

 誰も失いたくは無かったから…

 大切な友を愛する人を…

 今は既にいない…

 全部アンブレラに奪われてしまった…

 あの時、あの場所で…

 0からのスタートした時から…

 

 

 

 虫はスピードこそないが、鎌の攻撃力はかなりのものだ。

 先ほどから周辺の物体が切られていく。

「レベッカ!俺から離れるな!」

「えっ?あ、はい!」

 レベッカは俺の傍によると、俺は虫を三体相手にすることになる。

 ハンドガンの攻撃も当たるが、致命傷にはならない。

 そんな戦いが俺に焦りを進めて行く。

 そんな時、レベッカが俺に大きな声で叫んだ。

「落ち着きましょう!焦っても状況は変化しませんよ!」

「分かってる!」

 そんな時でも、レベッカは落ち着いていて、俺と共に戦っていた。

 俺はハンドガンの弾をリロードすると、化物にハンドガンを撃った。

 俺の焦りが頂点に達しようとした時、俺の目の前に閃光手榴弾が投げ込まれた。

「!なんだ!?」

「今よ!撃って!」

 俺は謎の指示の通りに撃った。

 虫は一匹、また一匹と死んでいく。

 すべての虫が死ぬと俺は閃光手榴弾が投げ込まれた方に向いた。

 そこに居たのはエイダだった。

「待っていたわよ」

「エイダ…助かった」

 レベッカはその女性を見つめていたが、その後ろに立っていた人たちを見るとそっちに走って行った。

「クレア!ビリー!」

「レベッカ!」

 クレアもどうやら無事の様で、うまく再開できた。

「どうしていたんだ?」

「工場の中に入ったんだけど、あなたとは連絡できないし、工場の中を移動していると彼らに出会ったの。どうやら工場の中に居る人達を救おうとしていたみたいでね」

「それで行動していたってわけか?」

「ええ、近くで戦闘音が聞こえてきたからあなた達かなって思ってね」

 エイダは不思議そうな、それでいて何か納得したという顔をしていた。

 俺は首をかしげていると、クレアが近づいてきた。

「ベルさん!大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ、クレア」

「でも、なんか…辛そう」

「…大丈夫」

 クレアの大丈夫な表情を見ると、俺は少し安心していた。

 俺は改めて自分の任務に集中することにした。

「エイダ、バロクはどこにいるんだ?」

「この工場の地下研究所に居るはずよ」

 そう言われると、レベッカは不思議そうな顔をしていた。

「でも、この工場には地下に移動すための階段なんて…」

「2階からのエレベーターが設置されてるの」

 そう言うとエイダはそのエレベーターに移動しようとしていた。

 俺はレベッカの方を見る。

「レベッカ、ありがとう!君は仲間の所に帰るんだ。これ以上は俺の任務だ。」

 俺がそう言って振り返ると、レベッカは俺の服の裾を掴んだ。

「私も付いて行きます!」

「しかし…」

「私も…」

「俺もだ」

 どうやら3人とも覚悟を決めているようで、ここから引き返すつもりはないらしい。

 俺は少しため息を吐くと、3人の同行を許可した。

「ついて来てもいいけど、危険だと判断したら引き返すんだぞ?」

「分かりました」

 俺達はエイダの行く道に付いて行く。




「こちらクリス!パーカー!聞こえるか?」
『ああ、こっちはアメリカからのエージェントと一緒だぜ!』
「アメリカのエージェント?」
『こちらレオンだ!』
「レオン!お前か?」
『ああ、大統領からの支援だ』
「頼む!」
『分かってる。それよりそっちの代表は?』
「どうやらこの先の工場の方に移動したらしい」
『じゃあ、そこで待ち合わせしよう!』
「そうしよう!」
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