biohazard cordname”NT”   作:ナッツガン

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2012年にBSAAが介入した内戦
その場に二人のエージェントが降り立った


混沌の戦い
イドニア共和国


 中国蘭祥の達芝では今まさに地獄のような場所と化していた。

 BSAAの多くの隊員がウイルスに感染してしまった。

 俺とジルはクアッドタワーを目指している。

 俺達は近くのビルに入ると、ドアを閉めて鍵を掛けた。

 周囲の警戒を維持しながら移動を進めていた。

 窓際で一人のBSAAの隊員が血だらけで倒れていた。

 俺が歩み寄ると、彼は既に死んでいた。

 俺達は近くのドアから再び外に出ると、もう一度達芝の街並みを眺める。

 先ほどまかれたウイルスによって安全だったこの通りもゾンビの行きかう場所となった。

 俺達は街並みを眺めながら、どうしてこういう事になったのか考えていた。

 そう、切っ掛けがあるとすれば…

 それは…半年前のイドニア共和国の内戦まで遡る必要があるだろう。

 

 

 ここイドニア共和国では、政府側と反政府側で内戦が行われていた。

 本来なら我々BSAAは介入することは無い。

 しかし、少し前にイドニア共和国の反政府ゲリラや傭兵達が新型ウイルスに感染したという情報を手に入れた。

 BSAAはこの事態に対して迅速に対応した。

 そして、戦っている間に反政府にウイルスの渡した人間が居る事が判明した。

 それを考慮して、BSAAはエージェントの中でも優秀で、代表も兼ねているベルトウェイ・バレンタインとジル・バレンタインコンビを送ることが、決定された。

 

 イドニア共和国に入って来た、俺達は仮設テントが多く配置されている場所を歩いていると、1人の隊員が俺達に近づいてきた。

「遥々ご苦労様です!」

「早速だが、状況を説明してくれ!」

 そう言うと隊員はその場で状況の説明を始めた。

「ただ今の状況は、クリス隊長率いるアルファーチームを中心に進行を開始しております。作戦としましては、二点からの攻撃を開始します。目的は市庁舎にたどり着く事です。お二人は作戦に参加しつつ、重要参考人を確保、最低でも仕留める事が任務内容となっております」

 そこまで説明されると、俺達は一つ引っかかった事が在った。

「その重要参考人はどこに居るのか分かっているか?」

「まだですが、ゲリラ達が根城にしている市庁舎を襲えば何か分かるかと」

 今一つ腑に落ちないが、だからと言って無視をするわけにはいかない。

 俺達は今から作戦が行われる隊に付いて行くことにした。

 

 俺達は後ろの装甲車に乗って移動していると、前の方で大きな爆発音が響いた。

 俺達は装甲車から飛び降りると、走って前の方に移動した。

 前の方では、戦車がひっくり返っていた。

 俺達は柱の陰に移動すると、前の建物からの銃撃に備えた。

 柱の陰から様子を窺うと、そこに居たのは反政府軍であった。

「あれが報告に在った新型ウイルスに感染した『ジュアヴォ』と言うタイプだったかしら?」

「確かそのはずだが」

 仮面をかぶっているだけで、他の人間と変わらないようにも見れる。

 俺は柱の陰からアサルトライフルを構えると、ジュアヴォに向けて引き金を引いた。

 ジュアヴォの体にヒットするが、死ぬかと思われたジュアヴォは、当たった個所から煙を上げて回復していく。

「あれがジュアヴォの特性か…。厄介だな」

 ゾンビのように特定の場所に攻撃すればいいわけではない所が厄介だ。

 一撃必殺が通用しない、こういう手の相手はとにかく攻撃を当てて行くしかない。

「ジル、援護を頼む」

「任せて」

 俺は柱から飛び出すと、走りながらマシンガンをジュアヴォ目掛けて撃った。

 ジュアヴォを一体、また一体倒して行きながら進んで行く。

 ジルも移動しながら確かに進んで行く。

 すると、前からロケットランチャーが飛んできた。

 俺とジルは走って柱の陰に移動していく。

「さっきの見えたか?」

「ええ、ロケットランチャーを持ったのが一体、台座についた機関銃を撃っているのが一体」

「あれが装甲車の移動を阻害しているようだな」

「あっちから進んで行けば、何とかできそうよ」

 ジルが指刺した方には階段があって、そこから移動していけば確かに破壊はできそうだ。

 俺達は走って階段まで移動すると、上ったところでジュアヴォの襲撃を受けた。

 後ろからついて来たBSAA隊員も一生懸命になって交戦している。

 すると、ジュアヴォの一体が突如苦しみ出した。

「気を付けてください!あれが変異です!」

「あれが…変異」

 ジュアヴォの片腕が気持ち悪い音を立てながら変化していく。

 大きな鎌のようになった腕を、ジュアヴォは戸惑うことなく使用してくる。

 俺達はそれをしゃがんで回避すると、ジュアヴォに攻撃を仕掛ける。

 ジュアヴォは鎌のような腕を使って、俺達をしつこく攻撃を仕掛けてくる。

 何発か当てると、ジュアヴォはようやく倒れた。

「行くぞ」

 俺達は移動していくと、機関銃の破壊に成功した。

 装甲車が柵を壊しながら進んで行く様を俺達は上から眺めていた。

 俺達は二階から飛び降りると、装甲車の後に付いて行った。

 狭い通路を装甲車が移動していくと、装甲車を二階から狙撃するジュアヴォを見つけた。

「あれじゃ、狙い撃ちされるぞ!」

「みんな!援護を!」

 隊員達は散って行きながら、周囲のジュアヴォを倒して行く。

 俺は装甲車の上に乗ると、フックショットを使って二階に飛び乗った。

 マシンガンとナイフを使ってジュアヴォを掃討していくと、ようやく俺達は広い空間に出た。

「この先を真直ぐ行けば、橋に出るはずです!そこから市庁舎を目指します!」

 壊れた家を眺めながら俺達は真直ぐ進んで行く。

「紛争の無いときに来たかったな…」

「そうね…」

 俺達BSAAが介入したせいで戦況が混乱したところがある。

 しかし、だからと言ってBOWを無視するわけにはいかない。

「問題は誰がゲリラに新型ウイルスを渡したのかって事だ」

 理由は簡単で、単に性能を試したかっただけだろう。

「渡したって言うより、新型を使って感染させたって言う方が正しいでしょうね」

「確かにそうだな…」

 問題はそうやってそれをどうやって感染させたという事だ。

「市庁舎を目指せば何か分かればいいが…」

「行って見なくちゃ分からないわよね」

 大きな広場を通って行くと、ようやく俺達は大きな橋に出た。

 橋の奥では戦車が陣取っており、BSAAの進行を阻害していた。

 最初の任務は戦車の排除だろう。

「どうやってアレを排除する?」

 上から狙えれば一番楽なんだが…。

 何か無いか探していると、戦車の奥に燃料や火薬を入れた箱があることに気づいた。

「アレを使うか…」

 そう言うと俺は隊員達に指示を出した。

 内容は戦車の後ろにある、箱を壊す事。

「俺達は戦車の攻撃を引き付けよう」

 ジルと共に俺達は戦車の前に立ち塞がった。

 案の定、戦車は俺達をターゲットに捕え、俺達は走りながら移動していく。

 狙撃隊の準備が終わるまで、俺達は耐えなければならない。

「狙撃隊はまだか?」

「まだの様です」

 すると、戦車の後ろにあった箱が突如爆発した。

「すごい威力だな」

「でも、戦車は完全に壊れたわ」

 完全に壊れた戦車を眺めながら、俺達は梯子を上って行く。

 一番先に上に上がると、ジルの手を握って持ち上げた。

「ありがとう」

 他の隊員も順調に上がって行く中、俺達はようやく一番上に上がることが出来た。

 これで狙撃隊との合流を待つだけになった。

 そうしていると、俺達の目的地とは別方向から何かがやってくる。

 目を凝らしてみていると、もう一台の戦車がこちらに向かっていた。

「もう一台存在していたのか?」

「そのようだけど、どうする?」

「どうするか…」

 俺は頭をフル回転しながら考えていると、橋の下を見たまま良い事を思い付いた。

「そうだ!橋を落とそう!」

 そう言うとジル以外の全員が驚愕の表情を浮かべた。

「爆破隊はどこだ?」

「確か…狙撃隊と一緒に行動しているはずよ」

 狙撃隊はこちらに向かっている途中で、もう少し時間が掛かりそうだった。

 そうしていると、上から大型の飛行機がやってきた。

 飛行機から多くのジュアヴォが降ってくると、俺達に向かって攻撃を開始した。

「爆破隊が来るまでここを死守だ!」

『了解!』

 橋の上での交戦をしていると、視界の端でようやく狙撃隊が橋の元までやってきていた。

 俺達は足元に気を付けながら、戦いを続けていた。

「遅れて申し訳ありません!」

「早速だが、仕事をしてもらうぞ!この橋を落として戦車ごと沈めるぞ!」

「少し時間をください!」

 そう言うと隊員の一人が、橋の上で爆弾を仕掛けはじめた。

 より一層のジュアヴォが上から降ってくる。

 俺達はますます攻撃の手を増やしていると、後ろで爆弾を仕掛けていた隊員が振り向いた。

「設置完了です!いつでもいけます!」

 俺達は橋から移動していくと、爆弾から少し距離を取った。

「爆発のタイミングはお前に任せる!」

「了解です」

 隊員は戦車の距離を測りながら、爆弾のスイッチを押した。

 爆発と共に戦車は川の中に落ちていった。

 俺達はそれを確認すると、俺達は市庁舎に向かって歩き出した。

 

 市庁舎のある場所にたどり着くと、一機のヘリが飛び立っていった。

 すると、クリスらしき人物が市庁舎に向かって移動をはじめた。

「さっきのヘリは?」

「さあ、私は知らないわ」

 俺は近くに居た隊員に話かけた。

「先ほどのヘリはなんだ?」

「ああ、先ほどのヘリでしたらアメリカ合衆国のエージェントが、保護した人物を送ってほしいと」

「なるほど」

 という事はクリスが呼んだという事だろう。

「念の為に先ほどのヘリの行先と、そのエージェントの上司を教えてくれ」

「はい!行先は分かりませんが、上司はディレック・C・シモンズです!」

「シモンズ?」

「知っているの?」

「ああ、アメリカ合衆国を作ったとされる一族の男だ」

「そうなの?」

「だが…」

「だが?」

「あんまり良い噂を聞かないから…」




 なんだが嫌な予感がする。
 なんだ?こんな予感…
 そんな予感が当たることになるのを俺はまだ知らない。
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