biohazard cordname”NT” 作:ナッツガン
それは、畏怖の対象
今、本当の終焉を語ろう
大きなドアがゆっくり開いて行くと、俺達は地下へ繋がっているであろうエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターはゆっくり降りて行くと、周囲の風景が一変した。
「広い。なんなんだ、この広さ」
東京ドーム4個分ぐらいは、あるであろう広さがそこにはあった。
その場所には、実験機器やパソコンが多く起動している。
しかし、そこに人間は既にいない。
エレベーターのドアがゆっくり開いて行くと、俺達は広い空間に出た。
俺達は上の階から下の階にあるパソコンなどを見ていた。
俺達の目の前にある階段を下りることなく、その場に立ち尽くしていた。
「どういう事だ?人間がいないのに、コンピューターだけが勝手に動いてる?」
「みたいだな」
俺は目の前に大きなモニターから目を離さない。
この数のパソコンを動かし続けていられるコンピューターを、俺はあいつ以外に知らない。
「そろそろ姿を現したらどうだ?レッドクイーン」
全員が驚いて見せると、俺の目の前にある大きな画面にアンブレラのマークが現れる。
『お久しぶりですね。ベルトウェイ』
「生きていたのか!?」
「ロシア基地で死んだと思っていたけど…」
「どういうことだ!ベル!」
「当時、アンブレラ終焉になった戦い。俺達は二手に分かれてアンブレラに攻撃を仕掛けた。あの時、レッドクイーンは俺達の方にもいたんだ。多分、あれはレッドクイーンはのコピーだったんだろうさ」
俺はそう説明すると、もう一つ裏に居るであろう人物を呼び出した。
「お前がここに居ると言う事は、スペンサーもここにいるんだな」
『!?』
目の前にある大きな画面にノイズがはしると、生命維持機器を体に取りつけているスペンサーが現れた。
『まさか、私が生きている事すらお見通しとは』
「……スペンサー…生きていたのか?」
「そんな、あの時ウェスカーに殺されたんじゃ?」
「あの時死んだのは、あいつがレッドクイーンで動かしていたクローンだ」
『クローン!?』
『やはり気づいていたか…。君の存在は危険だ』
俺は目の前に写っているスペンサーを見つめている。
スペンサーも俺を見つめている。
「シモンズに余計な知識を付けたのもお前だな?」
『ああ、シモンズは我々アンブレラの資金提供先だったからね』
「おかしいと思ったんだ、シモンズがあれほどの実験を行えたのも、お前がシモンズに知識を提供していたんだな?そしてお前はその代りに金を手に入れたんだな?」
『そんなところだ、シモンズは最後まで利用された事に気付かなかったがな』
これだけの実験施設を手に入れたのは、全てシモンズからの横流しによるものだ。
『シモンズのお蔭で、アンブレラをこれだけ大きくすることが出来た。今こそアンブレラの復活をここに宣言する!』
俺の通信機にHQからの声が聞こえてくる。
『代表!』
「どうした?」
『今、ネットを通じてスペンサーの演説が!アンブレラの復活を!』
「事実だ。スペンサーは生きていた」
『……分かりました。そちらに部隊を向けます』
そう言うとHQからの通信が切れてしまった。
俺は再びスペンサーの方に顔を向けた。
「バロクもそこに居るんだろ?」
『彼は私の優秀な部下だ』
バロクが何を企んでいるのか俺には分からない。
一番奥に見えるドアが突如開くと、ジュアヴォが出現した。
『君たちにはここで亡き者になってもらおう』
「亡き者になるのはお前だ!」
スペンサーは通信を切ると、奥のジュアヴォが攻撃を仕掛けてきた。
俺達は物陰に隠れると、それぞれの武器で攻撃を仕掛けた。
「スペンサーはどこにいるんだ?」
『今調べている所です!』
奥から次々とジュアヴォが現れる。
俺達に向かって下のフロアから攻撃を何とか防いでいると、後ろのドアからBSAAの部隊が現れた。
「代表!これより援護します!」
「頼む!」
BSAAの部隊の攻撃もあり、俺達は何とかその場の死守に成功していた。
俺は攻撃をしながら他の出入り口を探していた。
俺が確認しただけでも三つは存在している。
ジルは俺の考えを理解してくれたようで、俺と共に他の出入り口に移動していく。
「ここは任せるぞ!」
俺とジルは走りながら出入り口に急ぐ。
ジルが先に入ると、ジルはシャッターを下ろすボタンに手を掛ける。
「ベル!」
俺が走って中に入ると、ジルはボタンを押した。
シャッターが下りると、俺達は通路を真直ぐ走って行く。
一本道になっている為、比較的楽に進んで行ける。
「ジュアヴォを先に何とかしないとな」
「でも、どうするつもりなの?」
「どこかでジュアヴォが保管されているはずだ」
ジルと共に走って行くと、いくつもの部屋が用意されている場所に出た。
それぞれの部屋の中は誰かが生活していたであろう跡があった。
そんな部屋を眺めながら走って行くと、階段を発見した。
階段を走りながら降りて行くと、今度は実験場のような場所を発見した。
実験場を窓越しに確認していると、実験室のドアがゆっくり開いて行く。
「中に入ってくださいと言わんばかりの開き方」
「何か中に有るんでしょうけど」
俺とジルは中に入る事をためらっていると、ネメシスが室内に現れた。
ネメシスが首にかけているのは、カードキーだった。
俺は別の出入り口に手を掛けるが、ドアを開けるにはカードキーが必要だった。
「あれを手に入れるには、中に入らないといけないって事か」
ジルと共に中に入ると、ドアの入り口が閉じてしまう。
ネメシスの目がゆっくり俺達を捕えて行く。
「何年ぶりの対面だ?」
「さあ?もう忘れてしまったわ」
ネメシスは走ってくると、俺達に向かって腕を振ってくる。
俺達はしゃがみながら攻撃を回避すると、そのままネメシスの背中に回った。
ネメシスの背中にハンドガンの弾を撃ちこむが、ネメシスはびくともしないように振り返る。
「相変わらず無駄にタフな体作りをしているな」
「来るわよ!」
俺達はそれぞれ左右にジャンプして避けるが、ネメシスは俺の方に向かって走ってきた。
俺は立ち上がろうとするが、ネメシスはそれより早く俺の首に手を掛けた。
俺を持ち上げると、ジルはネメシスに向かって走って行く。
俺はネメシスの腕に蹴りを入れると、ネメシスは悲鳴を上げながら俺を離した。
ジルは走りながらネメシスの足にハンドガンの弾を何発も撃ちこむ。
ジルはネメシスに近づくと、ネメシスの足を蹴ってしまう。
俺は地面に着地すると、ネメシスの顔にハンドガンの弾を撃ちこむ。
「ぐぉ―――――!」
ネメシスはその場に座り込むと、俺達は一旦距離を取る。
「大丈夫?」
「何とかな」
ネメシスに視線を向けると、改めてその厄介さが分かる。
「しかし、何回戦っても厄介だな。タフなくせして、弱点が無い」
「しかも、ダメージを負っていくにつれて厄介さが増す」
ネメシスはすぐに立ち上がると、俺達を睨みつけた。
俺達はすぐに逃げられるように足に力を込めると、ネメシスは俺達に向かって走ってくる。
ジルはしゃがんで回避すると、俺はネメシスの体に乗っかって上に上って行く。
ネメシスの体の上に上ると、頭にショットガンを喰らわせた。
「ぐぉ――――!」
再びネメシスは悲鳴を上げて暴れ出す。
俺は後ろに飛ぶと、ジルはネメシスの足元に手榴弾を大量に投げた。
ドォン!!
ネメシスは再び地に足を付けた。
俺はネメシスに近づくと、体術で攻撃を仕掛ける。
ネメシスは体のバランスを崩すと、その場に倒れ込んだ。
俺はネメシスからカードキーを奪い取ると、そのままドアの所まで行く。
ドアの横にあるカードリーダーにカードキーを通すと、ドアは自動で開いてしまう。
ネメシスは俺に向かって走って行くが、ドアは一瞬早くしまってしまった。
「何とかなったか?」
「ええ、ネメシスがドアを壊す前に先に行きましょう」
俺達は先程のドアから奥に進んで行く。
ドアを開けると、今度は真っ白な通路が俺達を待っていた。
ハンドガンに指をかけると、ゆっくり歩いて行く。
「ジル、気をつけろ。何が来るかわかったもんじゃない」
奥に再びドアを発見すると、道の途中にレーザーのようなモノが多数、道を妨害するようにこちらに向かってきた。
俺達はレーザーを回避すると、レーザーは一度ドアまで行き、再びこちらに向かってくる。
「さすがにあれはやばいな」
俺達は走って奥のドアまで行くと、カードキーを使う。
『ドアが開くまでしばらくお待ちください』
「早くしてくれよ」
俺達はレーザーの方に向くと、避ける態勢を取る。
レーザーはいくつもの形で攻撃を仕掛けてくる。
「ベル!壁の所!」
壁の所に何かが有り、それがレーザーを射出していた。
俺はハンドガンでそれを壊すと、少しづつ回避しやすくする。
後少しで全滅するところで、ドアが開く。
ドアから次の部屋に出ると、今度は…外に出た。
いや、違うな…外ではない。
ここは、ラクーンシティーに似ている。
「ここって…ラクーンシティ?」
「……多分。でも、なんで?」
「さっきまで中に居たのに…」
周囲の風景を眺めていると、ここがどういう空間かを理解した。
「ここは、ラクーンシティに似せた場所の様だな。何かの実験を行っていたようだな」
懐かしい道を進んで行くと、目の前にラクーンシティ警察が見えてきた。
「全く同じつくりをしていそうだな」
「見た感じは全く同じね」
大きな門を開けると、そこに居たゾンビにジルは驚いた。
「ブラッド!」
そこに居たのは、あの時俺が助けた男だった。
確かここで死んだんだったな。
ジルはハンドガンを構えると、引き金に指を置いた。
しかし、ジルはハンドガンの引き金を引くことが出来なかった。
ジルの手は震えていて、ブラッドを見つめていた。
俺はハンドガンをブラッドに向けると、容赦なくその引き金を引いた。
ブラッドのこめかみにハンドガンの弾が撃ち込まれると、そのまま後ろに倒れてしまった。
ブラッドは頭から大量の血を出しながら絶命していた。
ジルはブラッドに近寄ると、その場に座り込んだ。
昔の事とは言っても、ジルからすればかつても仲間だ。
とっさにでも引き金を引けなくても仕方が無い。
ジルをずっと眺めていると、俺はジルに近寄って一言言った。
「……ジル。泣いてもいいんだぞ?」
ジルは俺の方に向くと、体を俺に預けて泣き出した。
ジルの泣き声は、ラクーンシティーの街並みに響いて行く。
「スペンサー様。たった今実験の最後が終了しました」
「分かった。いよいよアンブレラの復活の時だ」
今、最後の戦いが始まろうとしていた。