とりあえず頑張って書いてみよう。
霊斗は少し小走りで古城に追い付くと
「古城、女の子にあれは酷くないか?」
「いや、明らかに面倒臭そうな感じがしたじゃねーか。俺は厄介事には関わりたくない」
どうしたものかと考えていると、古城が急に足を止める。
何事かと古城を見ると古城は後ろを振り向きなんとも言えない表情をしていた。
それにつられて霊斗も後ろを振り返る。
そして、固まる。
その視線の先では軽薄そうな男が二人ナンパをしていた。
しかし、霊斗が固まったのはそれが理由ではない。
ナンパされていたのは雪菜だった。
「マジかよ…」
そして、男達を見ると眉を潜めた。
彼らから人間の物ではない気配がしたのだ。
ちらりと彼らの手首を見る。
そこには銀色に太陽光を反射するブレスレットがついていた。
「魔族登録証!」
霊斗がそう言った次の瞬間古城が
「野郎っ!」
弾丸のような速度で飛び出していった。
が、途中でその足が止まる。
ナンパ男の片割れが雪菜のスカートを捲ったのだ。
と、その手を掴む手が現れた。
否、手だけではない。虚空から人が現れていた。
「はい、痴漢の現行犯で逮捕っと」
「え?」
自らの手首に付けられた手錠を見て間抜けな声を出すナンパ男。
「霊斗さん!?」
そして、顔を真っ赤にして霊斗の名を呼ぶ雪菜。
そう。ついさっきまで古城の数メートル後ろにいた霊斗がナンパ男の一人を拘束しているのだ。
そして、雪菜を、一瞥し一言
「雪菜。早く行け。面倒事に巻き込まれたくなかったらな」
雪菜は走って逃げ出す。
それを見てナンパ男のもう一人は霊斗に向かって言う
「おい、兄ちゃん、降魔師か。しかも空間転移なんか使いやがって」
「なんだ?使われたら勝てないみたいないい方だな?」
「テメェ…。ぶち殺す!灼帝!そいつを跡形も無く吹き飛ばせ‼」
男は吸血鬼だったようだ。自らの使い魔―眷獣を召喚し、勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
しかし、その笑みは次の瞬間驚愕と恐怖に歪んだ。
「まさか、お前だけが吸血鬼だと思ったのか?」
そう、霊斗の身体から濃密な魔力の波動が放たれたのだ。
その瞳は真紅。
口元には長く、鋭く尖った犬歯。
霊斗が吸血鬼の力を解放したのだ。
驚いていたのは古城も同じだった。
霊斗が吸血鬼だということは知っていたが、自分―第四真祖にも匹敵する、いや、もしくはそれ以上かもしれない強力な魔力だったのだ。
「オラァ!」
霊斗は拳一つで眷獣を消し去るとその男に目線を向けて言った。
「死にたくなければ今すぐここを去れ。さもなくば……原型を留めなくなるまで殴る」
「ヒィィィ!すみませんでしたぁ!」
男は泣きながら走り去る。
そして、霊斗はこちらを向き
「よし、帰るか!」
ものすごい晴れやかな表情で言った。
古城は思った。
こいつだけは敵に回してはいけないと。
そして、地面に落ちているものに気付き、拾い上げる。
財布だった。
中には札が数枚と学生証が入っていた。
「なになに……彩海学園中等部3年C組姫柊雪菜?」
「雪菜のじゃん。明日届けに行くか」
「なんだ、霊斗の知り合いか?誰なんだあいつは」
「その辺は明日雪菜と一緒に話すから。早く帰ろうぜ。久しぶりに魔力を使ったら腹減っちまった」
「霊斗。お前本当にただの吸血鬼か?」
「だーかーらー。明日話すって言ってるだろ?待てないだだっ子かお前は」
「へいへい、明日まで楽しみに待ってるよ」
どちらにせよ明日は補習で学校には行かなくてはならない。そこで届ければよいのだ。
そう思い、古城は歩き出していた霊斗のあとを追う。
「今日の夕飯なんだろうな?」
「凪沙の作る飯はなんでも旨いからなー」
そんな日常が少しずつ崩れていることも知らずに。
戦闘シーンは難しいですね。
そろそろメインヒロイン登場かな?
では次回もお楽しみに。