普段から色々妄想しているのですが、この度初めて文字に起こしました。
よろしくお願いします。
--答えは得た--
長らく続いた夜が明け、朝の光が差し掛かったある丘の上。
どのような心境の変化があろうともそれは座へと還ればただの記録に成り下がる。
それでもこの消え行く僅かな間だけでも私は自分を認めることが出来た。
間違ってなどいないと思い出せた。
それだけは今目の前で泣き出しそうな少女へ伝えておかねばなるまい。
--俺もこれから頑張っていくから--
確かに私はあの時ああ言ったが、だからと言ってこのような事体は予想だにしていなかった。
そこは一面の炎、瓦礫。充満する死の匂い。
一見、見覚えのある光景だし確かにここも地獄だろう。
だが明確に異なる点があった。
「僕は、ブリタニアをぶっ壊す!」
一人では無かった。
召還された時のことは実際良く覚えていない。
というよりも、”気付いたときには”そこにいた。
アラヤではない、別の大いなる意思のようなものが私をここに呼んだのだと理解する。
私を呼んだという事はこの碌でもない状況の後始末・・・いや待て。
「何だこの体は?」
外見年齢が完全に少年のそれであるし、何よりも受肉している。
そして1番見過ごせないのが
「マナを感じない?」
だが自分の体内にオドの”ようなもの”は確認できる。
試しに一番慣れ親しんだ夫婦剣を投影してみるが、魔術が使えなくなったわけでは無い様だ。
この状況では詳しいことは一切分からないが、私のすべきことはやはり一つなのだろう。
後に、厳島の奇跡と同様にもう一つの奇跡が語られる。
何一つ詳細が分かっていない分、ある種都市伝説のような扱いではあるが。
曰く、「ナイトメアが次々に行動不能になってゆく、それもコクピットは無傷のままに」
何処からか剣の雨が降り注ぐ、まるで神がこれ以上の争いを許さないとばかりに・・・。
受肉し肉体年齢が少年の物と変わらなかった私が幸いにして生きていたのは、一重に私がアーチャーだったからだろう。
接近戦となれば当時の状態ではあのような機械を相手に大立ち回りを演じるのは難しかった。
それに霊体になることも出来ない、姿を見られるのですらその後を生きていく上で問題になったかもしれない。
あの後、少し自分の事、世界の事を調べた。
何せ此度の召還では知識の受け渡しが無かったからだ。
そして、まず分かったことはこの世界では限りなく高い確率で魔術師は存在しない。
私の魔術回路も、”よく似た何か”に変質している。
そこに流す何かも、結局は良く分かっていない。
ただ、その何かを「世界」から与えられ私の魔術を行使しているという事だけが分かった。
そして、おそらくその何かにも関係あるだろう魔術とは別の理の存在。
いまだ正確には把握できてはいないが、それが私を召還した大いなる意思と関係しているのだろう。
などと、分かった事もあるがそれでも私がここに”未だ”居る理由が良く分からない。
分かることは今までの掃除屋とは違う役割を求めらているのだろうという事。
戦闘が終わったにも関わらず、私が未だ座に戻っていないことが理由だ。
なら、今度こそもう一度目指しても良いのだろうか、この場所で。
「全てを救う、そんな正義の味方を」
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時は過ぎ、今は皇暦2017年 アッシュフォード学園 校門前
(確かに感じる、魔力とは違う今の私に流れる理と同じものが)
今まで私はその理を探すためにさし当たって日本、いやエリア11各地を巡っていた。
可能なら世界各地を回りたかったが、見た目は子供の上に戸籍がない、おまけに植民地と化しているエリア11では
管理が厳しくそう簡単に海外へ行くことは出来なかった。
魔術をそう簡単に人目へ晒すわけにもいかない。
それでも世界情勢程度は把握できる、この世界は争いが絶えない。
目に入る範囲の人々は救ってきた、だが私の目に入らない範囲が多過ぎる。
武力だけでは成し遂げられない、きっと人を、世界を変えないとならないほどに。
そんなある時、黒の騎士団なる団体が現れた。
彼らが言うには「弱きを助け、強きを挫く」そして「正義の味方」らしい。
「フッ、正義の味方か」
放って置けない、それが真実であろうと嘘であろうとどちらにせよ確かめなければなるまい。
「東京・・・か」
東京に来てどのように黒の騎士団なるものに接触しようと考えながら歩いていると
私の中の何かに共振しているような気がした。
いずれは世界各地を探そうとしていたものの痕跡かなにかあるのか。
それが強くなるほうへ進む内にたどり着いたのがこの建物。
一見少し大きな普通の学園に見えるが、ここに何かあるのは間違いない。
(さて、どうしようか)
おそらくだが、手段を選ばなければ接触するだけなら容易くできる。
だがここは学校だ。そう、無関係な一般生徒が大勢居る中に私のような異常が存在するのは。
「以前の私なら何の感慨も湧かなかっただろうな」
あの夜。ランサーと戦っていた私とそれを見ていたオレ。
あのような状態になるのは今の私の方針を考えても避けるべきだ。
きっとそれだけでは無いだろう感情に一旦蓋をし、思考を切り替える。
私が感じられたのだ、相手のほうも気付いている可能性は高い。
ならあえて自分から行く必要もあまりないかもしれない、相手もきっと不穏分子を見過ごすことはないだろう。
私は英霊だが今は受肉しているし、相手の手の内が不明な間は戦闘も避けたい。
「相手の出方次第か」
一つ息をつく。いつでも対応出来るようにしておきながら相手の出方を待つ事としよう。
幸いこの時間では授業中か何かだろう、あまり人も見えないし接触してくるのは関係者のはずだ。
果たして、予想通りこちらに向かって来るのは1人。
共振の度合い的にも少し先にいる緑髪の女性がそうだろう。
さて、どうなることやら。
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「・・・」
「・・・」
目の前の少女と私の視線が交わる。
見たところ、拘束服と思われる装いに腰ほどまで伸びた綺麗な緑の髪。
そして、間違いない。
彼女から発される気配のようなものが彼女が世間一般で言う非常識な存在だと私に告げる。
「お前は何者だ?」
彼女から発せられるは短い問い。
だがこちらを見通そうとする瞳が言外の言葉をも語っている。
「唐突だなお嬢さん。私に何か用かね?」
「・・・もう一度聞く、何者だ?」
ふむ、分かってはいたが簡単にいく相手ではないか。ここは乗るほうが良いか。
「警戒するのは最もだが、そう怖い顔をしないでくれたまえ。私に君を害する意思はない。というより私も色々と分からないことが多く困っていてね。ここは穏便に話をしたいのだが」
警戒を顕わにした目の前の少女。
だが彼女も一応の納得はしたのだろう、学園の方に向き歩き出す
「わかった、こっちだ」
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部屋の中央を走る赤いカーペット。
段の手前からはカーペットに沿うように並べられ扉付近まで等間隔で配置された長椅子。
立派なステンドグラスから差す光の前には教壇が置かれている。
そんなどこか神々しい光を背中に受けながら彼女はこちらへ振り向く。
どこか問い詰めるような目線をこちらに寄こしたまま口を開こうとしない。
まあ、この場合は私から答えるのが筋だろう。
「そうだな、まずは先ほどの問いに答えよう。私に何者だと聞いたが申し訳ない。私にも今の自分がどういった存在なのか把握できていない。ただ一つ分かっていることは何か大いなる意思に呼び出されて私はここに居る」
今の私の存在がイレギュラーなのは間違いないが、こんな答えでは正直に答えたところで信用されないだろう。
「・・・目的は何だ?」
やはり質問前より警戒されているな。しかしここで下手に嘘をつけば今後の問答にも影響が出る。
ここも出来る限り正直に答えた方がいいだろう。
「ふむ、目的か。目下の目的は私の事を、そして世界の理を知ることだな。ただ私の活動目標は最初から一つだ」
--正義の味方になることだ--
対面に向かい合い始めて約10分程が過ぎただろうか。
最初は警戒されていたものの-正義の味方-と口にしたとたんに表情が一変しその後笑われて大変だったが、何とか話し合いになり始めていた。
「それで?正義の味方様はこの世界に召還されたと?」
「はぁ、その正義の味方は止めてくれ。私のことは・・・アーチャーとでも呼んでくれ」
「アーチャー?変わった呼び名だな。なら私のこともc.c.でいい」
「ああ、了解したc.c. だが、君のほうも大概変わっているな」
少女、改めc.c.との話し合いは進んでいく。
結果的にだが取りあえずは敵対関係を回避することは出来そうだ。
「そんな事はどうでも良い、世界に召還されたとはどういうことだ?」
「あぁ、きっと説明だけでは信じてもらえないだろうからな。実際に見てもらうとしよう」
そして、私に許された唯一の魔術を行使する。
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「これはッ・・・」
右手に何の変哲もないただの剣を出現させる。
「これで召還については納得してもらえたかな?私はこことは異なる世界から召還された魔術師という存在だ」
現在のこれを魔術と言うかは怪しいところだが今はいいだろう。今、全てを話す必要は無い。
「こんなことが・・・なぜお前は召還された?」
「そこまでの事は分からん、召還に関してはこちらに自由意思など無いからな。だが、おそらく大いなる意思、いや先ほど君の言った集合無意識はきっと願ったのだろう」
「一体何をだ?」
「誰もが幸せな世界を・・・な」
最初に召還されたときは良く分からなかったが、もしこの集合無意識が私を、それも”答え”を得た状態での私を選んで召還したのだとしたら。
「幸せ・・・か」
その後も話は進んで行き、この世界の理を完全とは言えないにしろ知ることが出来た。
--ギアス--
王の力と言われるその存在は根本的に全く魔術とは異なるが、私にとってただの手段であった魔術とギアスではどちらも超常の力という点でそう変わりは無い。
そして、そのギアスを生み出すコードの存在。
ギアスという力はそのコードを媒介として発現させるものらしい。
c.c.にそのコード所持者か聞いてみたところ、コードを持っている人を知って居るとのことだった。
はぐらかされている気はするが、今の所追求するつもりは無い。
元より、東京に来た理由は正義の味方を名乗る者を確かめる為に来たのだから。
「それでc.c.。黒の騎士団を知っているか?」
「黒の騎士団?なぜお前がそんな事を・・・ああそういう事か」
先ほどといい、口角を上げつつ少し目を細めからかう様に問いかける彼女は随分と良い性格をしているようだ。
「ああ知っているぞ、私は関係者だからな」
「なにッ?いやすまない、今日一番の驚きだったのでついな」
もはや隠すことの無いその表情はどこぞの”あかいあくま”を彷彿とさせる。
それにしても黒の騎士団の関係者だと?なんて偶然、いや運命だろう。
「大方察して居るようだが私も少し興味を持ってね。確かめようと以前に現れたとされるエリア11に来た訳だ。出来ればお目通りしたいのだがどうだろう?」
「今私が決められる事ではないな。だがお前の事を話す程度ならば出来るが?興味深い奴がいるとな」
「それだけで十分だ。よろしく頼めるか?ああそれと・・・」
「ああ、お前の魔術とやらは取りあえず黙っておいてやるから安心しろ」
”取りあえず”か。まあ魔術のことを知られた以前にギアスなる力があるならある程度対策は考えておかねばな。
「よろしく頼む。それでは私はこの辺で」
「ちょっと待て、お前このまま帰ってどうやって連絡を待つつもりだ?」
「何。君なら私のことを見つける事くらい容易いだろう?」
「この私に出向けと?そのような男は久しぶりだぞ。明日には答えが出るからこの時間にここへ来い」
「ふふ、了解したc.c.」
「ああ、またなアーチャー」
当面の目標である黒の騎士団との接触はこれで大きく近づいただろう。
仮にここで断られても、c.c.が私を放置するはずが無い。
ならば今のところは一旦別のことを考えていいだろう。
そうだな、今夜の寝床と夕食、それとそろそろ必要となりそうな通信機器をどうするかから考えようか。
いかがでしたか?
考えた事を文で伝えるのは中々難しいですね。
何かありましたら是非とも指摘してもらえると嬉しいです。
では次があればまたお会いしましょう!