VampirePrinceDiary 作:FGOのガチャ運が欲しい人
とても励みになります。
こんな物語でよければこれからもよろしくお願いします。
感想や誤字脱字報告なども
これから先、今回みたいな日記メインじゃない回もあります。
FGOで呼札でジャンヌ・オルタきました。
ジャンヌとオルタがそろって私もう満足です。
……名前変えるべきか。
「はぁ……」
星と月だけが夜の世界を照らす中、フランスのオルレアンよりも離れた田舎の村で少女、ジャンヌ・ダルクは溜息を吐いていた。
手にはペンを持ち、目の前に開かれた空白の本を見て何か書こうとしては止めて、書こうとしては止めてを繰り返していた。
「一体何を書けばいいんでしょうか……」
元々羊飼いをしていたジャンヌは夜は早くに寝て、朝早くに起きるというのが習慣として体に身についていた。
それは、戦争に関わってからも同じで戦場に出ている時以外は基本的に早寝早起きをしていた。
それがどうしてこんな夜遅くまで起きて悩んでいるのかと言うと、現在ジャンヌと一緒に旅をしており先に寝てしまったアルマレグナムが原因だった。
(文字の練習代わりに日記を書いたら?とは簡単に言いますけど、いざ書こうとするとどんなことを書けばいいのかわからない物なんですね)
とそんな風に心の中でジャンヌは思いながらアルマが寝る前に書いて渡していった紙片に目を落とす。
そこには文字が書かれており、フランス語でアルファベット順に単語が並んでいた。
ジャンヌは、元々農家の出であったために学がなかったが勉強が嫌いなわけではない。
ただ、学んでいる暇も余裕もなかっただけでり、協会の署名で必要だった自分の名前しか書けないでいた。
先ほどジャンヌはアルマにそのことを説明したのだが、それを聞いてアルマはジャンヌに文字を教えると言い出してその練習代わりにと日記と読み方を教えた単語などを紙に書いて渡したのだった。
「………そもそもアルマは何者なんでしょうか」
そう呟きながら窓枠から外を見るとジャンヌがアルマと出会った時と同じように雪が降っていた。
………
……
…
その日ジャンヌは牢獄とも呼べるような護送馬車の中に鎖と手錠が手にまかれ脱走ができないように拘束されていた。
その護送馬車周辺には、戦争にでも行くかのような万全の装備を整えていた軍が警備をしていた。
なぜジャンヌがイングランド軍に捕らえられているのかと言うと、その年の5月にジャンヌはブルゴーニュ派に包囲されていたコンピエーニュへ救援に赴くが、ブルゴーニュ軍に捕らえられてしまった。
その後、ジャンヌはシャルル7世たちフランス軍に迷惑をかけないためにも何度か脱走を企てたもののの失敗してしまった。
結果的にフランス軍からは身代金は出されずイングランド軍が身代金を出し、異端審問へとかける為にルーアンのブーヴルイユ城へと運ばれていた。
(私が捕まった時は5月だったのにもう、冬なんですね……)
そういえば冬の農村だと雪かきが大変でしたね、と子供のころ家族でやっていた雪かきなど過去のことをジャンヌは思い出していた。
なんとなく察していたのだ。
自分はこのまま異端審問へとかけられそのまま魔女として処刑されるだろうと。
自分は剣を振るわずとも多くの兵を率いて多くの敵を殺した咎人である。
そのことで罰せられるのは致し方ない。
けれども、いわれのない罪で罰せられるというなら主の名のもとに公正に戦おうという意思はあったがそれでも自分は死ぬのだろうと思っていた。
死ぬことは怖いがシャルル7世ともジルとも、もう永遠に会うことがかなわないそれだけが今のジャンヌにとって心残りであった。
そんな風に思いながらこの馬車についている窓から外を見る。
そこには夜の景色に移る雪と星、そしてジャンヌと向かい合うように夜空に浮かんでいる月があった。
(綺麗ですね……)
そんな風に思っていると何の前触れもなく突然目の前のドアがバキッという音とともに外側に強引に外された。
「えっ!?」
いきなり目の前で起きたことに呆然としていると、ドアが強引に外れたのが原因か周囲にはほこりが舞い少しだけ煙が舞う中、誰かが入ってくる足跡が聞こえてきた。
煙をどうにかしようと反射的に腕を持ち上げようとしたもの手錠と鎖の影響で動かせなかったこともあり目にほこりが入ってきてすぐには視界が定まらなかった。
煙が外へとすべて流れ出すとジャンヌの視界も見えるぐらいには回復した。
そして視界が回復したジャンヌの前には月を背にローブを着ており、ジャンヌが今まであった誰よりも容姿が整っているとも呼べる同い年ぐらいの少年が立っていた。
「今外してやるからな」
そう言って彼はジャンヌの手に付けられていた手錠と鎖を強引にぶち壊したのだった。
その後、アルマは周囲を護衛していたイングランドの軍を一人で蹴散らしジャンヌを抱えてその場を離脱していった。
………
……
…
あの後、あまりのことで混乱して何も言えなかったが少しして落ち着いた後いろいろ聞いてみたがわかったのはアルマが善意で助けてくれたということだけだった。
その後、シャルル7世と再び話をして謝罪しようと彼が現在いるであろうオルレアンに向かうとジャンヌが告げるとアルマは少し考え同行を申でて、オルレアンにつくまでの護衛まで引き受けてくれた。
それから今日までアルマのことをそれとなく観察していたのだが、ジャンヌがアルマに抱いた印象はチグハグな人だと言うものだった。
というのもアルマはそこらの人よりも教養があるが逆に一般常識的なことが欠けている。
昨日よった街では建造物一つ一つに目を光らせていたり、常識的なマナーなども何処か抜けていてあっちこっちへと目を映らせては移動して宿につくまでに大分時間がかかったりもしていた。
魔術というもの自体はジャンヌがシャルル7世のもとにいた時も魔術師となる人たちはいたため驚きはそこまでは無いがアルマが使っているものは少し違うようにも感じる。
最初のころは何が目的なのかと疑ったりもしたが今ではそういった警戒はないものの何者なのかという疑問がジャンヌの中にあった。
もしかしたら、素直に質問すれば答えてくれるかもしれないがジャンヌにはそれを聞くことができなかった。
それは、彼との付き合いもおそらくジャンヌがオルレアンのシャルル7世の元に行くまでの短い間だけ。
さらにはアルマはジャンヌにとって命の恩人なのだ。
その命の恩人の秘密に勝手に踏み込んではいけないという気持ちがあったからだった。
ただ、たとえ彼のことを深くは知らなくてもこんなふうに自分に気を使って文字を教えてくれたり、おいしい料理を作って他人の痛みを自分の事のように怒ってくれる彼は優しい人だと自分は知っている。
それだけでいいとジャンヌは思っていた。
「さて、いい加減どうにか……あれ?」
ジャンヌは気を取り直して日記を書こうと思ったときにアルマが渡してくれた紙片の裏に何か文字が書かれていることに気が付いた。
その文字はジャンヌには読めなかったものの触れると意味が脳内に直接伝わってきた。
「……本当にやさしいんですね」
あの日アルマに自分を助けてくれた理由を聞いた時に言った、言葉と同じ言葉をつぶやいてアルマが残したアドバイスを参考に日記を書きだした。
中世 ○月×日 天気:雪
今日アルマから文字を教わった。
文字の練習にと真っ白な日記ももらった。
彼には助けてもらってばかりですからいつかお礼をしたいですね。
ぶっ飛ばす
「なあ、シャルル7世っていうのがどういう人かいろんな人たちに聞いたんだけどさ皆かくかくしかじかって言ってたけど本当か?」
「ええっとまあ彼にもいろいろ事情が……」
「………よしぶっ飛ばす、死なない程度に」
「……えっ?いやちょっと待ってくださいアルマ!?」
「……なんで止めるんだ?憎くないのか?自分を見捨てた相手が」
「ええ……私は誰も恨んでませんよ。私をとらえた人も裏切った人たちも」
「……すごいなジャンヌ」
(それはそれとしてあってシャルルとかいうやつはぶっ飛ばそう)