NEXUS of the Heroes ~英雄達との絆~   作:0.1tトラック

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第一特異点 邪竜百年戦争オルレアン
第1話 目覚め


夢を見た。

 

それは、とても酷い夢だった。

 

人々が叫び、逃げ惑う。

 

家は崩れ、木には火が燃え移り、周りは火の海。

 

 

夢を見た。

 

それは、とても辛い夢だ。

 

其処は温かい居場所があった所。

最早跡形もなく崩れている。

家族は逃げたが、生きているかは分からない。

 

 

 

夢を見た。

 

それは、とても残酷な夢だ。

 

其れは世界に生命が無くなった、死の世界。

 

此処にはもう、生きる場所は無い。

 

 

もう此処は、この世界は、燃え尽きるのを待つだけだった。

 

 

 

夢を見た。

 

それは、とても明るい夢ではなかった。

 

 

 

其れでも、生きる事を諦めず、前へ、先へと、進もうとする青年がいる。

 

 

諦めない・・・、絶対に!

 

 

青年の瞳には、まだ光があった。

 

 

 

 

夢を見た。

 

それは、青年が頑張る夢だ。

 

それは、彼の憧れる、英雄達に向かって。

 

 

未来に向かって。

 

 

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

肌に違和感を感じて、眼を開ける。

 

頭がぼんやりしていて、身体もだるい。

 

だが、未だに眠気がある頭の中に響いてきたのは草木の音だった。

 

 

なぜ、俺はここで寝ていたんだ?

 

 

 

周りを見渡すと、そこは自分の部屋ではない。

まるで森の中・・・夢にしてはリアルすぎて疑問が消えなかった。

 

風に吹かれて木が揺れ、葉っぱが舞う。

 

 

・・・いや、夢じゃねぇ。ドコなんだココは?

 

 

 

住宅街等がない。ましてや、空気が全く違う。

 

 

まるで、何百年前の時代のようだ・・・。

 

 

とりあえず、このままでは状況が分からないので、辺りを散策してみることにした。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

三十分ほどだろうか。

 

森から出て、辺りを歩いていたら村のような所があった。

 

誰かに会える。そう思えたらどんなに期待したことか。

 

 

村のような所から黒煙が上がっているのが無ければ。

 

 

嫌な予感がする・・・。

 

 

そう思いながら走って到着したら、その予感は的中することになった。

 

 

此処は既に、生き物の気配は無かった。

 

 

人と思わしき遺体があちこちにある。

ある物は黒焦げに。ある物は引き裂かれたかのように。眼を背けたくなるような光景だった。

 

 

・・・戦い、にしては一方的な感じだったのか?

 

 

そう思うのには根拠があった。

 

戦いでは、近くに武器があるはずだった。

 

人には鎧が付けられているはずだ。

 

それが全くと言っていいほど、無いのだ。

 

 

全員が逃げながら、皆殺しにされたのか・・・。

 

 

 

きっと情けなんて掛けず、女子供まで手に掛けたのだろう・・・。

 

 

目の前には子供を庇いながら背中に穴が開いている母親らしき遺体があった。

 

 

胸糞悪くなる。吐き気がする。

 

ああ、絶対・・・絶対、ぶっ飛ばしてやる!!

 

 

怒りが頭の中を埋め尽くしてくる。今にでもすぐに探し出してぶん殴りたかった。

 

だが、落ち着くように深呼吸をする。焦ったり、我を忘れそうになった時ほど死ぬ確率が高まることを知っている。

 

だが、怒りの炎は消しはしない。その時が来た時に、一気に燃え上がらせるように。

 

 

頭が冷静になって、人がいる所を探すことにする。

 

 

次は、こんな結果になっていないように願いながら。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

あれからどれくらいの時間が経っただろうか。

 

不思議と腹の減りも疲労も全く感じず、走り続けた。

 

しかし、道中で幸運と言えるのか分からないが、人に出会うことが出来た。

 

 

・・・普通ではない格好ではあったが。とても綺麗な女性である。

 

 

 

「ん?貴方は?」

 

 

女性が足を止めた俺に気付いて振り向く。

 

なぜか振り向く瞬間に薔薇が一面に咲いているような錯覚がした。

 

彼女は・・・美人過ぎるのだ。

 

 

「・・・どうかしたの??」

 

 

その綺麗な顔がずずいっと近づいてきた。

 

 

「うわわわぁ!!」

 

思わず声が出て、数歩距離を取ってしまう。

 

 

「ああ、驚かせてごめんなさい。大丈夫??」

 

 

「え、ええ・・・此方こそすいません」

 

彼女に非礼を詫びつつ、話しかけた。

 

 

「あの・・・此処はどこか分かりますか?」

 

 

「ココ?此処はオルレアン。多分近くに街があると思うから向かっていたの」

 

 

オルレアン・・・日本では明らかに違うと分かった。

 

なぜ日本にいた俺がココにいるのか・・・。謎が深まるばかりだ。

 

 

「あの・・・良かったら俺も一緒に行ってもいいですか?」

 

「あら!良いわね、旅の仲間が出来て良かったわ!」

 

「あ、あはは・・・旅の仲間って・・・」

 

 

「あ、それなら名前を聞かないと良くないわね。貴方の名前は??」

 

「え、ああ、はい・・・俺の・・・」

 

 

笑顔で話しかけてくる彼女に、詰まりながらも自己紹介をする。

 

 

「俺の名前は、進一。真木進一です」

 

「改めて、よろしくね、シンイチ!」

 

彼女は手を差し伸べてきた。握手なのだろう。

俺も握手しようを手を伸ばして、握り合う瞬間、彼女の名前を聞いたとき、頭が真っ白になった。

 

 

「わたしはマリー、マリー・アントワネット。マリーでいいわ!」

 

 

 

マリー・アントワネット。

 

その名前は、いくら歴史に弱い俺でも分かった。

 

彼女は記憶が正しければ、三百年以上の昔に実在した人物だということを。

 

俺の驚きの絶叫は、とても青い空に吸われていった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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