NEXUS of the Heroes ~英雄達との絆~ 作:0.1tトラック
今回駆け足ですけど、宜しければどうぞ!
追記:少しだけ文章を訂正しました。
? ? ? ?
『なぁ・・・いつまで待てばいいんだ?』
まだだ。コイツがまだ闇に染まらない限り、俺達は身体を奪うどころか、借りることさえ出来ん。
『ちっ・・・アンタでも無理となると、策は無いな』
・・・策が無い?ふん、そんな物は今は必要ないだろう。
コイツは自分が思ってるより、とんでもない事に巻き込まれてる事を知らないのだからな。
すると、自然と踏み入れてしまうのさ。影にな。
『あ?つまり、闇に染まる時は来るって事か・・・これは手間が省けるな!フハハハハ!!!』
そう、線が見えずにそれを踏み越える。それは好奇心やら何やらでな。
『・・・』
フフフ・・・ああ、機会が来るまで待つのだ。1番手はお前に譲ってやる。
『フン、言われなくてもそうするつもりだ。俺様が・・・暴れまわってやる』
楽しみにしてるぞ。
・・・さあ、早く絶望し、怒り、憎しみ、そして染めろ・・・。
進一・・・。闇は、お前を見ているぞ。
□ □ □ □
・・・さて、ここで状況を整理しようか。
まず、目の前でめっちゃ黒いビーム打とうとしている騎士・・・アルトリア・オルタさん。
なんでこうなったかと言うと、いきなり「貴様は弱いな。いいだろう、少し鍛えてやる。死に物狂いでやれ」って言い出して、それからはありえん速さの斬撃を繰り出してはビームを打ったり蹴ってきたり・・・。
マジで死に掛けた時が何回有った事か・・・。もう2時間は経っているのか、もう辺りは真っ暗だ。
「ちょ・・・ちょい待って・・・息を・・・」
「知らん。死ぬほど動け。動かなければ死ぬぞ」
ーーー死ぬほど動かないと死ぬって・・・絶望的すぎません?
「ではこれで最後にするか・・・生きろよ」
いや待ってください。最後の言葉なんですか。不安すぎるよ!?
「光を飲め・・・」
彼女の黒い剣が魔力を纏って大きな剣を形成していく。
それはとても怖い剣だ。今まで避け続けてはいたが、どれも紙一重で何とかしていた。
だが、今度のは最後と言ったとおり、全力でやっているのだろう・・・。
変身して耐えようとしても、そもそも
なぜか変身しようとしてもベルトが腰に出現しないし、そして変身できても耐えれるかどうかが怪しかった。
「やっぱり・・・頑張って避けるしかないか!!」
身構えて、いつでも横に跳べるようにしておく。今までギリギリ避けてきたのだ。
空気がビリビリする。死が目の前にあって、悪寒が背筋を何度も通る。
だけど、諦めない。
絶対、折れる訳にはいかないんだ。
まだ、俺は目指しているから。
ずっと見てきたヒーロー達に!
「まだ俺は・・・死ねないんだ!!」
彼女・・・オルタが少しだけだが、笑った様に見えた。
視界が全て黒に覆われそうな程、範囲が広かった。
だけど、全力で蹴れば!
「ぬおおおおおおおお!!!!!」
ありったけの力で地面を蹴り、横に跳ぶ。
抜けろ、抜けろ、抜けるんだ。
避けろ、避けろ、避けるんだ。
生きるんだ。
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「だ、大丈夫ですか!?」
ジャンヌさんが傍に駆け寄ってきた。
とりあえず疲れたので、寝転がったまま手を振って大丈夫と伝える。
「良かった・・・。いくらなんでもやりすぎではないですか、騎士王」
「コレぐらいが丁度良かったのだ。マスターの事も少しは理解できたからな」
サクサクと音を立ててオルタも近づいてきた。ジャンヌさんが厳しい目で見ているが、彼女は受け流すようにしていた。
「ちょ・・・丁度良かったって・・・・あれでですか・・・オルタさん」
「ああ、貴様の心意気も意地も見れた。良い顔していたぞ?」
あんな必死に避けたのに良い顔ですか・・・。全くスパルタすぎる・・・。
あのビームを無事に避けて、今は避けた際に転がってそのまま仰向けでいた。
理由としては簡単。疲れて動けない。動きたくない。今までぶっ通しでやってきたのだ。
「とにかく、終わったのなら戻りましょう。既に藤丸さん達の料理が出来てますよ」
「ほう・・・ジャンクフードは無いのか?」
「ジャン・・・それに関しては分かりませんが、エミヤさんが何か鬼気迫るような感じで作っていたので、美味しいと思いますよ?」
「ほほう・・・ならば冷めぬ内に食べるとしよう。先に行くぞマスター」
そのまま早足で藤丸さん達の方に行くオルタ。
その場にいるのは俺とジャンヌさん二人だけになった。
「・・・ゆっくりで良いですよ、私もいます」
「はい、ありがとうございます・・・」
ゆっくりと身体を起こすが、脚がまだプルプルして動けそうにない。
「・・・はぁ。死ぬかと思った」
「はい、見てるこちらもヒヤヒヤしてました・・・強引というか、やり方が極端すぎます」
「はは・・・まあ、そういう人なんでしょう。そういえば、あれから藤丸さん達は一体何を?」
序盤の頃は俺達の死を賭けた修行を見ていたが、途中で居なくなっていたのだ。
「それが・・・彼らもエミヤさんと小次郎さんに稽古をしてほしいと・・・」
「え!?なんで・・・」
「彼らもさっきの戦闘で分かったのでしょう、自分達がどれだけ経験が浅いのか・・・」
なるほど、その理由なら納得だ。彼らもあの襲撃で命からがらだったのだ。
俺の姿を見ている内に思ったのだろう。
自分達も、強くならねば、と。
「・・・あの」
「あ、はい、なんですかジャンヌさん」
「あ、私のことは呼び捨てで構いません。敬語もいりませんよ」
「ん・・・それだとジャンヌさ・・・ジャンヌも敬語は」
「私のは・・・これは中々直らないと思いますので」
頬をポリポリと困った顔で搔くジャンヌ。
その一つ一つの仕草が絵になるような仕草だ。
だけど、その姿を見ていると、唐突に思い出すのだ・・・。
脳裏に焼け付いたような・・・。あの顔と目を。
「・・・彼女の事ですか?」
「・・・ああ」
心の内を見られたように、当ててこられた。
「彼女に関してはまだ分からない事ばかりです」
「だけどあの子は・・・フランスを、国を、民を憎んでいたと」
「はい。確かに私の最期は悲しい結末になりました。ですが、民や国を恨んではいませんでした」
「なら・・・君がそうなのなら、彼女は一体」
ジャンヌは無言で首を横に振る。
これ以上の事は本当に分からないのだろう。
「・・・貴方は、どうしたいのですか?」
「え、俺?」
真剣な瞳で見てくるジャンヌ。
「貴方は・・・彼女になぜ、そこまで気にされるのですか?彼女は敵側、人理焼却側なのです、なのに・・・」
「・・・」
「なぜ、貴方は彼女に優しさ、慈しみを抱くのですか」
「・・・それは」
ーーー分からない。なぜここまで敵の彼女を気になってしまうのか。
なんで、ここまで胸が締め付けられそうな気分になるのか。
なぜ、助けたいと思ってしまうのか。
あの目を。あの顔を。
「貴方は・・・っ!?」
突然旗を振るうジャンヌ。
すると、なにかが飛んできて、それを旗で弾く。
何かは地面に当たり爆発する。そこは黒く焦げていた。
「流石は、能力が衰えているとはいえルーラーですね。私に気付くとは」
草原でいるのは俺達二人だけだったはず。
その声は空から聞こえてきて、其れは降りてきた。
「・・・!貴女は向こうの陣営の!」
「はい、竜の魔女のサーヴァント、ライダーです」
相手はあのジャンヌ側の人。杖を持った紫色の女性だ。
いつの間にか脚の震えも治り、直ぐに立って身構えた。
「あら、貴方は・・・赤い戦士の」
「・・・」
「まあ良いでしょう、向こうも同じようにやってくれているでしょう」
向こう?ちょっと待て。
それはもしかして。
嫌な想像をしてしまい、急いで藤丸さん達の方に向かおうとするが、足元に突然爆発が起きて動けなかった。
「あちらには行かせません。私を倒してから行きなさい」
「真木さん!こうなっては急いでライダーを倒すしかありません!力をお貸しください!!」
とても向こうが気になって仕方ないが、ライダーも本気なのだろう。
最早、戦うしかないのか・・・。深呼吸し、一心に願う。
ーーーお願いだ、現れてくれ!変身させてくれ!
目を瞑って念じるように願うと、腰にズシリと重みがきた。
見るとベルトが付いていた。良かった!
「赤い戦士には・・・させません!」
「私が守ります!真木さん!早く!!」
ライダーが光弾を放ってきたが、俺を守るようにジャンヌが動いてくれる。
大きく息を吸い、ポーズを構える。
戦うしかないんだ。戦わないと、藤丸さん達が危ない。だから・・・。
「変身!!」
ベルトが言葉に反応して、すぐに身体に力が漲るような感覚になった。
徐々に身体が変わっていき、顔を覆っていく。
そして、ベルトの変身が完了した音が鳴り、無事に変身できたか、改めて自分の身体を見た。
それは、赤とは違う、白い装甲のクウガ・・・グローイングフォームだった。
「な、なんで!?」
「ま、真木さん・・・!?」
思わず疑問の声が出てしまい、何事かと振り向いたジャンヌが驚いていた。
なぜ、弱体化のグローイングフォームになったんだ?
前の戦闘ではマイティフォームだったのに、こんな時に限って・・・。
「あら・・・また違う姿ね・・・」
ライダーが此方を興味で見ているが、そんな事を気にしてる場合じゃない!
とにかく、ライダーを倒して藤丸さん達のところに向かわなくては!
「せいやぁ!」
脚に力を込めて大きくジャンプし、蹴りをライダーに当てはした。ライダーは腕をクロスさせて防御し、俺はジャンヌの隣に着地する。
だが、ここで俺は大きな違いを感じる事になった。
(な、全体的にパワーが落ちてる!?)
ヴラド公との戦いではパンチ1発で大きく吹き飛ばしていたのに、ライダーは防御しただけでその場から全く動いていない。
ライダー本人も失望したような表情だった。
「はぁ・・・串刺し公から聞いた話とは全く別ね・・・それに・・・」
するとライダーは杖を地面に突き立てる。
何をするのかと身構えたが、何もしてこない・・・?
「白い戦士、私を殴ってみなさい」
「・・・はっ!?」
「いいから、私に一発ブチかまして見なさいつってんの!!」
なんでちょっとキレ気味なのか分からない!
ジャンヌとアイコンタクトをしてみるが、明らかに困惑な顔で「ど、どうします・・・?」と目をするジャンヌ。
「ほら、何もしないから、掛かってきなさい。小僧」
明らかに言葉遣いが変わっているが・・・最早一か八か、本当にやるしかない!
走り出し、拳が届く距離まで来て、思い切り右ストレートを繰り出す。
「ぬおおおお!!」
「・・・はぁ!」
ガキィン!
俺の右拳をライダーの右拳が迎え撃った。鉄がぶつかり合うような大きな音を立て、衝撃波に揺れる草原。
とても痛く、力負けしそうなぐらいにライダーの拳は強かった。
「・・・弱いわね・・・いや」
ドゴォッ!!
「かふっ・・・」
「貴方、覚悟が足りないのよ!」
ドゴォッ!!
腹に何か衝撃が走ったと気付いた時には、身体は宙に浮いており殴り飛ばされたと認識した時にはジャンヌに受け止めてもらった時だった。
「真木さん・・・!しっかりして、真木さん!」
身体から力が抜けると同時に発光し、変身が解けた事が自然と分かった。
ーーー覚悟?どういうこと・・・だ・・・。
俺には、覚悟が足りない。そう言われた。
視界が黒くなっていく。
もう・・・考えれそうには・・・ない。
「真木さん!真・・・さん!・・・・・・!」
_________________________________
『それは、戦う覚悟だ』
身体が浮遊している感覚だ。
ーーーどこだ、ここは。
『ここは君の中・・・心の中だよ』
ーーー俺は一体。
『気絶したんだ。彼女に鋭い拳を受けてね』
ーーーああ、そうだった。ライダーから腹に二発貰ったんだっけ。
『君は、まだ明確な理由がなくて、戦おうとした』
ーーーだって、戦うしかなかったんだ。戦わないと、死んでしまう。
『そう、だが・・・理由がない状態で戦おうとしたら、それこそ待っているのは死だ』
ーーーじゃあ、俺はどうすれば良いんだ・・・。戦わないとジャンヌが・・・藤丸さん、マシュさん達が・・・。
『・・・君は一瞬戦う事を躊躇った。本当に戦うしかないのか、倒すしかないのかと』
返答ができない。
確かに、俺は少し戦うのを拒んだり、迷った時もあった。
『君は、本当に思っている事を隠している』
ーーー俺が・・・本当の思っている事・・・。
『今まで君の人生では多くの英雄を見てきたのだろう。そう、そして君は思うようになった事があるんだ』
ーーーそれは・・・。
思い当たる節がある。
ずっと子供の頃から特撮を見てきて、多くの英雄を、生き様を見てきた。
だけど、それは必ず戦いがあった。誰かと衝突し、誰かを倒す事が多かった。
そう、俺は思ったんだ。
本当に戦いが必要な時しか無いのか。不要な時だってあるはずだ。
だけど、それは今まで見てきた英雄を傷つけ、汚してしまうのではないのかと、ずっと言えなかった事。
『・・・やっと、気付けたみたいだね』
ーーーうん。
『君の考えは、例えば百の内一つの考え、もしくは願いだ。それは悪い事ではないよ』
その声はとても優しかった。とても暖かい言葉だった。
『それは誰かが否定し、肯定する。必ず意見は分かれるんだ。誰かと衝突するだろう』
ーーーじゃあ、結局俺の考えた事は。
『そう、必ず否定する人はいるだろう・・・』
冷たい様に聞こえる言葉だった。だけど、とても優しく聞こえたのはなぜだろう。
『だけど、肯定する人もいる。そして、それを信じ、貫き通し、最期まで続ける事が必要なんだ』
ーーーそれじゃあ、俺はこの考えを・・・信じ切れていなかったのか・・・。
『ああ、それが大事なんだ。
ーーー迷っていて、道を外さないように、少しだけだったんだ・・・。
ごめん、アマダム・・・。俺を、守ってくれていたんだね。
俺が、迷っているばかりに・・・。
『・・・君は普通の人間だ。本当に貫き通せる程にはまだまだだ』
ーーーうん。
『だけど、灯りを見つける事が、たった今、出来たんだ』
ーーーうん。
『ふら付いたり、外してしまったりするだろう・・・。だけど、外しても道に戻ることが出来る。灯りがあれば』
ーーーもう、隠したりしないよ。これからは。
『人生とは、暗闇の中歩く事。それは何かの灯りで道を探すんだ。そして戻ったり出来るんだ』
胸がとても熱くなる。視線を向けると、まるでVの様な模様がとても赤く輝いていた。
『君は、どんな灯りで、道を歩くんだい?』
俺は・・・・。
「俺の
可能な限りでいい。
それは、とっても難しい事だと分かってる。だけど、きっと手は取り合えるんだ。
『・・・それが、君の灯りなんだね』
「・・・ああ、俺がずっと夢見てた事なんだ。もう、隠したり、考えを消したりしない」
『・・・それは、茨の道だとしても、か・・・』
「そう・・・でも、やっぱり、これは俺の本心なんだ」
『・・・もう、覚悟は良いみたいだね。これは、君の人生だ。私達は、少しだけ手伝わせてもらうよ』
「ありがとう・・・」
周りが白くなってきた。それでも、胸の光は輝きが益々強くなっていた。
『もう、目が覚める頃だろう・・・』
「ああ、今度は頑張って見せるよ、ありがとう」
『・・・少しだけ、君と話す事ができて良かった』
「俺もだよ、じゃあ、行って来る!」
視界が真っ白になり、浮遊感が無くなっていく。
『・・・真木。君とよく似ている名前だった。中身は、理由は違うけど、強さは君と同じぐらいかもしれない』
その声はとても懐かしそうに、誰かに語りかけているようだった。
『彼がどんな道を歩むのか、私も手伝うよ・・・、彼も、立派な・・・』
ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ・・・。
可愛すぎて毎日悶えている作者であった。