NEXUS of the Heroes ~英雄達との絆~   作:0.1tトラック

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遅れて非常に申し訳ありません・・・。

これからなんとか執筆していきますので、気長にお待ちしていただければ幸いです。


第7話 優しさと願い

◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「真木さん!目を覚まして、真木さん!」

 

 

私は彼が気絶してから呼び掛けていました。ですが、彼は未だに反応してくれない。

 

ライダーは未だに起きるのを待っているのか、ずっと立ち続けています。

彼を・・・試しているのでしょうか。

 

 

「貴女は・・・一体なぜ、彼に対してトドメを刺さないのですか」

 

「殺さないわ。彼を、彼の力が本当に彼女を倒せるのか・・・それを確かめたかったの」

 

 

「確かめる・・・?貴女は、敵である筈・・・なのに?」

 

「ええ、彼の去り際の目を見たら、彼女に哀しそうな視線を向けていたの・・・」

 

私はその時・・・撤退の時は彼の顔までは確認できていなかった。

 

敵である同じの黒い私に対して、なぜそんな視線をしていたのか、分からない。

 

だがその表情を彼女が見て、それを確かめに・・・。

 

 

「だから、殺さずに奇襲を掛けて来たのですか・・・ライダー」

 

 

「いいえ、貴女達を殺せと命令されたのは事実です。ですが・・・私は見たかった」

 

 

すると、彼女はまるで優しさ溢れる母の様な微笑みで、此方を・・・彼を見ていました。

 

 

「まるで、少年の様な真っ直ぐな目をした戦士を、この目で、そして戦ってみたかった」

 

 

「・・・それは、命令に背いても、ですか?」

 

 

「そうです。まあ・・・狂化を掛けられているので、力加減はあまり効いていませんが・・・」

 

 

やはり、彼女達は全員狂化を掛けられて、基本能力を上げていたのですね・・・。

 

彼女達の霊基も負荷が掛かっていたようにも感じられたのはこのせいだと理解できました。

 

そのまま数分でしょうか・・・互いに目を逸らさずにいたら、腕の中の彼が苦しそうに呻きました。

 

 

「・・・うぅ・・・いたた」

 

 

「っ!真木さん!真木さん、私が分かりますか!?」

 

 

「アイタタタ・・・!ゆ、揺らさないで、ジャンヌ・・・!」

 

意識をしっかり取り戻してきた彼を揺すってしまい、謝りながら彼が立つのを補助しました。

 

 

「あら・・・やっと起きたわね。しかも、何か・・・覚悟が決まったようですね」

 

 

「・・・ああ。おかげ様でな。こっちも迷っていてすまなかったな。ライダー」

 

 

「真木・・・さん?」

 

 

「おう、ジャンヌ。これからは手出しは無用だ。これは俺とライダーの戦いだ」

 

 

 

その顔は、その目は、さっきまでと違うように見えました。

 

それは、不安そうな感じはなく、躊躇いは無く、さらに真っ直ぐ見るような目をしていました。

 

彼が何か、気絶している時に、何かが分かったのでしょうか。

 

 

「危ないから離れていてくれ・・・もう、真っ直ぐに、目指すんだ」

 

 

彼がまた、あの時のような姿が変わる構えをします。

 

すると、また胸から、赤く強い光が発せられ、鈍い銀色のベルトが腰に現れます。

 

 

「・・・・・・変身!!」

 

 

彼のベルトの中心がとても眩く赤く光って、同時に彼の体が赤の戦士へと変わっていきます。

 

 

「・・・真木・・・さん?」

 

 

ですが、あの時と少し違っていました。装甲はさらに赤く、目はさらに紅く、そして黄金の角は長く(・・・・)なっていました。

 

 

「・・・それが、本当の姿なのですね」

 

 

「そうだ・・・今度はアマダムが、本当に力を貸してくれている。頑張れって、応援してくれてるみたいに」

 

 

優しくベルトを撫でる真木さん。

 

 

「俺は・・・真木進一、仮面ライダークウガ!」

 

 

「ならば・・・私も名乗りましょう!我が名はマルタ!そしてタラスク!」

 

 

突如、空から降ってくるように岩が落ちてきました。

 

ですが、その岩は巨大な竜だと分かりました。

 

ーーーマルタ・・・タラスク・・・!聖女マルタですか!!

 

 

「そうか、マルタさんか・・・。どんな英霊かはサッパリだけど・・・」

 

 

「さあ、拳を構えて。今度こそ見せてみなさい・・・貴方の覚悟を!!」

 

 

「ああ!行くぞ、マルタ!!」

 

 

彼は一瞬でマルタの近くまで移動し、また拳で攻撃しようとします。

 

 

対する彼女は少し驚いた様子でしたが、また拳で迎え撃とうとしています。

 

 

「うおおおりゃあああああ!!!!」

 

 

 

「はあああああ!!!!!」

 

 

ドゴォンッ!!!!

 

 

二人の拳がぶつかり合い、今度は私の身体が吹き飛ばされそうな程の衝撃波が起きました。

 

何とか旗を地面に突き立てて耐えましたが、また直ぐ同じような爆風が来ます。

 

 

何発も。何十発も。二人は互いに下がらず、拳を拳で迎え撃っています。

 

 

ですが・・・。

 

 

私は、彼が・・・真木さんが勝つ。その様に思ってしまいます。

 

 

去り際の紅い目。そして以前よりも大きな背中。そして・・・彼から感じる思いの強さが。

 

 

とても・・・カッコイイと、思いました。

 

 

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆

 

真木達が敵からの奇襲でカルデア内は騒然となっていた。

 

 

「藤丸君達、敵サーヴァントから奇襲!敵クラスは・・・セイバーとアサシンです!」

 

「真木君の方でも戦闘を確認・・・敵クラスはライダーです!」

 

 

数少ない生き残りであるカルデアスタッフ達の報告を聞きながら、ロマンは対応していく。

 

 

「落ち着いて!各自藤丸君達のバイタルを確認!それからその周辺にさらに接近している反応が無いか監視してて!」

 

『は、はい!』

 

 

ロマンの冷静で的確な命令で少し落ち着きを取り戻したのか、スタッフ達はさらに効率を上げるよう必死にデスクと向かい合う。

 

だが、ロマンは内心、混乱したままだった。

 

 

(どうしようどうしよう!?このカルデアからだと物理的な支援なんてできないし、出来るとしたら状況の説明とかぐらいしか・・・どうしたら・・・)

 

 

ぽん。

 

「なにやってるのロマニ?まさか諦めたとか逃げ出したいとか考えてない?」

 

「れ、レオナルド!そ、そんな事は考えてないよ!?」

 

肩を叩いたのはあの名画で有名な美人とそっくり、というかそのままである天才、ダ・ヴィンチちゃんであった。

 

ロマンは少しだけ考えてた事を当てられ隠そうとするが、ダ・ヴィンチちゃんは笑みを絶やさない。

 

 

「さあ、私が一緒にサポートに入るから、安心したまえ♪黒き騎士王さん、何とか藤丸君の所に間に合いそう?」

 

『フン、もう目の前だ。言われずとも分かっている。このまま戦闘に参加する』

 

「了解。藤丸君、そっちに黒セイバーさんが援護するから、なんとか持ちこたえたまえ!」

 

『は、はい!マシュ、頑張るよ!』

 

『はい、マスター!マシュ・キリエライト、耐えて見せます!』

 

敵セイバーとアサシンの二人からの攻撃をマシュが守り、そこへ小次郎が隙を突き斬撃を繰り出し、アーチャーが狙撃をする。

 

マリーもセイバーに対して蹴りを繰り出しているが、いつまでこの状況を維持できるか分からない。

 

「ありがとうレオナルド」

 

「なに、礼を言われるほどでもないよ。それよりロマニ、あの真木君なんだけど・・・」

 

ダ・ヴィンチちゃんが怪訝な顔で真木のバイタルが表示されている画面を見ていた。

ロマンもそれに釣られて視線を画面に移すが、そのバイタル値が人間ではありえない数字を表示していた。

 

「・・・これ、って・・・英霊並みのステータスじゃないか・・・」

 

 

「うん、しかもこの数値は一流サーヴァントだ・・・。やっぱりあの子は普通の人間じゃない」

 

 

「だ、だけどさっきまでは普通の人間と変わらなかったのに、あの姿になってから・・・」

 

 

「そう、しかも直前の時に取ったデータなんだけど・・・」

 

端末を操作し、データを表示させその内容にロマンは息を呑む。

 

 

「なん・・・だ、これは・・・霊基がいくつも・・・それも膨大な魔力数値!?」

 

 

「彼はマシュと同じデミ・サーヴァントだと私は考えている・・・。だけど、それは一人だけだよ」

 

 

「それが、彼の一つの体にいくつも・・・一体どういうことなんだ?」

 

 

「それはさすがに天才な私でも分からないよ。すっごく興味があるけどね!」

 

目をキラキラさせている彼女にロマンは苦笑するしかない。彼女・・・もとい彼の探究心が刺激されたのなら仕方の無い事である。最早誰にも止められない。天才は留まる事を考えず、真理を見るまで止まらないのだから。

 

「さて・・・敵ライダー・・・聖女マルタと殴りあいしていた彼なんだけど・・・」

 

 

「ああ・・・傷ついてる所か、むしろ魔力反応がドンドン上がっている。もう溢れんばかりにね」

 

 

「一体彼は何なんだろうね・・・ん?」

 

 

その時ダ・ヴィンチちゃんはまたも何かに気付いたのか、端末を素早く操作している。

 

気になってロマンが声を掛けようとしていたその時。

 

 

微かに。それは少しずつ聞こえてきた。

 

 

 

カルデアスタッフも聞こえてきたのか、その言葉に聞き入る。

 

 

それは、とても強い言葉だ。とても熱いモノを感じる。

 

 

画面に映っていた、真木を除いたジャンヌやマルタの様子もそれが聞こえてきたのだろう。

 

二人は周りを視線だけで見るが、何もない。

 

だが、真木だけは。力強く、拳を握っていた。

 

 

その様子に気付いたのはやはり、ダ・ヴィンチちゃんだった。

 

 

(・・・真木君、君は本当に何だい?)

 

ロマンも、スタッフ達も、全員が思わず手を止めてしまう。

 

 

はっきりと聞こえてきたそれは、歌だ。

 

それは誰も知らない曲だ。

 

だが、身体が自然と昂ぶるような。

 

それは、とても力強い。とても心を動かすような・・・。

 

 

 

それは、英雄の歌だった。

 

 

□ □ □ □

 

 

それは全身の血が熱くなって、身体が燃えそうなほどに滾っている時だった。

 

 

突然、周りがグニャリと歪んだ感覚と同時に、懐かしい歌が聞こえてきた。

 

俺がまだ小さい頃、目を輝かせて夢中に見ていた番組のOPだった。

 

今でも普通に歌えるし、大好きな歌だ。

 

「真木さん・・・この歌って・・・」

 

ジャンヌがおずおずと聞いてきた。最後の仮面ライダークウガという言葉が気になったのだろう。

 

「そうだよジャンヌ。これはクウガの歌なんだ。とてもかっこいいでしょ?」

 

 

「あ、確かにそうですけど・・・周りで歌っている人がいないのに・・・なんで?」

 

「ん~・・・そこは俺も分からないけどね・・・」

 

周りには俺とジャンヌ、そしてタラスクと呼ばれる大きな亀っぽい竜を従えているマルタだけだ。

 

マルタにも聞こえているのか、周りを目だけで確認していた。

 

本当に不思議だけど・・・。

 

 

これほど、俺が盛り上がらない場面はない!!

 

 

「行くぞマルタ!これで決めにするぞ!!」

 

「・・・ええ、いいわよ。ただ、ひとつだけ私の問いに答えてください」

 

マルタが戸惑うような顔で一呼吸をし、俺に聞いてきた。

 

「貴方・・・まるで私を倒すつもりが感じられない・・・むしろ・・・助けようとしていない?」

 

 

「当たり前だ。俺の覚悟・・・出来る限り、敵でも手を取り合いたいんだ」

 

 

「・・・」

 

 

「それはとても難しい事だって分かってる。だけど、目指したいんだ。人から無理ですと言われてハイそうですかとそう簡単に諦めれねぇよ」

 

 

「・・・貴方は、優しいですね。ですが、それは時に相手を侮辱する時もあると肝に銘じておきなさい」

 

 

「・・・分かった。だがアンタ・・・否定はしないんだな?」

 

 

「まあ・・・私も色んな事を見てきたもの・・・してきたんだもの・・・」

 

 

一瞬暗い顔をしたような気がした。だがすぐにいつものキッとした表情のマルタだった。

 

 

「さ!話は終わりです!これで決着としましょう!!」

 

タラスクがグルルと唸り、空高く跳んでいくと同時にマルタから膨大な魔力を感じた。

 

これで決着のつもりか、大技を出してくるのだろう・・・。

 

 

「いけません!真木さん、逃げてください!相手は宝具を使うつもりです!いくら今の貴方でも・・・」

 

 

「分かっている。流石に受け止めようなんて考えていないよ。その代わり、ジャンヌは遠くにいてくれ」

 

 

「で、ですが・・・」

 

 

「なに、死ぬつもりは全くないからな!安心して見ててくれ!」

 

 

ジャンヌにグッとサムズアップした後、マルタに向き直る。

 

 

「覚悟は決まったの?」

 

 

「ああ、いつでも・・・来い!」

 

 

両足に力を込めて、体勢を整える。いつでも、動けるように。

 

 

「愛を知らない哀しき竜……ここに」

 

 

マルタが祈るかのように手を組み、目を閉じていた。

だが、上に飛んでいたタラスクがギュオオオオオと音を立てながら回転していた。

 

心臓が早くなる。身体が熱くなるように血が滾った。

 

不思議と怖くは無い。それは・・・アレよりもまだマシな攻撃が来るだろうと予想できていたからだろう。

 

 

「星のように!『愛知らぬ哀しき竜よ(タラスク)』!」

 

 

「うおおおおおお!!!!!」

 

 

回転していたタラスクが流れ星のように俺に向かって落ちてきた。

 

そして同じタイミングで俺はマルタに向かって走り出していた。

 

最初の位置から動いていてもタラスクが軌道を修正しながら向かってくる。

 

まだだ。まだだ。

 

 

「真木さんっ!!」

 

悲鳴に近いジャンヌの声が聞こえた。だが振り向くな。動じるな。

 

まだだ。まだ堪えるんだ。

 

あと少し・・・。あと少し。

 

 

もうタラスクは走っている俺の正面から落ちてきていた。距離はもう1メートルになるだろう。

 

だが、これが俺の狙いだった。

 

 

「・・・でああああああああああっ!!!!」

 

 

両足で思い切り跳んだ。

 

ギリギリまで我慢した。我慢せず、直ぐに避けていたら直撃していただろう。

 

だが、当たるか当たらないか、あの訓練で死ぬかと思ったぐらいの経験が今活躍した。

 

タラスクは至近距離で避けた俺を追従できずにそのまま地面に激突する。

 

 

「そんなっ!?タラスクを避けた!?」

 

 

驚きを隠せないマルタが見えた。月の光でその表情がはっきりと見れた。

 

 

何メートル高く跳んだかは分からない。

 

だが、身体が勝手に動く。

 

自然とあの技をするかのように。

 

ーーー俺の思いは、敵であった者でも手を取り合いたい。

 

身体がクルリと一回転した。

 

まるで沁み込んでいるみたいに。

 

 

ーーーこの技、もう怪人達を倒すため、殺すためではない。

 

 

熱くなっていた右足を真っ直ぐ伸ばした。

 

そう、憶えているみたいに。

 

ーーーアマダム。俺の思いに応えてくれ。あの人の、邪悪なモノを取り除くために!

 

霊石が輝いたように見えた。

 

まるで、応えてくれたかのように。

 

 

「うおおりゃああああああああああああああ!!!!!」

 

 

「くっ・・・宝具使った直後で・・・!!」

 

 

ドゴンッ!!!!

 

 

「ぐっ・・・かはっ!?」

 

 

キックがマルタの胸に当たった直後、俺は離れた所に着地し、マルタは大きく後方に吹き飛んでいた。

 

「ギャオオオオオ!!!」

 

大木に直撃寸前の所をタラスクがマルタを受け止める。

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

マイティフォームの技、マイティキックを使ったのか身体に大きな疲労感が来た。

 

動けないほどではないが、それでも体力がゴッソリ無くなった感覚だ。

 

「真木さん・・・!」

 

 

「おお・・・ジャンヌ・・・どうだ?訓練、生かせただろ?」

 

 

「・・・もう、無茶しすぎですよ・・・」

 

 

「ははは、すまん。だが、こうするしかなかったんだよ」

 

「・・・マルタは」

 

 

駆け寄ったジャンヌは旗を構えて吹っ飛んだマルタの方を見る。

 

 

土煙が晴れてユラリと立つマルタの姿が其処にあった。

 

 

 

「・・・まだっ!!」

 

 

「待つんだジャンヌ・・・もういい」

 

 

前に出ようとするジャンヌを止める。もう、戦う必要は無いのだから。

 

 

「ぐっ・・・あぁ・・・」

 

 

ゆっくりと歩くマルタ。だが、その胸には、クウガのキックの後にある古代文字が光っていた。

 

 

「あぐ・・・これ・・・は・・・」

 

激痛なのか身を屈めるマルタ。そして益々光を増す古代文字。

 

 

「真木さん・・・あれは一体?」

 

 

「大丈夫・・・」

 

あれはもう、怪人を殺すための力ではない。

 

 

「ああぁ・・・・アアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

古代文字が一際強い光を出した途端、マルタがのけぞり、背中から黒い靄みたいなのが出た。

 

それはマルタから完全に離れるとパンッと爆ぜるように消えた。

 

 

俺はゆっくりとマルタに近づく。止めようとするジャンヌの声がするが、それでも向かう。

 

 

グルルルと警戒するタラスクだが、膝を着いていたマルタが片手を挙げる。

 

 

「・・・何とか、上手くいったみたいだな・・・」

 

 

「上手くいったか・・・どうかなんて・・・貴方は何をしたの?」

 

 

「いや・・・只単に、アンタを縛り付ける悪いのを消しただけだ」

 

 

「・・・?何を言って・・・っ!?」

 

 

マルタは何か気付いたのだろう。手を胸に当て、少し目を閉じた後、ゆっくりとため息を吐いた。

 

 

「・・・貴方、狂化を解いたの・・・?ありえない・・・何でこんな事が」

 

 

「霊石が応えてくれただけだ。俺の思いにな」

 

 

あの時願ったのだ。それがどう作用したのか分からないが、アマダムが封印エネルギー等を今までの事とは違う風に纏めてくれたのだろう。

 

 

それしか浮かばない。

 

 

「思いって・・・アイタタ・・・それでもキック自体は強力すぎるんだけど・・・」

 

 

「それは・・・すまん」

 

 

「全く・・・ホントに、面白い人ね。まさか本当に覚悟を実行するなんて・・・」

 

 

クスクスと笑ってイタタ・・・と痛みに耐えるマルタ。

 

俺は、彼女に提案を持ちかけるために、変身を解除した。

 

タラスクの方も変身を解いた俺を見て警戒は少しだけ減ったようだ。

 

 

「なあ・・・マルタ。アンタ・・・これからどうするつもりだ?」

 

 

「と、唐突ね・・・でも、私を倒さないの?私、貴方達の敵だったのに」

 

 

「倒さない。なぜなら・・・アンタ、誰一人として殺してないだろう」

 

 

「っ!なんでそれを・・・」

 

 

「アンタからは血の臭いが全くしなかったからな」

 

 

「だ、だからって・・・私がワイバーン達に命令して直接手を下していなかったとしても・・・」

 

 

「いいや、アンタからはそれらの臭いが全くしてなかった。多分本拠地とかで俺達が来るまで城の警護だったろ?」

 

 

「・・・」

 

驚いているのか目を見開いているマルタ。

 

 

実は臭い以外の考えはジャンヌが考えたんだがな!

 

 

臭いは実際していなかった。そこから皆で敵の情報を整理している時に推理したのだ。マシュさんだけ少しテンション上がっていたように見えたのは気のせいだろうか・・・。

 

 

そして、その推理は正しかったみたいだ。

 

 

「なあマルタ・・・近くに村があるんだ。そこで休んで、ついでにその村の警護を頼めないか?」

 

 

「・・・情けのつもりですか?」

 

 

「違うってば・・・。俺は極力倒したくないんだ。ただ手を取り合えるなら積極的にするだけだって」

 

 

「・・・貴方は、本当に底抜けの明るい方ですね・・・」

 

 

「そりゃどうも・・・あれ、ジャンヌ?」

 

 

「・・・はっ!?な、なんでしょうか真木さん!?」

 

 

「あー・・・余りの突拍子な提案で放心してたか?」

 

「い、いえ・・・その・・・なんでもないです!」

 

 

いつもと様子が違うのが気になったが、向こうで爆発の音が聞こえてきた。

 

 

「あそこは・・・藤丸さんたちか!」

 

 

「急ぎましょう・・・いくらオルタさんが駆けつけたとはいえ、やはり不安が・・・」

 

 

「そうだね・・・よし、変身!」

 

今度はグローイングフォームにならずに変身できた。

 

 

「すまんマルタ!後で来るから少しの間隠れていてくれ!答えは後で聞く!!」

 

 

「え・・・ちょ・・・」

 

 

ちょっとアレが出せるかどうか分からない。だけどより藤丸さん達の所に行くにはこれしかない!!!

 

 

右手をグッと力を込めて、サッと右に振る。

 

想像する。

 

 

彼と一緒に、素早く現地へたどり着くための最初の相棒。

 

それは子供の頃の俺に衝撃を与えた物。

 

 

 

「来い・・・」

 

 

それは、仮面ライダーならではの相棒であった。

 

 

 

「トライチェイサー!!!!」

 

 

霊石が眩い光を放つ。

 

同時に、右側から何かが形作られていく。

 

それは、紛れもない、トライチェイサー2000だった・・・。

 

 

「ま、真木さん・・・これは・・・」

 

 

「ば、バイク・・・?貴方・・・一体・・・」

 

 

「説明している暇はない!ジャンヌ、本来は一人用なんだけど後ろに乗って!ちょっと危ないけどな!」

 

 

「え、えぇ!?は、はい・・・」

 

 

何故か少し顔が赤いジャンヌが俺の後ろに座り、腰に手を回してしっかりと準備が出来たようだ。

 

バイク免許を持っているとはいえ、後ろに人を乗せるのは初めてだから慎重に行きたい所だが・・・

 

 

ドゴォォォン!!!

 

 

「そうも言っていられない!!行くぞジャンヌ!!!」

 

 

ブオォォォォォォォン!!!!

 

 

「は、はい!ってきゃあああああああ!!!!」

 

 

ジャンヌが悲鳴を揚げる中、フルスロットルで藤丸さん達に向かう。

 

 

間に合ってくれ・・・!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・あの子、本当に面白い子ね・・・。だけど・・・どうやって隠ればいいのかしら・・・?なんとか霊力ギリギリに抑えて霊体化していくしかないでしょうね・・・」

 

 

「姐さん、大丈夫ですかい?」

 

 

「何とかね・・・・さて、あの子達の戦闘が終わるまで、魔女さんから隠れましょう。」

 

 

「へい、ではあの森の中で・・・」

 

 

「ありがとうタラスク。・・・頑張りなさい、優しい英雄さん」

 

 

 

 




お疲れ様です。
話を書くのがすごく遅くなって申し訳ないです。
話はチマチマ書いていたのですが仕事繁忙期とか色々と…疲れてましたのです。
そしてFGOの方は既に新宿などの1.5部が始まりましたね。
まだクリアしていない方もいるかもしれないので詳しくは言えませんが、これだけは言っておきたいです。

邪ンヌ来たら、目一杯可愛がって下さい。
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