転生者は駆け抜ける   作:ポピュラー

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前回書き方を変えると言ったな。あれは嘘だ。

いつの間にかお気に入り登録が増えてたッ!!
久しぶりに狂喜乱舞しました。グラウさん、ddesさん、cbn08750さん、ふらまぎーさん、トトウさん、ありがとうございます!


二話っぽい何か

 転校してから早数週間。いつ襲ってくるか分からない死亡フラグにビクビクしながらもクラスメイトとはいい感じに打ち解けていた。なんでも転校初日に体を張ったギャグをした奴を見るのは初めてだったとか。俺だって初めてだよあんなになったのは。

 さて、そこまでは良いとして―――ホントにあの黒歴史が良いのかどうかはさて置いて―――現在進行形の問題がクラスメイトの神剣持ちの二人である。よく見ると男子、世刻望の傍にはヘレンみたいな神獣っぽい少女がぷよぷよ浮いていた。あらやだこの子もかわいいね。そう思った瞬間ヘレンの雰囲気が一気に険悪ムード。浮気ですか…? と若干目を潤ませながら聞いてきたヘレンちゃん。いいえ俺の心の癒しはあなただけですマイエンジェル。

 でも世刻少年は気付いてない模様。なまじ見えているから目線を合わせない様にするのは大変だった。でも気になる事が一つ。

 あれ? ヘレン姿見せて大丈夫なの?

 はい。隠蔽してる時点で私の姿は我が主にしか見えません。

 マジか。ちょー凄くないですかそれ。

 おかげで気分はうっはうは。あまりの喜びように幸せオーラが全開である。アハハとヘレンと見つめ合う。やっぱロリコンだろ氷堂(コイツ)。何人かが氷堂の喜びようを見てドン引きしていたのを気付かなかった事がせめてもの救いなのかもしれない。

 そのときリンゴーンとチャイムが鳴り響く。昼食タイムが今始まったのだ。

 それと同時にガラガラと開く引き戸。入ってきたのは学年が一つ上の生徒会長の斑鳩沙月さん。ハローと気さくに声を掛けて世刻の隣へ座ると、それを見たクラスメイトの永峰希美が頬を膨らませてまたもや世刻の隣へ座った。世刻は両手に花状態。多くの男子生徒が殺意を向けたと感じたのはきっと間違いではないだろう。

 さらにそこに入ってきたのは学年一イケメンと言われる暁絶。流れるような長い銀髪を後ろで一つ括りで纏めているのもイケメンに更に拍車を掛けている。当然そんなイケメンが入ってきて騒がない女子はいない。誰もが四人が集まった席に注目していた。

 ……ねぇねぇ、やっぱりどっちが“受け”かな?

 えー、世刻くんじゃない。大人しいし、小動物みたいじゃん。

 暁×世刻……いけるッ!

 評価の仕方は様々であるが腐女子の声しか聞こえないとはこれいかに。

 でも女子が腐っているのは平和の証なのかもしれない。俺は絶対御免だが。

 だがしかし、そうしかしである。俺は皆とは全く違う目線で四人に注目していた。

 

「(なんで神剣持ちが四人もいるんだよォー!?)」

 

 理解不能である。こんな和気藹々とした教室が今や世界クラスの戦闘能力を保有しているとは誰も考えないだろう。俺を入れたら時間樹内で上位に食い込めるかもしれない。入る気無いけどね。

 もういやだーと泣き叫ぶ。勿論脳内で。前世?のツケが今になって帰ってきたのかもしれない。

 こうなったらやれるとこまでやるっきゃねぇと気合を入れる。

 ―――帰ったらカレー食おう。

 そんなに気合は入ってなかった。

 

 帰りのHRで担任の女教師、椿早苗先生から言い渡されたのは氷堂にとってとても興味が沸くものだった。そう、文化祭である。

 なんでも準備の為に学校へのお泊りが可能とか。これぞまさに青春ジャマイカ! 内心誰よりも喜んでいる。最近良いことがあまり無かった俺にとってこの行事は救いの手のように感じられたのである。ようやっと享受出来る青春に大号泣。この調子で学園生活を送っていきたいんですお願いします。

 そしてあっという間に文化祭準備の日。用意はバッチリ。まさにこの時の為に生きてきたッ!と今にも声高に語り出しながらスキップしそうである。実際スキップしたらその時ポケットに入れていた、学園祭で使う人型バルーンが突然膨らんで幾つか駄目にしてしまった時はえらく落ち込んだ。それはもう、部屋の隅で床を突っつくほど。それでもやはり文化祭補正とでもいうのだろうか、すぐさま立ち直って皆と一緒に飾りつけを楽しんだ。

 しかし氷堂は知らなかった。この日が原作開始の日であることを。

 唐突に感じた懐かしい感覚。そして廊下が騒がしい。

 あるぇー?と窓を覗き込む。そこには昔々に俺をブッ刺した色白美人たちがいるじゃぁあーりませんかー。

 ………………………………………………………………………………………………。

 うぇい!? なんで!?

 茫然自失な氷堂くん。まさしくポカーンな状態である。身に覚えがなくいきなり立っていた死亡フラグに戦々恐々。冷や汗もダラダラである。

 フッと顔を上げた色白さんと目線が―――

 

「って合わせるかぁーッ!!」

 

 エターナルも真っ青の脊髄反射を駆使して首を捻る。その速さは音速以上。どれだけ本気で回避したいのかが分かる瞬間だった。これ以上の死亡フラグは真っ平ゴメンだ。そうしてる間にもどんどんフラグが立っていく。俺の生存フラグは何色だァーッ!!

 急いで駆ける主人公。目指す場所は体育館。誰よりも真っ直ぐ逃げていく様はいっそ清々しく感じた。

 ―――――――――ニヤリ、計画通り。

 やっぱりコイツ主人公じゃないや。

 そうこうしつつ人間以上の運動神経を全身に張り巡らしあらゆる障害物を攻略しすわっと走り抜くと

 

「貴様は確か…望のクラスに転校してきた奴か」

 

 銀色の流れるような長い髪。それを後ろで一つ括りで纏め、スラリとした長身と上下灰色の服を着た少年。

 あらやだ暁さんじゃないですかー。

 その暁と向かい合うように対峙しているのはボロボロの世刻少年と永峰さんに斑鳩さん。

 止めどなく流れていく冷や汗。もしやこれはこれはフラグを立ててしまったのかチクショォオオォ!?

 ハイ回れ右をして今すぐ逃げましょう♪ 今なら間に合うハズ。しかしそんな事で回避出来るほどこのフラグは甘くは無いのです。

 来てくれたのか!?とクラスメイトの森信助。

 のぞみん達を助けてあげて!と同じく阿川美里。

 友人を助けたいという純粋なお目々で俺を見つめるお二方。立派な者である。―――というか俺の心配はしないのね。ちょっとショック。

 それでも俺は…守りたいセカイ(避けたいフラグ)があるんだァー!!

 

「まさか体育館から俺達を助けに来てくれるなんて…」

 

 ザ・ワールド、時よ止まれ!

 その言葉に、世界が一瞬止まった(ように感じた)。

 ……まぢで?

 え、うん。体育館はあっちだもん。

 指された指の方を見る。あっちはたった今走ってきた道である。

 ひゅるんと崩れ落ちる俺の体。もはやMPもゼロである。

 べ、別に落ち込んだわけじゃないんだからね! 文字では可愛く表されてるが実際は釘宮キャラではなく海原雄山である事をここに記載しておく。このフラグを立てたのは誰じゃー!!

 そんな下らない事を脳内で補完していってる尊に森と阿川が期待を込めた目で俺を見つめる。これでNOといったら完全に俺悪役である。

 もう、ゴールしても…良いですか……?

 

 ―――OKです。自重を少し捨てましょう。

 

 スチャッと世刻達の前に立って構える。エターナルとは知られたくないから人間の限界程度まで手加減するしかない。逆に神剣出すとこの世界ごとピチューンしちゃうだろうし。どっちにしろ神剣使えねーじゃん。

 後ろで喚く斑鳩さん。今すぐ逃げなさい、と言ってくれる。自分も危ない状況なのにね。俺は絶対に出来ないよソレ。そこに痺れる憧れるぅ! でもなりたいとは思えないんだゴメン。

 何処まで行ってもヘタレな主人公なのであった。

 しかし依然ピンチな氷堂くん。人間の限界如きじゃ傷一つ負わせられない事は決定的に明らか。時間稼ぎも出来やしない。

 そんな奴を相手に手加減する? 本当なら自殺行為以外の何物でもない。

 ただし、今の氷堂には力を隠し通せたまま勝つ自信があったのだ。チラリと暁少年の背後を見ると、そこにはこの中の誰かにやられたのだろう色白美人さんが倒れていた。その傍にはそいつの神剣が刺さっている。

 高速思考で作戦を練っていく。悪知恵だけは得意なんですイヤ本当。学校のテストでは何の意味もないスキルだがだからと言って使い物にならない訳がなかった。

 コレだ。コレしかない―――ッ!! 食らえ、数千年分の知識を詰め込んだ俺の神算鬼謀(わるぢえ)をッ!!

 うおおおお!と我らが主人公氷堂君は突っ込んで行ったのだった。

 

 

 

 

 

 




次から変えていく予定。たぶん、きっと、メイビー。
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