転生者は駆け抜ける   作:ポピュラー

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今回書き方を統一してません。

いいじゃないか、練習だもの。

感想頂きました。めっちゃ嬉しいです。
でもどうやって返せばいいか解らないんですよね。シャイなんで。


三話っぽい何か

 友の為に、体を張って助け出す。

 それは物語の中では友情を描いた美談として時に涙を、勇気を奮わせてくれるものだろう。

 だがそれは創作(・・)の物語だからこそそう感じる事が出来る話であり、いざ実際にそんな場面に出くわせばソレは酷く滑稽に映る。

 それが拳を握って突っ込んでくる尊を見て思った暁の心境だった。

 

「(下らん……、素直に斑鳩の言葉に従っていれば良かったものを)」

 

 例え武術の達人であろうと人間という範疇の中にある限りどのような技も神剣使いの、暁絶の前では意味を成さない。

 だというのに達人でもない、ただの素人が向かってくる。

 その握った拳を突き出すために。

 それが無意味だと知っている絶からすれば、それはとても無様に映った。

 自棄になっての特攻なのか、それとも本当に拳を当てれると信じているのか。

 そのどちらにしろ、導かれる結果はただ一つに収束する。

 

「(恨むなら、この場に居合わせた自分の不運を恨め―――!!)」

 

 そんな特攻を見て呆れた、そして哀れむ様な目を向ける絶。しかし、どんな相手だろうと向かってくる者に容赦等無く、その手に握られた神剣『暁天』を、神速とも云うべき目にも止まらぬ速さで抜き放つ。

 目にも見えぬ神速で抜かれたその凶刃は氷堂に吸い込まれるように近付いていき―――その肢体を二つに切り裂いた。

 だが振りぬいたその時、暁は微かにではない、ハッキリとした違和感を感じた。

 己に、ではない。

 斬ったはずの相手に、である。

 確かに斬った。手応えはある、避けられていない避けれる筈がない。だというのに

 

「(手応えが――――――“軽すぎる”!!)」

 

 目の端に捉えていた影を逃さないとばかりに振り返る。するとそこにあったのは無様に向かってきた尊…ではなく、ゴムで出来た人型の風船―――文化祭で用意していた人型バルーンであった。

 つまり先ほどの動きはこの為のブラフであり、本当の目的は絶の背後を取る事だった―――と気付いた時には既に背後を取られていた。

 

「(チッ…舐めすぎていたか!)」

 

 尊の予想を超えた行動に絶は若干動揺する。

 成程、確かに絶は油断していた。相手が何の力も持たないただの人間だと―――神剣使いたる自分には遠く及ばない存在だと、自然と見下してしまっていたのだ。

 そして尊は、慢心していたとはいえ人間を遥かに超越した存在である自分を出し抜き、背後を取ったのだ。

 これは褒められるべきことであり、同時に驚愕に値する業績である。

 神剣使い同士の戦いならこの時点で勝敗が着いていただろう。

 だが、惜しい。

 背後を取る―――それは大きなアドバンテージであり、戦いを有利に進めれる事を指す。

 しかしそれは本来自分と相手の実力が拮抗(・・)していてこそ発揮されるものであり―――当然ながら人間を超越した絶とただの人間である尊とでは、その実力の差はあまりにも開き過ぎている。

 故に、絶はどんな攻撃が来ても人間程度の腕力では例え奇跡が起こったとしても傷つく事は有り得ない。

 ―――――――――そう、()()()()なら。

 

()()()()じゃ敵わない。そんな事、わかりきってるよ―――だったらッ! テメェと同じ()()()()になれば良いだけの話だッ!!」

 

 まるで、絶が考えている事を全て見抜いている様な、そんな言葉が尊から放ち、いつの間にか握っていたソレ(・・)を振り下ろされる。

 絶に向かって振り降ろされたソレ(・・)は弧を描きまさに今、絶の予想を悉く覆して背中を大きく切り裂いたのだった。

 

「嘘……」

 

 その時、この中で絶以外に最も衝撃を受けたのは沙月だった。

 絶が、神剣持ちが斬られた。

 それは人間では決して出来る事でない。

 

「絶!?」

 

 すぐ傍で望が声を荒げて絶の名前を叫ぶ。

 今は剣を向けられているとはいえ、ついさっきまで二人は親友と呼び合える仲だったのだ。

 その親友が目の前で斬られるという事態に、落ち着けというのは争いとは無縁の人生を歩んできた望には到底無理な事だった。

 しかし、と沙月は疑惑の目を尊に向ける。

 神剣使いを傷付けれる様な存在は、この時間樹内では同じ神剣使い以外有り得ない。

 しかし、現に尊は暁にダメージを与えている。という事は彼も神剣使いだったという考えが自然である。

 そして彼が今握っている、暁を斬った剣からも神剣の気配が発せられていた。

 これで尊が神剣使いなのは確定した。

 しかし、疑問が残る。

 尊がいつ神剣と関わりを持ったのか、という疑問が。

 今まで隠していたのだろうか、とも思ったがその考えは即座に切り捨てた。

 尊は望と同じクラスだ。つまり沙月自身も直接ではないが彼と接触していた事になる。

 神剣の気配なんて物は簡単に消せる様な物ではない。教室の範囲程度の距離なら尚更気付かない訳がない。

 もしも尊が前から神剣使いなら必ず気付いていたという自信が彼女にはあった。

 つまり、直前まで尊は普通の人間だったということである。

 だが、今の尊からは神剣の気配が感じ取れる。

 尊が持っている神剣に視線を注ぐ。

 その時、沙月は何故かその剣に既視感を感じた。

 

「(もしかして、私の前世と何か関係が……?)」

 

 記憶もあやふやにしか残っていない前世だから、もしかしたら記憶から忘れ去っていた存在なのかもしれない。

 ……、と思っていたがそれもすぐさま否定される。

 何故なら彼が握っていたのは前世とは全く関係ない―――

 

「ミ、ミニオンの剣じゃない!?」

 

 つい先ほど望たちに倒されたミニオンの剣だったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブハァッ! 危なかったー。

 いやぁ、予想外に速い居合だったわいやマジで。しかも大事な人型バルーンが……。

 色んな意味で肝が冷えた。もうやりたくないでござるよ。

 でも、アレだ……

 

 

 や っ ち ま っ た 。

 

 

 目の前には背中を斬られた絶少年。そして俺の手にはさっき拾った神剣が。

 もうフラグ絶対回避出来ないよねコレ。それが一番ショックだわ。

 俺のロハスな人生計画がいろいろ台無しだよッ!

 そもそもロハスって言葉の意味は解らんけどね。

 神剣に関しては結構強引な手を使った。ただ拾って握っただけじゃ認めてくれないからねアレ。何か条件とか資格とか必要らしいし。

 じゃあどうやったの? っていうのを簡単に説明すると―――

 エターナルの力は世界一イィィイイィイイーーーッ!!

 だから従えよアァン? である。

 心なしかこの神剣の神獣が恐怖で震えているのを感じるよ。

 さてどうしようかと悩んでいるとこちらを向く絶。やはりというかなんというか、無茶苦茶凄く睨まれた。

 自分を斬った相手に友好的な笑みを浮かべろという方が無理な話なのだけど、やっぱりヘコむ。

 あー、でも昔いたなぁ。切っても斬っても笑顔で立ち上がってくきた変態が。筋肉ムキムキの大男が腰をクネクネさせながら迫ってきたアレからは即座に逃げたが。懐かし―――

 

「望くん、いける? 氷堂くんっ、お願い手を貸して!」

「チィ……次は三対一か。いいだろう、来い!」

 

 あれぇ、いつの間にか勘定に入ってるんですけどぉ!? 本人置いたまま話進めないでー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 尊の心の叫びも空しく絶と望達の戦いが始まった。

 だが、背中を斬られたハンデが有るとしても、戦いは望達に有利にならず、じわじわと押され始め―――ついに望達は動けなくなった。

 

「さぁ……目覚めるがいい……破壊の神よ」

 

 動けない望にそう言い掛けながら、暁は手に持った剣を望の肩口に当てて―――貫いた。

 

「望ちゃんッ!!」

「望くんッ!!」

 

 希美達の悲鳴が静かな廊下に響き渡り、遅れて望の悲痛な叫びが辺りを満たした。

 希美が望の名前を叫びながら望と暁の間に割り込んで、望を貫いている絶の剣を引き抜こうとする。

 刃が手を傷付け、血が滴り落ちても、彼女は握る手を緩めることなく力を入れ引き抜こうとする。

 

「どけ、永峰」

 

 それを見かねたのか、望を貫いていた剣を引き抜く絶。だが、絶はその切っ先を希美に向けた。

 それを見て望は狼狽える。

 本気だ。

 絶と長く親友だったからこそ望は解る。解ってしまう。

 このままだと希美も危ない、と。

 

「希美、逃げろ……逃げてくれ、希美!」

 

 望が悲鳴じみた声で希美に逃げろと言うが、彼女は決してその場から動かなかった。

 

「逃げない……私は絶対に逃げないし、どかないっ!」

「ならば、死人が一人増えるだけだぞ?」

「脅してもだめ。望ちゃんを……死なせたりしない!」

 

 そう言うと希美は望を庇う様に抱きつき、絶とにらみ合う。

 希美も解っていた。絶が本気で望を殺そうとしている事を。

 そして、邪魔をするならどんな事をしても排除しようとするだろうという事も。

 恐怖で足が震える。

 声も震える。

 怖い。

 怖い。

 怖い。

 それでも、

 

「(それでも……望ちゃんを失う方が、何倍も怖いよ!)」

 

 だから希美は引かない、逃げ出さない。

 

「ダメだ、絶……希美は、希美だけは……殺さないで……くれ」

 

 掠れた声で、希美だけは助けたい一心で僅かな望みをかけて絶に懇願する。

 

「俺の目的を邪魔するのなら……容赦はしない」

 

 だが、その僅かな望みすら一切の逡巡なく断たれた。

 剣を握ろうと両腕に力を込める、が望の腕は指先ひとつ満足に動かせない。

 立ち上がろうとしても、下半身に力が入らない。

 今の望は、目の前の出来事をただ見つめる事しか出来ないでいた。

 悔しい、という感情が望を支配していく。

 幼馴染が目の前で危険な目に遭っているのに、守れるかもしれない力があるのに。体は、そんな意志に反して動かないでいる。

 とてつもなく、自分が弱く感じた。

 そんな時だった。

 

「……せない……、絶対に!! させないっ!!!」

「っ!?」

 

 絶がその場からいきなり離れて希美から距離をとる。その直後、ガラスが割れたような音が響き渡ると、

 

「う……そ……希美ちゃんも……な……の?」

 

 沙月が意識を失う前に見たのは、ハルバードの様な槍の神剣を構える虚ろな目をした希美の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、尊はというと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、なにこのシリアス……?」

 

 話についていけてなかった。

 

 

 

 

 




深夜のテンションと曖昧な記憶で書いてます。ぶっちゃけ原作うろ覚えです。台詞は自信あるんですけどねー……。
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