進撃の巨人?ああ全裸のおっさんが駆逐されるやつね   作:小野芋子

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主人公の優先順位

イザベル>>>>>>(超えられない壁)>>>>>>>>>>調査兵団のメンツ(女子)・同期(女子)>>>>>>>>>>>その他

ゴロツキ組(男子)は大切ですが、まああいつらなら大丈夫だろうと信頼しているのでよっぽどの事がない限り基本イザベル優先です。(よっぽどがあってもイザベルから目を離すとは言ってない)



黒祇式夜様、誤字報告ありがとうございます。




その日人類は思い出した(やっぱあいつ人間じゃねえ)

せっせせっせとイザベルの身の回りの世話を献身的に行い、確かな満足感と充実感を得ている訳だが、やっぱりエルヴィン、貴様は許さん。

 

 

怒りの元はつい先ほどの事、イザベルが病気のため壁外調査に出られない俺は一応謝罪の言葉でも言っておこうかな、と思い準備に忙しいだろう調査兵団を訪れた。

案の定ドタバタしていたが、そんな中でも特に焦る様子もなく既にあらかたを片付けたエルヴィンは目ざとくも俺を発見し、気さくに声をかけて来たんだが……思えばあの時点で嫌な予感はしていたんだよなぁ。

まあ当時のアホな俺はそんなことにも気づかずにエルヴィンの『壁外調査に行けないなら、せめて激励だけでもしてくれないかな?君の言葉はきっと皆を元気付けてくれると思うからね』という甘言に騙されいつのまにか召集していた団員たちの前に謎のドヤ顔で現れて

 

「皆聞いてくれ、今回彼は胸騒ぎがするということで自ら壁内に残ることを志願したが………」

 

固まった。

おい、何だよ胸騒ぎって?聞いてねえぞ?ってか知らねえぞ?あれか?イザベルの介護で壁外調査を辞退した俺への当て付けか?いいよその喧嘩買ってやるよ!!かかってこいやオラああ!!!

 

まあ結局は騒つく団員に気圧されて何も出来なかったけどね?取り敢えずいかにも何かを感じてますよって顔で誤魔化しておいた。

 

そのあとは、まあ取り敢えず立体機動装置つけてガスとかブレードを満タンにして、いつでも戦場にでれますが何か?って感じの装備だけ付けてダッシュでイザベルのいるウォールローゼにある調査兵団の療養所?みたいなところまで来た。

 

だめだ…恥ずかしすぎる。何だよ胸騒ぎ(笑)って、俺はもうそういう時期は卒業してんだよ!!風が騒めいてやがるじゃねえんだよ!!……取り敢えず壁外調査から帰って来やがったらエルヴィンは削ぐ。うなじじゃなくて頭の方を。

 

「………ぅん」

 

はっ!!我らが天使が寝苦しそうにしている!!そうだ、あんなハゲ(推定)のことなんかよりこっちの方が大切に決まってるじゃないか!!

 

取り敢えず、頭に乗っけている少し暖かくなったタオルを急いで取り替えて、新しく水に濡らしたものを乗っける。

さっきエルヴィンへの怒りのあまり一枚ボロ雑巾にしてしまったがもうあんな過ちは犯さない。

だってここの看護婦さん?的な人めっちゃ怖かったし。何あれ?地下街出身なの?『力みすぎて破っちゃいました(≧∀≦)』って言ったら猛獣のごとき睨みを食らったんだけど…。あれは多分リヴァインより怖い。間違いないね。

 

ーー…………ぅぅぅん!!

 

ん?なんか揺れた?地震かな?

 

ーー……ァァン!!カァン!!カン!!

 

あれ?今度は鐘の音だ?なんかあったの?地震でガス漏れでもしたの?火事でも起きてんの?

 

「……人が侵入して来たぞ!!トロスト区を守る壁が破壊されたぞ!!!」

 

あ〜〜そういう感じですか…。なるほどなるほど。つまりさっきの太鼓みたいに腹にくる音は例の超大型巨人が壁を壊した音で、その後の鐘は避難を知らせる音だったって訳だ……。成る程成る程。

 

胸騒ぎ(笑)が当たってんじゃねえかよ!!完全にギャグだっただろうが!!

 

まあキレても仕方がない。本来であれば巨人が来ようと化け物が来ようとここ(イザベルの世話)を動く気は無かったんだが、壁が破壊されたってことはまたあの口減らしが起こる可能性が出て来た訳だし、それにイザベルが巻き込まれかねないって可能性があるのは事実だし、何よりも……

 

「この寝顔を、守るのは当然だよな」

 

キモ顔どもが、ただで済むと思うなよ?

 

 

あと、部屋を出るときに「行ってらしゃい」って聞こえた。やばい今なら巨人が千体来ても勝てる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでやって来ました壁外!!

 

何体かの巨人は既に侵入してたけど、秒とかからず瞬殺だぜ!!イェイ!!

さて、じゃあ今もこちらを余裕たっぷりな顔でニタニタと笑う勘違い野郎どもをハンティングしていこう!!

 

イザベルの睡眠を妨害しやがった罪は命をもって償えよ?

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

「アレが、調査兵団の双翼、リヴァイ兵士長と対をなす男なのか…」

 

駐屯兵団の先遣隊として到着した兵士数名の前に映っていたのは、気色の悪い巨人が大量に侵入してくる地獄絵図ではなく、大量の屍を築く1人の兵士(化け物)の姿だった。

 

数体の取りこぼしこそあれ、向かってくる巨人は皆一撃のもとに沈んでいく。まさに圧巻。圧倒的すぎるほどの実力で蹂躙していく様は正しく悪魔のそれである。

 

「化け物かよ……」

 

壁外調査に出たはずの調査兵団、それもその主力中の主力がなぜこの場にいるのかは分からない、だがそこに突っ込む意味はない。今はただ、あの兵士(化け物)巨人(化け物)を1秒でも長く足止めしてくれるのを願い

 

「俺たちも取りこぼしを始末するぞ!!」

 

自分たちにできることを成すだけだろう。

 

 

だが彼らは気付かない、自分たちに慢心があることに。

あくまであの化け物は例外だ。そう簡単に巨人を倒せるはずも無い。

戦うことを諦め、守りに入ってしまった駐屯兵団(愚者)では迫り来る脅威を前に、余りにも無力であることに彼らが気付くのは遅すぎた。

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

「どういうことだ?」

 

先ほどの話によれば駐屯兵団の先遣隊は既に全滅しているとのこと、それにしては侵入してくる巨人が余りにも少な過ぎる。

もともと頭がいいとは言えない彼、エレン・イェーガーはその事態を前に混乱していた。

超大型巨人を倒す事が出来なかった汚名をすぐにでも返上してしまいたいのだが、肝心の巨人が少なくとも見える範囲には一体も存在しない。ある意味では異常事態だ。

 

「アルミン、どう思う?」

「分からない。けど、もしかしたら先に出た他の班が倒したのかもしれない…」

 

ーーああ、何だそういうことか。やっぱり巨人なんて大したことは無いんだ。訓練さえ積めば俺たちだけで駆逐できるんだ。

 

それは少年の幼さ。

復讐のため、憎しみによって力をつけてしまった少年の弱さ。

強過ぎる復讐心はその視野を狭め、冷静さを奪う。

 

だが、誰も気付かない。或いはこの場に少年の唯一の『家族』がいれば直ぐにでも気付いたのだろうが、不幸にも少年を守るために力をつけた筈の少女はその身に流れる血によってその力を伸ばし過ぎたためにこの場にはいない。

 

だからこそ彼女は言葉を送った。『死なないで』と。

たったの五文字。だがその言葉の重さは到底計り知れるものでは無い。

それは楔。少年が無茶をしないために彼女がかけた呪い。全てを失った少女が、新たに与えられた、与えて貰った家族を失いたく無いという願い。

 

 

 

だが、少年が本当の意味でそれを理解することは終ぞ無かった。

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

巨人は不死身だとか、直ぐに再生するとかいうが意外とそうでも無い時がある。

 

その1つが首を飛ばすことだ。

まあ常識で考えて分かることだが、例えば不死の敵キャラを倒した時、首を切りとばしたら当然生えてくるわけだが、ここで1つ疑問が生じないだろうか?即ち、じゃあ飛んで行った首はどうなったんだって話だ。

 

飛んで行った首を拾い上げてくっつけるならまだ分かるが拾い上げず生え変わってみろ。それって不死っていうかもう分裂だろ?

まあ逆に飛んで行った首の方から体が生えてきたらそれはもうボスっていうか純粋に気持ち悪い何かだが、それは置いておこう。

 

要は何が言いたいかっていうとだ。プランクトンとか、微生物とかでも無い限りは生物はあくまで雄と雌のアレコレでしか誕生しないんだ。腕切り落としたらそっから敵が増えるとかは絶対にあり得ないんだ。

だから巨人の首を大砲で飛ばしたのならまだしも、ブレードで切り落としたのなら当然再生は不可能だ。まあそれでもうなじを削がない限りは動き続けるんだから十分気持ち悪いけどね。

 

さて、長々と話したがなぜこんなことを突然語り出したのかと言うとだ。

 

「ふぅ、完成」

 

簡易ではあるが壁に出来た穴を首を切り落とした巨人によって塞いだ俺を誰か褒めてくれ。

 

マジで疲れた。腕とか足だったら欠伸しながらでも切り落とせるけど、首って結構神経を使うんだよね。いや、マジで。

 

一応説明しとくとだな。こいつらに考える頭脳があるとは思えないが少なくとも首を飛ばせば目は機能を失うし、噛み付いてくることも出来なくなる。ここまでは常識だな。

そうやって五感を潰して壊れた壁へと誘導、足を削いで転がす。あとはそれを何度か行い確実に穴を塞いで行き(この際巨人の手を切り落としておくのがポイント)最後に僅かに開いた上の方のスペースに転がっている巨人の頭をシュート!!超!!エキサイティング!!

因みにさっき切り落とした腕だが、アレはあえて再生させるようだ。ただでさえぎゅうぎゅうな状態でさらに腕が再生してみろ、最早身動き取れなくなること請け合いだろ?

その後は足をその辺に落ちてた杭をトンカチで打ち込み完成。

 

制作時間実に20分。超疲れた。

 

あとは、暴れ出したら導火線に火がつくように設定してその先に恐らく超大型巨人が落としたであろう火薬をセット(ちなみにセットしている場所は壁外)し、本当に終了。

まあ暴れ出さずとも外から来た巨人がスイッチ押せばここら一帯焼け野原になるんだけどね。

ああ、一応ブレードとかも仕掛けまくってるからもし仮に生き延びても2、3分は動けないという思うよ?

 

 

っとそんなことより早く帰ろう。既にだいぶ時間も経ったし何体か取りこぼした奴もいるからちょっと心配だ。まあそんなに数も多く無かったから大丈夫だよね?

 

幸いにしてブレードはその辺に落ちてるので十分に補充できるし、ガスに関してはほぼ使ってない。集団戦のいいところは、巨人を踏み台にさえすればガスを殆ど使う必要がないところだと俺は思う。

 

さて、じゃあ帰ろう。あっ壁塞いじゃったし壁から登んなきゃいけねえじゃん。めんどくせえええええ!!!

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

「エレン!!」

 

叫び伸ばした手は何も掴めないままに空を切る。

自分は一体今まで何をしていたんだ。そう思わずにはいられない。

大切な仲間1人救えない自身の弱さが、何処までも憎い。

 

「あ、あぁあ!!」

 

視界の端で同じ班の仲間であるミーナが食べられようとしているのに、体は一向に動かない。

 

ーー僕は無力だ

 

もういっそのこと殺して欲しい。外の世界に憧れた愚か者を、何もわかっていない幼いままの弱者を。

外がこんな地獄だと分かっていたならば、きっとあんなたわ言なんて言わなかったのに。

 

「何をしている?」

「へ?」

 

声をかけられ顔を上げると、そこには先ほどまで影も形も無かったはずの姿。

襲われていたはずのミーナをお姫様抱っこの要領で持ち上げる、同期最強の呼び声高い青年の姿。

 

「…どうして、君がここに?」

「どうでもいいだろ。それより……!!」

 

会話の途中で突然振り返り何かを睨みつけている。

視線の先を追うと、いつの間にか倒されていたエレンを食べた巨人の姿がある。

 

ーー彼は何を驚いて?

 

疑問を感じたがその答えは直ぐに判明した。突然巨人の背中を突き破って新たなる巨人が現れたのだ。それも雄叫びを上げて。

 

「……これは……!!」

 

一体なんだ?もしかしてこれが巨人が誕生する秘密なのか?分からない。何1つとして分からない。

そして分からないのはそれだけでは無い。突然現れた巨人は自分たちにはまるで興味を示さずに、何処からか現れた4、5m級の巨人に在ろう事か戦闘態勢をとったのだ。

 

膠着は一瞬。

文字通り飛び跳ねて来た小型の巨人を、謎の巨人はアッパーを放ち仕留めた。

響く雄叫びは勝利の咆哮なのか。アルミンにはまるで理解できない。

 

「……アルミン、1つ聞かせろ。あれはなんだ?」

「分からない。僕には何も……」

「……考えることを放棄すれば、お前に何が残る?」

 

ひどく突き刺さる。ああ、確かにそれは事実だ。けど、仕方がないだろう。あんな巨人は前例がない。

 

「……まあいい、アレは使える」

 

突き放すような言葉が今のアルミンには何処までも深く突き刺さった

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

やっとの思いで壁を登った俺は早速巨人をサーチアンドデストロイ

 

っと思ったがなかなか見つからない。あいつら地味に隠れんのうまいんだよねえ。

 

っで何とか1匹見つけたんで早速デストロイしたら芋づる式に出るわ出るわ、やった!!今日は巨人鍋だ!!

 

そんな感じで何体か削いでいたら突然ミーナが降って来た。

親方!!空から少女が!!

いや、マジでそれをされると素直にびっくりするからやめてね?まあちゃんとキャッチしますけどね?その辺は自分抜かりないんで。

そのまま飛んでたら口髭のダンディなおっさん巨人とその前に座り込むアルミンの姿が、取り敢えずミーナを空高く投げ上げ落ちてくるまでの間にデストローイ!!キャッチは当然お姫様抱っこ。ふっ、決まったぜ!!

 

華麗にキャッチした俺は着地も華麗に決めてドヤ顔でアルミンの前に立つがいかんせんまるで気づいてない。やべえ気不味い。

 

「何をしている(せっかく俺の華麗な着地が見られたのに)」

「え?」

 

そのせいか若干八つ当たり気味になってしまったが悪気は無かったんだよ。ごめんね?

 

「どうして、君がここに?」

 

やべえ、そういえばこう言う異常事態の時って確か班とか分けて行動するのがセオリーだったよな……。独断専行で凸っちゃったどうしよう!!罰とかあんの?やばいなんか背中から変な汗出て来た。

 

取り敢えず適当に誤魔化したけど、背中が気になって仕方がないから如何にも何かがありましたよ、な感じで振り返って背中を確認。まあ首が180度回転する訳でも無いから意味なかったけどね!!

 

流石に恥ずかしくて目のやり場に困ったからさっき倒したダンディな巨人を眺めてたら突然『おや?おじさんの様子が……?』状態に。脳内でB連打してたけど結局は進化してしまった。

さっきまでダンディズム溢れていたのに今度は、何だろう、若かりし頃の状態になった。

 

そして唐突に始まる巨人バトル。

 

野生の4m級巨人が現れた▼

 

敵巨人のすてみタックル!!▼

 

若かりし頃の巨人のカウンター!!▼

 

敵巨人は倒れた▼

 

完全にポ◯モンだな。え?もしかしてこの世界ってそういう感じだったの?俺はてっきり巨人とバトリながら地下街最強を目指す男の物語だと思ってたんだけど?

 

取り敢えず困った時のアルミンという訳で質問してみたが分からないの一点張り。おい、もっと頑張って頭使えよ!!今使わないでどうする!!熱くなれよ!!

 

だが現実は非情かな、ついにアルミン=サンは黙り込んでしまった。もういいよ。それなら俺1人であいつ追いかけるし!!こういう時にアレは使えるし。え?あれって何かって?シャーペンですがそれが何か?

 

いや冗談に聞こえるかも知んないけどあのシャーペン超優秀なんだよ。最近になって分かったんだが。あれって消しゴムとセットみたいなところがあるから、消しゴムを持ってたら何となく、あっ、シャーペンはこっちにあるなってのが分かるんだよ。

まあ結局は時間が経てば勝手に帰ってくるけどね!!

 

っとまあそんな訳でポケットに(案の定)入ってるシャーペンを取り出しプロ野球選手もびっくりなレーザービームで謎の巨人の頭にシュー!!超!!エキサイティング!!(2度目)

あとはまあこいつを追いかけておけばなんか面白いことになるだろ。

 

あっ、抱きかかえているミーナどうしよ?

 

 

 

 

 




主と他キャラの温度差。もう笑うしか無い
そして何故か被害は拡大する一方。相対的に見れば減ってるのにいったい何故?
あと、巨人の再生に関してはただのノリです。そもそも巨人の頭を斬りとばすなんて人類最強とこのバカしか出来ません。

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