魔法少女リリカルなのは!? 「時空管理セクハラ相談部隊+パンツ」 作:ヘルカイザー
遅くなりました。
では! よろしくお願いします。
パンツとは……その人の色が出る。性格や癖、はたまた趣味や生活環境。プロは……パンツを覗き見るだけでその全てを見通すことが出来る。己の欲を力に変え、セクハラと呼ばれる一種の暴力を行使する者達。それは最低で、決して褒められることのない者達。
セクハラー…………
しかし私はそれを追い求め、変態さんに教えを請うた。私は証明したかった。それが悪のための照明だけではないことを。
誰であれ、どんな絶望的な状況でさえ、その場を笑顔に変えてきた変態さんのセクハラ。それを……私は素晴らしいと思ったのだから。
高町ヴィヴィオ。
変態さん達が助けてくれてあるこの命。なのはさんがなのはママになってくれて。フェイトさんがフェイトママになってくれて。私にできた家族という証。その名前。私が生きて行く上で最も誇らしく。感謝の絶えない高町という名。私はママのこの名に恥じないよう。生きて行く。
そんな決意がある私の日常に現れたのは、出会い。男の子。私と同い年か、それとも年下か。彼は私にとって一生出会えないと思った理想的な王子様。存在しないかと思われた王子様。
私達は出会った。
本来なら出会うはずのない私達が、最近起こり始めたミッドチルダ全体を揺るがす新たな事件をきっかけに。
でもその事を今説明するのは不可能というもの。彼の事を語る前にまず、彼女との出会いを先に話さなければならない。
アインハルト・ストラトス。
彼女と初めて会ったのは私の先生、コーチ。師匠。呼び方は色々だが、ノーヴェ・ナカジマさん。私はノーヴェと呼んでいる。アインハルトさんはそのノーヴェが連れてきた。そして、私達がやっているストライクアーツ。そのスパーリングする日に私とアインハルトさんは出会ったのだ。
彼女の第1印象は綺麗な人。落ち着いていて、年上らしいとても素敵な人。そういう印象だ。
「ね、ねぇ……コロナ? ヴィヴィオなんか…………」
「う、うん……たぶんリオの思ってる通りだと思うよ…………」
2人はスパーリングを始めようとしている私の後ろで何か言っているが、私はそれどころではなかった。高揚。顔が火照るほどの興奮。思わず口元が緩んでしまいそうな幸せな感覚。
何故なら今私の目の前にいるのは美しい女の子。私より年上のとても綺麗な女の子だ。故に私は気持ちを抑えられずにいる。どうしてこんな美しい子を目の前にして抑えられようか。否。答えは断じて否だ。
この人の恥ずかしがってる顔が見たい。この人の羞恥心で満ちた可愛い顔が見たい。この人の裸が見たい。私はそう思った。
これは1人のセクハラーとして、私が成さなければならない試練。義務だ。ここでセクハラをはたらかなけれなそれこそセクハラーの名折れ。この人に対しても失礼にあたる。
「よろしくお願いします! 」
「あ、はい……あの……どうしてそんなに赤くなって」
「いえ、問題ありません! なのではやく始めましょう! そうしましょう! 」
「ですがどこか具合が悪いのでは」
「ノープロブレムです! ドンと来いです!! 」
「そ、そうですか……では」
私達は互いに構えノーヴェの掛け声とともに前に出る。基本的な組手をしながら様子見の攻防。だが、アインハルトさんの方が私よりもはるかに強い。
シャツの下にあるブラと言う花園。短パンの下にあるパンツと言う天国。攻撃の合間に何度か狙うが、アインハルトさんはガードが固くてそれを許してくれない。私のセクハラが通用しない。そこにあるはずの花園に、天国に手が届かない。私はここで自分の未熟さを思い知らされた。
どうして届かない。私は今日まで、必死に修行をし、変態さんお墨付きのセクハラを免許皆伝まで極めたつもりだった。実際、変態さんにはもう教えることはないと言われている。
つまり私がセクハラを成せなければ、私の負けに他ならず、変態さんの技が負けたことになる。それだけは。それだけは我慢ならなかった。何とか一撃。何とかパンツを見るだけでも……だが現実は甘くない。まるで私ではその花園に、天国に行く資格がないかのように。
このスパーリングは突如勝負がついた。
私の攻撃を躱し、私の胸へ一撃。私は後ろに吹っ飛ばされ、その瞬間ノーヴェが止めに入った。
「手合わせありがとうございました」
「あ……すいませんでした!? 今のスパに失礼があったのなら謝ります! 」
全身全霊の謝罪。失礼だった。私は事もあろうに対戦相手にガッカリされた。セクハラ対象を不快な気持ちにさせてしまった。これではもう善ではない悪だ。私の目指すものはこんな雰囲気を作るものではない。本当に未熟の一言だった。
「失礼と……おっしゃいましたか……今…………くっ。今のスパに失礼がなかったかなどとよく言えましたね!! 最後の一瞬! 何をしようとしたかはわかりませんが貴方はまるで的外れな私の下半身に手を伸ばしました。私が決めにきてる事を分かっていながらです! 貴方は本当に本気でやっていたのですか! 」
「勿論です!!! 私は本気でパンツをめくろうと」
「は? ……すいません聞き間違えでしょうか? 」
「ですからアインハルトさんのパンツを」
「もういいです!! ……趣味と遊びのはいいでしたら貴方は確かに十分すぎるほど強いです。しかし」
「遊びではありません! 訂正してください! プロとして、私のセクハラを遊びなんて言われるのは堪え難い侮辱です!! ですからもう一度、もう一度私とスパーリングしていただけませんか! 」
「い、意味がわかりません。『どうして最近理解に苦しむ』事ばかり……と、とにかく、そういう事ですので」
「あ……そんな……もう一度……ぐっ、結局パンツ見れなかった」
「「残念がるところそこなんだぁ…………」」
私の友人2人が呆れ果てた顔を見せているがそんな事はどうでもいい事だ。何故ならそれはいつもの事。今に始まった事ではない。だが、そんな友人の対応が、余計に今の私を惨めにさせた。
彼女は初めての私がセクハラを失敗した相手。アインハルトさん。彼女の名は、この時初めて心に深く刻まれた。私の新たな目標と決意と共に。
「次は……絶対パンツみるよ! 」
「「それ以前に試合してくれないよ」」
「そんな!? 」
アインハルトさん……そんな彼女と出会いは突然に、私にとっては運命だった。セクハラしたくて堪らなくなる人。性的に。どこまでも性的に私を興奮させてくれる人。同じ女の子でなければ、猛烈にアッタクは間違いない。無論、性別など気にするつもりは私にはない。
何故なら彼女は私の未来永劫、セクハラする女性対象に認定されたのだから。
◆◇◆◇
私がまだヴィヴィオさん達と知り合う数日前。私は彼と出会っていた。彼は……なんと言えばいいか変わっている。何が変っているかと言えば……パンツが好きらしい。
私より1つか2つ歳下らしき彼に対して、この歳で……とも思った。しかしこの歳で以前に大人でもここまでパンツに対する想いや情熱はないだろう。何故なら彼はパンツという物に一種の愛があるようだからだ。
衝撃だった。
彼と最初にあったとき。私は彼に、有無も言わさず初対面でパンツを剥ぎ取られた。油断していたのもある。
私が毎晩、強い人間を求めては戦いを挑む通り魔まがいの事をしていた帰り……たまたま公園で座っていた彼を見て、何やら困っていた様子に見えた私は、彼に声をかけたのだ。だが彼が放った第一声。私は自分の目と耳を疑った。彼の姿はまるで蜃気楼のように消え、ふと……私の背後から声が聞こえる。
何て言っているのか、私は最初……信じられなかった。
「わぁ〜この柄、僕でも初めて見るよ。とってもいい趣味してるねお姉さん! すずかさん程じゃないけど……すっごく僕の好みだよ! 」
彼は笑顔で私にそんな事を言って来る。私の下着を奪って、それだけでは飽き足らず、こんな事言っているのだ。私は少しどころじゃない怒りを彼に抱いた。ただそんな時、私は気づく。重大にしてとんでもない事をやっているという事実に。
彼は一体どうやって……私に気づかれる事なくパンツを奪った。
無論、私の足は地面から少し足りとも動いていない。かと言ってパンツを破り取られたのかと言えば、パンツには傷1つない。つまり彼は、私に気づかれる事なく、私の足を浮かしてパンツを脱ぎとった事になる。
結果……私の頭の中でこの子はとんでもなく強いのではと言う期待にも似た思い違いをしてしまった。
「すいません……貴方が誰か知りませんが、私と戦っていただけませんか? それに……その……下着を奪われてこのまま帰すのも私の気が済みませんので」
「へ? あ……いや、僕戦えないというか……強くないと言うか……パンツが好きなだけで」
「問答……無用です!!! 」
「ひっ!? た、助けてぇぇぇえええ!? 」
しかし実際、彼は弱かった。戦いの経験も、ましてや、魔法すら使えない。そんな彼に、私は一撃をお見舞いしてしまったのだ。逃げる彼の前に回り込み、様子見の拳を一撃……私は彼のお腹へと叩き込んだ。私の見立てでは、簡単に躱して来るか、受け止めて来ると考えていたのだが、それは見事に直撃。彼はその場でお腹を押さえて悶絶し始める。
「けほっ!? けほっ!? 」
「す、すいません。まさか本当に戦えないとは思いませんでした。ですが……私も恥ずかしめられた事ですし……これでおあいこにしてください。あと……その下着は返してくださいね。それに……こ、この柄はたまたま……他のが洗濯中だったので着ていただけです。こんな恥ずかしい下着もう着ることなんてないですから。……それでは」
私は彼の手にあるパンツを取り、倒れている彼に背を向けた。
だが……
その瞬間、私の全身に鳥肌が走る。
殺気にも似た悍ましい感覚。全身を舐めまわされるような寒気と蛇のような執着にも劣らない視線。私はゆっくりとその視線の方向、彼が倒れているであろう背後を振り向いた。
が……そこにはさっきの彼とは思えない程の殺気を放ちながら私を睨む彼が立っていた。血走り、確実に私に敵意と怒りを向ける彼の姿を。
私は最初、彼はスイッチが入らないと、つまり怒りなどの感情を抱くと力を発揮するタイプだと考えた。
しかしそれは大きな間違いだったのだ。
「貴方が私の一撃に対して怒りを覚えたのなら、それは謝ります。確かに、私も少しやり過ぎたと思いますが……貴方はわ、私の下着を剥ぎ取ったのですよ? 私だって恥ずかしかったのですから少しは……っ!? 」
一瞬……いつの間にか俯いていた彼が何か呟いた。とても掠れるような声で。けどハッキリと聞き取れたその言葉は……私の思考を停止させるのに十分な物であった。
この世には本当に理解できないことが多々ある。おそらくこれもその1つ。常人が、一体このミッドチルダに住んでいる人間のうち、何割が今の彼の言葉を理解できようか。少なくても私は理解できないし、したくもない。
ましてや…………
『彼の怒りが私が私のパンツを恥ずかしい物だと言ったことに対しての怒りであるなら尚更』
「お姉さんはパンツをなんだと思ってるの? パンツを恥ずかしい? その柄を? 勘違いしないでよ。お姉さんはそのパンツを選んで手に取ったはずだ。少なからず『その子』に惹かれて。でもそれを何? ただの羞恥心でその子を馬鹿にするの? 蔑むの? もう着ないなんて酷い事……よくも…………」
「い、いえ……あの……貴方の怒りの矛先がな、なんと言うか……理解に苦しむのですが……と言うか下着は生きてなど」
「ふざけるな!! これ以上まだその子を愚弄する気か!!! 」
「ひうっ!? ……って、何故私が悪いみたいになってるんですか!? もう意味がわかりません! 」
「わかった。もういい。お姉さんにその子をはく資格は……ない!!! 」
「なっ!? 」
一瞬、まるで時が止まったかのように。その場は私の体感でスローモーションのように動き出す。彼はとても戦えないと思えないほどのスピードで私の前に移動すると、私が取り返したパンツを再び奪った。
私が動くどころか全く反応できなかった。今のこの子のスピードについていけなかったのだ。できたのは、かろうじて彼が何をしたのかがわかっただけ。彼の動く軌跡や下着を奪われた手からの喪失感。私はただただ呆然とした。目の前の彼が、強いのか弱いのか。全くわからなかったからだ。これだけのスピードと手捌き。一体どんな日常を送れば体得可能なのか。私では想像がつかない。
私とて、強くなる為の努力をしたつもりだ。自分なりにでも、怠けたと思ったことはない。でも目の前の彼は……私のそんな自信を粉々に打ち砕いた。
迷い……
悩み……
私は自分自信の強さを信じきれなかった。
それ故に……
「あ、貴方は一体……その動きといい。貴方本当は強っ……いえ、貴方は何者なんですか? 」
「僕の名は草葉琶 下着。パンツを愛し、パンツだけが僕の人生の全て。だから……この子を……パンツ達を傷つける者を僕は絶対に許さない!! ……この子が教えてくれる。僕は今……」
「な、何を言って」
「君の『全て』を知った」
それ故に私は…………
「覇王……」
「え……ま、待ってください!? その構え!? どうして貴方が……私の……こんな事あるわけが……っ!? 」
「断・空・拳!!! 」
「かはっ!? ……あうっ!? ど、どうし……て……私のわ、わ……ざ……を…………」
好きな物に真っ直ぐのなれる彼に……惹かれた。
to be continued…………
短編・アリすず劇場
第1話《取り乱した親友》
高町なのははある日、昔からの友達から連絡を受けた。通信という形でコールが鳴り響き、その通信に出る。だがそれは……彼女にとっては疑問しかない物だった。
「あれ? すずかちゃんから? どうしたんだろう……あ、もしもし? すずか「下着君はどこ!? 」ひっ!? な、なに……」
「下着君だよ下着君!! そっちにいるんでしょ! なのはちゃん今すぐ下着君を出さないとなのはちゃん所のヴィヴィオちゃんを誘拐して」
「バカ!? 少し落ち着きなさいすずか!? 」
通信の映像でアリサに羽交い締めにされて止められるすずかになのはの目は丸くならざる負えなかった。
見たことのない親友の取り乱したすずか。なのはは終始固まっている。
「ごめんなのは。今この子冷静じゃないからまた今度! 」
「え……ちょっ!? アリサちゃん!? ……切れちゃった……と言うか……下着君って……誰? 」
突然出たその名。
誰とも知らないその名を……
彼女は知ることになる。
自分の最愛の娘、その……初恋という形で…………
to be continued…………