Fate プリズマ☆アンリ   作:雨の日の河童

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第12話

『駄目だな』

「なんでさ」

 

現在の時刻は午後十時。

何故か痛む後頭部と頬を気にしながらアンリと自室にて今後の方針を話し合っていた。そこで俺達は一つの壁にぶつかる。

戦力の不足。

確かにアンリの宝具はまさしく反則級。

だが、それでもカードに宿る英霊には届かなかった。

幾らでも死ねる代わりに決定打を与えることが出来ない。

つまり切り札が少なすぎるのだ。

キャスターを倒せたのは運が良かったからに過ぎない。

セイバーには指一本触れる事さえできなかったのだ。

ならいっそのこと平行世界の記憶を一気に体験すればいいと思ったわけなんだが・・・・。

 

『おいおい、最初に言ったこと忘れたのか?下手したら死ぬって』

アンリは呆れている。だが、その声の中にも微かに怒りが混じっているような気がする。

「仕方ないじゃないか。それに記憶の追体験だって」

『耐えれば問題ないってか?なぁ、士郎。それはいくら何でも舐め過ぎなんじゃないか?あれはお前自身であると同時に全く別の誰かだ。追体験ってのはその誰かの一生を体験するのと同義だ。痛みもある。悲しもある。怒りもある。そして、強烈な後悔も。お前はそれを一気に体験して無事だと思うのか?人の一生がそんなに軽い物だと思うのか?』

「っ」

 

その言葉を聞いて何処か靄が晴れるような気がした。

そうだ、自分はついこの間まで魔術すら知らない高校生だったのだ。

家族を。イリヤを守りたいから力を求めた。

なら、イリヤが悲しむ結果だけは避けなくてはならない。

力を手に入れて俺が俺でなくなってしまっては意味がないのだ。

それに俺だけの命ではない。アンリの命も預かっていることをもっとよく考えなくては。

 

「わるい。少し、・・・いや大分驕っていた。気をつける」

 

 

アンリside

「わるい。少し、・・・いや大分驕っていた。気をつける」

 

 

・・・・・・少し驚いた。

どうせ、『それでもイリヤを守らなきゃ!!』と暴走するかと思ったが。

やっぱり、オレの知っている衛宮士郎とは少し違うみたいで安心した。

誰かを守りたいならまず自分の力量を把握しなくてはいけない。

信念と想いだけじゃ人は救えないのだから。

『よろしい。他者の諫言を聞ける奴は結果的に聞かない奴より大成するもんだ。それでだ』

「?」

『次のカード回収は諦めるぞ』

「はぁ!?」

おお、怒ってる、怒ってる。

「どういう・・・!」

『どうどう。そう、怒るな。説明するから』

「説明?」

『そ、理由だ。いいか?現時点で回収されたカードは五枚で未回収が二枚。残ったクラスは暗殺者と狂戦士。多分この調子なら次イリヤたちが回収に向かうのは暗殺者のカードだろう。で、オレの予想通りだと今回の暗殺者のカードははっきり言って楽勝な相手だ。なにしろ遠距離攻撃を防ぐ術が極端に少ないからな』

「まるで見たことあるみたいな言い草だな」

『もちろん、あるとも。で、だ。明日、一つの記録を完全追体験してもらう。何を見るかは・・・お楽しみってところ』

 

暗殺者ははっきり言って鴨だ。

培われた技術を惜しみなく発揮し、戦を楽しむ武人だからこそあの剣士は強い。

それが出来ないならはっきり言ってオレでも倒せるかもしれない。

そのレベルまで落ちているのだ。なら、問題など全くない。

それより問題は狂戦士だ。

予想、いや絶対だな。

狂戦士のカードに宿る英霊。

あの四日間で嫌でも体感した暴虐の化身。もはや災害と言ってもおかしくないレベル。

タックルされただけで死んでしまうかもしれないレベルの耐久性。

皆さんご存知、ギリシャ神話の大英雄ヘラクレス。

あー、戦いたくねぇ。

 

「・・・・・・わかった。明日、頼むぞアンリ」

『おう!任せとけ』

どうやら冷静に考え自分の中で結論を出したみたいだ。

『んじゃ、そうと決まれば眠ますかね』

 

難しく考えても仕方ないか。後は士郎がどの夢を見るかで決まることだし。

それじゃ、良い夢を~。

 

 

 

そうして二人は眠りにつくのだった。

 




どうも、雨の日の河童です。
現在スランプ中の為書き直したり投稿が遅くなったりします。
亀より遅い更新速度ですが気長に待ってもらえるとありがたいです。
誤字脱字感想お待ちしております

フェイト/グランドオーダー第一部。
最高でした。
久々に心が躍りました。

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