破滅すると分かっていてなおその歩を止めない。
イリヤside
「さ、リターンマッチよ。もう負けは許されないからね」
拳を掌に打ち付け気合を入れる凛さん。
あの魔方陣は厄介だけど今度は作戦たてたしきっと大丈夫だよね?
「行くわよ」
その言葉と同時に境界面へと飛び込んだ。
異物を巻き込んで。
空には変わらず大量の魔法陣が並び此方を見下ろす魔術師の姿が。
「一気に片を付けるわよ」
「二度目の負けは許されませんわ!」
「「了解」」
二人で宙に飛ぶ。
「おお!!」
美遊さんは空気を足場にして跳ねるように空を駆けていた。
あの、「人間、空は、飛べません!!」って言ってた美遊さんが!!
ッピピ
はっ!?
見とれていたら頭上から容赦のない魔力弾が!!
「うっひゃ~!!」
『イリヤさん、このまま魔法陣の上まで飛んでいってください!!そこなら攻撃は届きません!!』
無数の魔力弾を右へ、左へ避けながら進む。
「・・・・!?」
近づかれたことが予想外だったのか魔女は新たな魔法陣を展開。
先程の様に正確な攻撃ではなく乱射してくる。
けど、これならさっきよりも楽に躱せる!!
『距離を保って撃ちまくってください!!』
ルビーの指示のままステッキに魔力を送る。
「中くらいの散弾!」
魔女めがけて撃つも障壁に邪魔されて攻撃は一つも当たらない。
魔女はこちらを見ながら嗤っている。いくらでも、笑っていいよ。美遊さんに気づかなければ!!
美遊side
イリヤスフィールの陽動が上手くいっている。
距離は十分。ここなら!!
「ランサー、
背後からの奇襲。
完璧なタイミングでさっきまで目標はそこに居た。
だというのに
(消えた!?一体何処に?)
「・・・ふふ」
「ッ!」
後ろから妖艶な笑い声が聞こえた。
(後ろを取られた!?)
直ぐに体勢を立て直すべく離脱を試みる。
が、おそかった。魔女は雷撃を纏った一撃をこちらに叩き込む。
雷撃はまるで意思を持つかのように迫り身体を吹き飛ばす。
「美遊さん!!」
「ぐっ」
『申し訳ありません美遊さま。物理保護の強化が間に合わず』
申し訳なさそうに謝るサファイア。
「ッ!」
『美遊さま足を・・・!?』
どくどくと流れる血。
いたい。けどまだやれる。
「このぐらい
殺気を感じ上を見る。
魔女は既にこちらに特大の魔力弾を発射している。
(逃げきれない!!)
意味がないと知りながら痛みをこらえるため、目を固くつむる。
直後凄まじい爆音が響き渡る。
・・・・痛くない?
「ギリギリだったね。美遊さん大丈夫?」
イリヤスフィールが助けてくれた
「問題・・ない。怪我も直ぐ治る。離して、もう大丈夫」
「う、うん」
絶体絶命の時に助けてくれた。
下手をすれば死ぬかも知れなかったというのに。
兄の様に庇ってくれた。
『いやはや参りましたねぇ。流石、神代の魔女っ子といいますか転移魔術まで使えるなんて反則ですよー』
たしかに、反則級だ。でも、
「まだ手はある」
そう断言した瞬間、紅い魔弾がキャスターの肩を喰い破った。
アンリ&士郎side
遡ること五分前。
予め俺の血が付いた場所に出現した。はずだった。
目を開けると別の場所。冬木大橋ではなく近くの民家の屋根にいた。
アンリの姿なので転移に失敗したわけでもなさそうだ。
「アンリ、場所が違うぞ」
予定では橋の真下のはずだった。転移を任せたアンリは茫然としている。
「アンリ?」
『あー、うん。正直に言うわ。・・・早速死んだ』
「は?」
『いや、だから転移した場所で形造ってる最中に消し飛ばされた』
「なっ!?」
予想外すぎる。
出た瞬間殺されたっていうのか。
『そういこと。だから、こうしてある程度離れた場所から出現したんだが…』
あれ、無理じゃね?
アンリが指すあれとはあれだろう。
空には数えるのも馬鹿らしくなるぐらいの魔法陣。
そこから、壊れた蛇口からあふれ出る水の様に飛び交う閃光。
極め付きに、それをやっている本人は空の上。
手持ちの武器は全部近接武器しかない。
『あー、これは詰んだな』
そうまさしく詰んでる。
対抗手段がない。故に出来ることなどない。
「だとしても何か情報を・・・!!」
目を凝らせば魔女と何かが戦っている。
視力を強化。
ナニカ掴めるかと思い魔術で目を強化して、みてしまった。
「・・・イリヤ」
なんか、フリフリの服を着た魔女っ子の姿をしたイリヤが。
『おお、なんか派手な衣装!!あれの感想をどうぞ、お兄ちゃん?』
「なんでさ」
いや、本当に何でさ?
そんなふざけたやり取りをしている内にイリヤが魔女に魔力の球を撃つ。
が、全弾見えない何かで弾かれた。
それに焦ることなくただもくもくと撃ちこみ続けるイリヤ。
魔女はそれをどう感じたのかは知らないが口をゆがめ嗤っていた。
後ろから別の魔法少女が来ているのにも気づかず。
「あの子は・・・」
『お、知り合い?いや、流石だな衛宮の家系』
「どういうことさ」
お気になさらず~。などと言うアンリはいったん置いとくとして。
あの子はイリヤの友達で確か、美遊、だったか。
あの子も魔法少女って・・・・!?
「消えた!?」
意識は完全にイリヤに向いていたにも拘らず魔女は美遊の攻撃を避けた。
空間ごと移動して。
魔女はそのまま雷撃を纏った一撃で少女を吹き飛ばす。
「くそっ!!」
何もできない自分が恨めしい。
なにか、何かないのか?
追体験した記憶を探りに探る。そして、
「あっ」
見つけた。
そうだ、一つだけあるじゃないか。
「投影開始」
思い描くのは弓兵が持っていた黒い洋弓。
「投影開始」
更に、投影するのは右歯歯咬と左歯歯咬。
「材質変化」
歪な短剣はギシギシと形を歪め、歪な矢へと変わる。
『おい、まさかオレに弓兵の真似事させる気か?いや、無理無理!当たる自身ないしそこまで飛ばせ…』
「俺がやる。アンリは『泥』の維持を頼む」
『・・・本気か?』
「当たり前だ。ここまできて、何もしないのなら意味がない」
筋力の強化。
びきりと骨が軋む。
狙いは肩。
どくんと目に負荷がかかる。
ギリギリと洋弓は悲鳴をあげるように引き絞られ
「ッ!」
獣の牙が魔女の肩を喰い破った。
確かな手ごたえと共にそのまま二射目をつがえ放つ。
美遊side
「え?」
何が起きたの?
目の前で肩を抑える魔女。
そして、息つく暇もなく胸に矢が撃ちこまれた。
魔女はそのまま形を保てなくなりカードへと変わる。
「み、美遊さん?」
「ッ!サファイア今のは!?」
『狙撃です。どうやら、ここから数百メートル後ろの民家からのようです』
「と、とにかく、いったん戻ろう!!」
「・・・わかった。あの、さっきはありがとう」
美遊が照れながらお礼を!?
『ほら、イリヤさんいったん戻りますよ~』
「わわ、ルビーいきなり動かないでよ!!」
アンリ&士郎side
「・・・ふぅ」
『おお、すげぇな。今回、俺いらなかった?』
「そうでもない」
一撃目は自分の力で当てたが二撃目はアンリが手伝ってくれたおかげだ。
連射なんて弓道ではしないから若干、狙いがずれていた。
それに気づいてアンリはわざと体勢を崩した。
結果、無事に魔女を倒すことが出来たのだ。
そのまま、民家の屋根を飛び降り冬木大橋まで向かう。
『あーあ。本当はもっと暴れるつもりだったってのに』
「・・・・そういえば、アンリ。痛みって何時俺の体に反映されるんだ?」
一回死んだのだ。
たぶん、あの魔力弾に当たったのだろう。
『うーん、わかんねぇ』
「・・・・おい」
『だって、初めて使った宝具だし』
「・・・はぁ」
まぁ、いいか。
さて、今からイリヤたちの所に・・・・。
『!?シロウ、伏せろ!!』
「ッ!?」
尋常じゃない殺気を感じ地面に伏せ、その上を黒い魔剣が通り過ぎた。
「ッチ!!」
士郎の体の支配権を無理矢理奪い、剣の間合いから逃げ去る。
『アンリ!!』
「無事だぜ。ってそれにしてもついてねぇな」
目の前には黒い剣を携えた騎士。
それもただの騎士じゃない。
「よりにもよって、アーサー王かよ」
「・・・・・・・・」
彼女は衛宮士郎にとっての相棒で、オレにとっての宿敵。
たしかに、一度倒したこともあるがあれはバゼットありきで成しえたこと。
剣の腕では全く相手にされなかった格上も格上。
だというのに、
「ああ、まったくもって、嬉しくてたまんないなぁ!!」
「ッ!」
愛用の短剣で挨拶を一回。
そのまま、大きく後ろに下がり息を整えた。
さぁ、聖杯戦争を続けよう。
はい、次回セイバー戦です。
アンリが頑張って戦うと思うので応援してください。
誤字脱字感想お待ちしています。
また、アドバイスなども待っています